音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
エリザベート王妃国際ピアノコンクール2007~その2
2007-08-31-Fri  CATEGORY: 音盤紹介
引き続きエリザベートコンクールのライヴCD紹介です。今回は2枚目になります。

収録曲の1曲目はMiguel Galvez-Taroncherというスペインの若手作曲家(1974年生まれ)の『La Luna la Muerte』というオケとピアノの協奏曲。ファイナルの課題曲です。これは第6位のLiebrecht Vanbeckevoortが弾いています。出だしが静かで、途中でガチャガチャピアノがやかましくなって、技巧的なカデンツァを挟み、そしてまた静かに終曲していくという、お手軽現代音楽の見本のような(失礼)曲。長さは12分ほどです。というわけで、曲の良さはあまり良くわかりませんが、ストリーミング映像で観た他のコンテスタントの演奏と比べると迫力と正確さがあってなかなか良いです。


続いてはセミファイナルの課題曲で、Kris Defoortというベルギーの作曲家(1959年生まれ)の『Dedication Ⅵ』という曲。5分ほどのピアノ曲です。ジャズとクラシックのイディオムを学んだ作曲家らしく、なぜかキース・ジャレットに捧げられています。雰囲気としては、フランス人に生まれ変わったスクリャービンが、後期ピアノソナタを現代風に書き直したような曲です。出だしはソナタ5番みたいな上昇音型で、そのあとはソナタ10番みたいなトリルが頻出します。さらにヒステリーを起こしたラヴェルみたいな感じになって、静かに曲が終わります。演奏はなんと入賞者ではなくて、Vadym Kholodenkoというピアニストです。曲が短いこともあり、演奏の良さが判断できませんでした。でも、この演奏が一番良かったんだろうな・・・。


お次は優勝したヴィニツカヤのラヴェルの夜のガスパール。個人的にこの曲はロルティの精緻な演奏と、ティエンポの自由奔放な演奏が好きなんですが、そのどちらにもなりきれていない感じ。悪く言えば中途半端。ミスも結構多いです。タッチに勢いというか、瑞々しさがあるのはよいのですが、同じ女流ならアルゲリッチのようにハジけて弾いて欲しかったかも。


さらにドビュッシーの前奏曲集より4曲を抜粋。第6位のLiebrecht Vanbeckevoortがまた弾いています(どうも最終結果順位と、CDに選ばれた演奏の整合性がよくわかりません)。普段ほとんど聴かない曲ですが、演奏はダイナミックかつ精確なもので、良い演奏だと思います(でも第6位)。


最後は第5位のLim Hyo-Sunによるショパンのソナタ第2番。とっつきにくい現代曲が続いていたところに有名曲が来て、口直しにと期待したのですが・・・これはダメでした。まず冒頭のアルペジオが心もとないのは仕方ないとして、第1主題も覇気がなく、第2楽章に入ってスケルツォのオクターヴ連打などもタメが入る上にかなり安全運転のテンポ。葬送行進曲だけは声高にならず静かに歌う感じで良い雰囲気になっていますが、終楽章のプレストもモッサリしていて気概が足りません。浜コンの方がまだ良い演奏をするピアニストがいたような気がします。なぜこの演奏が選ばれたのか理解できません。


というわけで、2枚目はかなりイマイチでした・・・3枚目を聴くのが少し不安になってきました。今回大会はちょっとコンテスタントのレヴェルが低いのかも(ついでに言うと、録音も音が硬めで潤いにやや欠ける気がします)。
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