音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
最近聴いている音楽 vol.16〜Festival録音〜
2016-11-27-Sun  CATEGORY: 雑多な話題
コンクール録音は大好きだが、フェスティバル録音も大好きだ。



コンクールの、世に打って出ようという若手ピアニストの漲る緊張の中での渾身の演奏は心を打つが、フェスティバル系の録音での、ピアニスト達の観客を楽しませてやろうというエンターテイメントな演奏もまた良い。



このような舞台で輝くのは、「スタジオ録音ではイマイチ乗り切れていない演奏をするけれどもライヴでは抜群」なピアニストである。今日はそんな中でも、先日久々にリストの録音を取り出して聴いた、トカレフのルールピアノフェスティバルの録音を引っ張り出して来て聴くことにした。


まずはセルゲイ・パフチンスキーによる「4部作からの3つの交響的練習曲(原曲:ワーグナーの「ニーベルングの指輪」)」だ。静かなトレモロから次第に爆発していく曲はあまりエチュードっぽくない。ここで素晴らしいのは、徐々にクライマックスへと盛り上げていくトカレフの歌心だ。こんなにも歌えるピアニストだったのか、と改めて驚かざるを得ない。続いてはセルゲイ・クルサノフによる「シェエラザードによるパラフレーズ」。これは以前紹介させて頂いた録音のライヴになる。紹介したスタジオ録音の方は聴いてビックリ、今でもトカレフの録音の中でいちばん素晴らしい演奏だと思っている。対してライヴ録音の方は、スタジオ録音のテンションをさらにupさせた強烈な演奏だ。ピアノが鳴りまくっているというか、勢いが凄まじい。スタジオの方が完成度は高いのだが、ライヴも捨てがたい(終楽章にあたる部分がさすがに荒く、技術的に苦しそうだが)。作編曲も盛り上げ方が非常に巧みなのでないかと思うし、本当にもっと弾かれて欲しい曲だと思う。最後はバッハ=ブゾーニの前奏曲とフーガ。この曲はレーゼル盤を堪能していたが、久しぶりに聴く。そう言えばレーゼル、デミジェンコ以外は持っていないような気がする。これは前2者と違い、かなりメリハリを付けたヴィルトゥオジティ溢れる演奏で、いかにもライヴな感じだ。フーガでは端正な一面も覗かせ、最後の盛り上がりは背筋を伸ばして正座したまま教会の鐘をガンガン鳴らしてるような感じだ。やはり技巧面での爆発だけでない、良いピアニストだと思う。


他にはフーズム(Fusum)城ピアノ音楽祭での演奏を幾つか。


先日、ジャズとクラシックがcrossする話題を書いたが、そう言えばマルクス・ベッカーがフスムでチック・コリアの『スペイン』を弾いているのを思い出して聴いた。巧い。勿論、メチャクチャ巧いのだが、ジャズではない(嫁は苦笑していた)。

他にはベルッチが良い演奏をしていたなと思い、連日のリスト繋がりで2001年のライヴの「アイーダ・ファンタジー」を聴いた。彼の2000年のスタジオ録音にも含まれている曲だけあって、抜かりは無い。

フスムと言えばアムランだろうということで、2006年のライヴからパンチョ・ヴラディゲロフの「ソナチネ・コンチェルタンテ」。これは彼が来日した時のアンコールで(確か第1楽章のみ)弾かれていた曲だ。出だしからかなりの東欧臭を漂わせながら、ヘソを曲げたラヴェルと長生きをしたがったスクリャービンみたいなメロディが続く。終楽章はドビュッシーの12のエチュードみたいな雰囲気もありつつ、力強い和音で進んで行く。アムランの演奏は非常に軽やかでリリカルで、とても良い。時々聴きたくなる好きな曲だ。そう言えば、2011年のフーズムでアムランが弾いたレオニード・サバネーエフという作曲家の「前奏曲第5番」という2分ほどの短い曲は、スクリャービンの「純」なところを蒸留したかのような極めて美しい曲だった。突然聴きたくなったので探そう。



リビングは冬眠間近の小熊みたいな我が子に占領され、結局まだレコードは聴けていない。。



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