音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
最近聴いている音楽 vol.70~マーラー・大地の歌「告別」ピアノ編曲版2種
2018-01-21-Sun  CATEGORY: 雑多な話題
先日聴いたルイジ&RCOのマーラー・大地の歌Blu-rayで触発され、珍しくピアノ歌曲を聴いている。

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あれこれ・まあ・のんとろっぽのづかさんの素晴らしいページでピアノ編曲版の新しい3つ星評価として白井光子盤が絶賛紹介されていたので購入。レビューの通り、メチャクチャ巧い。声質も良く、リアルな生の人間味がある上で感情の昂ぶりや慟哭の表現というものが素晴らしい(というか凄まじい)。残念なのがやはりピアノ。出だしのトリルからしてなんだか心許なく、和音もぶっきらぼうで繊細されていない。ピアノが間近の録音のためかやたらとそれが目立つ(クリアな音質で損をしている)。


同様に高評価の平松英子盤。AmazonでもフィジカルCDをなかなか見かけなくなってきたが、今現在ユニオン新宿店に中古で並んでいる。こちらは数年前に買って以来、思い出したように聴きたくなる好盤だが、ピアノはこちらの方が断然巧い(伴奏は野平一郎、流石の演奏)。歌は白井盤の方が生身の人間っぽくて巧いが、平松盤はどこか凛としていて格調の高さ、儚さのようなものも伴っている。トータルでは甲乙つけ難い。


マーラー関連でどうしても欲しいCDがあって10年近く探しているが、一向に出てこない。一度も見かけたことがないので価格がどれくらい付くのかも分からない。クラシックのマイナーレーベル盤は新譜の時点で買わねばダメだと分かっているのだが、なかなか新品プロパーには手が出しづらい(中古が2枚買える)。中古&大量ではなく、新品&質で音楽を聴いてアーティストとレコード会社に貢献しつつネットに情報を上げている方には本当に頭が下がる。


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最近聴いている音楽 vol.69〜バッハ平均率第1巻2種
2018-01-20-Sat  CATEGORY: 雑多な話題
「私たちが習った頃と解釈が全然違う・・・」と嫁が最近嘆いている。



80〜90年代は、バッハを弾くときに身体を揺らして感情を込めて歌うなんてありえないという風潮で教わってきたそうだ。それが今では180度近く違うらしい。私にはよくわからない。日本のピアノ教育も世界に開かれて解釈が変わってきているのだろうか。



憂鬱な朝の通勤はバッハに限る。以前書いたように、10年かかって入手したトッコのバッハ・オルガン編曲集の次もやはりバッハ。iTunesの古いライブラリから未聴の平均率第1巻を2種類発見した。シュタットフェルトポリーニである。


シュタットフェルトが2007年、ポリーニが2008〜9年の録音。発売してすぐに図書館か何かで音源を入手し、ろくに聴きもせずハードディスクにwav形式で埋もれていたものだ(ひょっとしたらユニオンでCDを売ったのかもしれない)。ざっくりと感想を書いてみる。


まずはシュタットフェルト。高身長のイケメン、グールドの再来と華々しくソニーからデビューしたが、ゴルトベルクもその他のバッハも聴いたが私は好きでない。今回の平均率第1巻も、一言で表すなら「鼻持ちならない」演奏だ。水準以上のテクも歌も備え、それをひけらかさない加減も分かっているのだが、「俺ってば分かってるでしょ?」と本音がダダ漏れの底の浅さを感じてしまう。近く指揮者として来日予定のGreilsammerだと、極めて高い知性と深読みを感じさせる超然とした解釈がこちらにスッと入ってくるのだが、シュタットフェルトにはそれがない。巻を通して一貫性の無いテンポ、たまに「こんくらいは余裕です」とメカニカルに見せ付ける残念な色気、ソニーお決まりの不自然な残響と音色、すべてが残念である。申し訳ないが聴き通すのが苦痛だった(言葉がキツめで申し訳ない)。


