音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
セルゲイ・タラソフのオムニバス集
2007-07-07-Sat  CATEGORY: 廃盤再発推進委員会
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廃盤(と思われる)CDの中で、再発を望むお気に入りのアルバムを紹介します。名付けて、廃盤再発推進委員会。記念すべき第1回はロシアの技巧派、セルゲイ・タラソフのデビュー盤です。



始めに書いておきますが、この盤を入手するのにはメチャクチャ苦労しました・・・手持ちのCDの中では一番苦労したかも。


一度などは、海外から入手出来たと思ったのにドイツから送られてきたのはタラソフの別のライヴ盤。収録曲がほぼ同じなので、先方が勘違いしたのです。そのドイツ人にはメールで文句を言ってやりましたが、相手の対応が誠実なので許してやることにしました(笑)


しかしそのかいあって、このCDは僕の持っているクラシック音盤の中でも突出して素晴らしいアルバムでした。どれも名演揃いで、1枚のアルバムとしての完成度が尋常でなく素晴らしい。これを聴かずに死んでたかと思うとゾッとします。1曲目のチャイコフスキー『ドゥムカ』からして出色。録音の優秀さと相まって彼独特の美音が冴えてます。ラフマニノフのエチュードも極めて音楽的で(録音当時若干18歳!)、技巧のキレと音楽性のコクのバランスが最高。そして、スクリャービンの幻想曲は1級の名演!明晰なタッチで曲のタイトルからは遠い雰囲気ですが、盛り上げ方が素晴らしく高揚感に満ちています。技巧的にもキレがあり、安定感抜群。ちなみに、幻想曲はアムランやA・メルニコフの演奏も好きです。続けてシューベルトのソナタからイ長調。この曲はエリザーベト・コンクールの松本和将の演奏がお気に入りなんですが、それを上回る美しい演奏。フォルテの和音も美しく鳴るのがいい。ちょっとロシア的なスケール感のある弾きっぷりになっているのが微妙にミスマッチで面白いです。


そして聴きたかったブラームスのパガニーニ変奏曲から第1巻。技巧的な面が目立ちがちなこの曲で、ここまで高い音楽性が聴けるとは思いませんでした。彼一流の精妙な打鍵を駆使して鮮やかに弾きあげています(第1・2変奏の精緻さ・繊細さと来たら!)。最終変奏はキーシンやミケランジェリの猛烈な演奏と比べるとかなりテンポが遅いのが惜しいですが、全体として本当に稀有な演奏だと思います。最後を飾るのは十八番のリスト・メフィストワルツ第1番。これは聴き慣れているキーシン、マツーエフ、エコノム、ロマノフスキー盤ほどの感銘を受けませんでしたが、でも綺麗で音楽的。


いやぁ、感服しました。。。タラソフの特長としては、音楽的で、かつ技巧も優れていることでしょうか。彼のCDはチャイコン時のコンチェルト集、シドニーコンクールのライヴCD、さらに前述したライヴCD、それに第3回浜松コンクールのCDくらいしか持っていないのですが、もっと録音が増えていいピアニストだと思います。


というわけで、是非とも再発を願う一枚です。
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