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音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
David Bismuth / Bach編曲集
2018-01-31-Wed  CATEGORY: 音盤紹介
最近はブログを書くばかりで、レビューサイトの発掘を怠っているため、ピアノCD(新規ピアニスト)の情報に飢えている。kyushimaさんの更新も止まってしまったこともあり、信頼できるレビュワーを探したいのだがなかなか見つからない。NaxosでのストリーミングもこのところMacの調子が悪く、Winは諸事情でDACに繋げるのが手間で、なかなか利用できていない(もったいない!)。仕方がないので、財布と相談して自分で近年盤CDをユニオンでチャレンジ購入している。



ダヴィド・ビスマスというフランス人ピアニストのCDである(2009年だからそれほど近年というわけではないが)。バッハ編曲モノには目がないので、全然知らないピアニストだが決断しやすかった。タワレコから収録曲を引用しよう。


J.S.バッハ:
前奏曲とフーガ イ短調 BWV.543(リスト編)
カンタータ 第29番《神よ、われら汝に感謝す》より 序曲(サン=サーンス編)
シチリアーノ(ケンプ編)
シューマン:バッハの名による6つのフーガ Op.60
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564 より アダージョ(ブゾーニ編)
コラール《われ、汝を呼ぶ、主イエス・キリストよ》BWV.639 より コラール前奏曲
シャコンヌ(ブゾーニ編)
マタイ受難曲 BWV.244より 主よ憐れみたまえ(ベッファ編)
前奏曲 ロ短調 BWV.855a(ジロティ編)
ヴィラ=ロボス:アリア


ということで、曲目的にはかなり好みだ。BWV.543は激レアのトッコ盤入手から最近やたら聴いてる気がするが、これがなかなか良い!トッコのようなカッチリした技巧、レスチェンコのブッ飛んだ濃いめの味付けはないが、フーガは5:25でラ・サールやブニアティシヴィリより速いテンポで壮麗に弾き進める。格調の高さというものには欠けるものの、それでもフランス人らしいサバサバしたピアニズム(偏見)が曲にマッチしている。そこからシャコンヌまでの前半~中盤の小曲の出来と雰囲気は結構いい(あまり聴き込んでいない曲のせいもある)。コラールも耳タコな1曲だがなかなか味わいがある。


シャコンヌは13:29で、個人的にちょうど良い演奏時間なので期待してしまう。和音の弾き終わりにやや締まりが無いのが気になるが、かなりのザッハリッヒ路線ながら曲そのものの味わいで勝負している。前半のDmの和音下降で始まる部分はやや劇的感に欠ける。急速部分のスピードは標準的だが、やや間を取りすぎなのと力強さに欠けるのが惜しい。高速アルペジオが連続する短調部分の終盤はスピードこそオピッツの9割ほどで健闘しているが、随所でタメが入り推進力と和音の迫力で劣る。長調の後半部分はいかにもフランス流なサッパリ薄味でサラサラ流れていくものの、どこか清潔感と品の良さを兼ね備えているので印象がいい。再び短調に戻った最終盤ではossiaを弾いている。その後の上昇音型がややモッサリしていて残念。また、全体的に音が軽めなのが不満(録音のせいではなさそう)。とまあ、厳しい耳になって聴いてしまう曲なわけだが、それを考えるとかなり良い演奏。以前書いたグロヴナーの演奏よりは私の好みに近いかな。


そのあとのアルバム後半の曲目は残念ながらイマイチ。原曲にそれほど馴染みがないせいもあるが、なんというか演奏も後ろになるにつれて息切れしてる(わけはないのだが)感じがあって楽しめない。最後のヴィラ=ロボスもわざとなのかもしれないが変なリズムが現れてなんとなく場違いな雰囲気がする。


というわけで、辛口になってしまった曲もあるが、全体としては75点くらいの内容で楽しめた。私の好きなフランクの前奏曲、フーガと変奏曲も録音しているようなので、今度聴いてみたい。
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Goran Filipec のラフマニノフ&ムソルグスキー
2018-01-25-Thu  CATEGORY: 音盤紹介
一昨年のリスト超絶で注目しているフィリペツの、デビュー盤?と思われるアルバムを購入。


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(シュリンクを付けたまま開封)