続いてポリーニ。枯山水のような侘び寂びの境地のバッハを予想したが、案の定昔のウイスキーのCMのように「何も足さない何も引かない」ある意味ストレートな小細工なしのバッハだ。タッチや音色の変化はほとんど感じられず、昔の強靭なメカニックの名残りは一本気に突っ走る曲で時折聴かれるのみ(9番前奏曲など)。しかし、シュタットフェルトの後では意外にその陰影と曇りの少ないバッハが寒空の朝に意外にマッチして、思いのほか気持ちよく聴けた(ちょうど少し前に聴き込んだトッコのバッハと演奏の路線がとても似ていた)。グールドの旧約聖書やフェルナー盤に遠く及ばないのは当然としても、こちらも薄味ストレートなジャレット盤とはまた違った味わいがある(ムストネン盤は実はそれほど楽しめない保守的な私・・・)。ただし、時折聞こえるポリーニの鼻息というか呼吸音がイヤホンで聴くときは気になるし、やはりトータルでは高い位置に付かないが。


kyushimaさんがフェルナーの第2巻を切望して何年も経っているが、今の私は大好きなメルニコフにバッハの平均率かゴルトベルクの録音を切望してしまう。彼なら、この時代のバッハをどう料理するのだろう?そして嫁がその昔習ったバッハの演奏解釈は、きっと今回聴いたポリーニの平均率のようだったのだろうなとふと思うのだった。
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最近聴いている音楽 vol.68〜Alexander Gavrylyuk / ムソルグスキー『展覧会の絵』ほか
2018-01-17-Wed  CATEGORY: 雑多な話題
「雑多な話題」カテゴリは気軽に聞いた盤の感想を適当に書き連ねているだけなのだが、最近重めの話題が多かったので久しぶりに書く。


アレクサンダー・ガヴリリュクの展覧会の絵である。併録はシューマンの子供の情景。

ガヴ



何度も書いているように私はこの曲が苦手で、普段なら手を出さないのだが、ガヴリリュクということもあって仕方なく(?)買って聴いてみた。結論は、やっぱりダメ。演奏はいいと思う。プロムナードの抑揚の付け方や弱音はややあざといが悪くない。小人も終わりの方のキレもある。ビードロの重低音は普通。雛鳥の踊りのトリルのキレはいまひとつ。サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレはちょっとリズムに違和感(私だけ?)。リモージュの市場は前半はまずまずのテンポで終わりは流石と思わせる。カタコンベはしみじみと聴かせる。バーバヤ-ガも特段凄みはない。テクニックのキレはやはり10年ほど前と比べて若干守りに入ったのか落ちてきているような気がする。技巧派なのに音楽性もあるピアニスト」から徐々に後者の方へ移行している時期なんだろうと思う。


シューマンの子どもの情景は他盤と比べてどうこう言えるほど聴き込んでいない上、飛びぬけて良い演奏というわけでもないので感想を書くのは難しい。録音は近接感があり、悪くない。残響時間が短めなので小ホールの最前列で聴いているような感じなので、シューマンのこの曲には合っていると思う。この2曲のカップリングだけというのは内容的にも買って失敗だったか。


今回、私は何度も挿入されるプロムナードが嫌いなのだとわかったのが一番の収穫である(念のため言い訳しておくと、プロムナードそのものが嫌いなのでなく、繰り返し挿入されるその構成がダメ)。耳直し?にティエンポ盤を聴いたが、やはり苦手な曲はこれくらいの技のキレと解釈の違いを見せつけてくれた方が嬉しい。
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絵本とレコードプレーヤーと私
2017-12-18-Mon  CATEGORY: 雑多な話題
私の両親は小学校の教員だったせいか、家には大量の絵本と童話のレコードがあった。


私は物心ついた時から自分でレコードプレーヤー(つい最近まで現役で使用)を操作して物語を聴き、絵本を読んでいた。今思うとその頃から自分の性質というのは何も変わっていない。数百冊はあった絵本は処分されてしまったが、いくつかのレコードは父親が保存していて実家を引き払う時に貰い受けた。そのレコードは今でも十分に鑑賞できる。


