音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
最近聴いている音楽 vol.74〜ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲・自作自演2種
2018-01-28-Sun  CATEGORY: 雑多な話題
ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲が好きなので幾つか記事を書いているが、自作自演の2種類目を(結構前だが)入手したので備忘のために書いておく。





左がようやく中古でgetした1955年Moscow Conservatoryでのライヴ、右は1950年の有名なVictor盤でこれまでよく聴いていたものである。1950年盤はピアノが遠めの録音で音割れがなかったが、1955年盤も同様の距離感ながら音が若干割れ気味のところがある。ガッチリと聴き比べをしていないが演奏はほとんど同じ(第2楽章だけが50秒ほど短くなっている)で、ピアノは1950年の方がわずかにおとなしめ、弦楽器隊(両方ともベートーヴェン弦楽四重奏団)は1950年の方に軍配が上がりそう。結論から言うと1950年victor盤のほうがわずかに良い感じだがそれほど違いはなく、ショスタコ自身の解釈を知りたい方はどちらも楽しめると思う。トータルでは以前書いたエドリーナ&ボロディンカルテットの方が録音も良く最高だと思うが、弦はこの自作自演の2種類のほうが良い。


ブログに書くために聴き直そうと思うので、惰性でも続ける意義がある?のかな。
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最近聴いている音楽 vol.73〜DAVID LEWIS / SONGS OF DAVID LEWIS
2018-01-27-Sat  CATEGORY: 雑多な話題
今日は最近感激した1枚を。


SSWはアナログを聴くようなコアな音楽ファンは必ず通る道ではないかと思っているのだが、ギター小僧からリスナーの道を歩き始めた私は、深民淳氏のプログレガイド本の影響でプログレ→フォーク→SSWというややクセのある回り道でこの王道ジャンルにようやく辿り着いた。基本的にUKフォークを好んで聴いており、その中のお気に入りがデヴィッド・ルイス『ソングス・オブ・デヴィッド・ルイス』である。


davidlewis

事の起こりは12月のユニオン渋谷中古センター。例のニック・ドレイク"リバースC"のセールで、このアルバムのオリジナル盤が世紀のレア盤として目玉の筆頭に上げられていたのだ。このレコードはプライヴェートプレスによるプロモ盤しか存在しないらしく、Amazonのレビューでは原盤が数十万以上で取り引きされていたらしい。今回のセールでも(価格は不明だが)即売れしたとのことだ。


そんな話題の盤であったのでyoutubeで試聴してみると(苦笑)これがなんと素晴らしい。すぐにユニオンで検索をかけてCDを捕獲した。ジャケには煙草を片手にあぐらをかいたヒゲ面の中年親父がたたずんでいるが、このときデイヴ・ルイス19歳。年齢と見た目のギャップも衝撃だが、奏でる音楽はもっと衝撃的だった。


とにかく隅から隅まで途方もなくメロディが充満しているのだ。バンドでの演奏は数曲あるものの(残念ながらそのような曲は概して面白くない)、基本的にはピアノかギターの弾き語りが中心。フォークというよりはアコースティックが基調のポップ。ジョン・ボン・ジョヴィのような時折鼻にかけた歌い方と桑田佳祐のような少しハスキーなヴォイスで美しいメロディをこれでもかと歌いまくる。あまりの取っ付きやすさとクセのないアレンジにアメリカンなスワンプ・ロックの雰囲気も感じなくはないが、不可逆的な楽曲進行のそこかしこで聴かれる翳りや憂いはまさしく英国的な雰囲気を醸し出している。人生の酸いも甘いも噛み分けた中年シンガーの震えるような熱唱にしか聴こえないが、重ねて書くように19歳。天才である(日本で言えば原田真二か)。


彼のオフィシャルHPがあり、60代半ばとなった今でもギグを行っているようである。2014年にはニュー・アルバムもリリースし、そこでも変わらぬ美声を聴かせている。この再発盤には日本人が関与したらしく、内容からしていかにも日本人好みという感じがする。


1970年に19歳でこれほどの名盤を世に放ちながら世界に広まることがなかったのは悲劇としか言いようがないが、ミュージシャンという生き様を貫いた男の魂の1枚、機会があれば是非聴いてみて頂きたい。
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SIR LORD BALTIMORE / Kingdome Come (USオリジナル)
2018-01-26-Fri  CATEGORY: アナログレコード
たまにはバキバキの70年代ハードロックが聴きたくなる。


