音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
アムラン&タカーチ弦楽四重奏団によるショスタコーヴィチ・ピアノ五重奏曲
2015-07-04-Sat  CATEGORY: 音盤紹介
連続更新で音盤紹介。今回は珍しく新譜で、マルク=アンドレ・アムランとタカーチ弦楽四重奏団によるショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲をご紹介。ただし、カップリングされている弦楽四重奏曲第2番の方はコメントなしということで(笑)


shosta


エドリーナ&ボロディン四重奏団による演奏が私の愛聴盤だと書きましたが、お気に入りのピアニストであるアムランがこの曲の録音を出してきたので飛びついて購入しました。アムランは技巧的な曲を録音する専門家と認知されて久しいですが、ショスタコのシブいこの五重奏曲を録音してくるとは、なんとなく意外な気もします(近年はショパンなどの有名曲も結構出してますが)。


さて、演奏のほうですが、最初に聴いたときはストレートなエドリーナのピアノと違って、アムランのちょっとヘン??なアゴーギクが耳に付いたものの、何度も聴き返すうちに(勿論リビングのスピーカーで笑)それが非常に味わい深く聴けるようになってきました。リストのソナタやドン・ジョバンニ、パガニーニ練習曲、あるいはショパンのソナタなどのメジャー曲で聴かれる、アムラン流の「洒落っ気・茶目っ気を出した音楽性」??が私にはしっくり来ないことも多かったのですが、この曲では、ピアノソロでないことも手伝ってか、それほど気になりません。


ハイペリオンが誇る好録音も、素晴らしさに拍車をかけています(ちなみにエンジニアはサイモン・イードンで、プロデューサーがアンドリュー・キーナー)。少しピアノの音像が遠目かなとも感じますが、弦の響きが涙が出るほど素晴らしく、第1・2楽章のシリアスさは手持ちの他盤と比較して群を抜いて凄まじい。ヴァイオリンのソロやソリなどは概してテンポが遅めでじっくりと歌っており、私の好きなエドリーナ&ボロディン盤と比較すると幾分ロマンティックな解釈を志向しているようです。ただ、曲が曲だけに、抒情性のみに惑溺することなく、哲学的な深みもちゃんと聴かせてるのが「わかっている」という感じ。第3楽章のスケルツォでのギシギシ響き渡る弦の音色は迫真的ですし、ピアノの粒立ちがよくキラキラ光るような音色と技のキレは流石アムラン。深淵な第4楽章インテルメッツォも、エンディングの、どこまでも続くようなヴァイオリンのヴィブラートに心打たれます。演奏解釈によっては曲の締め方が難しいと思われる第5楽章、ここではアムランが弦楽隊を絶妙にリードしてテンポ設定を行っているかのようで、旋律を引きずりがちになる弦を寸前のところで留めているように感じます。ダレることなく最後まで緊張感を保てているのが素晴らしい。


そんなわけで、これは現代の技巧派達による、哲学的な曲想にロマンティックな薫りを絶妙に漂わせた希有な演奏だと思いますし、秀逸な録音によってクラシックを聴く喜びを改めて感じさせてくれる名盤だと思います。アムラン好きの方も、ショスタコ好きの方も、是非!
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