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マルク=アンドレ・アムラン イン・ア・ステイト・オヴ・ジャズ
2008-04-02-Wed  CATEGORY: 音盤紹介
随分と間が開いてしまいました(汗)久々の更新はアムランの新譜です。


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マルク=アンドレ・アムランは非常に好きなピアニストで、彼のCDはほぼ揃えていると思います。しかも今回のアルバムはクラシックとジャズの融合をテーマにした作品を収録しており、ジャズも聴く僕としては待ちに待った作品。曲はグルダのエクササイズが3曲、カプースチンの名曲ソナタ第2番、あのワイセンベルクのジャズ・ソナタ、6つの歌曲のアレンジ、そしてジョージ・アンタイルのジャズ・ソナタとてんこ盛りになっております(収録順は上記と多少違っております)。


グルダのエクササイズはどれも小品でわかりやすく洒落たピース。前奏曲とフーガは非常に滑らかかつピアニスティック。前奏曲は同一フレーズの反復が続きますが微妙にタッチで音色を変えており、鮮やかの一言。フーガで一転して思い切りジャズ調になりますが、多声の処理がこれまた鮮やかでリズム感も抜群。アンコール向けの一品かもしれません。


さて、やはり気になるのはカプースチンのソナタ第2番。この曲の第1楽章は、数あるピアノソナタの中でも最も魅力的な第1楽章のひとつではないかと個人的に思っております。聴いてみた感想ですが、ああ、やっぱりアムランはメチャクチャ上手いけれど、カプースチンは真に偉大だった、ということでしょうか。

僕が所有しているこの曲の録音は自作自演とペトロフのライヴ盤の2種(最近ナクソスから出たそうですが未聴)で、特に自作自演の方はドライタッチでバキバキ弾き進める様があまりに痛快でそれこそ何百回も聴きまくっておりました。それと比べるとやはりアムランの演奏は潤いがあって洗練されているものの、悪く言えばちょっと大人しくて優等生的な感じがします。ただ、アムランのリズム感の良さは特筆すべきで、(自分はジャズを習っているせいか感じるのですが)弱拍を意識したビートの乗せ方が本当に上手だと思います。これはフズム音楽祭ライヴでのニャターリや、以前のカプースチン・アルバム、シチェドリンのピアノ協奏曲第2番などを聴いても感じたことです。メカニカルな面では人間の限界に達していると思われる彼らしく、怒涛のフレーズが続く終楽章でも余裕を感じます・・・よくもまあこんなに鮮やかに弾けるものです。



続いてワイセンベルクのソナタ(そう言えば今彼はどこで何をしているのでしょうか)。曲の方は正直よくわかりませんでした。ジャズと言えばジャズですが、リズム的にあまりジャズの書法になってないのか単にアムランの演奏が悪いのか、取っ付きにくいです。カプースチンのソナタ第2番第3楽章でも感じましたが、この手の曲の緩徐楽章ではアムランの音楽性にやや難ありというか、モタモタしているだけであまり心に響いてこないという部分も見られて少々残念。それでも最後はなかなか盛り上がりがあって良いかも。『シャルル・トレネによって歌われた6つの歌曲のアレンジ』という6曲は、わかりやすい主題と不思議な和声がいい味を出しており面白いです。ソナタより全然いい。


トリはジョージ・アンタイルのジャズ・ソナタ。これは以前来日したときにアンコールで弾いていましたが、アムランらしくなく(?)多少のミスはもろともせずに爆走した凄い演奏だったので是非録音して欲しかったもの。ところが残念なことに、この録音はライヴの時ほどの勢いは無く、多少安全運転しているのが残念。でもまあ面白い曲には違いありませんが。


さて、録音について一言。ハイペリオンは独特の潤いに満ちた音質が結構好きなのですが、このアルバムでは高音部の音色が霧がかっていて明晰さを欠く感じで、ちょっと惜しい(ピアノの方の問題かも)。それとも僕の耳がおかしいのかな。


ともあれ、カプースチン好きの方は買って損はないと思います。カプースチンのソナタ2番は自作自演の刷り込みが強いので、アムランの流麗な演奏に慣れるにはまだ時間がかかりそうですが。


※追記:
あらためてカプースチンによる自作自演を聴いてみたのですが、今度はドライすぎるタッチが重く野暮ったく感じられて、違和感を感じてしまいました(汗)人間の感覚というのはなんともいい加減なもので・・・今ではアムランの弾く第3楽章も、jazzバーで聴きたいような優雅さがあるなんて思ってみたり。まあどちらとも相補的にスタンダードとなる素晴らしい演奏だと思います。最初に聴くならアムラン盤をお薦めします。

それと今回の音質について、「高音部が霧がかっている感じ」と書きましたが、ヘッドフォンで聴いたところ高音部だけがやけに持ち上げられているように感じます(そのせいで音が若干割れ気味な感じというか、単に耳障りに聴こえる)。低~中音域は美しく響いているだけに、この妙に強調されたサウンドは返す返すも残念。出来れば以前のカプースチン・アルバムのような音で録って欲しかった(あれは本当に素晴らしい音だと思います)。
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