音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
ワディム・ルデンコ / カプースチン・ピアノソナタ第9番ほか
2014-08-07-Thu  CATEGORY: 音盤紹介
クラシックに限らずPOPSでもジャズでも、アルバム1枚を通して捨て曲が無く、いつどんな時にかけても最後まで気分良く聴き通せる珠玉の1枚があります。

私にとって、クラシックのピアノアルバムで言うとグールドが歌いまくりのブラームス間奏曲集から始まって、タラソフのデビュー盤、デミジェンコのリストのソナタ集や紹介したスクリャービン&プロコフィエフ集、愉悦感溢れるアムランのカプースチン集、クズミンのラフマニノフRussianDisc盤、エル=バシャの初期プロコ集(最近再録音?された)、グロヴナーのショパン集、ベレゾフスキーのロシア物、ベルッチのリスト・パラフレーズ集、ラエカリオのオペラ集、ディナースタインのベルリン・コンサート、アンデルジェフスキのHMFバッハ集(フランス組曲)、ハフのシャルベンカのコンチェルト4番・・・などなど、きりがないのでここで止めておきますが、今日ご紹介するのもその1枚。前回の続きでTRITONから出たワディム・ルデンコによるオムニバス集です。





ルデンコは前回紹介したギンジンが第4位だった1994年のチャイコンでルガンスキーに続いての第3位(1位なし)、1998年の同コンでもマツーエフに優勝をさらわれて第2位という見事なまでのシルバーコレクターです。収録曲はブラームス・パガニーニの主題による変奏曲第2巻、チャイコフスキー=プレトニョフ・演奏会用組曲「くるみ割り人形」、チャイコフスキー=フェインベルク・交響曲第6番悲愴より第3楽章スケルツォ、そしてタイトルともなっているカプースチンのピアノソナタ第9番です。


これがルデンコの豪快な技巧と歌のセンスにピッタリとハマった選曲で絶妙なのです。パガバリは第2巻のみなのが残念ですが、キレ味・勢い共にバツグン。同曲の録音ではキーシン、ユジャ・ワンに次ぐ技巧の持ち主でしょう(ベレゾフスキー以上?)。続いてチャイコのくるみ割り人形、これがスゴい。編曲者プレトニョフを上回るテクニックで壮絶に弾きあげます。手持ちの中で演奏時間は最短。終曲のアンダンテ・マエストーソの凄まじさと言ったら・・・!トカレフのテンションを上回ります。お次はフェインベルク編の悲愴スケルツォ。ヤバい。これはヤバい。明晰な打鍵とよく回る指で爽快感に溢れてます。最後のカプースチンのソナタ第9番は世界初録音で、3つの楽章からなるのですが、第2と第3楽章の間に間奏曲が入っているのが珍しい。正直、誰もが好きになるであろう初期の名曲群ほどのマジックとスペクタクルはありませんが、明るく軽やかな曲調で嬉々として弾きまくるルデンコの姿が目に浮かびます。おまけに録音も良いと来てます。唯一残念なのは収録曲数が少ないことでしょうか。50分ちょっとしかないので、例えばショパンのソナタ2番(チャイコンはミス大杉)やリストのメフィストワルツ&小人の踊り辺りを追加してくれると嬉しかったのですが。


そんなわけで、個人的に大のお気に入りのこのアルバム。写真はTRITON旧盤ですが、オクタヴィアレコードから再発されたのでいつでも買えます。是非一度聴いてみて頂けたらと思います。
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