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最近聴いている音楽 vol.33〜メルニコフのプロコフィエフ〜
2016-12-18-Sun  CATEGORY: 雑多な話題
今月初旬にアレクサンドル・メルニコフの新譜としてプロコフィエフのピアノ作品集が発売された。


何度も書いているようにMelnikovは若手では3指に入る大好きなピアニストなので、早速飛び付いてみた。聴く前は、メルニコフのまろやかでコントロールされつくしたタッチとプロコフィエフの作品がミスマッチではないかと若干不安だったのだが、全くの杞憂だった。持ち前の繊細なタッチを失うことなく、打撃系の難曲に挑んでいる。まだ1度しか通して聴いていないがフライング気味で書いてみよう(音盤紹介でも聴き比べでもないから気楽だ)。


第2番、若きロマノフスキのブゾーニコンクール・ライヴという勇猛果敢な演奏を刷り込まれているのでどうかと思ったが、細部まで抑制の聴いた打鍵ながら十分に対抗馬足り得る演奏となっている。特にデュナーミクが素晴らしい。ショスタコーヴィチやスクリャービンでも思ったのだが、弱音の美しさが出色。第3楽章は柔らかなヴェールに包まれたような音色を聴かせている。それでいて解釈にも個性が出ている。第1楽章は5分台で、手持ちで最短だ。終楽章は3分台のロマノフスキと比べるとそれほどでもないが、(短いながらも)ラストは襲いかかって来る猛獣のような迫力が出ている。


第6番、第1楽章はチュウやルガンスキー、ペトロフなどの豪腕系と比べると大人しいというか上品に感じるが、プロコで「品」を感じる演奏そのものが初めてだ。(私には)取り留めのない第3楽章では高い音楽性が光る。とびきり難しいとされる終楽章も6分間半ばの演奏時間で、急速部分はほとんどインテンポ。最後のハチャメチャにぶっ飛ぶところもあくまで冷静。一番似ているのがマルシェフか。しかし、彼のような冷徹さではなく、あくまでの血の通った人間的な表現が聴けるのが凄い。


第8番、第1楽章は意外にも手持ちで最短の演奏時間。モタモタせずに先に進むのが気持ちよい。フォルテでも絶対に汚い音は出さない。ハルモニア・ムンディの録音は今回も上出来で、実に音が美しい。ただ、後半になっていくとさすがに飽きてくるのはやはり曲の問題か。Allegro部分のppでの開始、まさにinqueitoで、precipitatoの箇所のクレッシェンドもまさに!という感じなのは流石。きらめく星々のような、鮮やかな演奏。第2楽章は地味だが神経を使って弾いている印象。いよいよ第3楽章。出だしのVivaceも音の強弱のコントロールが凄まじい。それでいてテンポを揺らさない。中間部は非常に叙情的。そして12/8拍子になってから高速アルペジオでは、メルニコフのメカニック偏差値が露になるのが怖くもあったが、果たして涙が出そうになるほど素晴らしい。この曲だけ楽譜を見ながら聴いていたのだが、終わりのオクターヴが乱舞する最難箇所でも全くのインテンポ。「頑張れ、頑張れ!」とこちらも思わず応援しながら、彼は見事に駆け抜ける。ルバート一切なし。そりゃもう大感激である。


この曲は、ガヴリーロフのEMI盤(併録はロメジュリ。CDは一度も見かけたことがない。未CD化??)とDG盤の強烈な演奏が知られている(他にも私は未入手だがメロディア盤が存在する模様)。技巧のキレはわずかにEMI盤の方が良い。終楽章も若干速い。終楽章に関しては、youtubeに上がっているスタジオライヴ?が今のところの世界記録的超高速の演奏である。勿論、メルニコフはそこまで速くないが、実にコントロールされた打鍵で巧みに弾き上げている。ガヴリーロフが産業革命時の工業用ミシンなら、メルニコフはIT時代の3Dプリンタだ。それでいて人間味が溢れているのが凄い。彼ならMIDI(DTM)自動演奏時代が到来しても生き残って崇められるだろう。スポーツ的な爽快感と音楽性のバランスがあまりに見事だ。


本当に感激した。。今年最後の2ヶ月で、Filipec、Vondráček、Assad兄弟、そしてMelnikovと大感動の連続でとっても幸せな気分である。この後に続くであろう第7番や、私の大好きな第1番(願わくばエル=バシャを超えて欲しい。第2番を聴く限りその雰囲気はある!)にも是非是非期待したい。彼にはなんとしてもBachの平均率やBeethovenのソナタも録音してもらいたいと思う。

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