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The melody at night, with you

音楽好きの世迷い言

ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番op.30聴き比べ~評価一覧編改訂版(2019/2/3)~

フレイレ盤、ヘイキョン盤を追加(2/3)
スドビン盤、ギルトブルク新盤を追加(1/28)
ラ・サール盤、ヴィニツカヤ盤を追加(1/26)
コルスティック盤、アイモンチェ盤を追加(2019/1/12)
アムラン盤を追加(3/22)
ブニアティシヴィリ盤を追加(3/20)
ソコロフ盤(DG)を追加(3/18)
エレシュコ盤(Ponkin,LP)を追加(2/6) 
ヴォンドラチェク盤を追加(1/22)
評価一覧が随分古くなったので改訂しました(2017/1/10)




私が持っている音源の数では最も多いラフマニノフのピアノ協奏曲第3番について、所有している録音を挙げて簡単にレビューしてみます。

とりあえず4つ星を最高として自分のお気に入りを書きましたが、ピアニストのランク付けや優劣では勿論ありません。テンポが速いか遅いかなどの客観的な感想部分を読んで、お好みの録音探しの参考にして頂ければ幸いです。評価・ピアニスト/指揮者/オケ(録音年・第一楽章のカデンツァの種類)の順です。メモが面倒臭くて書いてないものもあります。オケの名称表記は適当です。


時と場合によって評価を突然変えることがありますので予めご了承ください(聴き直す度に変えるかも)。また、評価が下に行くほど&レビューが短いほどあまり聴き込んでいない盤ですので、それほどあてにされませんようお願いします。

レビュー未記入盤:ラフマニノフ、アニエヴァス、コスタ、キム・ヒョスン、シグフリッドソン、ケルダー、ラシュコフスキー、舘野泉、ホロヴィッツ(&メータ)、クリダ、ジェッター、マッサ、オルティス


予め私の好みの演奏や聴く上でのポイントを書いておくと、

第1楽章:演奏時間が16分台前半以下(ossia)で速めのテンポであること
①展開部前の難所である両手交差部分のクリアさ
②展開部の和音連打のスピードと迫力
③カデンツァは断然ossiaが好みで後半の和音部分での劇的さ
④再現部前の抒情性(ここは意外にセンスが出る)

第2楽章:音色が豊かで抒情的であること
⑤ピアノが入ってきてすぐの緩徐部分の歌い方
⑥中盤以降の細かい急速音型のクリアさ
⑦アタッカで最終楽章に突入するときのオケとの一体感と迫力

第3楽章:演奏時間が13分台前半以下で速めのテンポであること
⑧冒頭の同音連打のスピードと粒の揃い
⑨後半部分の急速部分のクリアさ(重音上がりのossiaでなくても可)
⑩エンディングの下降音型がノーマルな2拍3連であること

さらに全体を通しては、

⑪カットが無いこと
⑫多少のミスや会場ノイズがあってもライヴの熱気や観客の高揚感を重視

となります。特に重視しているのが②③⑤⑦⑧⑫です。

以下の評価では、4つ星の盤のみ気に入っている順に並べています(3つ星以下の評価は順不同です)。

現在155種(2019/2/3)

