音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
ヴァレンティーナ・リシッツァによるラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番
2014-10-09-Thu  CATEGORY: ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ
ユジャ・ワンに続いて、女流ピアニストによるラフ3レビューです。じゃじゃ馬的?なピアノを聴かせてくれるヴァレンティーナ・リシッツァによる演奏です。

☆☆☆・リシッツァ///
出だしは小気味良い快速テンポ(少なくともユジャ・ワンよりは速め)。表情付けも結構あって、スタカートを織り混ぜたり、音価を伸ばしたり、叙情的な箇所では速度を落としてたっぷりと歌う。センスがあるというか、男性ピアニストで言うとオリ・ムストネンのような感じがちょっとある(ムストネンは正規録音を残してはいないが、エアチェックしたライヴではやはりムストネンらしさ全開だった)。両手交差もスムーズ。展開部の和音連打はインテンポですが、タッチが不揃いになって音を鳴らしきっていないのが惜しい。カデンツァは嬉しいことにossia。スピード感はありますが、後半の和音部分もサラサラしててもう少し音楽的な深みとコクが欲しいです。最初のカデンツァ終わりの所の水の戯れみたいな右手のアルペジオがモコモコしてるのが気になります(たぶん、これは解釈)。

第2楽章の叙情的な箇所では情感たっぷりに弾いていて好印象。後半の細かい走句は思ったほど明晰さがないのはどうしたことか。終楽章冒頭の同音連打、スピードは十分ですがややタッチが曖昧かも。しかしながらこの指回りは水準以上です。中盤の緩徐部分ではやはり腰を落ち着けてじっくりと弾きあげます。霧がかったような音色を織り混ぜるなど表現意欲に溢れてます。再現部のオケパートが幾分迫力に欠けるのが惜しい。最後まで勢いを保ったままなのが良いです。聞き間違いか、それとも打鍵に力が入ったのか?ピアノの音像が大きくなる箇所があって、イヤホンで根掘り葉掘り聴くと神経質な私は気になりました。気のせいかな。


全体として、ユジャ・ワンのテクニックには及ばないものの、メカニックは十分。私と波長が合わないところはあるものの、全集の中の1曲ということを考えるとなかなか良い演奏だと思います。欲を言えば、もっと個性を出しても良かったかな。
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