なぜか日本アマゾンではhitせず、ebayでプロパーで買って(3000円弱)届くのに2週間ほど要した。録音は2005・2006年である。曲はラフマニノフのピアノソナタ第2番改訂版とエレジーOp.3-1、それに(まただよ)ムソルグスキーの展覧会の絵である。はっきり言ってこの組み合わせはあまり手が伸びなかったのだが、フィリペツということで兎にも角にも買ってみた(ガヴリリュクの時にも同じことを書いたような)。


ラフマニのソナタ2番、開始1分ですべての勝負は付いた。音が悪過ぎる。残響がほとんどなく、ピアノの真下に録音マイクを貼り付けたかのような、それでいて音の情報の少ないぶっきらぼうな音だ。おまけに低音が出まくっていて音ヌケが悪く、野暮ったいことこの上ない。およそ現代の録音のシロモノとは思えない。よく聴くと残響は聴こえるのだが、これで一応ホールで録音したと記載があるので録音技師は一体どんなセンスをしているのだろう?演奏は勿論技巧が達者で上手いのだが、同じ改訂版で比較すると、テクはガヴリリュク、タラソフ以上(どちらも浜コン)でアムラン未満と言ったところか。リストのノルマの回想の記事でも書いたが、この人は時々「えっ?」と思うような慣習(あるいは楽譜)から外れる解釈を見せるのでドキッとする。この曲でも「そこはタメませんかね、普通」というところでサラッと通過するので肩すかしを喰う。演奏時間は7:41/5/03/5:07で第2楽章が異様に速い。

エレジーも太めのマジックで書いたジャケのゴツい男の太い指が見えるかのような、要するに叙情性とか悲壮感とかが感じられない演奏だ。もっとも、何度も書くようにその責任の多くは音質にありそうだ。あまりに気分を害したので続けざまにソナタをタラソフ→クズミン旧盤と聴いて耳直しをする。


続く展覧会の絵、なんて言うか正直もう勘弁してくれ、というくらいにダメだった。。技巧は(先日聴いた)ガヴリリュクより上には感じるが、歌のセンス、いや、音の繊細さの欠如はもはや怒りを通り越して呆れ果ててしまう。喩えが悪いがイヤホンで聴くと首を締められているような息苦しい音だ。おまけに収録時間は50分ちょっとで、せめて音の絵の抜粋か、(全然関係ないけどロシア繋がりで)バラキエフのイスラメイ辺りを収録してくれなかったものか。しばらく展覧会は避けよう。。


というわけで、極めてガッカリな1枚だった。私と同じ嗜好をお持ちの方は間違いなく買わないほうがいい。もし手を出すにしても、リスト超絶のような名演を期待されぬよう注意されたい。・・・クラシックは同曲異演を楽しむジャンルだと思ってるが、最近は保守的or頑固になってきたのか、どれを聴いても楽しめなくなってきた。定評ある往年の名盤を素直に聴いて行くべきなのか。それとも、しばらくピアノから遠ざかろうか・・・
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ポリーニのショパン集/LIVE CLASSIC 100
2018-01-07-Sun  CATEGORY: 音盤紹介
ユニオンで珍しいモノを見つけた。


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その昔、駅でワゴン売りされていたという伝説の海賊盤、ライブ・クラシック・100シリーズだ(こちらのページに一覧がある。スゴい)。ちなみに輸入盤に日本語の帯と解説が入っており、きちんと評者が書いているのでパッと見た感じ海賊盤ぽくはない。そのお値段250円、真偽はともかくポリーニの80年代前半のライヴだというのだから信じて買ってみてソンはないだろう、ということで手を出してみた。収録曲はソナタ以外もすべてショパンだが、例によってコメントは書かないことにする。


いつも通り早速3番の方から聴いてみる。1980〜1982年、ウィーンでの録音とある。出だしからダメである。ヘンな抑揚を付けた出だしのアルペジオから、音価を長く取った和音、間違いなくこれはポリーニだ。スケルツォの指回りは流石だが、もちゃもちゃして聴きづらいところまでスタジオ盤と同じ。第3楽章は元から歌のセンスがないのに8:13という速さで救いようがない、と思ったら、ライヴのせいかスタジオ盤より情感がこもっていて幾分印象がいい。終楽章も彼らしいテクニックで私の分類からするとスルタノフ〜ポゴレリチ系であり、かなりフレーズごとに揺らす。最後の部分ではルバートをかけるなど、先日書いたボナヴェンチュラ盤に比べるとテンポは遅いがインテンポで突き進むあちらの方が随分とカッコいいと思う。演奏タイムは4:43で、スタジオ盤とほぼ同様。トータルではやはりとなってしまう。


