音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
最近聴いている音楽 vol.30〜アサド兄弟のヒナステラ〜
2016-12-11-Sun  CATEGORY: 雑多な話題
人生「先を越された!」と思うことは多々起きる。


10年ほど前、来る日も来る日もピアノとギターに明け暮れていた時、「ヒナステラのピアノソナタ第1番終楽章をギターで弾きたい」と思い立ったことがある。1人ではすべての声部を再現不能なのでどう音を省略するか考えたが、当然ながら解決できず諦めた。某SNSに独り言を書いたら、某ピアニストに「それがダメならコダーイの無伴奏チェロをギターで弾けばいいやん」と何故かさらなる難題を突きつけられて閉口した覚えがある。


時は過ぎ、つい昨日、ジャッドの名演を聴いてこの件をふと思い出した。まさかと思い検索をかけたらすでに先駆者が居た。それも超絶技巧の名手アサド兄弟。しかも発売は1996年。なぜ今まで気付かなかったのだろう。。彼らの編曲はデュオ。これ以上ない明解な答えであった。



この演奏が凄い。私からすれば、Filipec、Vondráčekに続く衝撃だ。




kyushimaさんのページでジャッドの演奏を知り、この曲のトリコになった時から、「なんてギター向きな曲なんだろう」と思った。終楽章の激しい同音連打をギターの弦のストロークで再現するとさぞかし痛快だろうと考えたのだ。アサド兄弟の演奏は、私の想像を遥かに超えたヴィルトゥオジティで原曲の良さを引き出している。大げさでなく、失神するかと思うほどに感動した。終楽章はジャッドとほぼ同じテンポで、いささかのルバートをかけることもなく最後まで突っ走る。的確に2人でパートを分け、ほとんどすべての声部を拾っている。凄まじいテクニックと素晴らしい編曲の結晶がここにはある。あまりに興奮してネットCDを注文した後にガマンできず終楽章だけmp3で買ってしまった。

ついでにyoutubeでピアニストの演奏を色々観たところ、Haochen Zhang というピアニストが目を惹いた。彼は2種類動画を載せているが、終楽章の演奏はジャッドを超えるスピードで素晴らしい。ただし、ところどころ大きく見栄を切るように間を入れるのと、主題の繰り返しの箇所がsempre e marcatissimo ffなのに、弱音で弾いているのはちょっと残念。全体としてやはりジャッドの方が良い。




「ギター1本でクラシックピアノの難曲を弾く無茶な人」と言えば、プロコフィエフのピアノソナタ第7番に挑んだPaul Chasmanが知られている。私も「負けてなるものか」と他に題材を探してたどり着いたのがヒナステラの1番だった。チャスマンの仕事にケチを付けるわけではないが、彼はどうしてこの曲をスティール弦で弾いたのだろうか。音がペシペシしていて、貧相なことこの上ない(ギター1本で頑張っているのは賞賛に値するのだが)。クラシック流にナイロン弦で弾けばかなり印象は違ったろうに、アコギにこだわってしまったのが仇になっている気がする。以前は楽譜も($25ほどで)買えた気がするが、見当たらない。


というわけで、最近感動続きで嬉しい悲鳴である。このヒナステラ、いつか後輩のテクニシャンを説得してデュオで演奏してみたいものだ。
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