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Anthony di Bonaventura のChopin&Prokofiev
2018-01-06-Sat  CATEGORY: 音盤紹介
この年始に嫁の実家に帰省し、ディスクユニオン大阪に出かけたところ、アンソニー・ディ・ボナベンチュラ(1929-2012)という聞いたことのないアメリカ人ピアニストが、聞いたことのないレーベルから、ショパンのソナタ第3番とプロコフィエフのソナタ第7番という、これまた聞いたことないカップリングでレコードを出しているのを見つけ、試聴した上で買ってみた。


リサイズ済み写真 - 1(8)


例によってDiscogsにも載っていない盤で、録音は1980年というから51歳の時の演奏のようだ。レコードはコンディション確認のため必ず試聴をするようにしている。その段階で私基準で△×のものは買わないようにしているのだが、そんなフィルターを通過した1枚だ。


まずはショパンのソナタから。非常に生真面目な演奏だ。タッチはそれほど洗練されておらず、ダイナミクスの幅も狭い。野暮ったいはずなのだが、ズッシリとした低音とキラキラと煌めくような高音が目立ついわゆるドンシャリなバランスの音が、長めの残響に乗ると意外に印象良く聴ける。第1楽章、歌い方は良いが、表現能力があるというよりは表現意欲が目立つ感じ。テンポはやや遅めで、この指回りの印象からすると第2楽章などは心配に思ったがなかなかのテンポでキッチリ弾いていた。第3楽章はさすがに音色の少なさが目立つのでやや重いが、ペダルを効果的に用いており、それほど印象は悪くならない。終楽章、試聴したときにスマホで計測(笑)した通り弾き終わりが4:57と私基準の5分切りで、これがどこまでもインテンポで律儀に弾き通すのだ。硬めのタッチでバキバキと、左手も誤摩化さずに弾いているのが心地良い。録音のせいなのか、ちょっと歌で物足りなさはあるのが惜しい。評価はひとまずとする。


続いてプロコのソナタ第7番。この曲を聴くのは久しぶりな気がするが、第1楽章出だしから遅い。打鍵がゴツゴツしていて聴きづらい。ドロドロと不気味というよりは、朴訥とした感じ。第2楽章はやはり音色の変化がないのが痛いが、まったりしていて悪くない。終楽章はショパンのソナタ終楽章同様にインテンポでガッチリ弾いていて好印象。弾き終わりは3:35で標準的なテンポだが、最後の難所の跳躍も間が開くことがなく突き進み、素晴らしい。


というわけで、2曲とも誠実かつ生真面目に弾いており、録音が好悪ある感じだが両曲とも楽しめた。それにしても、終楽章が良いと「終わりよければ全て良し」という感じになる。私の人生もこうありたいのだが。
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