音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
歪んだギターとアナログの相性
2017-06-28-Wed  CATEGORY: 雑多な話題
自分が住んでいる街に古本屋があると嬉しくなる。


ブックオフでなく、頑固ジジイがグラシン紙を丁寧に巻いた本をキレイに並べているような昔ながらの店だと最高だ。買う気もないのに冷やかしで古本の独特の匂いを嗅ぎたくなる。でも勿論、もっといいのは中古レコード屋があることだ。


我が街には一軒だけレコード屋がある。活気に欠ける商店街の端っこで、白髪に白ヒゲの仙人みたいなオヤジが、レコードと共にカビ臭いエアコンに吹かれながらほぼ年中無休で店を開いている。淀んだ小川の溜まりのように在庫の入れ替えが少ないが、それでも思い出して数ヶ月に一度足を運んでしまう。どんなにレコードの回転が悪くても、大量の音盤を前にすると何時間でも過ごすことができる。


この日の収穫はこちら。

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Joe Satriani 『FLYING IN A BLUE DREAM』 (1989)

サトリアーニの3rdアルバム。DG付き、USオリジナル。Discogsでは安く大量に売られているが、そう言えばあまり見かけないなと思い購入。500円であった。おそらく殆ど聴かれていない盤で、インナー付き、ピカピカだった。「Flying in a blue dream」はサトリアーニで一番好きな曲だ。まさに不確かな夢の中を飛んでいくような浮遊感のある甘いメロディとエッジの効いたサウンドでのレガートプレイが絶妙。この歪んだギタートーンにはアナログが似合うだろうと思ったら、予想通りクラシックの室内楽をレコードで聴いているような心地良い音色!この曲のライヴは1997年のG3ライヴのものが最高だと思うが、このオリジナルのスタジオVer.も素晴らしい。

サトリアーニのトーンは、そのレガートなプレイのせいも手伝ってホールズワース(R.I.P.)によく似ている。ただ、(確かこの当時はディストーションにコンパクトエフェクターを使ってるせいか)若干チープな感じがするのが惜しい。彼はテクニカル系ギターインストの先駆者だが、気が付けばもう還暦だ。弟子のスティーヴ・ヴァイよりテクニックでは数段落ちると思うが、計算し尽くされた曲の出来が最高だ。直感的なフレージングが多かったテクニカルギタリスト爆発期の80年代後半にあって、理論を上手くプレイに活かしてると思う。

shoscello

もう1枚はラフマニノフとショスタコーヴィチのチェロソナタという嬉しいカップリング。ヒナステラのピアノソナタ第1番を録音しているアルベルト・ポルトゥヘイスのピアノとギネス・ジョージのチェロ。これが、世界一のショスタコHP、工藤さんのリストに載っていない盤なのだ(こんなことは初めてだ)。チェロもまたアナログと相性が良いし、隠れた名盤かと淡い期待を抱いて買ってみたが、これがガッカリ。そう甘くはなかった。とにかくチェロが力不足で、ピッチが合っていない上に音色も良くない。ピアノはそこそこ聴けただけに、ちょっと惜しかった。カデンツァなどのサイトによると、どうやらこの盤はCD化されているようだ。


というわけで、1勝1敗。きっとまた数ヶ月後に、宝物が落ちていないかと通ってしまうのだ。
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