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広瀬悦子のシャコンヌ~ピアノ・トランスクリプション集
2007-07-06-Fri  CATEGORY: 音盤紹介



個人的に好みの選曲でトランスクリプション集を出している日本人女性ピアニストということで、聴いてみました。収録曲は愛の喜び、タンホイザー、ます、アヴェ・マリア、魔王、ファウスト・ワルツ、前奏曲、フランク/デームスによるフーガと変奏曲、そしてシャコンヌです。ジャケットの写真を見ると、どことなく「J―Classic」路線という感じがしないでもなくて不安を覚えるのですが(失礼)、ライナーを読むとコンクールの入賞歴が結構あり、アルゲリッチも期待している若手とのことなので、期待して聴いてみました。


とりあえずシャコンヌから聴いてみました(邪道)。ペダル使いまくりでタッチがベタベタしていて、音楽が停滞していて、デュナーミクがのっぺりとしていて音色のパレットも少ないです。大味で締まりのない録音なのもマイナス。例えば第Ⅰ部前半のオクターブで鍵盤を駆けめぐる変奏も、アルゲリッチに賞賛されているからにはもっと覇気が欲しい所ですし、その後のDminorの和音で始まって激しく下降していく変奏もタメがあって微妙。両手ユニゾン急速部分も滑らかかつスピード感はありますが、思い切りに欠ける感じがあります。アルゲリッチ的な奔放さを見せて欲しかったかな・・・と思っていたら、例のクライマックスのアルペジオは、音量が小さいものの、テンポがかなり速くて健闘しています。欲を言えば、さらにその後半でもう少したたみ掛けて欲しかったところ。和音を連ねるアルペジオ部分もモッサリしていて惜しい。録音のせいか、細部が少々おざなりで団子気味な気もします。第Ⅰ部のエンディング部分は勿体つけすぎでイライラします。第Ⅱ部は語り口がなかなか良いのですが、変奏と変奏の合間に科(しな)を作るきらいがあって、もっと自然体で弾いてほしかった。終わり直前の3音ずつ駆け上がっていく箇所ももっとスピード感が欲しいところ。というわけで、辛口になってしまいましたがちょっと残念な出来でした。


他の収録曲では、グノー/リストのファウスト・ワルツが耳を引きました。この曲は2003年の浜松国際ピアノコンクールにおけるダヴィッド・フレイの演奏が印象に残っていますが(それと比べると上品で優等生的な演奏。中間部の緩徐部分はリズムのノリがイマイチですが、歌い方はしっとりとしていて意外に悪くありません(まだまだ聴きこんでいない曲なので、感度が低く、要求度が甘いだけかもしれませんが)。低音がモコモコしていてよく聴き取れませんが、幅広いアルペジオは丁寧に弾いていて好印象。後半のグリッサンドも結構鳴っていて悪くありません(むしろ、ちょっと音が割れ気味?な気もします)。というわけで、楽しめる演奏でした。


なんと言ってもこのCDを聴いてみようかなと思ったのは、私の大好きなフランクの前奏曲、フーガと変奏曲が収録されているからでした。それも、イェルク・デームス編という珍しい(?)版(デームスってこんなこともしてたんですね)。この編曲は初めて聴くので期待しましたが、H・バウアー版と比べてもそんなに違いはない感じ。前奏曲はなかなか味わい深いものがありますが、もう少し旋律の線を保って欲しいというか、テンポが揺れるところがあって気になります。レント部分の出だしは、ffというには少し弱いかな。フーガは中盤のレガートのところが美しくないのが残念。その後の3連符のところがリズムがイマイチしっくり来ません。変奏曲も右手の旋律の浮き立たせ方が微妙で、個人的に満足行かない感じ。最後はヴェデルニコフと同様に主題の再現を右手1オクターヴ上げて弾いてますが、消え入りそうなピアニッシモでここは良かった。やはり好きで楽譜まで持っている曲はかなり細かく聴いてしまいます。この曲は田隈、ヴェデルニコフ、ジューコフ、P・クロスリーなどを所有しているのですが、もっともっと録音されてよい曲だと思います。この中では録音は悪いけれどもヴェデルニコフ盤が(あまり使いたくない言葉ですが)精神的に深いものを感じさせる名演。クロスリー盤もオーソドックスかつじっくりと歌った良い演奏です。ジューコフはフスム城音楽祭ライヴのせいか、ミスが目立ち、田隈盤はちょっとサラサラし過ぎといった感じです。いつか聴き比べも書きたいですね。


というわけで、(3曲分の感想しか書いていないのですが)全体的には悪くないアルバムだと思います。個人的にはフランクの前奏曲、フーガと変奏曲がもっと聴かれていいと思っている曲なので、未聴の方は是非一度聴いてみて欲しいと思います。
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