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レオシュ・チェピツキーのバッハ・無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
2007-08-13-Mon  CATEGORY: ヴァイオリンあれこれ
久々にヴァイオリンのCDをご紹介。
ヴァイオリニストはチェコ出身のレオシュ・チェピツキー。録音は2001~2002年です。






聴いてみましたが、極めて丁寧で好感の持てる演奏です。解釈は奇をてらったところなく、ストレートかつ暗さを前面に出さない健康的な内容。テンポは遅めで(僕好みに)じっくりと歌っており、伸びやかな音色がとにかく綺麗。無造作で汚い音は絶対に出さない感じ。中~高音域がバランスよく出ていて、ヴァイオリンの音色の美しさが堪能出来ます。録音も音の密度が濃く、優秀録音と言ってよいでしょう。ヴォリュームを大きく上げても‘粗’が目立つことがありません。ただ、残響が多め&長めで主音に被っているのが気になり、この点が惜しいです(個人的な好みとしてはもっとデッドで生々しい方がいい)。


曲集の中心となるパルティータ第2番は本当に丁寧に弾かれており、表情が付いていない音は一音たりとも無いと言ってもよいくらいなのですが、時折現れるふと立ち止まるようなアゴーギクが僕の好みに合わず少々残念です。シャコンヌは読みの深さを感じる練られたアーティキュレーションが秀逸なのですが、少し凝り過ぎという感がアリ(ちなみに演奏タイムは(16:34で好みの遅いテンポ)。あと、もう少し劇的な表現が欲しい気もします(おそらくそれを意図的に避けているのでしょうけれど)。技術面では、重音フレーズにおける安定性、急速部でのスピード感なども特筆もので、ポテンシャルの高さを感じます。特に、第Ⅱ部後半が素晴らしい。手持ちでベストの演奏とまでは言いませんが、久保田(新盤)、バラティに次ぐ位置を占めそうです。


彼特有の丁寧さが良い方向に働いているのがソナタ第1・3番、パルティータ第3番です。ソナタ3番は出だしのアダージョが粘っこい歌いっぷりと非常にマッチしており、好演。パルティータ3番の方はこの盤で一番良い出来で、前奏曲の冒頭から紡がれる壮麗な音色に浸ってしまいます。ガヴォットはそれほどノリが良いという感じはしませんが、やはり音色の美しさが魅力的。この曲は手持ちでもベストを争う演奏でしょう。


全体として、解釈・演奏・録音ともに極めて完成度の高い演奏と言えそうです。細かい好みの点で惜しい部分もありましたが、手持ちの盤の中でも群を抜いて素晴らしい全集だと思います。
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