☆☆☆☆☆ヴォンドラチェク/Marin Alsop/National Orchestra of Belgium/2016年/ossia/Live
☆☆☆☆ サモシュコ/Soustrot/Orchestre National de Belgique/99年/ossia/Live
☆☆☆☆ ブロンフマン/ラトル/BPO/09年/Live/Blu-ray ※DVDは買ってはいけない
☆☆☆☆ ヴォロドス/レヴァイン/ベルリン・フィル/99年/ossia/Live/※ SACD
☆☆☆☆ ハフ/リットン/ダラス響/04年/original/Live
☆☆☆☆ 横山幸雄/小泉和裕/東京都交響楽団/12年/Live/Hybrid SACD
☆☆☆☆ ガヴリーロフ/ラザレフ/モスクワ・フィル/76年/ossia/LP
☆☆☆☆ ロドリゲス/P.A.MacRae/Lake Forest Symphony/94年/Live
☆☆☆☆ コルスティック/ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団/D. リス/2017年/ossia
☆☆☆☆ プラッツ/バティス/メキシコシティ・フィルハーモニック/89年/ossia
☆☆☆☆ カツァリス/ R.Defssez/Orchestre National de Belgiue /72年/ossia/Live/CD ※LPは☆☆☆
☆☆☆☆ アンスネス(旧)//オスロ・フィル/95年/ossia/Live
☆☆☆☆ アルゲリッチ/シャイー/コンセルトヘボウ/82年/Live
☆☆☆☆ ブニアティシヴィリ/P.ヤルヴィ/チェコ・フィル/16年/ossia
☆☆☆☆ アンスネス(再)/パッパーノ/BPO
☆☆☆  エレシュコ/ポンキン/レニングラードフィル/83年/ossia/LP ※ネット上にデジタル音源有の模様
☆☆☆  ドノホー/フェドセーエフ/Moscow Radio Symphony Orchestra/82年/ossia/Live/LP&CD
☆☆☆  ボレット/フィッシャー/ロンドンフィル/82年/original
☆☆☆  アムラン/ユロフスキ/ロンドンフィル/16年/original
☆☆☆  オールソン/
☆☆☆  ラシュコフスキー/2007年エリザベート王妃国際ピアノコンクールLive/ossia
☆☆☆  シェリー/original
☆☆☆  ペナリオ/サスキンド/フィルハーモニア管弦楽団/61年
☆☆☆  ワイルド/ホーレンシュタイン/original
☆☆☆  モーク/ミルトン/ラインラント=プファルツ州立フィル/original/11年
☆☆☆  アルフィディ/R.Defssez/Orchestre National de Belgiue/72年/ossia/Live/LP
☆☆☆  清水和音/アシュケナージ/2007年/ossia
☆☆☆  及川浩治/広上純一/新日本フィル/05年/ossia
☆☆☆  レーゼル/ザンデルリンク/78年/ossia
☆☆☆  カツァリス/Neumann//78年/ossia
☆☆☆  ジャニス/ドラティ/ロンドン・フィル/61年
☆☆☆  スコウマル/スワロフスキー/プラハ室内交響楽団/2002年/original
☆☆☆  ブロンフマン/サロネン/ossia
☆☆☆  グレムザー/ヴィット/ossia/
☆☆☆  ソコロフ/ossia/Live ※海賊盤的音質
☆☆☆  サモシュコ(再)/ossia/Live/DVD
☆☆☆  フレイレ/ジンマン/ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団/1979年/original /ライヴ
☆☆☆  トルプチェスキ/
☆☆☆  ガヴリーロフ/ムーティ/フィラデルフィア・フィル・86年/ossia
☆☆☆  アシュケナージ/フィストゥラーリ//63年/
☆☆☆  ルガンスキー/オラモ/03年/orginal
☆☆☆  ギレリス/コンドラシン/USSR state orchestra/49年/Live
☆☆☆  スグロス/シモノフ/ベルリン・フィル/84年/ossia
☆☆☆  クライバーン/コンドラシン/モスクワ・フィル/58年/ossia/Live
☆☆☆  ベルマン/アバド/ロンドン・フィル・76年/ossia
☆☆☆  スルヤディ/Miguel Gomez Martinez/ロンドンフィル/
☆☆☆  フェルツマン/メータ/イスラエル・フィル/88年
☆☆☆  リシッツァ/
☆☆☆  Y.ワン/ドゥダメル/シモン・ボリバル響/original/
☆☆☆  小山美稚恵/フェドセーエフ/
☆☆☆  ヴィニツカヤ / アウトウォーター/ カラマズー交響楽団/original /2017年/Live
☆☆☆  及川浩治/広上淳一/新日本フィル/2008年/Live
☆☆☆  コミナティ/96年シドニー国際ピアノコンクール/Live
☆☆☆  L .ラン/テミルカーノフ/サンクトペテルブルグ・フィル/01年/ossia/Live
☆☆☆  ホロヴィッツ/ライナー/ /Live
☆☆☆  フェルツマン/プレトニョフ/ロシア・ナショナル管/original/92年
☆☆☆  マツーエフ/サッカーニ/ブダペストフィル/ossia/Live
☆☆☆  マツーエフ/ゲルギエフ/マリインスキー劇場管/ossia/09年
☆☆☆  ニコルスキー/ossia/Live
☆☆☆  ライヴリー/
☆☆☆  ラ・サール/ルイージ/フィルハーモニア・チューリッヒ/original
☆☆☆  J.ナカマツ/シーマン/ロチェスター・フィル/ 00年
☆☆☆  ピサロ/ossia
☆☆☆  クレショフ/ヤブロンスキ/The Russian State Orchestra/original/01年
☆☆☆  ルディ/ヤンソンス/サンクトペテルブルクフィル/original/92年
☆☆☆  アシュケナージ/プレヴィン/LSO・70&71年/ossia
☆☆☆  ベレゾフスキー(旧)/ossia
☆☆☆  若林顕//Orchestre National de Belgiue/Live
☆☆☆  クライバーン/コンドラシン/Symphony of the Air/58年/ossia/Live
