音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
エリザベート王妃国際ピアノコンクール2007~その4
2007-09-01-Sat  CATEGORY: 音盤紹介
このコンクールCD、3枚組なのですがwebで注文すると別にもう1枚『ENCORE』という、コンテスタントの演奏の中からベートーヴェンの演奏だけを集めたものがオマケで(?)付いてくるのです。なかなか面白い試みと言えます。


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1曲目は優勝したヴィニツカヤによるソナタ第13番。惜しいです、非常に惜しい。ベートーヴェンらしいリズムの推進力と躍動感があって、速めのテンポを保ちグイグイ進むところは「わかってる」という感じなのですが、タッチがちょっと強すぎて乱暴に聴こえてしまいます。他のスタジオ録音では同じ解釈でしっとりとした音色を聴かせることが出来るだけに、これは勿体無いです。というか、録音に問題があるのかも。今回の音質はピアノの音が金属的に感じるというか、硬い音色に聴こえます。


2曲目は入賞者のStanislav Khegayというピアニストによる熱情ソナタ。これも悪くないです。ただ、やはり録り直しの聴くスタジオ録音での隙の無い演奏と比べると手は伸びにくいかなという気はします。終楽章エンディングの怒涛の攻めはなかなか見事。


3曲目は第3位のPiemontesiによるソナタ第31番。第1楽章は好演です。タッチが他のコンテスタントと比べると柔らかさがあり、弱音が美しい(それでも録音のせいか高音が硬く響く感じもしますが)。残念なのが第2楽章。ここは力強くフォルテでリズムの推進力を聴かせて欲しいところですが、あくまで優美な路線を狙っています。ちょっと好みと外れます。続く終楽章まで来ると、彼のピアニズムは少しナルシスティックというか、ナヨナヨした感じが強いことがわかります。う~ん、これは期待外れ。でもこのような優美な柔らかい演奏を好む人も多いかもしれません。

最後はソナタ第27番。演奏はまたも第6位のVanbeckevoortです。このCD4枚の通算録音時間を調べてみると、39分ほども彼の演奏が収録されており、第6位としては破格の扱いと言えるでしょう。彼は地元ベルギー出身ということもあるのでしょうが、せめて実況録音CDは出来るだけ良い演奏を選んで欲しいものです(まあ彼の演奏は悪くないのですが)。その第27番、微妙です。まずやはりピアノの音色が気に食わない。硬くて金属的な感じです。叙情的な雰囲気を出そうとしていますが、ダイナミックレンジがあまり大きくないので成功しているとは言いがたいです。でも歌のセンスはまずまず。


というわけで、この4枚に渡るエリザベートコンクールの実況ライヴ、値段(50ユーロ位)を考えると、内容は少々物足りないというところでしょうか。ラフ3マニアやコンクールマニアは買った方がいいかもしれませんけど。特に注目に値するピアニストもいなかったのでちょっと残念です(強いて言えばMangovaですが、年齢を考えると伸びしろはあまりないかも)。
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