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ショパン・ピアノソナタ第2番聴き比べ~ 2017/7/13更新
2017-07-13-Thu  CATEGORY: ショパン・ピアノソナタ第2番聴き比べ
更新箇所:
カーロイ盤を追加(7/13)
ファヴル-カーン盤を追加(2017/1/31)
シモン盤を追加(11/20)
スカナヴィ盤を追加(8/20)
パパジャン盤を追加(8/17)
ティリング盤を追加(8/6)
デュシャーブル盤を追加(7/9)
チョ・ソンジン盤(CD)を追加(6/18)
エレーヌ・グリモー盤を追加(6/18)
ピエトロ・デ・マリア盤を追加(6/12)
内田光子盤(東芝EMILP)を追加(2016/6/7)
ケラー盤(LP)を追加(10/10)
シュミット=レオナルディ盤を追加(9/20)
バックハウス盤を追加(9/16)
ピサロ盤を追加(9/15)
ルディ盤を追加(9/14)
トルプチェスキ盤を追加(9/13)
アックス盤を追加(2/14)
シェリー盤を追加(1/18)
アシュケナージ盤(LONDON,1979年)を追加(1/11)
ヴァーシャーリ盤を追加(2015/1/4)
佐藤卓史盤を追加(12/4)
エル=バシャ盤を追加(5/12)
ホロヴィッツ盤(50年録音)を追加(2/24)
ケルン盤を追加(1/3)
フランソワ盤を追加(9/18)
スターン盤を追加(6/8)
ゲキチ盤、梯剛之盤を追加(3/26)
清水和音盤(RCA・LP)を追加(3/11)
ベルンハイム盤(LP)を追加(2/15)
ベルショ盤(LP)を追加(2/14)
内田光子盤(ショパンコンクールライヴLP)を追加(2/9)
エキエル盤を追加(1/24)
ラフマニノフ盤を追加(12/24)
ワイセンベルク盤(EMI)を追加(11/26)
ロドリゲス盤を追加(11/14)
ノヴァエス盤を追加(11/12)
広瀬悦子盤を追加(11/7)
ラフォレ盤(LD)を追加(11/4)
ポゴレリチ盤(FKM)を追加(10/31)
ホジャイノフ盤を追加(10/18)
読者の方からのご指摘で9/23に3番に追加したホジャイノフ盤はボジャノフ盤の誤りでした。名前が似ているため、混同して書いてしまいました。お詫びして訂正致します。近く、ホジャイノフによるソナタ2番を追加したいと思います(10/17)
ブニアティシヴィリ盤を追加(9/28)
ソコロフ盤、オレイニチャク盤を追加
ニコルスキー盤を追加(8/11)
クドリツカヤ盤を追加(8/9)
クライネフ盤(LP)を追加(7/30)
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先日、「ショパンのソナタのベストは?」などという無謀な記事を書いたので、思いきって所有しているショパンのソナタ2番・3番の音源をすべて比較してみました。2カ月くらいかけてほとんどの盤を聴き直したのですが(しばらくショパンはお腹いっぱい)、以前バルボーザの記事を書いた時には忘れていた好盤や、「そこまでよくなかったな」という盤も出てきました(ですので、バルボーザの記事の時より評価が下がってる盤もあります)。あくまで個人的な主観の感想ということで参考にして頂ければ幸いです。☆◎○△×の5段階で簡単なコメントを書きます。聞き直した盤などは随時更新していきたいと思います(2012/6/26初掲載)。


第2番(103種)

