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The melody at night, with you

音楽好きの世迷い言

カール=アンドレアス・コリーのリスト集

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Karl-Andreas KOLLY(カール=アンドレアス・コリー)というスイス生まれのピアニストによるリスト集を聴きました。1965年生まれということですから、アムランやハフ、バルト、グレムザーなどの技巧派中堅ピアニストたちと同年代ということになります。収録曲はラ・カンパネラ、魔王、愛の夢第3番、ハンガリー狂詩曲第2番、ため息、タランテラ、エステ荘の噴水、メフィスト・ワルツ第1番など有名曲が目白押しです。


感想ですが、「堅実」という言葉を絵に描いたような演奏。全体的にタッチが柔らかめで、リストらしい輝きのある音色に欠けます。歌い方はまずまずなのですが、どの曲もテンポが遅めでスピード感に乏しく、誰もがリストの曲に期待するであろう華やかさというか、ヴィルトゥオジティからはかなり遠いところにあります。ラ・カンパネラは躍動感に乏しく、ノリがよくありません。ハンガリー狂詩曲もラプソディックな印象が薄く、さらにラッサンはともかくとしてフリスカの部分はクズミンやアムラン、ヴォロドス盤に聴きなれていると急速部分での指回りには不満を覚えます(無理をせずに己を知っているという意味では好感が持てますが)。ちなみにカデンツァはありません。トリを飾るメフィスト・ワルツもたたみかけるような迫力が無くてイマイチ。クライマックス部分はそこそこテンポも速めですが、録音のせいか音型がモゴモゴしていています。後半の跳躍部分は相当遅めのテンポでしっかりとした打鍵を意識しているようです。余談ですが、メフィスト・ワルツ第1番はキーシン盤の端正で細部まで整った技巧がキレまくりの演奏が好きです。


というわけで、あまりしっくりとはきませんでした。ただ、目も暗むようなテクニックを期待する向きには合わないかもしれませんが、愛の夢やコンソレーション第3番など緩徐系の曲での語り口にはなかなか良いものもあります。特に、コンソレーションでの針の先でつついたような繊細なタッチはこのアルバムで一番の聴き所。音楽性を重視する人には良いアルバムかも。バッハ/ブゾーニのシャコンヌなどのCDも出ているようです。
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