音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
最近聴いている音楽 vol.24〜ハンガリー狂詩曲第2番〜
2016-12-07-Wed  CATEGORY: 雑多な話題
今日もやる気無く出勤しつつ、フィリペツからの流れでハンガリー狂詩曲第2番の聴き比べ。


まずはトーマス・ラーベ(Labe、ラブ、レーベとも)。実は彼は隠れた技巧派で、ゴドフスキーのシュトラウス編曲物やバッハの編曲物は愛聴している。特に前者は、アムランと聴き比べてもかなりイイ線行っていると思う。後者は上手いのだが、ギンジンその他との競合盤ときちんと聴き比べたことがないのではっきりとした評価はできない(少なくとも、シャコンヌは最速だが決定盤オピッツの前ではセカンドチョイスだ)。


そんな彼のリスト、レイチェル・バートンというヴァイオリニストと吹き込んだリストの作品集、トリをラーベのハン狂2番が飾っている。というより、使っている楽譜の版が違うのかなんなのか、曲の内容がけっこう違う。特にラッサンはかなり違う。出だしの主題の終わりからして相当クドい。3回くらいウネウネ繰り返す。トリルもクドクド繰り返す。初めて聴く人も「しつこい」と思われるだろうし、ハン狂2番に聴き慣れた方は「ウザい」と思われるかもしれない。しかし、聴き込むにつれて慣れてくるのでそこで諦めてはいけない。部分的な技巧のキレは先の2作品の通り刮目させられるところがある。フリスカに入ると、タッチはアムランやヴォロドス、マツーエフ、クズミンらの宇宙人レベルには敵わないが十分凄い(右手の同音連打がやや遅いかな)。それとカデンツァの少し前の、上昇音型2パターンを2回繰り返すとこでちょっとテンポ落ちるのが気になる。カデンツァはラーベによるもので、アムランばりに3分近く(!!)ある。アルカンをパロッて引用しまくるアムランほどブッ飛んではいないが、基本的には主題の展開・転回を基盤にしており、音数が非常に多くて十分に楽しめる。例の最後の連続オクターヴもかなり健闘している。面白い演奏だ。


続いてクズミン。実はハン狂2番、クソガキの頃に妹の持っていたシフラのCDでリストに目覚めた私には、クズミンの自由気侭なアゴーギクがかなりしっくりくる(ラプソディーに対する偏見かもしれないが)。細部の丁寧さはアムランやヴォロドスとは比べるべくもないが、そもそも演奏の方向性が違う。連続オクターヴのスピードや急速音型の自在なウネりは彼の独壇場で、余裕を感じるほどだ。何より価値があるのが、ラフマニノフのカデンツァだ。アムランやラーベのに比べるとかなり時代を感じるというか音が少なめだが、カデンツァ終わりの重厚な和音はコンチェルト3番を思い起こさせる。それをクズミンは自分流に料理して壮大に弾きあげる。連続オクターヴはリスキーなまでに突っ走り、いささかもテンポを緩めることはない。Russian Disc盤で多少入手が難しい場合もあるが、適度に金属的な響きのするピアノの録音といい、ドン・ジョバンニも名演だったり、とにかく大好きな1枚だ。


シメはやはりアムラン。上手い。メチャクチャ上手い。演奏の特徴としては格調が高く、ブッ飛びカデンツァまでは彼のユーモアは封印している感じだ。それでも、細部の精度とキレはヴォロドスの方が凄みがあると思うけれど。そしてお待ちかねのカデンツァ。何度聴いても笑えてくる素晴らしさ。彼の作編曲能力と、膨大なレパートリーの為せる技だろう。好録音で定評のあった時期の?(というか私が好きな音だった時期の)ハイペリオンの録音も良い。ピアノの真っ白い鍵盤が目に浮かぶような音だ。久々に聴くと例の連続オクターヴはそれほどルバートをかけてなかった。流石はアムランだ。ちなみに、この連続オクターヴの箇所でいちばんスゴかったのはラフマニノフだった気がする。音源がどこかにいってしまったので探さねばならないが。


こういうと怒られるかもしれないが、実はハン狂2番のホロヴィッツ編がそれほど好きではない。3声部でパラパラ弾くところなど難しいのだろうが、原曲に比べて聴覚上の派手さという点で劣ると思う(大体最後の連続オクターヴが無いのが気に入らない)。だから、教祖ホロヴィッツもヴォロドスもキエフ国際のコルタコフも、大変良い演奏だと思うが個人的にベストにはならないと感じている(コルタコフはライヴながら驚異の音質も魅力だが)。マツーエフがホロヴィッツ編を弾いていないのは嬉しいのだが、「ジャズ風」のカデンツァがちょっと地味なのが惜しい。


あとはアムランのイベリアを発掘したのでアンウィンと比較しつつ復習など。やはりアンウィンが巧い。アムランの洗練されたタッチやユニークな解釈も面白いが、アンウィンは芯の通った音楽を奏でている気がする。


他には、先日書いたサバネーエフのピアノ曲を。亜流のスクリャービンという感じだが、私はハマりつつある。日刊ブログではなく、聴き込んで音盤紹介で書きたいくらいだ。


2016エリザベートはHMVから「品切れで入荷未定」の連絡が来た。残念だが、どうやらクリスマスプレゼントには間に合わなさそうである。
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