ポリーニ:○ 模範の極み。やや音ギレが悪く歌も硬いがそれほど気にならない
アルゲリッチ:△ 意外に普通。キレはあるが爆発という感じでない。世評は高すぎ
ガヴリーロフ(EMI):◎ ザクザクのキレキレ。テンポが遅い箇所もありロシア的
ガヴリーロフ(DG):◎ 若干大人になって格調高い。録音・演奏とも幾分大味
ガヴリーロフ(K&K):× ズタボロのメタメタ
ポゴレリチ(ショパコン):☆ 緊張感漲る。極めて音楽的で勢いに溢れるがミスが多
ポゴレリチ(DG):○ 少しこじんまりしちゃった
オールソン(ブゾコン):△ 録音がよくない上に手堅い。まだまだ発展途上な感じ
オールソン(Arabesque):◎ 録音が大味だがドッシリと技巧が安定。センス有り
ラツィック:☆ 激しく熱情的。出だしが激っ速。やや大げさ感も
アンスネス:◎ テクとセンスに溢れる。万人にオススメできる
キーシン:○ テクは史上最強だが歌がもたれ過ぎ。音色が綺麗なので惜しい
アムラン(Isba盤):○ 技のキレが期待以下で解釈にクセがあり歌心も微妙 
アムラン(Hyperion盤):△ 旧盤よりクセは減ったがやはりイマイチ
ホロヴィッツ:△ テンポが遅く技巧的に見劣る。どこかポツポツしてる
シフラ:△ らしくないフツーっぽさで粗さが目立ち面白くない
ミケランジェリ:× テンポ遅めでアゴーギクのクセが強すぎ個人的に合わない
クズミン:△ リズムにクセがあり軽めのタッチで迫力が期待したほどでない
トカレフ:△ 意外に手堅くいつものライヴの熱さはどこに?正直期待外れ
ティエンポ:○ キレは凄いが部分的にタメがあり個性的で好みが分かれる
ユジャ・ワン:○ 相当上手いが音が軽くて迫力に欠ける。歌い方もやや硬い
内田光子:◎ 表現に深みがあって素晴らしい。欲言うと全体的にタメが多い
ライト(シドニーコン):◎ 歌のセンスが素晴らしい。キレが加われば最高
ルデンコ(チャイコン):△ キレはあるがミスが多く気が散る
ラフォレ(ショパコン):☆ 歌とテクが揃ってる。完成度も高い
ラフォレ:☆ 正統派で巧い。詩情と言うよりは格調高い。隠れ名盤
ブーニン(ミラノライヴ):△ テンポがかなり遅いがそこまで歌に浸れもしない
アシュケナージ(ライヴ):◎ 熱さではベストを争う。これは聞き逃すのは惜しい
メジューエワ:○ テクは物足りないが音楽性豊か。この曲が苦手な人にオススメ
ルービンシュタイン:◎ 素晴らしい。キレは無いが切迫感や表現力にあふれる
T・レモー:× 演奏時間は最短の部類だがテクも歌も良いところが見つけられない
Lim Hyo-Sun(エリザベートコン):△ 以前記事で書いたが良くない 
コブリン:△ 以前書いたが、微温的でどこか踏み込みが足りずヌルい
ダン・タイ・ソン:△ 音は綺麗だが全体的にちょっと勿体付け過ぎ
トゥルーリ:△ 勢いと表現意欲に溢れるが技巧に不安を感じる。ややタメも多い
エデルマン:△ テンポが遅く技巧的にかなり見劣る。微妙に弾き損じのような箇所も
ベン・キム:× テンポが遅くテクにもキレが無くいいところを見つけられない
コルトー:△ 筋は非常に良いがミスが多過ぎ。心なしかピッチが低い。古いゆえ音悪
横山幸雄:○ 淡白な彼にしては歌も悪くない。テクに凄みがないのでやや期待外れ 
松本和将:○ 正直もっと歌えるはず。センスのある彼にしては少し物足りない
ヤブロンスキー:○ 歌も良く結構巧い。時折和音がパシャッと割れるのが気になる
ユンディ・リ:○ 指回りが秀逸で勢いもある。緩徐部分の歌が幼稚なのが興ざめ
プレトニョフ:△ 足取りが重く個性的。キレはあるが何を言いたいのかわからない
園田高弘:○ 模範の極みで面白みがない。キレも感じられないが教科書になる
ヴェデルニコフ:△ 緩徐部分に深みがあるが全体的に少し重い。キレもあまりない
ペライア:○ かなり巧いが音が硬くて色気が無い。音色のパレットも少ない感じ
カツァリス: ○ 久々に聴いてビックリの名演。予想外に正攻法で技のキレ良し
カペル:× テクと勢いがあって悪くない。録音が古いためとにかく音が酷くて残念
マガロフ:○ キレは無いが音楽的。近接録音で明晰かつ力強い。若い頃だったら…
ラプラント:◎ 跳躍で間が空くが全体的に巧い。ラフ3聴くと技巧派。歌も良し
ロルティ:◎ 非常に音楽的で音も美しいが残響多めが△。ややキレ不足で衰えた
ペルルミュテール:△ 録音イマイチでキレに乏しいが音楽的。特に行進曲は凄い
クドリツカヤ:△ 強弱の付け方が上手く音楽的には良いがタッチが軽めで曖昧模糊
ニコルスキー:◎ やや荒さもあるが勢いと歌のセンスに溢れる。テクもまずまず良い
ソコロフ:○ 起伏が激しくコダワリを感じる。もったいぶる場面が多くロシア的
オレイニチャク:△ ピッチが低い。時代楽器が鄙びた郷愁を誘う。やや粗い
ブニアティシヴィリ:○ 緩急の差が激しいが聴き所は満載。瞬間最大風速は最高峰
ホジャイノフ:○ 解釈にテクも至極真っ当。響きの繊細さが好印象だがその分静的
ポゴレリチ(FKM):◎ 緊張感減も重低音の追加に完成度up。Chopin的でない
広瀬悦子:△ 軽めのタッチで多彩な表現に溢れるがテンポも揺れて奔放過ぎる
ノヴァエス:○ 個人的に理想の解釈に近い。技巧も闊達。録音さえ良ければ
ロドリゲス:○ 小細工なしの真っ向勝負。テンポが速く歌も良い。録音がやや平板
ワイセンベルク(EMI):△ ガンガン鳴らしすぎ。葬送行進曲も遅すぎてあざとい感じ
ラフマニノフ:○ 強靭なテクでvirtuosity溢れる。一部粘りすぎなのとやはり録音が
エキエル:△ 素っ気ないがサクサク進むのは良い。検定教科書に載りそうな演奏
ゲキチ:△ ベストオブ個性派。キレもある。やり過ぎだが一聴の価値有り。ミス多
梯剛之:○ 熱っぽくテンポ揺らすがセンス有り。キレもまずまず。後は説得力
スターン:△ プレイエルを使用。柔らかな歌心は見せるものの曲と音色が合ってない
フワンソワ:○ テクが弱いが粘りすぎない歌心が抜群。終楽章のモタツキが惜しい
ケルン:△ 丁寧で歌も音色も悪くないが踏み込みが浅い。良くも悪くも女流的
ホロヴィッツ(50年):△ 62年盤より技が達者。しかしよりフツーで彼らしく無い
エル=バシャ:◎ クリスタルの音色で細部も精巧。絶対音楽的で非ショパン的
佐藤卓史(新):○ 清廉潔白、足し引きなしの教科書的ショパン。残響ジャブが×
ヴァーシャーリ:○ 歌もテクも録音も良いが優等生的で面白みに欠ける
アシュケナージ:◎ みんな、そんなにアシュケナージが嫌い?コレ良いよ
シェリー:◎ オーソドックスだが明晰過ぎる録音でゴージャスなのはリスト的
アックス:△ スケール大きく歌うが足取りが重い。何よりうなり声が気になる
トルプチェスキ:○ 輝かしくテクに清潔感も有り。全体的に歌がややあざといか
ルディ:△ 筋良く歌に品があるが盛り上がりでタメが入るなどスカっと行かず
ピサロ:○ テク十分で速めのテンポでも余裕。歌での相当なモタレが△
バックハウス:△ 66歳時の演奏にしては健闘してるがやはり音質が
シュミット=レオナルディ:○ オーソドックス。凄みや個性が欲しい
デ・マリア:◎ 歌のセンスに溢れる。若さよりは熟練の技が光る感じ
グリモー:○ 迫真的表現に心奪われる。トリルや和音など細部で惜しい
ソンジン:○ youtube時と印象は変わらず。メチャ上手いが6割5分運転
デュシャーブル:○ 歌い方が上手いが若干マイペース。録音のせいか音圧が薄め
ティリング:× ハンマーで叩いてるかのような無骨な演奏ここに極まる
スカナヴィ:☆ 緊張感と勢いに溢れ、緩急が激しく激情的で素晴らしい。名演
シモン:○ ポゴレリチを一回り小さくした感じ。起伏を付けるセンスがある
ファヴル-カーン:◎ 温かみのある演奏で3番向きだが力強く音楽性も豊か 

LP
バルボーザ:☆ 勢いがありながらショパンらしい詩情や繊細さも表現。名演
ブルヴァ:× 終楽章は1:00だが全体的にボソボソしてて上手くない
ケルセンバウム:× 美人は得
クライネフ:◎ 極めて激しい。勢いとテクに溢れ力強さはロシア勢最強か
内田光子:◎ 若き日の入魂のショパコンライヴ。熱く激しいお嬢様はテクニシャン
ベルショ:○ 整っていて歌もテクもまずまず。理知的なところはいかにもフランス流CD化されている可能性あり
ベルンハイム:△ 勢いがあるがタッチが無骨で荒い。線が太めで歌はまずまず
清水和音:◎ 荒削りだがキレと勢いは十指に入る。自由気ままな語り口に難有りも悪くない
ケラー:◎ ダイナミズムに溢れ指回りも良い。やや洗練さに欠けるのと録音が△
内田光子(EMI):☆ ショパコンと同路線で完成度upなのでほとんど完璧
パパジャン:◎ ショパコンライヴ(3位)。テクと勢いに音楽性の3拍子が揃う
カーロイ:○ 全体的にやや雑。葬送行進曲がモタれ気味で3番ほど良い演奏でない

