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ジョセフ・アルフィディのショパン作品集
2014-10-16-Thu  CATEGORY: 音盤紹介
レコード屋に通っていると珍しい音盤に出会います。本日ご紹介するのはそんな1枚。ジョセフ・アルフィーディ(Joseph Alfidi)によるショパン作品集です。



見つけたときは「アレッ?どこかで見たジャケだな?」と思いつつ、アルフィディだ!エリザベートコンクール時のライヴ音源かな?でもハゲてるぞッ?!と戸惑いつつLPを検めると、どうやらエリザベート国際のレーベル?からコンクール後に出したスタジオ盤のようです。マルPは1982年とあるので、その頃の録音の模様。彼が第3位に輝いたのは1972年ですから、それから10年後の録音ということになりそうです。

曲目はバラード第1番、ロンド、舟歌、スケルツォの4番・2番です。収録時間が47分と、CD時代からすると相当短めです。さてさて、アルフィディと言えば、ラフ3での、まるでエチュードを弾くようなバリバリのメカニックと、あまりセンスのよろしくない情緒感の持ち主という印象があったので、オールショパンというこのアルバムはなかなか評価しづらい演奏になっていることが予想されました。


はたして聴いてみた感想というと、見事に予想的中で(最近そういうのが多いな)、おまけに期待した技巧も予想を下回る出来でした。バラード1番からして最後まで聴き続けるのが苦しい。最初の和音を静かに連ねていく序奏からして棒引きに近い。ヘンなところで立ち止まったり、弱音に心がこもっていなかったり、とにかく聴いていてフラストレーションが溜まります。後半の急速なフレーズは明晰な粒立ちでなかなか見事ですが、タッチが少し野暮ったいというか、デュナーミクが洗練されているとは言い難いです。続く舟歌も(ジャケではロンドが先に書かれているが、実際には舟歌が先)、心地よく揺られている演奏とは言えず、油の差していないブランコに乗って終始ギクシャクしている感じ。トリルもおざなりというか、丁寧ではないのが鼻につきます。ロンドは、ジャケに記載はありませんがOp.5のヘ長調です。(普段ほとんど聴かないだけかもしれませんが)、これは比較的まともな演奏だと思います。

続いてB面。スケルツォの4番。これは近年グロヴナーの才気溢れる名演が出たのでそれと比較してしまうのですが、技巧は達者なもののキレはスゴいとまでは言えない感じ。それでも曲想的に歌のまずさはそれほど気にならず、彼のゴマカシの無い明晰な打鍵が曲の良さを引き出してます。全曲中でもいちばん良い演奏でしょう。最後のスケルツォ2番ですが、こちらは技巧的に期待したほとでないのが残念。第1主題再現部前の右手の上昇アルペジオなど、音がモゴモゴと埋もれていてよく聞こえません。全体的に間を取りすぎというか、音価を伸ばしすぎて拍が崩れるのが気になります。

というわけで、全体的に残念な内容でした。彼のような歌で勝負しないタイプの技巧派は年を取るのが難しいのかもしれません。衰えとは言わないまでも、常識的な範囲のテクニックに収まっているのが尚更惜しいです。それにしても・・・10年で随分容貌が変わってしまったものです(笑)

アルフィディ


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