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The melody at night, with you

音楽好きの世迷い言

最近聴いている音楽 vol.73〜DAVID LEWIS / SONGS OF DAVID LEWIS

今日は最近感激した1枚を。


SSWはアナログを聴くようなコアな音楽ファンは必ず通る道ではないかと思っているのだが、ギター小僧からリスナーの道を歩き始めた私は、深民淳氏のプログレガイド本の影響でプログレ→フォーク→SSWというややクセのある回り道でこの王道ジャンルにようやく辿り着いた。基本的にUKフォークを好んで聴いており、その中のお気に入りがデヴィッド・ルイス『ソングス・オブ・デヴィッド・ルイス』である。


davidlewis

事の起こりは12月のユニオン渋谷中古センター。例のニック・ドレイク"リバースC"のセールで、このアルバムのオリジナル盤が世紀のレア盤として目玉の筆頭に上げられていたのだ。このレコードはプライヴェートプレスによるプロモ盤しか存在しないらしく、Amazonのレビューでは原盤が数十万以上で取り引きされていたらしい。今回のセールでも(価格は不明だが)即売れしたとのことだ。


そんな話題の盤であったのでyoutubeで試聴してみると(苦笑)これがなんと素晴らしい。すぐにユニオンで検索をかけてCDを捕獲した。ジャケには煙草を片手にあぐらをかいたヒゲ面の中年親父がたたずんでいるが、このときデイヴ・ルイス19歳。年齢と見た目のギャップも衝撃だが、奏でる音楽はもっと衝撃的だった。


とにかく隅から隅まで途方もなくメロディが充満しているのだ。バンドでの演奏は数曲あるものの(残念ながらそのような曲は概して面白くない)、基本的にはピアノかギターの弾き語りが中心。フォークというよりはアコースティックが基調のポップ。ジョン・ボン・ジョヴィのような時折鼻にかけた歌い方と桑田佳祐のような少しハスキーなヴォイスで美しいメロディをこれでもかと歌いまくる。あまりの取っ付きやすさとクセのないアレンジにアメリカンなスワンプ・ロックの雰囲気も感じなくはないが、不可逆的な楽曲進行のそこかしこで聴かれる翳りや憂いはまさしく英国的な雰囲気を醸し出している。人生の酸いも甘いも噛み分けた中年シンガーの震えるような熱唱にしか聴こえないが、重ねて書くように19歳。天才である(日本で言えば原田真二か)。


彼のオフィシャルHPがあり、60代半ばとなった今でもギグを行っているようである。2014年にはニュー・アルバムもリリースし、そこでも変わらぬ美声を聴かせている。この再発盤には日本人が関与したらしく、内容からしていかにも日本人好みという感じがする。


1970年に19歳でこれほどの名盤を世に放ちながら世界に広まることがなかったのは悲劇としか言いようがないが、ミュージシャンという生き様を貫いた男の魂の1枚、機会があれば是非聴いてみて頂きたい。
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