☆☆☆  ボレット/Charele Webb/インディアナ州立大学オーケストラ/69年/Live
☆☆☆  グレムザー(旧)/Maksymiuk/92年/ossia
☆☆☆  ヴァーシャーリ/77年/ossia
☆☆☆  マッサ/ossia
☆☆☆  アイモンチェ/チネケ管弦楽団/R. コックス/2017年/original
☆☆☆  ラプラント/
☆☆☆  オルティス/mixed version cadenza
☆☆☆  グティエレス/マゼール/ピッツバーグ交響楽団/91年
☆☆☆  キーシン/小澤/ボストン交響楽団//ossia/Live
☆☆☆  K.パイク/
☆☆☆  クライバーン/コンドラシン/モスクワ・フィル/58年/ossia/LP&DVD
☆☆☆  モギレフスキー/コンドラシン/Symphony of the air・64年/ossia
☆☆☆  ホロヴィッツ/バルビローリ/ニューヨークフィル・41年//Live
☆☆☆  シチェルバコフ/SACD
☆☆☆  ワイセンベルク/プレートル/シカゴ交響楽団/68年
☆☆☆  ティボーデ/アシュケナージ/クリーヴランド・オーケストラ/94年/ossia
☆☆☆  ゲルナー/シナイスキ/BBCフィル/02年/Live
☆☆☆  ベレゾフスキー/リス/Orchestre Philharmonique de l’Oural/ossia
☆☆☆  モギレフスキー/Sternefeld/Symphony Orchestra of the RTB/64年/ossia/Live
☆☆☆  ラシュコフスキー/ヴァルガ/ベルギー国立管弦楽団/07年/ossia/Live
☆☆☆  エレスコ/プロヴァトフ/USSR響/84年/ossia
☆☆☆  ベルマン/バーンスタイン/NY・フィル/ossia/Live
☆☆☆  シェパード/プリチャード/ロンドン・フィル/76年/ossia/LP
☆☆☆  スドビン/S.オラモ/BBC交響楽団/ossia/2017年
☆☆☆  ジャルドン/
☆☆☆  マルシェフ/
☆☆☆  ジョン・チェン/
☆☆☆  小川典子/
☆☆   ソコロフ/Yan Pascal Tortelier/BBCフィル/95年/ossia/Live ※音がおかしい
☆☆   ギルトブルグ/C.M. プリエト/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/ossia/2016年
☆☆   ギルトブルク/M.Alsop/National Orchestra of Belgium/ossia/2012年/Live
☆☆   イェゴン/
☆☆   ビレット/
☆☆   クリダ/78年/original
☆☆   ロドリゲス/
☆☆   オールソン/Caracciolo/RAI di Milano/64年/original/Live
☆☆   シグフリッドソン/
☆☆   ギレリス/アーノンクール/Live
☆☆   コスタ/
☆☆   舘野泉/
☆☆   ヘイキョン/ドミトリーエフ/サンクトペテルブルク交響楽団 /2017年/original
☆☆   Ukhanov/チヴジェリ/シドニー交響楽団/original/Live
☆☆   シェン/ヴァルガ/Orchestre National de Belgiue/03年/ossia/Live
☆☆   アシュケナージ(4)/ハイティンク/ossia
☆☆   ピサレフ/フリードマン/98年
☆☆   ワイセンベルク/バーンスタイン/79年/
☆☆   園田高弘/original/67年
☆☆   グティエレス/ロジェストヴェンスキ/Moscow Radio Symphony Orchestra/70年/Live/LP
☆☆   ジャニス/ミュンシュ/ボストン交響楽団/57年
☆☆   ヴィノグレード/パーマー/98年/original/Live
☆☆   コラール/プラッソン/77年/
☆☆   バルト/エッシェンバッハ/ロンドン・フィル/ossia
☆☆   ラローチャ/プレヴィン/ロンドン交響楽団/
☆☆   リル/尾高忠明/ ossia
☆☆   アニエヴァス/
☆☆   ケルダー/
☆☆   キム・ヒョスン/
☆☆   サイモン/
☆☆   ジェッター/ossia
☆☆   ワッツ/小澤/ニューヨーク・フィル/69年/mixed version cadenza
☆☆   ラフマニノフ/
☆☆   ルガンスキー(旧)//95年/
☆☆   ジルベルシュテイン/アバド/
☆☆   アシュケナージ/オーマンディ/75年
☆☆   中村紘子/スヴェトラーノフ/
☆☆   コチシュ/デ・ワールト/
☆☆   プレトニョフ/ロストロポーヴィチ/ossia
☆☆   Ts’vereli/Kakhidze/Tbilisi Symphony Orchestra//ossia
☆☆   ポコルナ/ピンカス/ブルノ国立フィル/76年/ LP ※CD化された
☆☆   チェルカスキー(新)/テミルカーノフ/94年/
☆☆   ペトゥコフ/シモノフ/モスクワ・フィル/ossia
☆☆   カペル/マクミラン/トロント・シンフォニー48年/
☆☆   バッカウアー/不明/original/LP ※CD化された模様?
☆     メルジャーノフ/
☆     ホロヴィッツ/メータ/DVD
☆     ホロヴィッツ/オーマンディ/Live
☆     Orlovetsky/Titov/
☆     マルクジンスキ/クレツキ/フィルハーモニア49年/
☆     チェルカスキー(旧)/
☆     K.Leimer/Zsolt Deaky/Nurnberger Symphoniker/?/LP
☆     リンパニー/コリンズ/ニュー・シンフォニー/52年/
☆     ホロヴィッツ/コウセヴィツキー/41年/Live
☆     ポストニコワ/ロジェストベンスキ/91年/ossia/Live
☆     ホロヴィッツ/コーツ/30年/ Live
☆     ヘルフゴッド/Horvat/コペンハーゲン・フィル/95年/ossia/Live
☆     ギーゼキング/メンゲルベルク/コンセルトヘボウ/40年/ossia/Live



