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人生最高の映画とショパン・コンクール
2018-08-17-Fri  CATEGORY: 雑多な話題
私は色々と凝り性なのだが、異なった分野で好きな対象同士が思いがけずクロスオーバーすることがあると、普段の何倍も興奮する。




レーザーディスクの話である。




クロード・ルルーシュ監督、ジャン・ポール・ベルモンド主演『レ・ミゼラブル~輝く光の中で~』という1995年のフランス映画が、長いこと我が人生最高の映画であった。初めて見たのは高校生の時、今は廃れたビデオテープ(VHS)を映画好きの母親が借りてきたのだ。ヴィクトル・ユーゴーの同名小説をモチーフとして20世紀の時代設定にリメイクしたこの映画の内容は他に譲るが、3時間という長さを感じさせない人間模様の壮麗な物語に、何度も何度も繰り返し観た覚えがある。


私が調べた限り、残念ながら日本語字幕付きはBlu-ray化どころかDVD化すらされておらず(仏版はされている)、VHSとLDのみという状況が続いている。この映画を最後に観たのは2000年代初めに板橋区成増に住んでいた時だ。東上線の方の商店街に個人営業のレンタルビデオ屋があり、マニアックな映画がVHSで大量に揃っていた。相当な映画マニアと思われる店長がオススメの古い名作映画をランキング付けで紹介していて、片っぱしから借りて観ていた。今でも覚えているのは、ベタな作品ばかりで恐縮だが『探偵スル―ス』、『小さな恋のメロディ』(確かこれは2位だった)、『時計仕掛けのオレンジ』、『日の名残り』(勿論、映画の方を先に観た)、『汚れた血』辺りで、なんとなく70~80年代の英仏映画が多かった気がする。ビデオテープが消えたのと同じように、15年以上前にこのビデオ屋もなくなってしまった。それ以来、この映画を観ることはできなくなっていた。



レーザーディスクの話だった。



久しぶりにAmazonで検索をかけたら、この映画の日本語字幕付きLDの出品がヒットした。4000円と「マイベスト映画」に出せる額としてそこまで高くはない。以前ラフォレのLDのところで書いたようにLDプレーヤーは所有していなかったが、ひとまずソフトを買ってみた。次にどうやって視聴するかだが、LDをダビングしてくれる業者は街やネットでもあまり見つからないし、だいいち料金がべらぼうに高い。そこで、いい加減この機会に買ってしまおうとハードオフで思い切って購入することにした。Amazonだと不良品の時の返品が手間だが、店舗で買えば保証も付くし、そのうえ車で買いに行ったので送料もかからない。店に数台あったLDプレーヤーのうち、一番安いものを選んで買った。事前にアマゾンと価格を比較したが、どちらも8000円ほどだった。

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(サイズ比較のためにそこらにあったCDも載せてみた)

左はやはりLDで、同じく未だBD化・DVD化されていないクレーメル&ガヴリーロフによるショスタコのVnソナタ。このコンビの演奏はVictor盤も捨てがたいが、やはり映像付きは格別だ(LDでしか手に入らないというのはなんともポイントが高い気がする)。LDデッキを家のBDプレーヤーに繋ぎ、ムダに最高画質でダビングした。LDの映像はフィルムがよじれたりかすれたりしてるかのような、要するにビデオと同じクオリティなのだが、VHSのようにテープが伸びて音のピッチが狂ったりしないのが良い。ただし、「こんなものどこに置くのよ!」という嫁の叫びに耐える必要があった。

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(見た目はCDのような銀盤だがレコードと同じサイズで厚みもあるため迫力がある)

そんなわけで、十数年ぶりに「マイベスト」だった映画を3時間かけて観直したわけだが、私も齢を重ねて捻くれてきたせいか、学生時代ほどの感銘は受けなかった。それでも十指には入るだろう(ここ数年忙しかったので子どものアニメ映画以外で映画を本気で観たのは久々だった)。ちなみに他に思いつくお気に入りは『善き人のためのソナタ』だろうか(やっぱりどこかに音楽が絡んでしまう笑)。



音楽のブログだった。



この作品を久しぶりに観てとあることに気が付いた。冒頭のキャスティング紹介字幕の中に「Erik Berchot」という名を見つけたのだ。途端に頭を働かせて記憶をたどったが、私の知っているこの人名にはピアニストしかいない。


果たして注意して観ていると、ピアノだけをバリバリ弾きまくる俳優が、ほんの短い時間だが何度か出てくる。それも、端役と呼ぶにはあまりに印象的に登場するのだ。おまけに「フリ」ではなく、どうやら本当にピアノを弾いているようだ。ネタバレを防ぐために最小限の情報にとどめると、スヴェトラーノフのコンチェルトみたいな、B級ド真ん中(失礼)のドロドロした大げさな感じの悲劇的ロマンなピアノ協奏曲で面白い。ガンガン弾く場面はかなりクローズアップされている。そしてそのピアノを弾いている俳優は、ショパンのソナタ第2番聴き比べの2013/2/14の追記で話題にしていた、確かにエリック・ベルショだったのだ。

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(レコード棚から5年半ぶりに奇跡の発掘)

彼の名を知っている人は、相当なショパン・コンクール・ファンだろう。1980年、ダン・タイ・ソンが優勝したコンクールでベルショは第6位だった。

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(まさかのサイン?付きだった)

このレコードは今フランスAmazonで売られている1990年録音と思われるCDとは別音源のようだ。以前、御茶ノ水のユニオンで見かけたのとジャケが違う気がするが…ちなみに、Discogsでも調べてみたが、やはり情報が薄かった。しかし、調べれば色々出てくる。映画音楽の作曲家、フランシス・レイやミシェル・ルグランの曲のピアノ版?を近年録音しているようだし、日米仏アマゾンではショパンモノが2種ほど引っかかるし、さらにヤフオクではなんと邦盤のみと思われる「ピアノ・エレガンス」というシリーズ??CDが売りに出ている(vol.1はともかくvol.3は収録曲がちょっとアレだが…)。どうやら日本とそこそこ縁があるらしく、ネットで検索するとけっこう情報がある。

今年還暦の彼は、Facebookのアカウントを持ち、まだまだ現役で活動しているようである。御大シャルル・アズナヴール94歳奇跡の来日の記事をシェアしているので、彼も9月に同行して来日するのかもしれない。『レ・ミゼラブル』でバリバリ弾きまくっているあのコンチェルトの録音が欲しいが、どうやらなさそうだ(F・レイやM・ルグランがあのような曲を書かないだろうから、ひょっとしたらベルショの筆によるもの?ご存じの方がいらっしゃったらぜひ教えてほしい)。

ともかく、「十数年ぶりに昔の彼女に会ったらやっぱり美人だったけど、まあ嫁を選んだのもあながち間違いではなかったかな」と思いつつ、この間の自分の音楽遍歴によって今回の発見に至ったことを考えると、「やっぱり人生には不思議な縁がある」と感じた(何を言ってるんだ)。オタクはどこまでもオタク、ということで。



夜中にショパンのソナタ2番などかけると家人が怒り出すので、このレコードを5年半ぶりに聴き直すのはもう少し後になりそうである。
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