音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
ジェイムズ・トッコのショパン前奏曲集(LP)
2015-01-10-Sat  CATEGORY: 音盤紹介
シリーズ化しそうな、CD化されていない(と思われる)LP紹介(ただし、CD化して欲しいものとは限りません)。ジェイムズ・トッコ(James Tocco、米1943-)によるショパンのプレリュード集です。


tocco

これはアマゾンでもebayでも常時売りに出てることの多いレコードですが、どうやらCDにはなっていないようです。ちなみに彼は1973年のエリザベート国際で第8位に輝いています。

私が長年探し続けているCDが3枚あって、そのうちの1枚がkyushimaさんのページで高評価されているトッコのバッハ=リストのオルガン編曲集なのです。未だに店頭はおろかebayでも見たことがありません。アメリカ生まれということで彼ののディスコグラフィーにはコープランドやマクダウェル、バーンスタインのものが多く、あまり興味を引かれないのでこれまで聴いたことがありませんでした(アメリカのウィキには載ってませんが、フランクのヴァイオリンソナタを出してるので、そちらは聴いてみたい)。というわけで、恥ずかしながら初めてお耳にかかるピアニストなわけですが、kyushimaさんのレビューによるとテクニシャン系とのことなので、比較的期待を持って聴きました。収録曲は作品28と遺作の変イ長調の前奏曲、それに作品45の嬰ハ短調の前奏曲です。

・・・これが、とっても微妙な内容。作品28全曲で演奏時間が41分を超えるということで、かなり遅めのテンポの苦手なタイプの演奏だとは思ってましたが(ちなみにポゴレリチは45分超え)、出だしのハ長調がまず野暮ったい。3番は彼の指回りが堪能できますが、第7番太田胃散は飲み過ぎたのかちょっとモタレ過ぎじゃない?という、歌が不器用な感じ。第8番・第10番などの短調系の急速フレーズは巧いですが、録音のせいかあまり洗練されてはいないです。第12番ではリズムにちょっとクセ有。全体的に長調系での歌い方にいまひとつ。第15番が最も象徴的な演奏で、デュナーミクに難があるというか、弱音の使い方が一本調子で素っ気ないのがよく分かります。逆に第16番の音の粒立ちやスピード感はかなりのもの。第23番も、ここまで強弱とか抑揚が感じられないのは録音のせいもあるのかもしれません。終曲の右手の細かい動きは鮮やかです。

そんなわけで、技巧的には秀でたところを感じるものの、抒情性とか音楽性の点では疑問符が付く感じで、曲が本人のキャラクターに合っていない印象です。おそらくこれがデビュー盤ですが、なぜショパンの前奏曲を選んだのでしょうか。同じショパンでも、エチュードとかスケルツォとかならハマってそうなのに。バッハ=リストは彼向きだと思われるので、是非聴いてみたいです。引き続き探索します。
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