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ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ | コメント:2 | トラックバック:0 |

フレイレとヘイキョンのラフ3

オドロキの録音が出ていた。

N. フレイレ /D. ジンマン/ ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 / original / 1979年
フレイレの若い頃の録音が出て来るとは思わなかった。私の知る限り、1980年代後半にこの曲を演奏しているという情報はあったが、まさかもっと古く、技巧的に脂ののった時期の録音が正規発売されるとは予想外に嬉しい出来事である。ともかく聴いてみた。録音は時代相応に古い。出だしのテーマが終わった途端に思い切り快速で飛ばし始めるのは、いかにもこの時代の解釈という感じがする。ライヴ録音だがミスも少なく、ややタッチは荒いが彼のテクニックの高さがうかがえる。展開部もかなりの迫力。カデンツァはオリジナルなのが残念だが、元気の良さは彼の盟友アルゲリッチの演奏を思い起こさせる。第2楽章も熱量を保った佳演。ただし、この楽章に限らずオーディエンスノイズは目立つのが残念。第3楽章にアタッカで行くところの最後の上昇音型は派手にミスっている。冒頭の同音連打は粗っぽいがかなりの速さで、ほぼそのまま駆け抜けていく(グルーヴ感というか男気を感じる)。演奏時間は15:34、10:36、13:50で、終わりの拍手を除くと終楽章は13:20、全体で40分を切る速さ。ライヴゆえ全体的に雑な感じなのは致し方ないが、熱っぽさや迫力は十分。ただし、アルゲリッチ盤ほどではない。☆3つ。