LD
ラフォレ:◎ カメラ入りのせいか若干安全運転。音像も遠目で総合的に他2種には劣る


この中で特筆したいのは、ポゴレリチのショパンコンクールライヴ、ガヴリーロフEMI&DG盤、記事にも書いたバルボーザのLP、そしてマルク・ラフォレです。

ラフォレは実はかなりのテクニシャンでありながらそれを全面に出した感じではなく、やや優等生的(お坊っちゃん的?)ではありますが、格調高いというか、スマートで品のある歌心が素晴らしい(ショパン・コンクールでのスケルツォ2番での指回りや、コンチェルトの2番も素晴らしい)。コンクールではブーニンに敗れてしまい、あまり注目されていないようですが良いピアニストだと思います。ショパコン・ライヴもスタジオ盤もどちらも甲乙付け難く、強いて言えば音質や完成度を考えてスタジオ録音でしょうか。スケルツォの急速部分などではもっとスピードを出して畳みかけて欲しい箇所もありますが水準以上です。※追記:バルボーザの演奏にやや近いものを感じます。3番も録音してるのですが、入手困難のため(ヤフオクでは見かけますがちと高い)未聴です。


最後に蛇足を。2番も3番もやはりルービンシュタインは素晴らしいと思います。指の配分がよくないので和音も美しくなく、当然指も現代の技巧派と比べて回っていないのですが、それでも朴訥とした語り口が胸を打ちます。特に2番の葬送行進曲は手持ちの中でのベスト。「テクニックが衰えた大家の演奏なんて」という方も一聴をオススメします(バッハ=ブゾーニのシャコンヌも、virtuosityから最も遠い演奏だと思いますが、しみじみとした語り口が素晴らしい)。


※2012/7/16追記
今回、ひっさびさにシプリアン・カツァリスのソナタ集を聴き直してみました。あまりに久々すぎて音源の存在すら忘れていた上に、それほど興味のあるピアニストではないことから高を括っていたのですが、内容の素晴らしさにビックリしました。2番も3番も素晴らしい

よくよく聴き直してみるとそれほど良い演奏とは思えなくなってしまったので、評価を変更します。申し訳ありません!!

彼はややケレン味のあるピアニストというか、以前ラフマニノフの3番のところでも書きましたが、驚異的なテクニックを備えながらそれをサーカスの曲芸師的な聴かせ方をするところがあまり好きではありませんでした(他には例えばメフィスト・ワルツの1番など。古いLPでのリストのソナタ(最近CD化されたのを見かけた気が…)などは真っ当に正統的な感じで弾いていたのですが)。

しかし、このショパンでは(彼の演奏としては)比較的正攻法で弾いている印象です。どちらもスピード感に溢れ、テクニックのキレも凄まじい。タッチのコントロールの精密さというよりはアルゲリッチ的な閃きで音色やデュナーミクを操作してる感があり、要するにセンスだけで弾いてる感じなのですが、ショパンらしさを逸脱しておらず予想外に(失礼)感激しました。2番は☆印です。出だしからテンポが速めで、スケルツォの急速部分のキレはキーシンに次ぐものがあり、クロマチックでの上昇部分はやや軽めのタッチながら相当なスピード。オクターブ連打も快速。葬送行進曲は遅過ぎず好感を持ちましたが、音楽性というところでは他盤より秀でたところはそれほど無い印象。再現部では突如力強いフォルテを聴かせ、メリハリが聴いてます。フィナーレは独自の音を強調してて超個性的。キレも凄まじい。それに対すると3番は手持ちで上位に入る技のキレを見せつつも、2番より歌が多いだけに、音楽性でもうひとオシあれば、という感があります。肝心の終楽章ではややタメが多く、解釈なのかもしれませんが惜しいと思います。それでもスケルツォなどでお得意の内声えぐり出しを聴かせるなど、らしさ満開。ちなみに両曲ともリピートを行っています。録音状態が結構違っていて、3番の方が適度に残響があり、音の硬さときらびやかさがあって好みかも。


※2012/7/25追記
ロルティの2番を聴きました。ロルティは非常に大好きなピアニストで、彼のショパンエチュードは1・2を争うお気に入りですし、他にもベートーヴェンのソナタやリスト、ストラヴィンスキーなども良く聴いています。そんな期待大の中で聴いたのですが、やはり技巧の衰えは隠せず、思ったよりは健闘しているものの、音楽性が素晴らしく豊かなだけに本当に惜しいと思いました。あと、タッチが洗練され過ぎているというか、悪く言うと軽めで柔らかすぎるので、(3番ならよいのですが)この曲にはもう少し硬くてハリのある音を聴かせて欲しいところ。いかにもシャンドスらしい残響多めの録音のせいもあると思いますが。いずれにせよ悪かろうはずもなく、3番にも是非期待したいと思います。

※2012/7/29追記
ペルルミュテールのNimbus盤を聴きました。とりあえず2番。これはけっこうレアで、たまーにユニオンにやや高値で落ちてます。ルービンシュタイン系の演奏なので、このような演奏は2番では大変貴重だと思います。

※2012/7/30追記
クライネフのショパンのソナタ第2番のレコードを入手しました。恥ずかしながらこれは私も存在を知らなかった盤で(彼は実はラフマニノフのコンチェルト2番を出してたりと、意外に知られてないレコードがまだありそう。ちなみにこのラフ2、名演です)、喜び勇んで買いました。

krainev.jpg

これが激しい。手持ちの盤で1・2を争う激甚なタッチ、スピード、テクニック。スケルツォのオクターヴ連打からの和音で駆け上がっていく箇所の速さはキーシンやガヴリーロフ、オールソンを超えるもので、間違いなく最速。あまりに激しすぎてガヴリーロフが大人しく聴こえるほど。←これは言いすぎでした。隣りの鍵盤を引っ掛けたような箇所もありますがライヴ録音ではなさそう。入手したのはなんとフランス盤で、原盤はメロディアですがまたまた恥ずかしながらフランス盤メロディアのLPを聴くのは初めてです。これがバキバキに硬い音質で、ちょっと異常な程なのですが(今回なぜかレコード屋でフランス盤ばかりを3枚聴きました(コレクターが手放した?)が、どれもこんな音質。そういう特性なのでしょうか?)、これがまたクライネフの硬派な音色に合ってるんです。勿論、ショパンらしさは微塵も感じられず、そういう意味ではバルボーザを超えるものではありませんし、硬めな歌い方が苦手な方もいるかと思いますが、それでもこれは私的に評価は◎印です。ちなみに演奏時間は5:03/6:15/7:59/1:16で、終楽章の体感スピードとキレも手持ちで最速です。裏ジャケが当然フランス語で、浅学のため何を書いてあるのか全くわからないのですが、どうやら録音は71年以降の模様です。残念なことにクライネフは昨年亡くなっており(ちなみに奥さんはフィギュアの浅田真央の元コーチ)、このような録音が再び注目されてCD化されるのを祈ってます(このショパンやラフ2、ショスタコのコンチェルトは是非!)。