続いて第2番。これは1984〜1986年、これもウィーンでの録音とある。こちらもすでにスタジオ盤でのコメントに書いた通りで、3番より歌のセンスの無さが目立たない感じ(同じ感想しか書けず情けない)。ライヴだが完成度が高く、勢いも感じられるので3番よりは印象がいい。だが基本的に冷徹路線の彼がフレーズごとに緩急を付けると、そのやり方が私にはしっくりこないというのが正直なところか。終楽章は相当なスピードだが、音切れが悪い。これもだろうか。


尚、音質は両曲ともピアノの真下に潜り込んで録音したかのような近接感とデッドな息苦しさがあり、音像はよく捉えているが海賊盤としては良好、と言えるくらいか。拍手は遠くから聞こえてくるが、付け加えたものかもしれない。ともあれ、250円では十分楽しませてもらったか。現在メルカリでも出品されている方がいるようで、レアな盤ということではなさそうだ。


嫁とは今朝話し合って全面的に謝罪され、和解した。彼女の両親も全く同じことがあったのだという(父親が告知の朝に「洗濯が忙しいから代わりにアンタが行ってきて」と母親に言われたそうだ。ちなみに義父はガンではなかった)。最低から一歩だけ浮き上がったか。
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Anthony di Bonaventura のChopin&Prokofiev
2018-01-06-Sat  CATEGORY: 音盤紹介
この年始に嫁の実家に帰省し、ディスクユニオン大阪に出かけたところ、アンソニー・ディ・ボナベンチュラ(1929-2012)という聞いたことのないアメリカ人ピアニストが、聞いたことのないレーベルから、ショパンのソナタ第3番とプロコフィエフのソナタ第7番という、これまた聞いたことないカップリングでレコードを出しているのを見つけ、試聴した上で買ってみた。


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例によってDiscogsにも載っていない盤で、録音は1980年というから51歳の時の演奏のようだ。レコードはコンディション確認のため必ず試聴をするようにしている。その段階で私基準で△×のものは買わないようにしているのだが、そんなフィルターを通過した1枚だ。


まずはショパンのソナタから。非常に生真面目な演奏だ。タッチはそれほど洗練されておらず、ダイナミクスの幅も狭い。野暮ったいはずなのだが、ズッシリとした低音とキラキラと煌めくような高音が目立ついわゆるドンシャリなバランスの音が、長めの残響に乗ると意外に印象良く聴ける。第1楽章、歌い方は良いが、表現能力があるというよりは表現意欲が目立つ感じ。テンポはやや遅めで、この指回りの印象からすると第2楽章などは心配に思ったがなかなかのテンポでキッチリ弾いていた。第3楽章はさすがに音色の少なさが目立つのでやや重いが、ペダルを効果的に用いており、それほど印象は悪くならない。終楽章、試聴したときにスマホで計測(笑)した通り弾き終わりが4:57と私基準の5分切りで、これがどこまでもインテンポで律儀に弾き通すのだ。硬めのタッチでバキバキと、左手も誤摩化さずに弾いているのが心地良い。録音のせいなのか、ちょっと歌で物足りなさはあるのが惜しい。評価はひとまずとする。


続いてプロコのソナタ第7番。この曲を聴くのは久しぶりな気がするが、第1楽章出だしから遅い。打鍵がゴツゴツしていて聴きづらい。ドロドロと不気味というよりは、朴訥とした感じ。第2楽章はやはり音色の変化がないのが痛いが、まったりしていて悪くない。終楽章はショパンのソナタ終楽章同様にインテンポでガッチリ弾いていて好印象。弾き終わりは3:35で標準的なテンポだが、最後の難所の跳躍も間が開くことがなく突き進み、素晴らしい。


というわけで、2曲とも誠実かつ生真面目に弾いており、録音が好悪ある感じだが両曲とも楽しめた。それにしても、終楽章が良いと「終わりよければ全て良し」という感じになる。私の人生もこうありたいのだが。
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ルカーシュ・ヴォンドラーチェク / プロディジー
2017-12-31-Sun  CATEGORY: 音盤紹介
去年の今頃、ラフマニノフのコンチェルト3番のエリザベート国際コンクールでのライヴを聴いて感激したLukáš Vondráčekの邦盤が実は10年以上前に発売されていたことをひょんなことから知り、ヤフオクで安くgetした。そちらではルカーシュ・ヴォンドラーチェクと表記されているので、そちらにしたがって書くことにする。