スー・ヘイキョン/ A. ドミトリーエフ / サンクトペテルブルク交響楽団 /original /2017年
知らないピアニストの、スタジオ録音である。ジャケットと演奏時間からはあまり期待できなかったが、聴いてみると案の定だった。とにかく遅い。記録的ではないが、技巧的な事情によるテンポの遅さは私の許容範囲を超えている上に、不安定かつ力強さに欠けるタッチ、和音での音の濁り、迫力不足はいかんともしがたい。しかしなんと驚くべきことにカデンツァはossiaである。どこをとっても安全運転で、和音部分もなんとも頼りない感じだ。第2楽章など遅い語り口がなんというかショパンを思わせ、終楽章のキレの無さも別な曲のごとき印象さえ受ける。戦後・冷戦時代ならともかく、技巧派による名演数多の現代にあって、なぜこのような録音が新規で発売されたのか理解に苦しむ。。演奏時間は17:59、10:42、15:03で、時間だけを見てみれば第1楽章はそこまで遅くはなかったが、終楽章はやはりチェルカスキー、ボレット、ワイセンベルク(&バーンスタイン)、K.W.パイク盤らに次ぐ、手持ちでワースト10に入りそうな遅さである。ベテランの韓国人女流ピアニストのようだが、言葉は悪いが記念受験ならぬ「記念録音」という感じ。というわけで、☆2つ。

ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ | コメント:0 | トラックバック:0 |

スドビンとギルトブルクのラフ3

あまり良い演奏を期待できない2人だったので、さっと聴いてささっと書いてしまう。

Y. スドビン/S.オラモ/BBC交響楽団/ossia/2017年
スドビンは可もなく不可もない、という印象のピアニストだが、ともかくこの曲を録音してるので聴かねばならない。出だしからオケの元気が良いのが耳につく。というか、録音マイクがオケに近いということにすぐ気付く。ピアノが遠く、いわゆる「コンサートホール風」を狙った録音であり、ピアノが遠めなのだ。よって、低音の響きがイマイチでシャバシャバした和音になってしまっている(この辺りでもう興味が薄れてしまう・・・)。スドビンのテクは中庸、テンポもほどほど、展開部の和音連打もまずまず、そんな言葉ばかり並ぶ感じ。ossiaのカデンツァも悪くはないが・・・第2楽章はオケの音が近いだけに、雰囲気と印象は悪くない。残響が多めなのでピアノも歌っているように感じる。第3楽章、出だしの同音連打も「そこそこ」。オケが吠えるところの多い楽章だけに、ピアノが埋もれがちなのが残念。というわけで、全体的に悪くはないが、中庸の域を出ず、なんとか☆3つ。演奏時間は16:45、10:49、14:24で、思ったりより第1楽章が速かった。

B. ギルトブルグ/C.M. プリエト/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/ossia/2016年
優勝したエリザベートコンクール以来、2度目の録音。とにかく出だしからバカが付く丁寧さ。エリザベートの時ほど遅くはないが(むしろあれは記録的というか、私としては許せるレベルにない遅さ)、やっぱりノロい。丁寧なので細かい音型が分かるというありがち感がないのは、ペダル過剰なのか録音のせいか。和音連打のスピードは意外にまずまず標準、しかしタッチが変。一瞬噛みしめたようなところもある。カデンツァもノロい。そして音ギレが悪い。狙っているのか、己のテクと相談した彼の解釈なのか。ジリジリすることこの上ない。和音部分も、止まりそうなアゴーギクに違和感というか、小気味良いグルーヴ感と、(ガヴリーロフのような)劇的感の、どちらにも欠ける感じ。思わずエリザベートの演奏を思い起こした。しかし、終わりのとこの左手はなかなかの迫力だし、管楽器のソロのバックで弾かれる連続アルペジオは味わいがあるタッチで、よく分からないピアニストである。第2楽章は遅いテンポでの歌いまくりを期待させるが、例の感傷的なピアノソロは遅いだけでそれほどでもなかった。彼はデュナーミクの幅が小さいというか、音色の選択肢も少ない気がする。それでいて音の響かせ方には気を遣っていそうなのが、なんともややこしい。。後半はオケが頑張って良い音色を聴かせている。アタッカの前のピアノは勿体ぶりが凄い。終楽章、冒頭の同音連打はやはり遅いが、妙な音の際立て方が面白い。第1楽章でもあったが、和音で跳躍する箇所はほぼ全箇所微妙にルバートをかけているのがイライラする。右手左手共にすべての音が同じ音量で等しい粒の揃いで弾かれているかのようなところもあるのは、逆にスゴいのかスゴくないのか。

