ニコライ・ペトロフによるミンチェフ・ピアノ協奏曲2007-08-01 Wed 17:46
ニコライ・ペトロフは非常に好きなピアニストで、このブログでもわざわざカテゴリを別に作って書きたくなるほどなのですが、今回はその彼のあまり知られていない録音をご紹介したいと思います。
曲はミンチェフ(Minchev-ミンコフ?)のピアノ協奏曲。 ミンチェフは1939年にブルガリアで生まれた作曲家で、モスクワでかのシチェドリンに師事したようです。このピアノコンチェルトは1978年に書かれ、1979年のブルガリア作曲家連合(?)でFirst Prizeを受賞しているようです。ちなみに、ライナーに録音年の記載は無いのでわかりません。 なんだか非常に安っぽいジャケットのこちらは、同曲のスタジオ録音盤のようです。曲想は非常に激しいもので、シチェドリンのピアコン1番辺りを想像していると相当に面食らいます。内容はシチェドリンの3番を10倍くらい激しくして、ペトロフは唸りを上げて鍵盤をブッ叩き、チェンバロのような楽器が登場してピアノと駆け合う場面もあり、オケはおどろおどろしく叫びまくるというシロモノ。数あるペトロフの録音の中でも最強の爆演と言えるでしょう。 第3楽章まであり、演奏時間は6:11、10:28、8:25ですから、大体25分ほどの曲です。第1楽章はAd libitum,Prestoとなっているので、もしかしたらペトロフによる即興がかなりの部分を占めているのかもしれません。終楽章のPrresto possibileはもはや何がなんだかわからないハチャメチャなことになってます。ちなみに、各楽器の録音レベルが一様ではなく、オケが前面に出る場面では急にピアノの音量が小さくなったり、逆に突然大きくなったりとあまりクラシックでは聴いたことのない録音形態になっております。さらに、ピアノの音には一瞬エフェクトがかけられているような箇所があり、フェイザーやトレモロのような効果が現れて音が揺れています。多少気味が悪いですが、面白いです。はっきり言って、聴いていて頭痛のする曲ですが、暴力的な気分になりたい時には丁度よいかもしれません(汗) こちらは1988年のレニングラード現代音楽祭ライヴ。より白熱したペトロフのピアノが聴けます。ピアノにエフェクトがかけられているような効果があるのも同様(詳しくないのでよくわからないのですが、ひょっとして内部奏法などを駆使している?)。途中でピアノの音量が小さくなる場面もやはりあります。 これは同ライヴのレコード盤。LPの方が刺激的過ぎないような気がします。 というわけで、かなり激しい曲ですがペトロフ好きの方は一聴をお薦めします。レニングラード現代音楽祭ライヴは6枚組みのボックスセットで、多分まだネットで入手出来ます(ヤフオクでも頻繁に出ていた時期があったような)。 スポンサーサイト
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