※2012/8/9追記
ナターシャ・クドリツカヤによる2009年ヴァン・クライバーン・コンクール(辻井君が優勝した年)予選でのソナタ2番を聴きました。録音のせいか細部がぼやけ気味で全体的に和音に力が入っていない安全運転な印象です。センスは悪くないと思うのですが。ちなみに彼女はセミファイナルにも進めなかったようです。


※2012/8/11追記
ようやく棚からアンドレイ・ニコルスキー盤を発掘しました。聴き直したところ大変満足できる演奏で、(これはラフ3でも感じたことですが)テクは取り立てて秀でたものはないものの、至極真っ当な解釈の下、全体的に速めのテンポで勢いに溢れ、音楽性にセンスを感じます。スケルツォも最初の跳躍で間が空くものの、半音階上昇や和音連打もかなりのスピードで、☆印にしようかと思ったのですが、緩徐部分でややテンポを落としすぎるきらいがあり、特に葬送行進曲がモタレ気味だったので自重しました。尚、ニコルスキーについてはこちらのブログが参考になると思います。


※2012/9/23追記
グリゴリー・ソコロフ、ヤヌシュ・オレイニチャクによる2番を追加しました。
ソコロフはどんな演奏か大体想像が付いたので手を出してなかったのですが(苦笑)聴いてみました。ライヴながら完成度が高いです。思ったほど粘りませんがそれでも止まりそうなルバートなど、「The ロシア的」と言いたくなる演奏。
オレイニチャクの2番は1848年製エラールを使っており、私にはピッチが低く感じられて違和感もあるものの、演奏自体は非常に音楽的で聴かせます。しかしながら、個人的に時代楽器によるショパンにはやっぱりまだまだ馴染めないという感じです(録音のせいか音色がモヤっとしてて細部がボヤケ気味)。

※2012/9/28追記
ブニアティシヴィリ盤を追加しました。先日のエントリーで詳しく書きましたが、第1印象よりはかなり楽しめる演奏に感じられました。聴き込みが浅いのに焦って書くと良くないですね。反省。


※2012/10/18追記
訂正したニコライ・ホジャイノフの2番を追加しました。確実かつ明晰なタッチで、やや生真面目な印象を受けます。デュナーミクの幅もそれほど大きくなく、勿論テクニックの破綻も過不足もなく、全体的にオーソドックス。スケルツォの第2主題や葬送行進曲のトリオでじっくり歌うところなどが個性と言えば個性かも。個人的にショパンの曲は、マクロでインテンポを保つような演奏は好みでなく、ミクロのフレーズごとにいかに自然なアゴーギクで歌うかがセンスの見せ所だと勝手に思ってますが、その観点では第2・3楽章の緩徐部分などでテンポをキープしている感があって、少し好みからは外れます(終楽章も同様で、最後までせき込むところが無く、やや静的な印象)。それでも和音の配分の美しさや前打音のずらし方が非常に上手く、響きを重視している?演奏に好感を持ちました。尚、併録のダンテソナタも同じような演奏で、ゆったりと歌う(17分台)姿勢に音楽性の豊かさを感じさせますが、こちらは曲的にもう一段のテクニックが欲しいところ(オクターヴ連打がやや重い)。


※2012/10/31追記
ポゴレリチの83年録音のFKM盤を追加しました。このような盤を紹介するのは気が引けたのですが、今年6月に再発されて入手しやすくなったこともあり、すでにラフ3でグレーゾーンなソコロフ盤を紹介していたので(苦笑)書いてみました。ややピアノの音像が遠目ですが、音質は明晰でポゴレリチの呼吸音なども拾っており、この種の録音としては驚異的に良いのではないかと思います。上でコメントした通り、2番はショパンコンクールと同じ解釈ながら完成度と細部のキレは増しており、その分手慣れた感もあって緊張感は薄まりましたが、これは十二分に☆印。ショパコンと甲乙付けがたい出来です。ただし、重低音のあからさまな強調がショパンらしくない感じは受けるので好みは分かれるかも。


※2012/11/4追記
ヤフオクで面白いものを見つけたので買ってみました。



マルク・ラフォレによる1988年の日本でのライヴ映像LDです(驚くべきことに未開封新品)。上で書いた通り、CDで手に入るソナタ2番の中ではラフォレのスタジオ録音盤が最もショパンらしい正統派の名演だと思っているので、かなり期待して聴きました。2日間のコンサートを編集してあるようです。ちなみに私はLDプレーヤーを持っていないのですが、職場にあったので休日出勤をしたときに(笑)視聴&(ICレコーダーに)録音してきました(勿論、それを見越して落札しました)。

ソナタ2番は他盤と比較すると十分に良い出来ですが、彼のショパコンやスタジオ盤と比較するとやや安全運転な印象。それでもミスは少なく、完成度・テクニックはスゴいです。映像作品の常か、音像が幾分遠目で、ピアノのコンディションも少し悪いのか、弱音のカスレが見られます。トータルでアルバム作品としての出来は素晴らしく、マズルカやバラード1・2番も好演です。どうでもいい話ですが、なぜシプリアン・カツァリスみたいな髪型にするのでしょう。。。このLDはDVD化されていないようなのですが、されていたら是非教えて下さい。


※2012/11/7追記
iTunesを整理していたら2番の広瀬悦子盤と3番のリパッティ盤を持ってることに気付いたので追加します(汗)。広瀬盤は個人的にアルゲリッチ系テクニシャンぶりを感じさせる勢いとなかなかのテクニックで表現意欲も十分ですが、その分テンポを大きく揺らすなどやり過ぎな感じ。それでも軽めのタッチで品のある歌を聴かせてます。

※2012/11/12追記
ノヴァエスのソナタ2番を聴きました。聴いてビックリ、自分がこう弾いて欲しいという箇所をほとんど理想通りに弾いてます(例えばスケルツォのオクターヴ連打でタメを入れないところとか)。勿論不満が無いわけでなく、出だしのブツブツしたタッチが気になったり、人によってはややストレート過ぎる解釈かもしれませんが個人的にはドツボです。50年代の録音で齢すでに還暦になろうかという時期の演奏ですが、素晴らしい(黄金時代のピアニストの演奏はあまり好まないのですが、これは気に入りました)。とにかく音質が悪いのが残念・・・。これはソナタ3番も聴いてみなくては。


