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ソヌ・イェゴンのラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番
2015-01-06-Tue  CATEGORY: ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ
またも久々になってしまったラフ3更新。今回は第5回仙台国際音楽コンクールのライヴ録音で、優勝者のソヌ・イェゴン(SUNWOO Yekwon)による演奏です。オケは仙台フィルハーモニー管弦楽団、指揮は常任指揮者のパルカル・ヴェロです。同CDにはモーツァルトのピアノ協奏曲ハ長調K467が収録されていますが、こちらの方はコメントなしということでご了承ください。

仙台コンは浜コンに並ぶコンクールとして?、2001年に初開催され3年ごとに行われていますが、これは2013年に行われた第5回のもののライヴ録音の演奏です。モーツァルトのほうはセミファイナルの演奏ですが、ラフ3だけは「ファイナル及び入賞者記念ガラコンサート」からとなっているので、2日間の演奏を編集しているようです。ちなみに同コンクールの第1回にはあのユジャ・ワン(3位)、ジュゼッペ・アンダローロ(優勝)などがいます。このイェゴンは、2010年のエリザベート(デニス・コジュヒンが優勝した回)でファイナリストとなっているようです。ちなみに他のファイナリストにはクレア・フアンチや佐藤卓史などがいます。

さて、最初に演奏時間を書いてしまいましょう。18:22、11:58、14:25となっています。この曲を100種類・数百回以上も聴いていると、演奏時間とジャケを見ただけで(笑)ある程度の演奏は予想できてしまうのです(というより、自分の好みかどうかが大方わかる)。今回の演奏は、第1楽章は大の苦手の遅めでじっくりのロマン濃いめ、第2楽章もかなりのモタレ具合で、第3楽章はライヴの拍手入りでこの時間ということはそれほどテンポが遅くはなく、まずまずのテクニックはありそうだけどおそらく自分の好みではない、と聴く前からふんでいました。それで実際に聴いてみたところ、半分当たりで、良くも悪くも半分は裏切られたと言った感じでしょうか。

第1楽章は予想通りの遅めのテンポ。オケからして遅いのでそのような解釈なのでしょう。それに輪をかけて気に入らないのは、コンクールだというのに緊張感や熱気、迫力というものがほとんど感じられないことです。第1主題再現部の後の展開部もなんというか覇気がない。一言で述べると優等生的な演奏で、ラフマニノフのスケール感やロマンを聴かせるというよりは、タッチや音色、和音の響きなどの、緻密なコントロールによって演奏表現を行おうという意図が感じられます。ossiaのカデンツァも整っていますが、あまりにも心に響かないのでこの曲が好きな私もイライラしてしまうほどでした。この緊張感の欠如は、ひょっとしたらガラコンサートからの編集なのかもしれません。

第2楽章も同様の印象。テクニックはしっかりしており、ほとんどミスがないですが、歌が上手いわけではない感じ。そもそもテンポが遅いので、なんとなく歌っているようには聞こえるのですが、そこには急き込んだり時には慟哭したりという劇的な表現がなく、のっぺりとした造形物を眺めているかのようです。何より気になるのが、(演奏とは関係ないのですが)時折譜めくりの音が聞こえることです。それもささっとわずかに聞こえる程度ならよいのですが、第2楽章の後半ではかなりはっきりとマイクに風圧?がかかるかのように聞こえるのでびっくりします。ピアノは譜面など見ないでしょうから、オケの方だと思うのですが、曲を通して聞こえてきます。録音そのものはピアノの音を明晰に捉えており、中身の詰まったしっかりした音質なだけに、残念です。欠陥商品とまではいきませんが、なんとかならなかったのでしょうか。

そんなこんなで最後まで聴き通すのが辛いなと思ってたのですが、若干の期待もあった最終楽章、これが少し嬉しい誤算でした。思った以上に安定したテクニックが冴え、テンポも遅すぎず、曲想とも相まってようやく熱気や迫力というものが伴ってきました。曲の終わりになるにつれて彼の演奏の特長に気付いたのですが、タッチがなんとも言えず上品というか独特なのです。絹のようなヴェールというのではなく、サラサラとした綺麗な極小の砂をふりまいてる緻密さとでも言うのでしょうか、細部まで不自然なほど神経を使っているタッチにこのピアニストの底力が見えます。そんなところに注目しながら聴き直すと第1・2楽章もそれほどひどくはないかなと思えるようになりました(よくよく聴くと随所で他盤にはない内声の強調があったりします)。終楽章の演奏タイムは拍手を除いて14:25で、それほど遅くは感じませんでした。

というわけで、第1&2楽章の評価は初めはかなり低いものでしたが、第3楽章や聴き直すにつれて持ち直した感じ。録音上の問題も含め、演奏は☆3つにはギリギリ届かない☆☆とします。彼にはドビュッシーとかラヴェルが似合いそうです。
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