演奏時間は17:39、11:09、14:46で、第1楽章はカデンツァがossiaであることを考えれば数字上はそれほど遅い演奏ではないのだが「全楽章、ほぼ一様に遅い」のが私をイラつかせる要因なのだと思う。上手く喩えられないが、テンポを統一したグールド的とでも言うか、アンチクライマックスと言うか・・・。例の「重音上がり」は勿論やっていないが、その箇所で「ああこの人、音を揃えることに腐心してるのね」と半ば確信、私の好みとの方向性の違いを痛感。ともかく、完成度や表現が悪いわけではなく、この演奏を評価する人もいるかとは思うが、ごめんなさい私としては☆2つ。

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HamelinのMedtnerとRachmaninov

どんじりに控えしはマルク=アンドレ・アムランのラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番である(実は今回の3人の中で最初に聴いたのはアムランだったのだけれど)。


アムランのラフ3は10年以上前のエアチェックを持っている。そこでの演奏は何度か書いているように「飄々としているが薄味でミスが多くあまり感興をそそられない」ものであった。何より、カデンツァがoriginalなのがちょっと残念だった(ハフのようにブッ飛んだスピードで突っ走ってくれれば別だが)。指揮はウラディミール・ユロフスキ、オケはロンドンフィルハーモニック。恒例の演奏タイムによる先入観、17:24/11:06/14:39となっており、この分だとカデンツァはossia、第3楽章は残念ながらかなり遅めの演奏が予想出来た。


第1楽章、出だしの主題はノロい。住宅街の細い路地を車で慎重に運転しているかのようでかったるい。その後はスピードを上げ、細かな音が実にクリアで打鍵に余裕を感じる。ところが緩徐部分になると、主題同様とにかく遅い。ネット黎明期のダイアルアップ接続で画像を読み込んでるかのようだ。両手交差部分は実に鮮やか。展開部はまずまず標準的な速さ(少し残念)。お待ちかねのカデンツァはなんとoriginal。。。これにはガッカリ、この演奏時間でそりゃないぜアムラン。17分を大きく超えているのにoriginalとは、、フィギュアスケートで言えば4回転ジャンプ失敗くらいのショックだ。冒頭の主題が戻ってくるとやはりテンポを大きく落とす。腰の重さは否めない。第2楽章、歌う部分は良い。時々奇をてらった解釈を見せるアムランだが、ここではスタンダードな解釈で重厚に弾き上げる。後半の細かい音が連続する部分はアムランらしいキレがある。第3楽章、出だしは思ったよりは速い。だが8割の力でサラリと弾いている印象を受ける(これが彼の芸風だろう)。ただ、ドキッとするほどではないが、フレーズとフレーズの間に微妙な間があるのが気になる(kyushimaさんもアムランのショパンのソナタ第2番旧盤のレビューで同じように書かれている。曲が完全に手の内に入っていないということなのだろうか・・・ちなみにこれは併録のメトネルの方でも感じる)。和音の響きは深々としていて、それでいてエンディング前の強打する部分でもクリアで音に充実感がある。


全体として、カデンツァの違いもそうだが私の好みから外れるテンポが多く、完成度は高いものの個人的にはちょっとガッカリな演奏であったが、「最近のアムランからすると・・・」という予期がなかったと言えば嘘になる。けれども、このCDには特筆すべき点が一つある。それは驚異的に音が良いということだ。私が聴いたこの曲の録音の中で、記憶に有る限り最上の音質である。明晰で美しいピアノの音色、オケとの距離、バランス、残響。ほとんど完璧に近い。スピーカーで鳴らすとやや残響が強めにピアノに被ってくる感じがあるのが惜しいが、イヤホンでは文句の付けようがない。ただし、オケが象さん的なパオーンとわななく感じがあるのと、アムランの音色にあまり変化が見られないのとでモノクロームな印象はある。また、全体的に重心の低い音質である。よって、音質共々演奏を総合的に勘案すると3つ星☆☆☆ということになるかと思う。アムランに多くを期待するピアノファンからすると物足りないことこの上ないが、これが歳を重ねて辿り着いた彼の芸風なのだろう。