ヴォンドラ


31歳の貫禄ある現在からするとその童顔に驚くが、ともかくこれがデビュー盤。収録曲はAmazonから引いた。

1. メンデルスゾーン:厳格な変奏曲ニ短調 作品54
2. メンデルスゾーン:ロンド・カプリッチョーソ・ホ長調 作品14
3. リスト:超絶技巧練習曲集第8番ハ短調「狩」
4. リスト:超絶技巧練習曲集第9番イ長調「回想」
5. リスト:超絶技巧練習曲集第10番へ短調
6. メフィスト・ワルツ第1番
7. ヤナーチェク:霧の中で
8. ドホナーニ:「4つのピアノ曲」より“カプリッチョ” 作品2-4


録音はメフィストワルツが18歳、それ以外は16歳だった2002年の録音。リスト以外はあまり普段聴かない曲だが、さて。メンデルスゾーンの変奏曲、出だしは大人しいが、オクターブが入る頃からガンガン弾きまくる。連打の速いこと速いこと。タッチの確実性、明晰さはあるが、強弱がフォルテッシモとピアノしかないのかという感もある。強靭な打鍵が凄まじいを通り越してヒステリックですらある。若い頃のトカレフを思い起こす。曲への感度が高くないので、面白みは少ない。ロンカプはよく歌う。ラフ3でも聴けた濃厚なロマンが垣間見れるが、それも急速部に入るとやはり硬めのタッチでバキバキ始まる。先入観かもしれないが子どもっぽい。


続いてリストの超絶。狩は予想通りスゴい迫力。テンポもなかなかの速さでイケる。回想は良くない。若いせいか、歌のセンスという点でまだまだで、オフチニコフ新旧盤のような緻密さとエレガントさ、技巧を両立させられてはいない。10番は食い足りなさが残る。冒頭の和音連打は期待に反して覇気がなく、以降も盛り上がりに欠ける。メフィストワルツ第1番は最近聴いたアームストロング盤と比較するとバキバキ弾いているが、それでも部分的にテンポが物足りなく(出だしからして遅めである)、タメがある。急速部分も彼としては守りに入ってるのか、スピード感に欠ける。重音トリルも巧いというほどではない。跳躍部分はごまかしがないが、スムーズではない。その後の右手の長大なアルペジオも大人しく、アームストロングの方が相当凄みがあった。


ヤナーチェクとドホナーニは全く詳しくないのでコメントできないが、他の曲同様に突き抜けた表現は感じられない。ヤナーチェクでは抒情性がいい具合に表出しているように思うが(曲は比較的分かりやすい)、ピアノの音がやたらと近接録音なせいか音が硬く、金属的に過ぎるのが癪に障る。特に終楽章は柔らかいタッチが欲しい感じ。ドホナーニは近現代な雰囲気と分かりやすい映画音楽的な側面とがあり、前半ではアムランのエチュードのラ・カンパネラや前奏曲とフーガみたいなフレーズも出てくる(こちらが先だが)。曲としては悪くないが、音色の種類が少なく、それほど手が伸びなさそう。


というわけで、幾ら若いとは言えデビュー盤としてはちょっとイマイチに感じた。リスト以外の曲目の微妙さからすると70点を切ってしまいそうだ。この後、見事な伸びしろを見せてエリザベートを制するわけだが、ラフ3で聴けた圧倒的な技巧はここには見られない。あの確実性の高い驚異的なテクニックは、ラフ3のように弾き込んだ曲限定なのかもしれない(それでも凄いが)。少なくとも、技のキレはヴォロドス、キーシン、ルガンスキー、ガヴリリュク、グロヴナーレベルにはない。勿論ラフ3に関しては彼らの弾いたものより巧いけど。ともかく、彼はその後も幾つか音源を出しているようなので機会があれば聴いてみようと思う。


本日は大晦日。今年は関西で年越しで、先ほど東名高速の炎上通行止めに危うく出くわすところだった。退職・転職で環境が激変し、あっという間の1年だった。この先、こんなにCD・レコードを買うことはもう無いだろうという位につぎ込んでしまったのでブログのネタはあるのだが、書く時間が取れそうにない。では皆様、良いお年を。
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