東京こどもクラブ


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(余談だが、私は自分の母親が小学校の教員をしている小学校に6年間通うという、世にも稀に不幸な少年だった。北海道の田舎ではそういうことが起きるのだ。母親が同じ学年の担任になることはなかったが、担任の先生が休みのときには代わりにやってきて、クラスメートに冷やかされたり、そりゃもうイヤな思いをしたものだ)


自分に子どもができてから絵本はそれなりに夫婦で読み聞かせをしているが、親ほど凝ってはいないのが情けない(なんだか負けた気がする)。それではイカンと思い、自分が好きだった本を子どもに読ませようと、2年ほど探し続けた本を最近ついに入手した。


ばちっちゃ


バチッチャのふしぎなアフリカ探検 (1976年) ほるぷ出版, 1976/3
エルマンノ・リベンツィ (著),‎ アデルキ・ガッローニ (イラスト),‎ 河島 英昭 (翻訳)

小さい頃、何度も何度も読んだ絵本だ。読みすぎてボロボロになり、「大好きな本だから捨ててくれるな」と父親に言っていたのにも関わらず上述したように捨てられてしまった。それからブックオフや神保町で何度も探したが見つからず、Amazonで何度か出たが、「絵本にこの値段は・・・」という価格が付いており、迷っている間に2度ほど売れてしまった。今回、結局その時の数倍の値段で状態良好のものを購入。。ちなみにアマゾンではこの本に私と同じ感慨をお持ちの方のレビューがある。


というわけで、十数年ぶりに読んだがやはり素晴らしかった。

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今読むと白人の第3世界への憧れと典型的な偏見、あるいは差別的な表現もあるのだけれど、未知の世界への憧憬をかきたてるストーリーと緻密で美しいイラストが素晴らしい。この歳になっても、昔を思い出してワクワクしながら読む事ができた。文章量が多く、漢字も多用されているので5歳の息子にはまだ早いが、いずれ読ませてあげたいと思う。

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シャルル・リシャール-アムランのショパンコンクール2015ライヴ
2017-12-16-Sat  CATEGORY: 雑多な話題
2年前のショパコンで素晴らしい演奏をして以来、ユニオンに安く落ちてこないかなとずっと狙っていたが、見かけたのは1度きりで高くて見送ってしまっていた。仕方ないので海外アマゾンを周遊してようやくイギリスから送料込みで2500円ほど(しかもなぜか新品)で捕獲できた。

R-Hamelin

基本的な演奏の印象は当時書いたものと大筋で変わらないが、録音が驚異的に素晴らしい。やや残響多めだが音の芯がしっかりして中身がよく詰まったピアノの音色になっており、youtubeで視聴して感じていた「力強い音色がやや健康的に過ぎる」印象がすっかり覆された。特に第3楽章は詩情や情感に溢れ、私の基準からするとやや遅め(9:19)だったのが、極めて説得力を持って迫ってくる(最後の和音の絶妙すぎる柔らかさ!!)。4:32で驚嘆した終楽章は映像の鬼気迫るかのような迫力には欠けるが、整った上で緊張感に満ちている(ちなみにこの楽章を私の分類で言えばヤブウォンスキ系のカッチリした演奏)。

CDになったことでyoutubeでの映像よりもミスや粗に耳が行くようになってしまったという若干のマイナス点はあるが、些細な問題だろう。というわけで、ついにバルボーザ以来2つ目のを付けるに相応しい。これを聴くとコンクール前にスタジオ録音していた演奏は、安全運転のつまらなさが目立つ。やはり聴衆のいる生演奏ライヴには奇跡が起きるなと改めて感じた次第。


・・・それにしても、ソナタ3番好きの私には、この素晴らしい演奏を生で聴いた聴衆が心から羨ましい。。
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