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サー・ロード・バルティモアのファーストアルバム『キングダム・カム』である。1969年、NYで結成されたハードロックバンドで、鈍器を振りかざしたようなゴリゴリかつブリブリの重低音ベースに、ファズの効いたラウドなギター、そしてヴォーカルが叩いてるとは思えない手数多めのドラムのトリオだ。ヴォーカル兼ドラムのジョン・ガーナーはアル中の前科者ががなり声で叫んでるように歌い、ドタドタしたリズムとトリオ編成で少な目の音数をもろともせずに迫力と音圧で攻め切るさまが凄まじい。ツェッペリンやサバスの影響も感じさせつつ、どことなく地下室セッション的なアングラ感も漂う。幽霊船ジャケットからイメージするようなマイナー調の暗さは楽曲自体にはない。お気に入りはB4「Helium Head (I Got A Love)」。動画は貼らないが、youtubeの海にも落ちているので米国アングラ・ハードがお好きな方は是非探してみて頂きたい。


バンド名を冠したセカンドアルバムも素晴らしいが、混沌としたカオス渦巻く台風のような勢いはやはりファーストには敵わない。この2枚を2in1にしたCDが出ている。アマゾンでは不当に高いが、ユニオン等では1000円後半で出るので探す価値はある。あまりに好きで、USオリジナルのアナログも入手した。


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昨年初秋、友人の結婚式が横浜であったときに関内のユニオンで入手。3000円弱で買えてホクホクしながら帰宅した。音はCDのような音ヌケの良さには欠けるが、禍々しいまでの迫力はやはりアナログならではの素晴らしさ!


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(見開きのジャケも邪悪さに溢れる)


…東京で大雪が降ったつい先日、早朝業務があったのでまさかの車出勤をしてしまい(なんてバカ)、1時間かけて雪に埋もれたコインパーキングでタイヤにチェーンを付け、いつもの倍の1時間半もかかってなんとか無事に帰宅した。


ばるちもあ


その車中、このアルバムを大音量で聴きながら雪道で何度もスリップを繰り返し、まさに大海原でさ迷う幽霊船のような蛇行運転を繰り返し、一面真っ白の異世界での冒険のようでとても楽しかったので記事を書いた次第。いくつになってもおバカで向こう見ずなロック気質は直らない。
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Goran Filipec のラフマニノフ&ムソルグスキー
2018-01-25-Thu  CATEGORY: 音盤紹介
一昨年のリスト超絶で注目しているフィリペツの、デビュー盤?と思われるアルバムを購入。


リサイズ済み写真 - 1(11)
(シュリンクを付けたまま開封)


なぜか日本アマゾンではhitせず、ebayでプロパーで買って(3000円弱)届くのに2週間ほど要した。録音は2005・2006年である。曲はラフマニノフのピアノソナタ第2番改訂版とエレジーOp.3-1、それに(まただよ)ムソルグスキーの展覧会の絵である。はっきり言ってこの組み合わせはあまり手が伸びなかったのだが、フィリペツということで兎にも角にも買ってみた(ガヴリリュクの時にも同じことを書いたような)。


ラフマニのソナタ2番、開始1分ですべての勝負は付いた。音が悪過ぎる。残響がほとんどなく、ピアノの真下に録音マイクを貼り付けたかのような、それでいて音の情報の少ないぶっきらぼうな音だ。おまけに低音が出まくっていて音ヌケが悪く、野暮ったいことこの上ない。およそ現代の録音のシロモノとは思えない。よく聴くと残響は聴こえるのだが、これで一応ホールで録音したと記載があるので録音技師は一体どんなセンスをしているのだろう?演奏は勿論技巧が達者で上手いのだが、同じ改訂版で比較すると、テクはガヴリリュク、タラソフ以上(どちらも浜コン)でアムラン未満と言ったところか。リストのノルマの回想の記事でも書いたが、この人は時々「えっ?」と思うような慣習(あるいは楽譜)から外れる解釈を見せるのでドキッとする。この曲でも「そこはタメませんかね、普通」というところでサラッと通過するので肩すかしを喰う。演奏時間は7:41/5/03/5:07で第2楽章が異様に速い。

