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ニコラ・ホール/ギター・リサイタル
2007-08-11-Sat  CATEGORY: 廃盤再発推進委員会
私事ですがギターという楽器を嗜んでおりまして(注:クラシック・ギターではありません)。普段クラシック・ギター関係のCDはあまり聴かないのですが、その中で聴いて腰が抜けるほど驚いたCDをご紹介します。


イギリスの女流ギタリスト、ニコラ・ホール(Nicola Hall)のギターリサイタルです。






一言で言ってしまえば、『女版山下和仁』でしょうか。実際、世間ではそのように喩えられているようです。ジョン・ウィリアムスにも師事した彼女は多くの国際コンクールで受賞歴があるようです。


とにかく、テクニックが女性とは思えないほど豪放かつ精巧、そして編曲も(山下ほどではないですが)大胆です。収録曲はラフマニノフの前奏曲ト短調、ファリャのスペイン舞曲第1番、アルベニスのグラナダ、サラサーテのサパテアード、パガニーニの奇想曲、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番、ヴァイオリンソナタ第2番ほかという、鴨が葱背負って鍋に飛び込んだみたいな、てんこ盛りの2枚組。


ここではラフマニノフのあの有名な前奏曲が、実に魅力的なギター曲として生まれ変わっています。元々この曲は行進曲風の小気味良いリズムが肝の曲だと思っているのですが、それがギターという楽器のリズム的特性(ピッキングで生まれる独特のノリ)にピッタリとハマッているのです。よくもまあこんな編曲を思い付いたなあというのが正直なところ。続いて、ファリャの『はかなき人生』はさらに凄まじいテクニックが垣間見れます。人間一人で弾いているとはとても思えません。アルベニスも実に音楽的な演奏。表情付けが巧みで、サラサーテのサパテアードでも、高音部の細かなトリルを挟んだ装飾音と低音部の弾き分けがとりわけ素晴らしい。パガニーニのカプリース第24番は山下和仁ほどの迫力やスピード感はありませんが(ちなみに山下盤は未だCD化されておらず、LPのみです。併録はあの『ハンガリー狂詩曲第2番』)、右手の表情付けが多彩。ピツィカート奏法を意識したピッキングの完成度には舌を巻きます。


そしてバッハのパルティータ第2番。数多の他盤と比較すると、どちらかと言えばヴァイオリンの原曲を活かした編曲になっていると思います。最後を飾るシャコンヌはヴァイオリン版、ピアノ版、ギター版(さらにはマリンバ版、チェンバロ版)など、色々聴いているので容易には満足出来ないのですが、この演奏は素晴らしい。というか、技巧面では(3種ある)山下盤に次ぐものと言ってよいでしょう。ここでもヴァイオリンを強く意識した音数をあまり増やさない編曲になっており、山下編と比べて多少音圧の面で物足りない部分はあるものの、第Ⅰ部の半ばから後半にかけての急速部分は非常に聴き応えがあります(というか、この部分は山下盤以外はどれもテンポが遅すぎて爽快感に欠けるので、フラストレーションが溜まります)。弟Ⅱ部冒頭の多声部で歌われる箇所は一部がオクターヴ上げた編曲になっているのが面白い。全体的にストレートに誤魔化しなく挑んでいて、それでいて高い完成度を誇っているのが凄いです。


というわけで、長くなったので他の曲についてコメントするのは止めますが、どれもギターという楽器の素晴らしさをアピールするのに十二分なアルバムと言えるでしょう。指の故障や結婚により引退してしまったという情報もあり、実に残念でなりません。そんな彼女の名演に再び注目して頂きたいという思いを込めて、声を大にして再発を求めます。
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