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音楽好きの世迷い言

ラファウ・ブレハッチのDGデビュー盤・ショパン/前奏曲全集

本日は、一昨年のショパン・コンクールを制したラファウ・ブレハッチのDGデビュー盤をご紹介します。


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ツィメルマン以来、ポーランド人としてショパンコンクールで各賞を総なめにして優勝したブレハッチ。その類稀な音楽センスに(ミーハーな)僕もデビュー当初から注目していました。これまで彼はショパンコンクールのライブ録音、浜松国際コンクールのライブ録音、それにビクターから1枚スタジオ録音を出しています(ビクター盤は選曲があまり好みでないので持っていませんが)。今回のCDは華のDGから、オールショパンで前奏曲全集+2つのノクターンという内容で新譜を出してきました。


実は前奏曲は第6番までがショパンコンクールライヴで演奏されており、コンクールCDでは(1次予選だったこともあって)エンジンがまだかかっていないのか、ちょっとイマイチと思っていました。しかし、去年彼が来日した折に聴きに行った時は、前奏曲を第12番までを見事な完成度で弾いていて、そのあまりの素晴らしさに当時書いた(別の)ブログ日記には「この調子で前奏曲を録音してくれれば、同曲の決定盤になりうる」などと大きな期待を持っておりました。


そして、このCDの演奏の方ですが、予想どおりDGらしく気品のある好録音でブレハッチの優雅な音色が味わえるものの、ライヴでは気が付かなかった優等生的な部分があって、全体としては70点というところでしょうか(厳しい?)。


解釈は正統的で捻った部分が全くなく、自然にショパンのこの傑作を楽しめるのですが、どうもナヨッとしたきらいがあってスッキリしません。「もっとシャキッとせい!」と言いたい感じ。特に8番、16番などの急速部分では、ここぞというところで微妙にタメを入れることがあって、ここは出来るだけインテンポでグイグイと押して欲しいところです(これはコンクールライヴでのソナタ第3番終楽章でも感じたことです)。ただ、4番や19番などでは彼特有のリリシズムというか叙情性は強く発揮されており、他の奏者にはない個性を感じます(20番はこれでもかというくらいにゆっくり弾き過ぎてて、さすがにモタれ過ぎな気が・・・)。併録の遺作の前奏曲はまずまずなものの、作品45の前奏曲と作品62のノクターン2曲はしっとりとした抒情性が溢れ出ていて相当に素晴らしいです(ノクターン2曲だけでも買いかも)。ちなみに日本国内版にはマズルカが1曲ボーナストラックとして収録されていて、こちらを買おうかどうか相当迷ったのですが、歯を食いしばって音質が良い(と思われる)輸入盤にしました(汗)


というわけで、ちょっと期待し過ぎたかなという感じはするものの、それでも数多の有名ピアニストの前奏曲と比べるとオーソドックスながら気品のある歌と音色で存在感は十二分にあると思います。個人的に前奏曲集はあまり気に入っているものがないのですが、その中でもロルティ盤が潤いのある録音で語り口も上手いことからよく聴いています。今回のブレハッチ盤もそれには及ばないものの、路線が似ていて決して悪くはないというところでしょうか(ロルティの方が技巧的に結構上ではないかと思います)。


ショパンコンクール完全優勝という、ピアニストとしてはこれ以上ないほどのデビューを飾った彼ですが、これからの売り出し方を考えるとなかなか難しいものがあるのかも。個人的にはバッハやベートーヴェン、シューベルトのソナタ辺りが彼には似合ってそうなので、是非録音してくれればと思います。

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