※2012/11/14追記
サンチャゴ・ロドリゲスの1981年クライバーン・コンクールでのソナタ2番を追加します(吉祥寺のユニオンで捕獲)。ちなみにこのとき彼は銀メダルの模様。これは素晴らしい。ライヴながら非常にミスが少なく、彼らしいダイナミズムに溢れてます。解釈はストレートで技巧も闊達。スケルツォもタメが少なくスピード感抜群で爽快、葬送行進曲も粘りすぎないのがイイです。彼のラフ3ベスト5に入ろうかという名演なので期待してましたが、見事応えてくれました。録音のせいか、ややピアノの音色が平板なのが気になりますが、そのうち☆になるかも。余談ですが、爆演揃いのコンチェルトに比べて、彼のソロCDはイマイチなものもあり、ブラームスのパガニーニ変奏曲は彼にしては勢いだけが先走っており、荒くてあまり良くないかも(しかも併録のシャコンヌがブラームス編の左手ver.なのが残念)。


※2012/11/26追記
2・3番にワイセンベルク盤(EMI)を追加しました。彼のショパンで最もポピュラーな録音だと思いますが、世評がイマイチなので長いこと保留してました。今回、亡くなった後に出たリマスタリングした(?)と思われる録音を聴いてみました。2番はいかにも彼らしい機械的でザクザクしてるタッチでガンガン鳴らしており、それでいて緩徐部分は必要以上に粘るのでちょっと着いていけないです。


※2012/12/24追記
2番にセルゲイ・ラフマニノフ盤を追加。巨大なスケールで突進しつつ、ロマン的味付けの濃い演奏です。


※2013/1/25追記
エキエル盤を追加。楽譜の校訂者として有名ですが、楽譜の版の違いなのか、聴いていて引っかかるところが幾つかあります。例えば第2番の第1楽章前半の第2主題、右手オクターヴで旋律を奏でる箇所でB♭の部分をタイにせず弾き直しているのは、(流れ的に最高音で目立つということもあって)かなり違和感を覚えます。私が持っているのはパデレフスキ版で、エキエル版を持っていないため確認できないのですが・‥。単に慣れの問題だとは思うのですが、今後は徐々にこちらの版による演奏が増えていくのでしょう。


※2013/2/9追記
内田光子の1970年ショパンコンクールライヴのLPを追加。レコード屋で見つけて、こんな有名ピアニストのLPがCD化されてないはずがないと思って調べているうちに、あっという間に売れてしまったのでした。Laserlightから出ている一連のショパンコンクールCDでは優勝したオールソンのソナタの演奏などは出ているものの、彼女については結局わからずじまい。おそらくCD化されていないと思うのですが、情報をお持ちの方は是非教えてください。というわけでようやく再会を果たし、即入手。極めてデッドな近接録音といい、出だしのアルペジオの弾き方といい、後年のポゴレリチのショパコンライヴを思い起こさせる熱く激しい演奏(勿論あそこまでではありませんが)。やはり彼女はテクニシャンです。ちなみにこの時彼女は第2位で、第1位はG・オールソン、第3位がP・パレチニ。43年前にして未だ彼女が日本人過去最高位ですが、それだけのことはある熱演です。


※2013/2/14追記
エリック・ベルショ(Eric Berchot)のLPを追加。珍しいイタリア盤です。入手するまではてっきり1980年のショパンコンクールのライヴ演奏だと思っていたのですが、どうやらその後にご褒美として出されたスタジオ録音のようです。私のお気に入りのラフォレの演奏に近いものがありますが、テクと歌でそれぞれ1段劣る感じです。おそらくCD化されていないのではないでしょうか。ちなみにショパン・コンクールでは彼は第6位。その時の実況録音が海老彰子の演奏とのカップリングでレコードとして出ていますが、ソナタは収録されていません。こちらもCD化されていない模様です。
2014/12/4追記ユニオンでこのレコードのCDと思われる盤を発見。録音日が微妙だったので、日付を確認している間に買われてしまったのでした。レーベルはHMFだった気が。悪くない演奏だけに惜しいことしました。


※2013/2/15追記
Alain Bernheim(ベルンハイム、ベルナイムとも)盤のLPを追加。フランス盤ばかりを入手した時の1枚です。第1楽章やスケルツォでの和音連打、オクターヴはなかなかの突進が聴けますが、全体的に荒っぽいです。録音のせいか線が太く、どことなく3番でのフー・ツォンの演奏を思い起こします。例によってCD化されていないと思います。話は変わりますが、フランスのレコードはどれもこんなに音が硬いのでしょうか。バキバキしていてこの曲には合ってるかなとも思いますが、非常に特徴的だと感じました。ふと、フルトヴェングラーのバイロイト第9のレコードで最も音質が良いのはフランスプレス(FALP)だという話を思い出しました。MYTHOSとかDELTAなどの盤起こしを持っているのですが、1度オリジナルで聴いてみたいです(高すぎますが)。


※2013/3/11追記
清水和音のRCA盤LPを追加。いやはや、第1楽章の3度4度上昇や、スケルツォのオクターヴ連打、クロマチックでの上昇部分のキレ、終楽章のスピード感などは手持ちで十指に入ろうかという演奏です。ソナタの演奏に限っては、内田光子や横山幸雄のテクニックを上回るのではないでしょうか。荒削りながら突進という言葉が似合います(スケルツォの跳躍部分などでわずかに弾き損じなども聴かれます)。ただし、センスのまま弾いた感があり、細部まで推敲されておらず、突然の加速や減速に加え音楽性の点でかなり疑問符が付きます(例えば、冒頭のアルペジオの弾き方などはなんと言うかヘンで、手持ちの60数種の中で最もズッコケる部類でした)。また、音色の変化という点でも一本調子な印象(日本人で言うと及川、横山盤と同じ印象)。ところで、このレコードもCD化されているかどうか(リアルタイム世代ではない私には)分かっていません。デ・ワールのリストのLP同様「デジタル」と書かれているのでいかにもCDになってそうですが・‥。ちなみにCD化されているかどうかは、いつも私はまずグーグルで調べ、アマゾンで調べ、HMVで調べ、東京都の図書館のCD(非常に古い物のデータが残っている場合がある)を検索し、最後はCDジャーナルで検索をかけてますが、それでもこれは出てきませんでした。同じRCAから出ている幻想即興曲のレコードはCD化されているのですが、このソナタは不明です。彼は80年代の途中でRCAからソニーにレーベルを変えた?ようなので、それも関係しているのかもしれませんが。※2014/12/04追記久々に聴き直してみましたが、随分と印象が違います。まず、技のキレが凄い。スケルツォなどの難所でのインテンポ感がハンパないです。宇宙人キーシンは別格として、確信的なタッチはポゴレリチ、スルタノフ、ガヴリーロフ、ブニアティシヴィリ等々の強面陣にも負けていません。五指に入るかも、は言い過ぎかもしれませんが、上位入賞は間違いないです。そして、やや濃ゆい味付けですが歌い方もそれほど違和感なく聴けました。レコードのジャケを見ると、幻想即興曲のLPだけはCD化されている模様ですが、この盤はやはりCD化されていないようです。彼の再録音は未聴ですが、興味が出てきました。



