音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
Pat Metheny Group 『Imaginary Day』 音源聴き比べ
2016-07-16-Sat  CATEGORY: 音源聴き比べ
音源による音質の違いを聴き比べるこのコーナー。3回目の今回は、パット・メセニー・グループ『イマジナリー・デイ』の通常盤CDとDVD Audioの聴き比べのご紹介です。


パット・メセニーは昔から大好きで、ジャズギタリストの中でも突出してよく聴いていましたが、私の中ではギタリストという面よりもコンポーザーとしての側面に惹かれます(勿論、ギターもsuper巧いのはわかっております)。

『Still Life』 USオリジナル盤LP


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『Letter From Home』 USオリジナル盤LP


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そんな私にとって、パット・メセニー・グループの数ある名作群の中で、実は最も好きなのはこの『Imaginary Day』なのです。



このアルバムは、ひょっとしたら熱心なメセニー・PMGファンの間では評価が分かれるかもしれません。中期の、牧歌的で数百年後までもスタンダード・クラシックとして残るであろう、美しい旋律を携えた作品である前述の2枚を最高傑作として挙げる人がいるのは理解できます。それでも私は、このアルバムの持つ壮大なスケールと、ジャズとロックやテクノの奇跡的な融合、そしてギタリスト・コンポーザーとして完成の域に達しつつあるメセニーの妙技とそれを支えるメンバーの凄まじい力量に、圧倒されます。

とにかく、初めて聴いた時はあまりの壮大かつスケールの大きい音作りに「もはや映画音楽じゃん!」とビックリしました。プロデュース過剰気味の1曲目タイトルトラック「Imaginary Day」。エキゾチックな東洋的旋律がシタールで奏でられ、勿論お決まりのギターシンセも登場。ソロは完全にメセニーの手グセ金太郎飴ですが、それがまた曲にハマってる。ひたすらドデカいスケールの中を縦横無尽に泳ぎまくるメセニーが凄い。2曲目『Follow Me』。POPでどちらかと言えば今までのPMG然としたこの曲は、私が人生で初めて書いた曲とたまたま出だしのリフが一緒で、初めて聴いた時は偶然に驚きつつ「パクりと思われちまう」と焦ったものです。間奏曲的な3曲目『Into the Dream』を経て、これまた美しくスティーブ・ロドビーのグイングイン言うウッドベースが印象的な4曲目『A Story within the Story』。そして5曲目、このアルバムで最も好きな『The Heat of the Day』、執拗に繰り返されるリフに手に汗握らないリスナーはいないでしょう。ライル・メイズのピアノも、「書きソロだと言ってくれよ!」と言いたくなる驚異的完成度で、彼の最高のソロのひとつではないでしょうか。満を持していつものフレーズで登場するメセニー。「待ってました!」の大名演です。6曲目の抒情性極まる『Across the sky』に続き、グラミー賞を受賞した7曲目『The Roots of Coincidence』は、衝撃の打ち込みとジャズの融合!歪んだギターでこれでもかとロックに攻め込んでくるメセニーの迫力が凄まじい!のちに発売された『Speaking of Now』のライヴDVDでは、超絶テクニシャンドラマーのアントニオ・サンチェスを携えてこの曲を再現していますが、彼をもってしても、というかやはりこの打ち込み感の強いビートを再現するのは人間には無理なのだなぁと思いました。ちなみに、テクニカル系ロック・ギタリストで本格的に打ち込み音楽との融合を果たしたのは、ジョー・サトリアーニの「Engines Of Creation」でしょうか。このアルバムの1曲目のギターの音のブ厚さはスゴいものがあります。話が逸れました。ギターとピアノの絡みが美しい、8曲目『Too Soon Tomorrow』。そしてアルバムが終わりに近づいていることをイントロで感じさせる終曲『The Awakening』はケルティックで爽やかな感動の中、アルバムを締めくくってくれます。


さて、曲目紹介が長くなりましたが音源聴き比べ。


通常盤CD:例によって、ユニオンで買った数百円の輸入盤。コダワリの音作りゆえか聴いた当時は「超音イイじゃん」と思ったものだ。7曲目の『The Roots of Coincidence』はそれこそ何百回も聴いた。特に不満はない。今となっては、フツーのCDの音質。


DVD AUDIO盤:PMGで最も好きなこの作品、メディアはCDとDVD AUDIOの2種類のみで、LPでは出ていない。未だにハイレゾ配信もされていない。そんなわけで、ずっとDVDオーディオ盤を探してたところ、今年の1月にユニオン池袋で引っかかり、取り置き。池袋のヤマハに用があった嫁に「近くだから買ってきてよ」と頼んだところ、当日悪天候で「駅から出るの億劫になっちゃって」と手ぶらで帰宅されたのを翌日聴かされ、買い逃す始末。その後、ebayやAmazon、ヤフオク、ユニオン、Discogsなど色々探し続けるも、高かったり(Amazonは1万円over!)帯の付いた日本盤が出てこなかったのを、ようやく入手。サンプリング周波数は88.2kHz、量子化ビット数は24bit。


す、すげー・・・!


1曲目のイマジナリーデイ、もはや映画。音楽映画。聴いていて情景が浮かんでくる音楽映画。ポール・ワーティコが叩くシンバル揺らす空気の揺れが見えるようだ。そう、毎度おなじみのセリフで恐縮だが「空気感が違う」のだ。2曲目のフォローミー、音色の鮮やかさが違う。聴き慣れたはずのメセニーのギタートーンが実に美しい。5曲目、ヒート・オブ・ザ・デイ、デカいヴォリュームで聴いていると失神寸前の大迫力。7曲目、ルーツ・オブ・コインシデンス。気のせいか、聴こえなかった音が聴こえる。ここまで来ると、もはや怖い。。チープだとバカしていたギター・シンセの音まで味わい深く聴こえてくる(笑)

DVD AUDIO盤と比べると通常のCDの方は音がスッカスカ。2曲目のフォローミーなどモノクロームにさえ映ってしまう。ルーツ・オブ・コインシデンスは「MIDI?」とか超失礼な言葉が浮かんでる始末。いや、参った。


しかし、良い面ばかりでなく、9曲目アウェイクニングなどでは時折スピーカーが歪んでしまい、私のショボい機器の限界が露わになってしまう。やはりスピーカーもそれなりのものに新調しなければダメか…。そろそろ車にピアノも買い替えなきゃならないのに。。余談ですが、先に述べた2枚は、メセニーの柔らかいギターの音色がアナログにマッチしており、レコードの方が聴きやすいと思います。


というわけで、メセニー好き・このアルバム好きの方にはこのDVD AUDIO盤を是非とも聴いて頂きたい!文句なしの高音質です!メーカーはファンに入手の苦労をさせることの無いよう、そろそろハイレゾ配信しなさい!


・・・次回は、ミクローシュ・ペレーニ『バッハ無伴奏チェロ組曲』高額LP VS 配信FLAC音源や、ドナルド・フェイゲンの名作『ナイトフライ』激レアプロモ盤LP VS ハイレゾ音源などを予定しております。気長にお待ちください。


(家族のいない大音量の出せる昼間の独りの時間が全然取れません)
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