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音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
pele『the nudes』アナログ盤~神保町・JANIS閉店に寄せて~
2018-09-24-Mon  CATEGORY: アナログレコード
以前書いたが、20年近く前、ポストロック/音響系にハマっていたことがあった。

音響系も好きだが、どちらかと言えばバンドサウンド重視のポストロックをよく聴いていた。そこからプリミティヴなガレージっぽいロックも聴いていた記憶がある。正しい分類か分からないが、トータス、ステレオラブ、ジム・オルーク、モグワイ、シーアンドケイク、シガー・ロス、ハイナー・ゲッベルス、freescha、ボーズ・オブ・カナダ、マルマリ、MUM、Ganger、Do Make Say Think、MATOMOS、set fire to flames、TRANS AM、オウテカ、キャレキシコ、日本ではtoe、downy、サンガツ、TUJIKO NORIKOあたりを聴いていた。

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Godspeed You! Black Emperor!のLift Your Skinny Fists Like Antennas to Heavenアナログ盤。弦入りなのでレコード向きの録音なんだなこれが

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原産国原理主義の私なので勿論カナダ・オリジナル。ちなみに移転する前の新宿リキッドルームに来日ライヴも見に行った

その中でも好きなバンド、ペレがある。渋谷オンエアネストでの解散ライヴに行ったことは昔書いたが、本当に好きだった。そんな彼らのmy最高傑作が『the nudes』である。学生時代に最も聴いたアルバムのひとつだ。ギター・ベース・ドラムのトリオ編成ながら、なんとも甘酸っぱい青春ギター・インストがそこにはあった。

この表現は私のものではない。神保町の老舗CDレンタル店、ジャニスによるものだ。前にも書いたが、このお店には本当にお世話になった。各ジャンルのCDに【名盤】などと帯に書かれていて、店員さんのコメントが付いていてそれを参考に片っぱしから借りていた。多分、軽く1000枚以上は借りたと思う。ザッパやローリングストーンズもここで揃えたし、当時すでにレア盤だったベルマンのリスト超絶なんかもここで借りた(再発してすでに久しい)。発売したての大井さんのクセナキス「シナファイ」も置いてあって、「高橋悠治が初演で流血しながら弾いた伝説の難曲!」みたいなコメントがあったような気がする(勘違いかも)。youtubeなんてなかった15年以上前、金のない学生バンドマンの私にとって、この店はいちばん音楽を教えてくれる場所だった。そんなジャニスも、本店が11月で閉店だという。なんとも寂しいニュースだ。社会人になって少々ゆとりが出来てきたらユニオンへと宗旨替えしたが、閉店前に出来たらもう一度再訪したいと思ってる。

話しをペレに戻そう。1年ほど前、この大好きなアルバムの、CD未収録の曲がアナログ盤のみに収録されていると知り、自分の不明を深く恥じた。

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B面の1曲目がそれである。これがまたアウトテイクにしては、音響寄りにジーピー言うサウンドがなかなか味わい深い。こういうアナログオンリー曲を収録するとは、なんてニクいことをするんだと思う。ペレは解散してしまったが、こういうアナログを大切にするバンドがもっと増えてほしい。ペレファンで未聴の方はぜひご一聴を。
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最近聴いている音楽 vol.76~追悼John Abercrombie~
2018-03-13-Tue  CATEGORY: アナログレコード
かなり間が空いてしまった。年度末は忙しいのだが、ようやく時間が出来つつある。


実は最近、勉強のために代々木上原に行くことがたまにあって、幡ヶ谷駅で降りて歩いていく道すがら、こじんまりとした綺麗なレコード屋を見つけた。


広くはないし、レコードの量ははっきり言って相当少ない部類ではあるけれど、オシャレでセンスのいい店内はとても気分がいい。およそ隔週で通っているが、在庫の回転はやはり悪い(ユニオンやHMV等の大手じゃないと厳しいのだろう)。値付けはまずまず普通。ジャンルはクラシック以外は一応揃っている。和モノ以外にレア盤は少ないが、先日ジャズの棚で好きな盤を見つけたので買ってみた。

