FC2ブログ
音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
スポンサーサイト
-----------  CATEGORY: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ページトップへ
ウカシュ・ヴォンドラチェック ピアノ・リサイタル
2018-05-19-Sat  CATEGORY: 雑多な話題
新年度になって忙しいポジションになってしまい、なかなか更新ができない。


それでも前職の6割程度の仕事量なのだが、自分でやりたいことも優先してやっているため、ブログが後回しになってしまった。それでも懲りずに来て下さる読者の方に感謝したい。


さて、今日は(市販されている)ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番の現時点マイベストである、ウカシュ・ヴォンドラチェック(読み方は公演ページに従った)のピアノ・リサイタルの模様を簡単に書きたい。5月10日(木)、場所は武蔵野文化会館小ホール。

曲目は、ブラームスのピアノソナタ第3番、シューマンのアラベスク、謝肉祭という激シブ&普段あまり聴かない曲ということで、彼でなければ絶対に行かないのだがエリザベートコンクールの覇者を呼んでおいて1800円という驚愕の価格なら行かない理由などない。


余談だが、主催の武蔵野文化事業団は、大変ユニークなチラシを作るということでネットでは有名である。次などは傑作であろう。

borero.jpg

ジュスマルダホスさんがFBで話題にされていて、大爆笑したのを覚えている。


こちらは昨年の夏に見に行った公演。


siruve.jpg


まさかのシルヴェストロフ初来日、恐るべき自作自演であった。ピアニストのアレクセイ・リュビモフは現代曲で有名な人で、テクでは目立たない人だと思っていたのだが、ピアノの音色の操る技術というか音量操作に卓越しており、実に繊細な演奏をするピアニストであった。テープ演奏の曲や、冒頭に演奏された日本人作曲家からシルヴェストロフに献呈された室内楽曲も素晴らしく、大変楽しめた。・・・それにしてもチラシの煽り文句がこれまた素晴らしい。「関係者一同の「必死の奔走」により実現」「あのギドン・クレーメルが企画&オファーした80歳記念公演を“固辞”し武蔵野へ!!」「予約を!一秒でも早く予約を!」・・・速攻で予約してしまった(すぐに完売した模様)。才能があるとは、こういう文章が書ける人のことを言うのだ。


そして、ヴォンドラチェックのチラシがこちら。日本初リサイタルということである。

lukas1.jpg

チケット発売になるその瞬間を待ち構えてネットで購入、なんと人生初最前列get!であった(当然アッという間に完売)。事前の予告ではモーツァルトのピアノソナタ&ブラームスの4つの小品だったのが、ブラームスのピアノソナタ第3番に変更になり、これはモツが苦手な私はウェルカム。


さてさて、ヴォンドラチェック登場。太って見事な体躯にひげを生やしており、貫禄十分。聴く前はやや王道を外した選曲に「ひょっとして手抜きかレコーディングの練習か?」と一抹の不安を覚えたのだが、さにあらず。私のピアノコンサート体験史上最高レベルの素晴らしい演奏だった。ブラームスのソナタ第3番はメリハリが非常についていて、力強さと柔らかさのバランスが絶妙。和音がメチャクチャ良く鳴り切っていて、しかも美しい。繊細なタッチにも事欠かず、、スケールが大きい(≒大げさ)というのとは違って歌い方も自然で作為がない。ミスは全くと言っていいほどない。

休憩の後のシューマンのアラベスク。これも素晴らしい。静と動の対比がここでも強調され、花屋の店先で大道芸人が踊りながら超精巧な彫刻を悠然と製作しているような、あ然とする演奏だ。冒頭の和音がやや潰れた感はあったが、それ以外は1音のミスもない。ラフ3の演奏でも感じたが、どうやら彼は和音連打やオクターヴが得意らしく、ショックアブソーバーの付いているかのような手首の柔らかさで、凄まじい速度で連打を繰り返すさまはもはや異次元から来た宇宙人である。

それが全開になったのがシューマンの謝肉祭で、これほどまでにカラフルで鮮やかで、それでいて細部まで張り詰めた緊張感を失わないのは、もはや完璧としか言いようがない。和音の瞬間ワープ移動で全くミスがないのは当然だし、過去のどの演奏よりも猛烈なスピードで弾き進められるさまは、明らかにモーツァルト目当てでいらっしゃったと思われるご年配のお客様の度肝を抜くのに十分であった(卒倒する方がいないか心配になったほどだ)。


ブラヴォ連発、繰り返されるカーテンコール。何度も深々とお辞儀をしたあとに彼が弾いたアンコールはなんとシューベルトのピアノソナタ第21番第2楽章丸々と、スメタナのチェコ舞曲よりスコチナー第10番。前者は非常にしんみりとしたいい演奏だが、他の曲に比べるとややその音楽を持て余している感があり、ヴォロドスの出来の悪い演奏の「暑苦しさ」みたいなものが少し垣間見れてしまったのが惜しい(技巧の高さも相まって、演奏の傾向はヴォロドスに似ている気がする。尤も、彼と違ってヴォンドラチェックはゲテモノ的な悪趣味感は一切出さないが)。後者は初めて聴いた曲だが、お得意の和音・同音連打が頻出するアンコール向きなピースで、エンディングの爆発するかのような千手観音的場面でも絶対に汚い音を出さないのが凄すぎる。ミスをしないのも天才的なのだが、何より安定感があるというか技巧的に困難な箇所でも当たり前のように音楽がスムーズに流れる。これはライヴでは本当に鮮烈な印象を残すものだ。


終演後にはエリザベートの例のCDを買った客対象にサイン会があったのだが、持っているCDを5000円で買い直すのはちょっと厳しく、友人と共に諦めてしまった。毎度一緒に行ってくれる友人もかなり楽しんでくれたらしく、とても良かった。


というわけで、ヴォンドラチェック、ホンモノというか、間違いなくヴォロドス・キーシン・ルガンスキー級の超絶技巧の持ち主であり、私がこれまで生で聴いたどのテクニシャンよりも音楽性の面で期待が持てそうである。リストやラフマニノフ、プロコフィエフなどの派手派手な技巧曲を持ってこないところがまたニクい。是非、次回もリサイタルに駆け付けたい。
スポンサーサイト
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
コメント

管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
TB*URL
<< 2018/12 >>
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -


余白 Copyright © 2005 The melody at night, with you. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。