エレジーも太めのマジックで書いたジャケのゴツい男の太い指が見えるかのような、要するに叙情性とか悲壮感とかが感じられない演奏だ。もっとも、何度も書くようにその責任の多くは音質にありそうだ。あまりに気分を害したので続けざまにソナタをタラソフ→クズミン旧盤と聴いて耳直しをする。


続く展覧会の絵、なんて言うか正直もう勘弁してくれ、というくらいにダメだった。。技巧は(先日聴いた)ガヴリリュクより上には感じるが、歌のセンス、いや、音の繊細さの欠如はもはや怒りを通り越して呆れ果ててしまう。喩えが悪いがイヤホンで聴くと首を締められているような息苦しい音だ。おまけに収録時間は50分ちょっとで、せめて音の絵の抜粋か、(全然関係ないけどロシア繋がりで)バラキエフのイスラメイ辺りを収録してくれなかったものか。しばらく展覧会は避けよう。。


というわけで、極めてガッカリな1枚だった。私と同じ嗜好をお持ちの方は間違いなく買わないほうがいい。もし手を出すにしても、リスト超絶のような名演を期待されぬよう注意されたい。・・・クラシックは同曲異演を楽しむジャンルだと思ってるが、最近は保守的or頑固になってきたのか、どれを聴いても楽しめなくなってきた。定評ある往年の名盤を素直に聴いて行くべきなのか。それとも、しばらくピアノから遠ざかろうか・・・
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Poralis / 光と影 アナログEP
2018-01-24-Wed  CATEGORY: アナログレコード
以前書いたが、私はポラリスが大好きだ。


メンバーは元フィッシュマンズの柏原譲(b)、元Lab LIFeのオオヤユウスケ(Vo.G)、そしてドラムはサックス奏者坂田明の息子、坂田学。2001年、ギターロック隆盛の日本の音楽シーンにあって、ハートビートなBPMでダブポップの柔らかな風を送りこんだ。そのデビューミニアルバムがウサギのジャケの『Polaris』である。

個人的な話題を語らせて頂く。2001年の12月、私は大塚にあるスタジオペンタでバンドのリハーサルをしていた。その時、待合室で流れていたのが前月に発売になったこのアルバムだった。そのフィッシュマンズライクなたゆたうビートと優しい歌声の素晴らしさに驚いた私は、すぐさまスタッフにアーティスト名を尋ねたのだった。収録曲はわずか4曲、しかもうち1曲目はSE的な打ち込み風インストだ。しかしながら、何かが始まりそうな予感が漂うSEを終え、始まる2曲目の「光と影」こそが、私の最も好きなポラリスの曲なのだ。前曲に引き続き、SE的な音響要素も備えつつピアニカの切ない調べに導かれ、DM7とAM7のアルペジオとストロークが繰り返されるシンプルな楽曲だが、フィッシュマンズそのもののベースと、心地良さ極まる確かな技術を感じさせるドラムに、心に淡く灯を点すようなヴォーカル。それこそ何百回聴いたか分からない。3曲目の「Slow Motion」はやはりギターのアルペジオのリフレインで始まるが、手数を増したドラムはねちっこいロールも織り交ぜ、より疾走感のあるキリリと引き締まった楽曲に仕上がっている。ラストの4曲目はなんとキンクリ「I Talk to The Wind(風に吹かれて)」のカバー。驚きの選曲だが、音の隙間とリズムの妙を楽しむアレンジになっており、見事なポラリス色に描いている。

そんな私の心のベストソングTop50に入るであろう「光と影」が、先月末に16年越しのアナログ化を果たし、12インチとして発売された。その時の私の嬉しい驚きをご理解頂けるだろうか。そしてまた、この曲がポラリスファンに愛されているとわかり、尚嬉しい。

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(実際はほぼ真っ白な味気ないジャケの小さいステッカー部分を写している)


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(ラベルも殺風景な白で、なんだか
手抜きプロモ盤みたいだ)



以前紹介した「深呼吸」アナログ7インチは非常に音が悪かったので、こちらは大丈夫かと不安だったのだが、こちらが期待した通りの音質になっており、安心した。彼らの楽曲はほんとうにアナログ向けである。


カップリングはフィッシュマンズ「SEASONS」のカバーでこちらも嬉しい。問題は2曲で2100円という価格だろうか。ともかく、ポラリス好きのアナログファンには是非ともオススメしたい。
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