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ヴァン・クライバーンのラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番DVD&LP
2016-02-11-Thu  CATEGORY: ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ
もう9年も前の記事になりますが、クライバーンのラフ3の聴き比べを書いたことがありました。

その中で、入手困難だった「メロディアの未CD化LPがDVDになった」と書いたのですが、ようやく(本当にようやく!)入手したので、視聴してみました。

VAN CLIBURN IN MOSCOW VOL.3

cliburn.jpeg

収録曲はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(1972年)・第3番(1958年)とアンコール曲としてラフマニノフの前奏曲Op.23-6、シューマン=リストの献呈、Solovyov-Sedoy:Mocow Nights (arr.Van Cliburn)となっています。オケはモスクワpo.、指揮はキリル・コンドラシン。例によってラフ3以外の曲のコメントはしませんので、あしからず(笑)

元々、ラフ3コレクターの方から(私はコレクターではありません、念のため)、「メロディアにクライバーンのLPがある」と教えてもらって以来、探しに探して3枚入手したのですが、3枚目を見つけた頃に、今は公開停止中のヒロノフさんの素晴らしすぎるHPで「このLPがなんとDVD化される」との情報を得、嬉しいやら悔しいやらで複雑な思いをしたのでした。

さて、DVDを見ると、白黒の、いかにも古い映像ながら、意外としっかりとしたカメラワーク。冒頭では、長身でスラリとしたクライバーンが現れてスタインウェイのピアノに腰掛けると、鍵盤に何やら紙切れが置いてあり、それを読む姿に聴衆から笑いが起きる、という微笑ましいシーンから始まります。黒髪のコンドラシンが若い!演奏そのものは以前のブログで書いたものと全く同じに聴こえます。やはり3種類あるクライバーンの演奏の中で、ずば抜けて高い完成度を誇っています。私がスタジオ録音かと勘違いしたのも仕方のない(?!)信じがたい完成度。おそらくこれはコンクール後のガラ・コンサートのような性格のものなのでしょう、前述したように米ソ冷戦中とは思えない温かくリラックスした雰囲気の中で、クライバーンは充実極まりない演奏を繰り広げています。はっきり言って、現在でもライヴでこれだけの演奏を残せるピアニストは少ないのではないでしょうか。例えるなら、今から60年近く前に100m走で9.8秒台が出てしまったような、そんな演奏のように思います。アメリカ凱旋後のシンフォニー・オブ・ジ・エアとの有名な録音より遥かに素晴らしい演奏との思いを新たにしました。

映像作品としての完成度も高く、コンドラシン、オケ、観客がバランス良く映ります。急速部分では手元をupし、緩徐楽章でのクライバーンの恍惚とした顔やコンドラシンの情熱的な指揮も流れるように映るなど、現在のテレビ番組として見てもほとんど違和感の無い素晴らしい出来。販売元はVAiですから、2008年からしばらく経ったもののAmazonでも普通に入手できるのが嬉しいところです。音質はモノラルで、ところどころテープの劣化なのか、ヒスノイズのようなものも聴かれます。


DVDを観て感激し、手持ちのレコード盤の音質が気になったので、聴き比べてみました。


まずは、最初に入手した初期のメロディアと思われる赤色灯台レーベル。

dor

ジャケはよくある初期メロディア共通の古いボロボロのものが付いていました。盤がブ厚くて重く、盤の状態は良好なのですが、サーフィスノイズがかなりあります。正直、演奏を楽しめるような音質ではないです。これは元の録音が悪いというより、レコードの材質の問題ではなのでしょうか。もしくは、こちらのサイトにあるように、標準再生が難しい準オールドメロディアということなのでしょうか。

Discogsを調べると、このレーベルの白色盤が2番目として掲載されています。このタイプのラベルはebayでも比較的見かけますし、現在も2枚ほど売りに出ているのが確認できます。ちなみにこのLPの最初期盤としてDiscogsに載っているのは、フルヴェンで有名な青トーチラベル。このクライバーンは私もebayで見た事がなく、相当なレア盤のようです。青色トーチラベルはマスターテープに最も近いと言われており、いつか聴いてみたいものです。

続いて入手したのがメロディアのレコードとしてよく見かける青レーベル盤。なぜかDiscogsにも載っておらず、後期のプレスではないかと思います。これもジャケットはなし。

melo

この盤の音質は見違えるように素晴らしく、サーフィスノイズも気にならず、やや音像は遠目でコンサートホールの前から20番目くらいで聴いているような印象ですが、赤盤とは比較にならないほど良好です。チリチリノイズが無いだけでこれほど演奏の見通しが広がるとは。


最後に私が入手したのは、ちょっと怖めのラフマニノフの顔が描かれたきちんとしたジャケット付きのACCORDレーベルのもの。こちらのサイトによると、黄色アコードレーベルはレニングラード・メロディアとのことで、プレス時期は上の青色メロディアよりも早いと思われます(イエローラベルは規格番号が最初期盤と同じ5289-56で、ブルーラベルは5289-61、Discogsによると最も新しいプレスは5289-73。実際には、この番号の前にタシケントPlantなどのプレス工場名が入っている模様)。黄盤は青盤よりもさらに音質が良く、音の輪郭が明晰です。


van1.jpg


Accord


数年ぶりに聴き返してみると、入手したときとはレコードプレーヤーもアンプも(したがってフォノイコも)カートリッジもマシなものに買い替えたせいか、あまりの音質の良さに感激してしまいました。これは音質に劣化の跡が聞かれるDVDよりも良く、今でも入手する価値があるでしょう。

まとめると、音質は

           黄色盤>青色盤≧DVD≫赤色盤

ということになるかと思います。ちなみに、このような材質の影響が大きいと思われるレコードではあまり参考にならないかもしれませんが、私の赤盤のマトリクスは手書きでD04330/4-4,D04331/4-7、黄盤が手書きでD04330/2-7,D04331/2-9、青盤がA面のみ手書きでD04330/2-9、B面が機械タイプでD04331/2-10となっています。不思議なことに、最も古そうな赤色盤のマトリクスがいちばん数字が新しいのです。ラベルの色・番号の違いは、プレス時期の他にプレス場所も絡んでいるのでしょうか。


それにしても・・・音質で、レコードのプレス、機材、メディアetcでここまで演奏の印象が変わってしまうとは。。ロックやジャズでも経験してはいましたが、同曲異演を楽しむクラシックでは音質が最良の形ではないと真の評価はできませんね。このことは、加藤さんによる偉大なクラシックHPでも幾度となく書かれているので、わかってたつもりだったのですが、改めて自分の聴き慣れた演奏(曲)で比較すると愕然としてしまいます。ラフマニノフの3番は、CD化に伴うドノホーの4つ星から3つ星への降格、カツァリスの3つ星から4つ星への昇格などもあり、音質の違いに色々考えさせられます。


そんなわけで、思い入れが多少入ってしまいますが、

クライバーン/コンドラシン/モスクワpo.1958年 は、LP(ACCORD,MELODIYA)とDVDを4つ星に変更したいと思います。動くクライバーンの、信じがたい完成度の演奏を見たい方には掛け値なしにオススメです!

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