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The melody at night, with you

音楽好きの世迷い言

James ToccoのBach=Liszt オルガン編曲集

長年探し続けた盤をついに入手した。

James Tocco /Bach-Lisztオルガン編曲集(DHM)

tocco.jpg

である。

ピアノマニアの方には「まだ持ってなかったの?」と言われそうだが、kyushimaさんが各曲の最高評価に挙げている盤の中で、何故か私にはこれだけがどうしても手に入らなかった。探し続けて10数年、ヤフオクではアラート登録し、ebayや海外Amazonで思い出したように「Tocco Liszt」と打ち込む日々。そんな中、2年ほど前にヤフオクで立て続けに2度売りに出た。おそらくは同一の出品者で、この盤の希少価値を知っている業者かマニアが自作自演で釣り上げを狙って売りに出したのだと思う(あるいは単なる偶然か、キャンセルかもしれないが)。1度目は入札をすっかり忘れており、2度目は終了ギリギリに飲み会の2次会でカラオケで自分の番が来てしまい、酔いもあって歌い終わって気付いて見たらなんと終了していた。アホである。価格は5000円を大きく超えていたような気がする。


そしてつい先々月、ebayでふと検索をかけたら、当盤がhitしてあっけなく即決、送料込みで2500円ほどで買えてしまった。音盤道にはごくごく稀にこのようなことがあるものだ(こんなに上手く行きすぎると近いうちに再発があるのではないかと思ってしまう)。届くまではなんだか信じられなかったけれども、1週間ほどしてイギリスから無事届いた。


長年渇望していた録音だけに期待は高かったが、涙が出るほどの大満足とまではいかないまでも、率直な感想としては85点くらいだろうか。残響多めで録音が硬くて遠く(オルガンを意識してるのかも)、ピアノの音色の密度も薄い感じなのが個人的には残念だが、演奏は流石のテクニックで、BWV543、542共にフーガのスピードが非常にスリリングで素晴らしい。時折タッチがゴズンと無作法に荒いところも無くはないが、難曲だから仕方ないところだろう。奔放なレスチェンコ、今から思うと意外に格調高いブニアティシヴィリ、しっとり系ラ・サールと比べるとストレート系の演奏なのも私には嬉しい。技術的な困難さは微塵も感じさせないのがすごい。


以前、彼のショパンのプレリュード全曲のLPについての記事を書いたが、そこでは無骨な印象を受け、決してテクニシャンだとは思わなかったのでこの巧さは予想外だ。kyushimaさんが書かれている通り、他の曲の演奏も素晴らしく、荘厳で重厚なオルガンを見事にピアノで再現している。542と543の両方を入れた競合盤は少ないので価値は高いだろう。


寒い冬は凛とした冷たい空気の中、バッハを聴きながら静々と自分を励まして出勤するのが日課なのだが、しばらくはこの盤で楽しませてくれそうだ。
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