音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
最近聴いている音楽 vol.46〜ベンジャミン・グロヴナー『Homages』〜
2017-01-30-Mon  CATEGORY: 雑多な話題
ベンジャミン・グロヴナー(Benjamin Grosvenor)の昨年出た比較的新譜。





曲はバッハ=ブゾーニ/シャコンヌ、メンデルスゾーン/前奏曲とフーガ第1番・第5番、フランク/前奏曲、コラールとフーガ、ショパン/舟歌、リスト/ヴェネツィアとナポリ。これもシャコンヌ以外は2回しか聴いていないが、短くサラッと書いてしまう。


勿論、シャコンヌが目当てで買ったのだが、14:06という演奏時間に一抹の不安を覚える(私の基準からするとやや遅い)。それは的中、ひと言で表すなら私と波長が合わない。私はオピッツやレーゼルのように整って格調高い演奏が好みで、ロマンに振れている演奏は苦手なのだが、グローヴナーは残念ながら後者のタイプに分類されそうだ。まず、録音が風呂場系でジャブジャブしてる。鉄製の螺旋階段の上で弾いているピアノを最下部で聴くような感じ(残響で音が濁りまくり)。技巧のキレは文句がないのだが、変奏ごとのテンポの揺れや、急速部分の前後でのロマン派的なタメや見栄の切り方が残念。ラスト直前では一部右手をオクターヴ上げて弾いてる?・・・勿論質は高く、決して悪い演奏ではないのだが、彼のデビュー盤を聴いて大きな期待をしているほうとしては肩透かしかも。少なくとも、比較対象となりそうな同系統のガヴリリュク盤ほどの感銘は受けなかった。というわけで、読者の方で私と同じ嗜好をお持ちの方はこれだけ目当てで買われるのは注意が必要と思われる。


続くメンデルスゾーンの前奏曲とフーガ、恥ずかしながら初めて聴いた。どこかで聴いたような旋律だったりするプレリュードの後を受け、フーガでカッチリ引き締めていて面白い。フランクは私の大好きな前奏曲、フーガと変奏曲でないのが極めて残念だが、これも(曲への感度が高いわけではないが)良い演奏。ラヴェルの「夜のガスパール」で見せたキレと凄みがある。ただし、録音のせいなのか、ここまで雰囲気というか曲想が似ているものの連続な気がする(まぁ変奏曲のシャコンヌから始まって、前奏曲〜フーガの連続だから当然だけど)。ショパンの舟歌、これは抜群の出来。やはり彼にはこういう比較的自由に歌える曲が合っている。最後のリストも秀逸。トリを飾るのは昨日書いたガヴリリュクとの「タランテラ」対決、演奏時間はグロヴナーの方が約30秒ほど短い。この段階ではどっちがどうと軍配を上げられそうにはない。これからじっくり聴き込んで比較するのが楽しみだ。


いつも思うのだけれど、音楽のこんな味わい方はクラシック特有だ。ほんとに楽しいのだけれど、ロックの友人達は理解してくれるだろうか。評論家気取りかとバカにされそうだ。まさにpersonalな意味でクラシックは評論家的に楽しめればいいと思っている。つらつらと書いたが、ガヴリリュク盤共々、若手の技巧派好きならオススメである。
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