音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
ピョートル・アンデルジェフスキのベートーヴェン・ピアノ協奏曲第1番ほか
2008-04-07-Mon  CATEGORY: 音盤紹介
比較的最近に出た新譜をご紹介。現役のピアニストの中では僕の最も好きなピアニストの1人であるピョートル・アンデルジェフスキによるベートーヴェンです。収録曲は6つのバガテルOp.126とピアノ協奏曲第1番Op.15です。


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彼の知的でよく練られたアプローチの演奏が大好きで、特にバッハやショパンの作品集は愛聴しております。ベートーヴェンは彼がコンクールで一躍有名になる契機となったディアベリ変奏曲、それにソナタ第31番を出してますが、どちらも傾聴に値する演奏だと思います。ちなみに個人的に一番好きなのはハルモニア・ムンディから出たバッハ集です。演奏も録音も素晴らしい。


さて、このアルバムですが、彼らしい瑞々しく潤いのあるタッチで幾分感傷的に弾き進められていくものの、ベートーヴェンらしいリズムの推進力は失われておらずかなり良い演奏なのではないかと思います。6つのバガテルは急激なfpの交替もメリハリがついていて実にシャープ。細筆で細部までビシッと楷書で書かれた印象です。バガテルは殆ど聴かないのですが、十分に良い演奏だと思います。フォルテでガツンと鳴らしてくれるところは「ベートーヴェンをわかってる」という感じ(勿論、個人的な好みですが)。


コンチェルト1番は彼の弾き振りで、オケはブレーメン室内交響楽団(余談ですが、彼はモーツァルトの協奏曲も弾き振りしてます)。これも普段あまり聴かないので曲に対する感度も低いのですが、局所的な美しさと全体の調和が取れている感じがいい。部分部分は接ぎ木細工のように美しさを保ちつつも、全体としても上手くまとまっているという彼らしい演奏だと思います。ここでもデュナーミクにメリハリが付いていて溜飲が下がります。第1楽章の長いカデンツァも意外に力強い。ただ、ちょっとオケは音色にふくらみというか艶がなくて物足りないかも・・・音量を上げて聴くとぎすぎすした感じがあります。


録音ですが、(協奏曲としては普通なのかもしれませんが)音像が遠めで残響音がまとわりついており、多少ボヤけ気味かもしれません。コンサートホールで聴いているような感じと言ったらよいでしょうか。CDでピアノを聴く時はもっとデッドで明晰な感じが好きなのでそこは少し残念。


というわけで、大のお気に入りのピアニストなので多少ひいき目もありますが、掛け値なしに良い演奏だと思います。やはり彼にはバッハやベートーヴェンが合いそうです。シューマンやシューベルトにも手を出して欲しいかな。逆にリストとかラフマニノフは弾いている姿さえ想像しづらいかも(笑)
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