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益田正洋 『SONATA』
2015-01-24-Sat  CATEGORY: 音盤紹介
先日聴いたバッハ集が素晴らしかった益田氏(その後プレリュードとフーガ、アレグロを山下盤と聴き比べたら情感の込め方や味わい深さが全然違った)の他のアルバムを見つけたので、2匹目のドジョウを狙って購入。

masudasonata

曲はブローウェル:ソナタ、ヘンデル=福田進一:ソナタOp.1-15、ソル:ソナタOp.15-2、トローバ:幻想的ソナタ(日本人初録音)となっています。

まずはブローウェルのソナタ。第1楽章はのっけから現代音楽的雰囲気がバリバリで、無拍子的な箇所が続いたかと思えば、突然とっつきやすいメロディが現れたりと、困惑します。第2楽章は「スクリャービンのサラバンド」という、ピアノファンが食い付くような副題が付いており、「4度の積み重ねを主体とする神秘和音とギターの開放弦の響きのある種の共通性」が表現されているのですが、なんだかよく分からないうちに3分少しで曲が終わってしまいます。「パスクィーニのトッカータ」と題された終楽章は打って変わって力強く快速調でミニマルで技巧的な反復音型が連続したり、バチン!とギターを響かせたりしますが、あまり解決を見ることなく唐突に曲が終わります。この曲は正直、1度聴いたらもういいかなという気分です。

そんな1曲目に続き、彼の師である福田進一氏編曲のヘンデルのソナタ。これがバッハ集を思い起こさせる心地よい響きに満ちており、ホッとします。元はヴァイオリンの曲ということですが、福田氏によると思われる和音の増強が実に自然で、まるでギターのために書かれたかのようです。私がバッハ集で驚嘆した、フレーズの途中で微妙に音色を変化させるさじ加減も相変わらず素晴らしい。バッハの曲とはまた違った、明るく伸びやかで親しみやすい曲想がいいですね。残念なのは11分程度と曲が短いことでしょうか。

3曲目、ソルのソナタ。クラシックの作曲家の中で最もギターのための曲を書いた人だそうですが、私はあまり興味がなかったのでこれまでまともに聴いてきませんでした。スペイン生まれだからなのか、どことなく開放的で牧歌的な取っつきやすいメロディです。この曲を先ほどのヘンデルのヴァイオリン原曲と比べると、やはりギターのために書かれたという点で、音響&音量的な充実さに違いを感じます。幼稚な表現ですが、こちらの曲の方が「ギターの色々な弦が鳴っている」と言えます。単一楽章で8分程度とこちらも短い。

最後のモレーノ=トローバ(※トロバとも。ライナーノーツからして統一されていない)の幻想的ソナタ。セゴビアがギターの地位向上のために作曲を呼びかけたのに応えて作られたとのことですが、セゴビアの手で伏せられてしまい、彼の死後発見され、益田氏が日本初演・初録音したとのことです。トローバと言えば、以前ご紹介した山下和仁盤でのソナチネの華やかな曲調が印象的でしたが(山下氏が再録音するだけのことはある)、こちらもなかなかの佳曲。やはりどことなくスペインを感じさせるメロディとリズムが頻発します。ただ、益田氏の控えめな(?)キャラクターとの相性はどうなのかな、という気がしなくもありません。もっと彼の他のアルバムを聴いてみようと思います。


というわけで、ブローウェルのソナタはワケワカメ系で、ヘンデルやその他の曲もバッハ集ほどの感銘は受けませんでしたが、なかなか味の出てきそうなアルバムでした。さて、クラシックギター系のライナーノーツはほとんど濱田滋郎氏が手がけてるのではないかと思うのですが、氏の豊富な知識を駆使した曲目解説と、ギターへの愛が伝わってくる評論文には非常に好感を持っています。この記事を書くにあたり、氏のライナーノーツの表現を「 」内で一部お借りしたことを記しておきます。

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