さて、併録のメトネルのピアノ協奏曲第2番。こちらはアムランが日本初演ということだが、私は聴き逃しているので楽しみにしていた。こちらはラフ3よりもずっと良い演奏に感じられる(とは言っても、デミジェンコ、シチェルバコフ盤くらいしか持っていないのだが・・・オススメがあったら教えて下さい)。デミジェンコが激甚なフォルテを聴かせるカデンツァの迫力にはかなわないが、このアムラン盤は前述した超非現実的なまでに完璧な録音に乗せて、どこまでも明晰かつ端正に弾き抜いている。やや踏み込みが足りないようにも感じるが、曲の美しさがある意味冷静に伝わってくるとも言える。デミジェンコ盤と相補的にスタンダードとなりうる名演だ。



というわけで、ラフ3には過度な期待はされずに、メトネルの2番を目当てに買われるくらいの気持ちで聴いて頂けるとよいかと思う。



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BuniatishviliのRachmaninoff

続いてカティア・ブニアティシヴィリのラフマニノフのピアノ協奏曲第2・3番。指揮はパーヴォ・ヤルヴィ、チェコ・フィルハーモニック。



実は以前NHK(FMだったかも)で放送された彼女のラフ3を聴き逃しており、残念に思っていたので、この録音の発売は大変嬉しい。さて、演奏時間は16:08/9:36/13:06とのことで、いつも通り彼女の他盤から想像するに演奏の様子は大体予想出来たが、実際聴いてみると期待以上の出来であった。


第1楽章出だしは快速。キビキビと進む。また、ペトリューシュカで聴かれたような彼女らしいテンポの揺らしが見られるもののコンチェルトということもあって余裕で許容範囲。タッチは弱音で抑制が利いた感じ。両手交差は鮮やかで飛び跳ねるようなスタカートが目に浮かぶよう。展開部の和音連打もテンポを落とさず突っ走り、激情的。音の線が細めなのが少々気になるか。カデンツァは演奏時間から察した通りossia。これがまた良い。衝撃のデビュー盤リスト集で見せたシリアスさとキレのある技巧が相まって、後半の和音部分でクライマックスを迎える。後半に続くカデンツァはややモタレ気味かも。第2楽章、例の歌の部分は派手さはないがしみじみと歌っており好印象。その後もやや速めのテンポながら、ジャケ写真のような雨に濡れそぼった叙情を時折見せつつサクサク進む。後半の細かい音の部分は流石の鮮やかさ。お待ちかねの第3楽章、期待通り同音連打は非常に速いテンポで細部まで音が明晰。その勢いは衰えず、疾走する。息子ヤルヴィはオケを遅めに歌わせたいようだが(別にズレているわけではなく、なんとなくの印象)、意外にも彼女は走るだけでなく寄り添うような姿勢を見せ、ロマンティックな雰囲気を醸し出している。最後の方はアルゲリッチ的な爆発を望んでしまうが、比較的優等生な表情のまま終わる(それでも普通からすると十分派手だけど)。録音は毎度お馴染みピアノが近く、オケが遠く、深くて長ーい残響をまとったSONYな音質。そのせいか、やたらとオケが地味。


全体としては、彼女のオテンバなところがセーブされており、端正な印象さえ感じるところもある。テクニックの高さは予想通りで、文句の付けようがない。ただ、やはり彼女のポテンシャルを考えると、熱狂するようなライヴ演奏を期待してしまう。けれども、この質の高い演奏には4つ星☆☆☆☆を付けたい(ただし、4つの中では下の方かな・・・)。


さて、いつもならここで終わりだが、今回はラフマニノフの2番の方の感想も少し書いておく。これが素晴らしい演奏!ラプソディックな曲想と彼女の奔放な??キャラクターがマッチしており、他のピアニストがテンポを落とす箇所でもズイズイ駆け抜けるので爽快なことこの上ない。活きの良い、ピチピチしたタッチで攻めまくりの急速部分は鮮やかの一言である。


というわけで、3番も完成度の高い演奏だが、2番の方は手持ちの盤の中でも俄然ベスト3に食い込んできた感じで、1枚のアルバムとしてオススメである。


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