音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
ヴォロドスのラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番SACD盤
2017-01-05-Thu  CATEGORY: ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ
何度も何度も書いているように、エリザベート2016のヴォンドラチェクのラフ3が届かない。


youtubeで見て期待してしまってから随分経つのに未だ入荷の気配なく、HMVからは遅配を詫びるメールが定期的に届いている(すなわち抱き合わせCD3枚も届かない!)。そんな欲求不満を解消するように最近ラフ3を聴きまくっているのだが、「これがベスト」という演奏は正規盤では存在しない。当たり前だが、何度聴いても同じ演奏はそれ以上良くはならない。


というわけで、演奏が変わらないなら音質の向上を図るしかないわけで、今のところ手持ちでベスト5に入るヴォロドスのSACD盤を入手して聴いてみた。夕方から嫁と子どもが出かけるという奇跡のような1時間があったので、爆音で鳴らした。ちなみに私の言う爆音とはどれくらいの音量かというと、トゥッティの最強奏部で床がズシンと響くくらいのデカさである(嫁にバレたら大変だ)。演奏に関してはこちらをご覧頂くことにして、音質についてメインで書きたい。


出だしからピアノの音が輝くばかりに美しい。これに比べてCD盤の方は音に余計なテカリがあるというか、純粋にリアリティに欠ける気がする。オケはそれほど印象の違いはないが、これは我が家のスピーカーの性能のせいもあるだろう。

それにしても、聴けば聴くほど凄い演奏である(15年前、hironovさん達に追いつきたくて、来る日も来る日もこの演奏をスコアを見ながらイヤホンで根掘り葉掘り聴いていたことを思い出す。当時は「アンスネス旧盤とどちらが巧いか」を判定しようとそれこそ何十回も聴き比べていた)。

強靭なテクニックと正統的な解釈で、非の打ちどころがないと言っては言い過ぎだが(勿論私の好みに合わない箇所はある)演奏としてはほぼ完ぺきに近いのではないか。しかしながら、その「完璧」具合が時として優等生的というか予定調和というか、まだ踏み込めるのではないかという物足りなさを感じさせてしまっている。私はこの曲に、手に汗握るような感激と興奮を求めているのだ。それゆえ、サモシュコやハフの「攻めまくり」な演奏は高く評価したい。


第1楽章はまだまだエンジンがかからないままだが、美しいピアノの音色によって抱く印象はかなり向上している。第2楽章も言うに及ばずで、三日月の上を転がる宝石のようなピアノの音色は一聴の価値があるが、先ほど述べたようにオケの音色がいまひとつ(レヴァインはあまり手綱を締めるタイプでない?)。それでも、終楽章でヴォロドスが回転数を上げてくるのが音質の良さによって際立ってわかる。出だしの同音連打は粒の揃ったダイヤモンドが弾け飛ぶかのようだ。「鐘」の部分も実に美しく和音を鳴りきる。素晴らしい。最後の部分もCD盤以上の迫力だ。


そんなわけで、無理やり音質に点数を付けるなら、CD盤が82点、SACD盤は91点くらいありそうだ。嫁と子どもが帰宅したので慌てて音量を下げたが、それでも音の良さを失わないのがSACDの凄いところだ(アンプやスピーカーが良ければもっと点は上がるかもしれないが…我が家の財力ではハードまでお金が回らない)。

よって、ついに5つ星☆☆☆☆☆を与えたいところだが、ここは自分が受けた感銘度を正直に厳しく判定して現状維持の4つ星のままとしたい。手持ちのラフ3の中では総合的にトップクラスなので、ラフ3好きかつヴォロドスファンの方はSACD盤を入手して聴かれるのもよいかもしれない(ただし、劇的に変わるわけではないので無理にはオススメしない)。


(次回も同路線で、私にとっては世紀のガッカリ盤だったアレを取り上げる予定…)

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