※2013/3/26追記
ゲキチ盤、梯剛之盤を追加。ゲキチ盤はかなりのレア?盤で、3番に続いて長いこと探してたのですが、ようやくget。しかも、1度に2つも見つけてこれが音盤道なのでしょう(笑)3番同様、部分的な技のキレが凄いですが、とにかく粘ったり止まったり急いたり内声出しまくり、クセがありまくりで苦手な人も多いでしょう。私はギリギリ有りかなという感じ。
梯盤は予想外にロマンティックな感じで正直ビックリ。2000年ショパコン時にNHKが放送したドキュメントでは薄味でサッパリな演奏だったような(とても曖昧な)記憶があったので驚きました。オクターヴ連打や3度4度の和音連打も結構巧い。跳躍部分で間が空くなど惜しい面も。なかなか歌のセンスがあって聴かせるのですが、曲を通して落ち着いて聴ける解釈という感じではないです。録音日時を見るとライヴではないようですが、一部弾き損じ気味だったり荒い箇所があったり(勢いがあるので個人的には好ましく感じましたが)、複数のコンサートからの編集盤なのかもしれません(第1→2楽章がやたらとアタッカだし)。


※2013/6/8追記
何かと気になるピアニスト、エドナ・スターン盤を追加。プレイエルによる演奏です。彼女はシャコンヌの盤で知ったのですが、その柔らかな音色と繊細なタッチ、語り口に魅了されたのでした(ブゾーニのシャコンヌのほうはまずまずでしたが、ルッツ編のブゾーニはちょっと安っぽい映画音楽的な音使いがあるものの、非常に面白く聴きました)。さて、このショパンの2番ですが、出だしからプレイエルの音色とやはりピッチが気になります。歌の上手さに感心するところもあるのですが、なかなかピリオド楽器の演奏には馴染めません・‥。


※2013/9/17追記
サンソン・フワンソワ盤を追加。あまり聴かない昔のピアニストなので聴かず嫌いをしてましたが、どうしてどうして大変良い演奏です。とにかく歌のセンスが良く、かと言ってこの曲に必要な力強さも欠けておらず、随所で効果的な低音の強調が聴けます。葬送行進曲も粘らずスッキリしているのは好みが分かれると思いますが、個人的には好ましい。テクの弱さも許容範囲内で、スケルツォの例の上昇部分が軽いタッチなのは頂けませんが、他はまずまず。◎にしようかなと思ったのですが、終楽章のモタツキ加減(技術的な問題でなく、解釈かも?)がかつてないほど気になったので、○です。とっても惜しい。

※2014/1/3追記
オルガ・ケルン盤を追加。もどかしく野暮ったくなるギリギリのところで丁寧かつ誠実な演奏。音色も綺麗。葬送行進曲は10分以上かかってて苦手なタイプの遅さですが、まずまず聴かせます。全体的に面白みにはかけるかもしれません。

※2014/2/24追記
ホロヴィッツの1950年スタジオ録音盤を追加。62年の演奏より技巧は闊達でスケルツォの例の部分もなかなか軽快ですが、所々重めでモッサリしてるところも有ります。歌もまずまずで録音は年代を考えると良いほう。しかし、彼としては意外なほどオーソドックスで真面目。スケルトン的な音色や重低音もそれほど見られず、面白味には欠けるかも。


※2014/5/12追記
エル=バシャ盤を追加。かなり昔、エルバシャのショパン全集が販売元の値付けミスでアマゾンに5ドル位?で売りに出て、ネットで話題になったことがありました。当時抜け目なく注文したのにキャンセルになってしまって以来、中古で見かけても悔しくてスルーしてたのですが(苦笑)、分売で300円で見つけたのでさすがに手を出しました。kyushimaさんのレビュー通り細部まで丁寧でインテンポ、名盤プロコの初期作品集で見せた冷静かつ緻密な演奏です。とにかく音色がべらぼうに綺麗!(Forlaneはいつも好録音)。冷静沈着かつどこまでも明晰なタッチで、はっきり言ってショパンらしくないですが、この曲が好きな方は聴き逃せないです。

※2014/12/4追記
2番は随分と間が空いてしまいました。佐藤卓史盤を追加。彼の2番を聴くのは初めてですが、予想通り昔のウイスキーのCMみたいなショパンです。技巧は標準的ですが、歌心がもうひとつ。何より、今時風呂場のような残響ジャブジャブの録音が頂けません。

※2015/1/4追記
タマーシュ・ヴァーシャーリ盤をサルベージ。1963年の録音とは思えないほど良く、さすがDG。第1楽章の展開部や第2楽章の例のオクターヴ連打でもあまりたたみかけることはせず、第3楽章でも、なんというかイケメンが無理して真剣に弾いてる感じがして、格調は高いのですが切迫感はあまり感じられません(実際にジャケ写真は俳優のような美男子)。路線としてはラフォレに似てる感じですが、あれよりもキレで劣る感じ。


※2015/1/11追記
ウラディーミル・アシュケナージ盤(英デッカLONDON,1979年録音)を追加。家人のCD。持ってるのに、両人とも忘れていたのところがアシュケナージの存在感ゆえか。どこの誰でも持ってて知ってる演奏だけど、おマニアの方できちんと彼を評価している(というか聴いている)人は少ないんではなかろうか。クラシック界のコンビニエンスなお方なわけだが、以前紹介したとおり、私は結構好感を持っている(ちなみに、廃盤〜シリーズでこの記事だけ未だに拍手がもらえていない。みんなそんなにアシュケナージが嫌い?)。・・・脱線したが、この演奏、まずテクが良い。アシュケナージだから当たり前なんだけど、なんだかんだやっぱり凄い。第1楽章のオクターヴで上がるヤツはちょっと間が空くもののスケルツォもかなり攻めてるし、歌だって悪くない。勿論デッカだから録音優秀、音色もいい。EMIは所属ピアニストに謝罪すべきだ。手が小さいと言われているせいか、和音がちょっとパシャりと美しくないのが気になるが(冒頭のアルペジオも変)、葬送行進曲も綺麗だし、解釈も正統的かつ自然で、突っ込みどころが無い。終楽章の精密さなんて相当上位だ。おそらく世間はこの「あまりにフツーなショパン」が面白くないんだろうけど、ライナーノーツで宇野コーホー先生が絶賛してるし、正規・非正規合わせて100種以上聴いてる私の愚耳でも、これはかなり良い演奏の方に入るだろう。以前紹介したライヴ盤が真っ赤に燃えてる炎ならば、これは青白いが実は超高温で燃えてる恒星の最後の輝きだ。ぜひみんな騙されたと思って1度きちっと聴き直してみて欲しい。・・・って、なんだかまたアシュケナージに熱くなっちゃったけど、今を去ること○年前、某音大ピアノ科の女性達と銀座で合コンした時、その場に居た女性全員がショパンのソナタのCDはアシュケナージしか持っていないと言っていたのをふと思い出した。彼女たちは正しかったのだと、当時「バルボーザってピアニストがすごいんだよ!」と力説した私に伝えたい。


