音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
最近聴いている音楽 vol.59〜久保田巧のデビュー盤/バッハ・無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2・3番
2017-08-05-Sat  CATEGORY: ヴァイオリンあれこれ
ヴァイオリンはあまり積極的に聴かないが、人並みにバッハの無伴奏は聴いている。


サブカテゴリでかなり昔に5枚ほど簡単なレビューを書いているが、バッハの無伴奏ヴァイオリンで最も好きな演奏の一つを今日はご紹介したい。

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久保田巧さんのバッハ無伴奏ヴァイオリン全集である(写真はパルティータ集のもの。フルート・パルティータのヴァイオリン編も収録されている)。

これは本当に大好きな演奏で、スズキさんの伝説的なサイト『CD試聴記』で見て買って、初めて聴いた時から心をがしっと掴まれた録音だ。演奏はオーソドックスな解釈の極みで、どこまでも丁寧かつ生真面目に弾き込んでおり、私がよく使う比喩としては「祈りの対象となる格調高いバッハ」ではなく、「求道者による祈りそのもののバッハ」という感じである(何だそりゃ)。上述の『CD試聴記』にこれ以上ないレビューが載っているので是非ご覧頂きたい。

さて、スズキさんのサイトには久保田さんのCDデビュー盤にあたる1992年の録音が載っている。これはサイトで販売されていたものらしく、2000年代の半ばにはすでに手に入らなくなってしまった。どうしても欲しかったのだが、ヤフオクでも1万over、ユニオンのセールでも即売れしてしまっていた。ところが久々に検索してみると、なんと同時に2枚も、それも普通の値段で売られていた。喜びいさんで高いが評価の良い出品者の方を買ってみた(もう通販で失敗するのはイヤだったのだ)。

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後年の録音からさかのぼること12年前、33歳前後と思われる時の演奏だが、これも素晴らしい。入手までに10年以上かかってしまったが、その期待を裏切らない演奏だ。確かにスズキさんのレビュー通り後年の録音の方が質は高いのだが、こちらもすでに完成された演奏である。解釈はほとんど変わらず真面目路線で、指回りはこちらの盤の方が(若いせいか)上回る。特にシャコンヌは、後年のものよりも明るく生き生きとしていて、また違った魅力に溢れている。第3番は若干シリアスさの薄れた演奏だがこれも良い。

記憶が確かなら久保田さんのレコードデビューは、秋山鉄氏の「シャコンヌ狂時代」にミュンヘン国際コンクールの時の実況録音盤だと書かれていたような気がするのだが、今はこのページも見られなくなってしまった。以前も書いたが、15年前にネット上でクラシック音楽の豊富な情報を惜しげもなく提供してくれていた老舗サイトは軒並み閉鎖してしまった。それらのサイトに勉強させて頂いた盤を今回ようやく入手出来、嬉しくもちょっと切ない思いがしなくもない。初恋の人に同窓会で出会ったらやっぱり美人で、残念なことに既婚とわかった時の感じだ(今日の私の喩えはイマイチだ。まぁ私は同窓会なぞ行かないタイプなんだけど・・・)。

ところで、バッハの無伴奏ヴァイオリンでまだ私は五嶋みどりさんの全集CDを買っていない。2005年のヴァイオリンソナタ第2番の演奏は、私のあらゆるバッハ体験の中でも最高のものの一つだけに、出来るだけ早く買わねばとは思っているのだが、ハイレゾかSACDでそのうち出るのではないかと疑心暗鬼になって早2年が経つ。いい加減聴きたいのだが、どうしたものか・・・。それと、もう一人の不世出の天才ヒラリー・ハーンもまだバッハの無伴奏ヴァイオリンの全集を録音していない。衝撃のシャコンヌの録音から今年でちょうど20年。ハーンも30代後半となり、脂の乗り切った時期だけに、なんとしても録音を期待したい(年老いてからの時機を逸した録音だけは勘弁して欲しい)。

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