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The melody at night, with you

音楽好きの世迷い言

フレイレとヘイキョンのラフ3

オドロキの録音が出ていた。

N. フレイレ /D. ジンマン/ ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 / original / 1979年
フレイレの若い頃の録音が出て来るとは思わなかった。私の知る限り、1980年代後半にこの曲を演奏しているという情報はあったが、まさかもっと古く、技巧的に脂ののった時期の録音が正規発売されるとは予想外に嬉しい出来事である。ともかく聴いてみた。録音は時代相応に古い。出だしのテーマが終わった途端に思い切り快速で飛ばし始めるのは、いかにもこの時代の解釈という感じがする。ライヴ録音だがミスも少なく、ややタッチは荒いが彼のテクニックの高さがうかがえる。展開部もかなりの迫力。カデンツァはオリジナルなのが残念だが、元気の良さは彼の盟友アルゲリッチの演奏を思い起こさせる。第2楽章も熱量を保った佳演。ただし、この楽章に限らずオーディエンスノイズは目立つのが残念。第3楽章にアタッカで行くところの最後の上昇音型は派手にミスっている。冒頭の同音連打は粗っぽいがかなりの速さで、ほぼそのまま駆け抜けていく(グルーヴ感というか男気を感じる)。演奏時間は15:34、10:36、13:50で、終わりの拍手を除くと終楽章は13:20、全体で40分を切る速さ。ライヴゆえ全体的に雑な感じなのは致し方ないが、熱っぽさや迫力は十分。ただし、アルゲリッチ盤ほどではない。☆3つ。

スー・ヘイキョン/ A. ドミトリーエフ / サンクトペテルブルク交響楽団 /original /2017年
知らないピアニストの、スタジオ録音である。ジャケットと演奏時間からはあまり期待できなかったが、聴いてみると案の定だった。とにかく遅い。記録的ではないが、技巧的な事情によるテンポの遅さは私の許容範囲を超えている上に、不安定かつ力強さに欠けるタッチ、和音での音の濁り、迫力不足はいかんともしがたい。しかしなんと驚くべきことにカデンツァはossiaである。どこをとっても安全運転で、和音部分もなんとも頼りない感じだ。第2楽章など遅い語り口がなんというかショパンを思わせ、終楽章のキレの無さも別な曲のごとき印象さえ受ける。戦後・冷戦時代ならともかく、技巧派による名演数多の現代にあって、なぜこのような録音が新規で発売されたのか理解に苦しむ。。演奏時間は17:59、10:42、15:03で、時間だけを見てみれば第1楽章はそこまで遅くはなかったが、終楽章はやはりチェルカスキー、ボレット、ワイセンベルク(&バーンスタイン)、K.W.パイク盤らに次ぐ、手持ちでワースト10に入りそうな遅さである。ベテランの韓国人女流ピアニストのようだが、言葉は悪いが記念受験ならぬ「記念録音」という感じ。というわけで、☆2つ。
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