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The melody at night, with you

音楽好きの世迷い言

Kit Armstrong / FRANZ LISZT SYMPHONIC SCENES

予告通り、キット・アームストロングのリスト集。


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これは昨日書いたバッハ&リゲティ集の2年後、2015年の録音である。今度はタワレコから収録曲等を引く。

『キット・アームストロング / リスト:交響的情景』

【曲目】
リスト:
1) 夜の行列 S.513a
2) メフィスト・ワルツ第1番『村の居酒屋での踊り』S.514
3) タッソーの葬送凱旋 S.112-3
4) メフィスト・ワルツ第2番 S.515
5) 栄えよポーランド S.113
6) メフィスト・ワルツ第3番 S.216


・・・正直、メフィストワルツ第1番以外は記憶にない曲なのが情けない。メフィストワルツの2番・3番は確かカツァリスが4番まで弾いていた盤で聴いたはずだが、全然覚えていない。「75点」の前作から期待より不安の方がやや大きくなったが聴いてみた。

予想通り、1曲目は全く親しみの無い曲で、タイトル通りなんとも言えない暗く静かな曲。時折細かいトレモロを挟むが、前半はそんなに派手派手しくない。後半から音数が増えるが、やや音がにごるというか和音がそこまで綺麗に鳴り切っていないのが気になる。曲としては地味で、これをオープニングに持ってくるのはちょっと不思議。演奏としては、モノクロームなタッチで音色の種類が少ないが、格調高い系統の解釈。

唯一耳に馴染んでいるメフィストの1番。全体的に落ち着き過ぎというか、覇気に欠ける。また、ラッサンでもフリスカでも明らかに他盤と違う?弾き方をしている箇所が幾つかあって(譜面を見ながら聴いていないがトレモロの箇所等)、異稿なのか譜読みのミスなのか分からない。歌い方は躍動感に欠けるがまずまず。細かい音型はしっかり弾かれているので、音の並びがよくわかって面白い。例の跳躍部分はあからさまにスローだが、その後の右手が大きく動き回る部分の迫力はスゴかったりと、テクの出し惜しみは感じる。「能ある鷹は爪隠す」系の演奏なのかもしれないが、曲を通した平均を取ると地味に過ぎる。また、手のサイズの問題なのか、1曲目でも感じたように一部の和音があまり美しく響いていないのが気になる(曲の弾き終わりなど)。というわけで、数多の熱演に比べると私としてはかなり物足りない。

3曲目、これも全然記憶にない曲で、地味である。彼の落ち着いたキャラには合っているかもしれない。ここから、曲への親和性がないため、薄い感想になってしまう。4曲目、メフィストの2番も粒立ちがよくプラモデルのパーツが透けて見えるような明晰さのある演奏。しかし、執拗な繰り返しがシューマンのソナタ第3番のようで、聴いていてクドくて飽きる。1番とは似ても似つかないな。。右手の細かいフレーズでの鮮やかさは曲によってはハマると良さそう。5曲目も地味地味過ぎてコメントに困る。6曲目のメフィスト3番も、聴き比べをすると面白そうなんだけど・・・というところだが、極めて精緻なトレモロの連続が鮮やかで、ポテンシャルは感じる。もっと技巧を見せ付けて欲しい。


というわけで、ひと言で述べるならリストの地味な曲を落ち着いた解釈でモノクロームに格調高く、しかし地味に仕上げた(仕上がった)感じ。ゴルトベルクのように驚異的なまでに抑制されたタッチや演奏の自発的な面白みなどには欠ける。地味なリスト集としてはヴォロドスのアルバムが思い浮かぶが、あれは曲は地味だが技巧のレベルの高さと歌い方で楽しめたものの、この盤ではその水準にはない感じ。昨日のバッハ/リゲティ集に引き続き、70点台前半というところか。


1人のピアニストが全ての曲を上手く弾くわけではないのが当然なので、むしろゴルトベルクがかなり掘り出し物だったとするのが正しい評価だったようだ。彼には今後、バッハの平均率やブラームス、シューベルト、ラヴェルあたりが合いそうなので、最高点(ゴルトベルク)は高いものを出していることだし、めげずに注目してみたい。

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音盤紹介 | コメント:2 | トラックバック:0 |
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コメント

キットアームストロングのCDで初めて聞いたのがこれということもありあまり注目していませんでした。ゴルドベルグ、聞いてみようかと思います。紹介ありがとうございます
2017-12-23 Sat 02:09 | URL | 読者 [ 編集 ]
コメントありがとうございます。

ブルーレイなので若干お高く、好き嫌いがはっきり分かれる演奏だとは思いますが、
一聴をお勧めします。
2017-12-23 Sat 09:20 | URL | A太 [ 編集 ]

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