※2015/1/18追記
ハワード・シェリー盤を追加。シャンドスに入れた3番はお気に入りになったので、2番も気になっていましたが見あたらなかったところ、なぜかビクターの廉価盤?のCDで捕獲。ブックレットその他には録音年も何もなし。どうやら色々なレーベルから形を変えて出ているようです。録音は91年以前(40歳頃?)の模様。これが稀に見る(聴く)好録音で、極めて明晰で芯の詰まったピアノの音を聴かせてます。似てるのはオフチニコフのリスト超絶とか、ベレゾフスキーのテルデックから出したロシア集とか、エルバシャの初期プロコ集みたいな、ピアノの音色が金属的に聞こえるか否かのギリギリの音質です。解釈は3番で感じた草食系の歌上手ということもなく、適度に力強い実に自然な印象。テクも特に不満を感じないレベルで、似てる路線としては2番でお気に入りのラフォレのスタジオ盤なのですが、あれには1歩弱及ばない感じ。とにかく録音がある意味スゴすぎて、ショパン的を通り越してゴージャスなリスト的になってしまっているという、珍しい演奏です。


※2015/2/14追記
エマニュエル・アックス盤を追加。出だしからこれ以上ないほど勿体ぶり、これでもかとテンコ盛りに歌う。濃いです。歌は下手ではない。むしろ上手い。しかし、音色の引き出しは少なめ。第1・2楽章のオクターヴ連打や急速部分はごまかしがなく丁寧ですが、無骨な感じ。何よりも、全編で現れる本人のうなり声「ダダダダダッッ」などがとても気になります。グールドには我慢できる私も、ちょっと我慢できないです。


※2015/9/13追記
シモン・トルプチェスキ盤を追加。「年内には2番も100種類に到達する」と宣言したのに、サボりまくりでまだ80数種。慌てて更新していかないと。で、例によって彼の演奏はラフマニノフの3番くらいしか知りませんが、予想通りテクも有って音も綺麗に鳴らしており、文句をあまり付けるところがありません。スケルツォ部分の半音階部分も中々の迫力。しかーし第1・2楽章で所々テンポが落とし気味になってる箇所が若干気になります。緩徐部分も、個人的な好みからすると第3楽章のトリオなどテンポを落とし過ぎ(10:17もかけてる)。


※2015/9/14追記
ミハイル・ルディ盤を追加。彼もラフ3での線が細く優等生ながらしっかりした技巧が印象に残っています。センスがあるというよりは筋が良く上品に歌いますが、第1楽章第1主題での盛り上がるここぞというところでタメを入れたり、ちょっと欲求不満が溜まります。和音が綺麗で葬送行進曲などは聴かせていますし、全体としてなかなか良い演奏ですが、出だしからの印象がよくないため△です。


※2015/9/15追記
頑張って3日連続更新中。アルトゥール・ピサロ盤を追加。ソナタ3番では持ち前のテクニックを出し惜しみして最後の最後で爆発させるという謙虚さでしたが、この2番は曲想ゆえか出だしから高度な技巧が全開で、タッチのキレ、スピード感ともに申し分ありません。スケルツォでも苦しさを感じさせず技巧の余裕を見せる演奏は久しぶり(跳躍でのタメが若干惜しいが・・・)。ラフ3でも感じましたが、緩徐部分でのモタレ気味な歌い方がイマイチ。第2楽章など急速部分との落差が大きく、そして案の定葬送行進曲は歌のセンスがあるわけでもないのに(失礼)テンポを落とし過ぎ。例によって何気なく聴いていた嫁も「遅すぎる!」・・・好みが一緒。というわけで、第2楽章途中までは◎ですが、それ以降は△で、トータル○です。路線とはしてはキーシンに似ているでしょうか。終楽章などかなりの技の冴えを見せており、こういう「キレだけが取り柄」な演奏を聴くと、ルービンシュタインの語り口がいかに凄いかよくわかります(口直しに聴きたくなる)。ストレートに弾いてくれればずっと良かったのですが。


※2015/9/16追記
ヴィルヘルム・バックハウス盤を追加。1950年の録音で、相当衰えてるかと思いきやそれほどでもありません。モタつく所は多々あるものの、意外に聴けます。解釈は素っ気なく、ピサロ盤に続けて聴くと変にこねくり回してない分、サッパリとした葬送行進曲など好感が持てます。スケルツォなどでも普通の演奏なら噛み締めるように勿体ぶる箇所で音質はやはり悪く、コモり気味です。4日連続更新はおそらく自己新記録。ようやく90種に到達しました。

※2015/9/20追記
ウォルフラム・シュミット=レオナルディ盤を追加。彼を取り上げるのはラフマニノフのピアノ協奏曲「5」 番以来かな。テクも歌もまずまずで、標準的な解釈。歌はそれほど巧みではない印象(葬送行進曲は9:25ほどで、個人的な好みではこれでもまだ少し遅い)。スピード感がないわけではありませんが、スケルツォなどの急速部分でもうヒトオシの技巧が欲しいところ。全体的にオーソドックスの代表元に選べそうです。


※2015/10/10追記
Roland Keller盤(LP)を追加。全然知らないピアニストですが、1949年生まれシュトゥットガルト出身で、よく知らないコンクールでの優勝歴があるようです。このショパン集のレコードは1978年録音で、ソナタ2番の他には幻想ポロネーズ、即興曲等が収録されています。

keller.jpg

私の試聴をクリア(笑)した1枚で、第1楽章・2楽章の勢い溢れる演奏を聴いてこれはひょっとして、、、と買い求めたものです。出だしから気合い十分で、とにかく150km前後のストレートを投げ続けているという印象。実はタッチが荒っぽく、技巧はそれほど洗練されていないのですが、「ここを全速力で駆け抜けてくれないかなぁ」という箇所で突っ走ってくれている希有な演奏です。幻想ポロネーズや即興曲も「ここで走るか」という良い意味での意外性に溢れており、非常に面白い。これだからマイナーレコード漁りは止められません(有名な人なのかもしれませんが)。久々に☆を付けようかと思いましたが、ちょっと録音が安っぽいので涙を飲んで二重丸です。


※2016/6/7追記
内田光子盤(東芝EMILP)を追加。

※2016/6/12追記
ピエトロ・デ・マリア盤を追加。3番に続いてこちらも名演です。抜群のテクニックというわけではなく、タッチの巧みさは3番ほど目立たないものの、やはり歌のセンスが凄い。特に葬送行進曲は出色の出来で、この楽章に10分30秒以上もかけており、シリアスな表現の中にも滋味に富んだ味わいがあって、なんだかベテランピアニストの演奏のようです。もう更新が止まってしまって久しいですが、以前。kyushimaさんがデ・マリアについて書かれていたのを思い出しましたが、非常に歌心のあるピアニストのようです。ショパンのエチュードやバラードも少し試聴してみたのですが、どうやらかなり良さそうです(Op.10-1,10-4ではやはり繋ぎ目が見えますが)。


