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The melody at night, with you

音楽好きの世迷い言

Sang Mi Chung / Haydn - Medelssohn - Chopin

ショパンのピアノソナタ第3番のところで取り急ぎ評価のみ載せた盤。


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Sang Mi Chungという全然知らなかった韓国人ピアニストだが、例によってショパンのソナタ第3番が含まれており、(最近はそれだけでは買わないが)終楽章が久しぶりに見かける5分切りの4:54というので購入を決意。1999年5月、ニューヨークでの録音である。


収録曲は、ハイドンのピアノソナタ第43番、メンデルスゾーンの無言歌集よりOp.19-1・3、Op.62-1の3曲、ショパンのマズルカOp.41-1、ノクターンOp.32-1、そしてソナタ第3番である。ソナタを保険として、それ以外は微妙にど真ん中を外した選曲にコダワリが感じられるのが私の期待を高めた。


出だしのハイドンの数小節を聴いただけでこれは大当たりだと分かった。指回りが秀逸で軽やかかつ明晰で、残響が不思議にモワッとした録音のせいか、輝くような音色というよりは、どこか夢うつつのようなはかなさと気だるさの中を気にも止めずスイスイ弾き進む、そのギャップが面白い(DemidenkoのConifer盤みたいな音質)。


メンデルスゾーンの無言歌集、これはババヤン盤がお気に入りで、それと比較すると語り口はまずまずか。ここではじっくりと時間をかけて歌うが、3曲で8分ほどで終わってしまうのが惜しい。ショパンのマズルカ、躍動感があるものの、例えばグールドなどのリズム感の一貫性があるタイプでないのだが、自由奔放ではない自制されたアゴーギクに譜読みの深さを感じさせる。余談だがノクターンOp.32-1の最後のほうでは、はてこんな時代が下ったフレーズがあったかとびっくりする。


お待ちかねのソナタ第3番、とにかくテンポが速い。せっかちと思う人がいるに違いないが私としては嬉しい。第1楽章もカッチリとしたタッチで急速部分も安定。第2楽章もかなりの快速で駆け抜ける。2分台前半なので相当に速い。こりゃ第3楽章もサラサラしてるかなと思ったら9分台半ばをかけてじっくり歌ってる。歌のセンスはそれほどではなく、デュナーミクや音色の変化も少なめで、静かに柔らかく奏でる感じで、悪くない。終楽章はヤブウォスキ〜R-アムラン系統のカッチリしたタイプで、胸のすくスピードでタメも入れずにグイグイ進む(終わりの最難所部分の左手がやや不明瞭か)。演奏時間は、8:34、2:17、9:34、4:54で総じて速い。歌のセンスがやや硬いせいかショパンらしい華やかさはそれほど感じられず、幾分惜しいが十分に◎を付けられる。


本人のHPには年齢が書かれていないが、ライナーによると1965年にソウルで生まれ、ジュリアードで学んだということだから、現在の韓国人ピアニスト隆盛時代の先駆けの一人だったのかもしれない。他にもスクリャービンやベートーヴェンのオムニバスなどがディスコグラフィーにあり、見つけたら聴いてみたいと思う(メディア原理主義者としては、なるべくiTunesでは買わないようにしている・・・ACCよりWAVのほうが音質も良いだろうし・・・アーティストには1円も入らないのが申し訳ないが)。


こういう知らないピアニストで大当たり、はレア盤をゲットするのと同じくらい嬉しい。
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