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The melody at night, with you

音楽好きの世迷い言

最近聴いている音楽 vol.39〜David Friesen 『Storyteller』〜

このブログではほとんど書いていないけれども、ジャズは私の人生で重要な部分を占めている。


(そのうち書くかもしれないが)結婚できたのもジャズのお陰と言ってもいい(笑)。ジャズには足を向けて寝ることができない。クラシック関係の友人に比してジャズ方面の友人ならそれなりにいる。ユニオンでもクラシック館とジャズ館はセットで回るようにしている。今回はそんなジャズ関連の年末の戦利品を聴いていた。


Df


デヴィッド・フリーゼンというベーシストはあまり聴いてこなかった(1枚持っていたかどうか)。どうやらイケメンペッターのクリス・ボッティが彼に師事していたらしい(ちなみに今では彼も驚愕の54歳!!)。あまりベーシストのリーダー作を聴くことはないのだが、このレコードを手に取ったのはギターにJohn Stowellの名を見つけたからだ。


ジョン・ストーウェルは同年代のメセニーのフォロワー的な扱いも受けるが、確かにメセニーにも通じる独自のポップセンスをアドリブに盛り込み、取っ付きやすく歯切れよいリズムに乗せたフレージングが魅力で、デビュー盤の『Golden Delicious』はよく聴いている。


さて、内容だが、疾走感のあるベースのリフで幕を開け、細かいモチーフのテーマをつなげて行く自由な曲の構成はストレートなジャズというよりはプログレ風ジャズロックに近いものがある。テーマを奏でるのはオーボエで、ケルティックというか民族的な印象を与えている。途中では8ビート風にさえなり、オーボエ(イングリッシュホルンかも)がソロを取り始める。フリーゼルのベースはウッベを弾いていると思われるが、どこかエレキベースのようなブリブリした均一の野太い音色を紡いでるのが凄い。ベースのリフはもはやジャズではなく、ロックかプログレ風だ(フュージョン風味はそれほど感じない)。2曲目はテンポ落とすが途中で倍テンになり、先ほどと同じ感じ。そしていよいよストーウェルが本領を発揮し始め、そこそこ長めのソロを取る。こちらもジャズでもフュージョンでもロックでもなく、強いて言えばプログレ的だが、それにしては上手すぎる。彼の手グセと思われる下降フレーズが実にスリリング。音は木の鳴りを活かした柔らかいが芯を感じさせるもので、1曲目ではごくわずかにコーラスをかけているのが玉にキズだが、他ではあまりエフェクトをかけず(せいぜい空間系をごく薄く)アコースティックなもの。青空の下、野原で寝そべりながら急ぎ足で通り過ぎて行く雲を眺めているようなソロだ。3曲目は叙情的な曲。どこか牧歌的ですらある。

B面の3曲、(私からすると)楽曲はいよいよプログレ感を増してくる。実は私、フュージョンというジャンルがあまり好きではなく、キメの多すぎるリズムセクションや高音キツめのシンセ、コーラスがビンビンにかけられたギターが苦手なのだが、これはあくまでアコースティックなジャズを基調としていて、要するに私のストライク。Tom Harrellのフリューゲルホルンは素晴らしい。ジャズロックというおもむきのフリーゼンのベースのブリブリ具合は延々と続いているので(というかほとんど常に弾きまくり)、普通の方は眉をひそめるかもしれない(私はベースが大活躍!みたいな曲が好きなので気にならない)。ドラムの音が小さすぎるのはちょっとアレだが。何よりも驚異的に音質が非常に良い。MUSEはギタリストに理解のあるレーベルという印象があって私は好きなものの録音では「?」と思うこともあるが、この盤の録音の良さは特筆ものだ。


信じ難いことに、Discogsによるとこのアルバムは未CD化らしい。国内見本盤でジャケもシミでいっぱいだが、盤質はA評価で極上だ。こんなに素晴らしい内容で350円である。こんな出会いがあるので、レコード探しは止められない。

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