※2016/6/18追記
エレーヌ・グリモー盤を追加。今までなんとなくビジュアル路線なのかなぁと思っていて、さらにはオオカミと暮らしてるとか、評判から敬遠してたピアニストなのですが、ちゃんと聴くといやいやどうしてすごく良い演奏。表現はシリアスかつ切迫感あるタイプの演奏で、全体的に攻めのみの一本調子な感はあるものの惹き込まれます。葬送行進曲も前打音が時折子どもっぽかったりするのですが、マーチ部分の表現力がスゴい。デ・マリアの味わい深い路線とは違い、寂寥感の中を慟哭に打ち震えながら歩いて行く感じ。トリオ部分では音色がやはり単色なのが気になります。また、細部でトリルの入れ方が雑だったり、和音の響きがイマイチだったり(スケルツォのところ)、終楽章のスピード不足など、色々惜しいので○です。

チョ・ソンジン盤を追加。我ながらyoutubeで観た(聴いた)時と全く印象は同じ。コンクールでおそらく本当に満点だったのではないかと思わせる技巧・表現力の高さは間違いないのですが、私がコンクールで聴きたいのは20勝ピッチャーの打たせて取る完封劇なんぞではなく、ポゴレリチのように、ミスはあっても全身全霊で自己の内面をその場にいる全員にブチまけて自らの存在意義を問うような演奏なのです。でも、上手いよなァ・・・コレ。葬送行進曲とかひれ伏したくなる完成度。というわけで、○印は変わらないのですが、一抹の不安は、クラシックサイトNo.1を運営され陰ながら尊敬している加藤幸弘さんがCDとハイレゾを聴き比べてハイレゾ盤を大絶賛していることです。加藤さんも初めは私と同じ印象をお持ちだった様子なのですが、ハイレゾで評価が一変したとのこと。いつか聴いてみなければ。ハイレゾ環境にあるのですがしかし、ハイレゾでは他にも優先して入手したいものはあるわけで。。


※2016/7/9追記
フランソワ=ルネ・デュシャーブル盤を追加。テクニシャンゆえに第1楽章第1主題のスピードを期待していたのですが、なんともマイペース。理性的に歩みます。頻発する和音が多少汚いのが気になります(この楽章のみ)。第2楽章は持ち前のテクがいい感じです。歌もなかなか良い。葬送行進曲も聴かせますが、腰高な音色(録音)で損をしているかも。どことなくペラペラ感があります。トリオも音色が奇麗なもののややかったるい印象。マーチの再現部分では何故かスゴい迫力で戻ってきて、徐々に静謐になっていくのがちょっと違和感。終楽章は彼らしさ全開の流麗な演奏。とにかく出だしの第1楽章が惜しいのと、細部で自分の好みと合わない感じです。


※2016/8/6追記
リチャード・ティリング盤を追加。残響ほとんど無しの超デッドな録音に加え、「フォルテ以上しか出せないのか」と思うほどブッとくバキバキの演奏です。トンカチで鍵盤を叩いてるかのようで、ミスも多々あります。極太の黒マジックで年賀状の郵便番号を書いているような感じ。これが許せる人はかなり許容範囲の広い人でしょう。



※2016/8/17追記
アルチアン・パパジャン盤を追加。セルゲイ・ババヤンみたいな名前と風貌なのは知っていましたが、初めて聴くピアニスト。1980年ショパンコンクールライヴ。ポゴレリチが落選してダン・タイ・ソンが優勝したときの3位だけあって(?)、非常にテクニックのレベルが高いです(現在の技巧派と遜色無い感じ)。出だしでちょっとミスが相次いでいるので先行き不安になるのですが、その後はどうしてどうして持ち直すどころかスケルツォも結構なスピードで攻めているので、単に緊張していたのでしょう。葬送行進曲も聴かせます。B面の前奏曲や舟歌、マズルカなどもややミスはありますが気持ちのこもった良い演奏。バッハのパルティータ第6番とベートーヴェン後期ソナタのポーランド盤LPを見つけたので、聴いてみようかなと思います(ショパンソナタ第2番等のLPがebayに出ていますが、これもポーランド盤のようなので、ショパンコンライヴと同一音源の可能性があり、手を出せません)。ちなみに、wikiなどでは「Papazyan」と表記されていますが、LPでの表記はPapazjanで、ebayやAmazpnでもこちらの方で引っかかるようです。


※2016/8/20追記
カティア・スカナヴィ(Skanavi)盤を追加。読者の方にコメント欄で薦めて頂いたものをようやくget。youtubeですでに良さそうなのはわかっていましたが、期待を大きく上回る名演!まずテクが優秀。ユジャ・ワンやブニアティシヴィリほどではありませんが、技巧派と呼んでも差し支えないレベル。何より、第1楽章から相当なスピードでガンガン攻めまくる姿は女版ラツィックといった感すらあります。スケルツォも同様の勢いに溢れており、しかもテクも十分。和音連打や半音階での上昇部分など凄まじい迫力!みなぎる緊張感もスゴい。緩徐部分はテンポを落とし気味でややあざとく感じる方もいるかもしれないのですが、私的にギリギリ許容範囲。葬送行進曲も8:52で遅すぎない好みのテンポ!最終楽章はまさしくsotto voceなのですが、個人的にはもう少し表情を付けてもよかったかも。トータルではCD盤として久々の☆です。ちなみに、他の曲もテクを見せつつ女性らしく華やかでしなやかな演奏。アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズはファヴル=カーン盤が最高の名演だと思っていたのですが、それに次ぐ地位を占めそうです(テクでは彼女を上回っています)。録音も、Pro Pianoだけあって、残響多めながら明晰で音の密度が濃く、若干モノクロームですが凛としていて素晴らしい(ただし、ソナタ2番はデカい音が出る曲想のせいか反響音で音像が濁りがち)。というわけでこのCD、記念すべき第2番の100種目に相応しく、好演揃いで大変オススメです!



※2016/11/20追記
ヤン・シモン盤を追加。随分前にデータだけ取り込んだこの盤をライヴラリの中から再発見(文京区の図書館から借りたヤツかな?)。ポゴレリチのショパコンライヴを思い起こさせるような、キレと凄みが少しあります。録音が軽いのがちょっと惜しい。聴き込み次第で評価は上がりそうな盤です。


※2017/1/31追記
ロール・ファヴル-カーン盤を追加。

※2017/7/13追記
ユリアン・フォン・カーロイ盤を追加。

長くなりましたが、随時更新していきたいと思います(時とともに評価を変えるかもしれません)。
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