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ジョン・アバークロンビー、マーク・ジョンソン、ピーター・アースキンのトリオによる有名なライヴ盤である。ECMジャーマンオリジナル、盤質Ex+、1000円台半ば、昨年亡くなったアバクロの好きな作品だったので、追悼の意味でもアナログで聴き直してみる。

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残念ながらホコリの下に傷が隠れていて、周回プチノイズが10回ほど入るので私基準ではEx評価だが、まぁ大目に見よう。実はこのアナログ盤はあまりユニオンでも出ず、未だCD化されていないECMの2作品や79年の別レーベルから出した傑作『Direct Flight』(これもトリオ)などと合わせて結構足が速い(あの中では紫のシンプルなジャケの『M』が一番よく出てくるかな)。

88年の録音ということもあって、バリバリ多用されるギターシンセに拒否反応を起こす方もいるかもしれないが、それでもこの抒情性と繊細かつウォームなギターの音色(うすーくコーラスがかかっているのが玉にキズ…)は実にアナログ向きである(CDだとやはりシンセが耳にキツいのだ)。特にtr.3のアリス・イン・ワンダーランドは名演中の名演で、名手3人による絶妙なインタープレイが素晴らしい。リリシズムの極致である。

このアルバムなどを聴くと、アバークロンビーがメセニーに与えた影響は大きいのではないかと思う(ジャズ・ギター・ブックなどの記事でも、ジム・ホールとメセニーを繋ぐミッシングリンクがアバクロ、などと書かれていた気がする)。アバークロンビーのギターはテクニックやフレージングに派手さこそは全くないが、柔らかな音色で玄人好みの抒情性を備えているところがいかにもECMといった感じで、そのキャラクターがレーベルの性格にピッタリとハマッた幸福な一例だろう。


・・・しかし、アバクロも凄いのだが、このアルバムでなにより一番凄いのはアースキンのシンバル・レガートである。楽器でジャズを少しでもかじった人間なら誰でも戦慄せざるをえない驚異的な演奏だ。私も世の中の平均的な音楽ファンよりはジャズを聴いているほうだと思うが、これに匹敵するシンバルレガートは数少ない(私の先生がレッスン中、ジャレットのアルバムでのディジョネットのとあるプレイを評して「うちのジャズ科の学生ドラマーはこれを聴くときっとみんな泣いて逃げ出すよ」というようなことを言っていた。あれも凄かった)。ただし、B面の後半は何故だかやたらバスドラがドムドムとうるさく目立つミックスになっているのが少々残念(ちなみにベースも。CDではそれほど気にならない)。


というわけで、ジャズギターファンのみならず是非是非オススメな1枚。
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FORMULA 3 / LA GRANDE CASA (ITALY original)
2018-01-30-Tue  CATEGORY: アナログレコード
最も好きなプログレ作品は何か?と聴かれると返答に困るが、イタリア限定ならば答えられる。フォルムラ・トレ『神秘なる館』だ。

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(紙ジャケCD。リビングの蛍光灯の下で撮ると黄色っぽくなってしまう…)


大学時代に再発CDで聴いてブッ飛んだ。プログレで前衛的なロックばかり聴くことが感性を磨く最良の方法だと思っていたあの頃、イタリアの抒情溢れる歌心全開のこの作品は、プログレという枠を超えて大のお気に入りになった。イタリアの名カンタウトーレ、ルーチオ・バッティスティの薫陶を受けたメンバーが結成したバンドの4枚目であり、最終作だ。第1・2作はバッティスティの作曲が多かったと記憶しているが、ここでの全曲は完全に彼らのペンによるもの。


1曲目、「ラディウスのラプソディ」、Vo&Gのアルベルト・ラディウスの思わせぶりな美しいアコギの調べから徐々に盛り上がり、激しいストロークを呼び水にしてドラマチックに曲は走り出す。ラディウスのハスキーでソウルフルな歌もいい。2曲目「人口自然」はイタリアのブルースと言った趣きの曲。3曲目「男の自由」もムーディで、シンセとギターが切なく不安げに絡み合い、荘厳なコーラスとバンド演奏の融合で大団円を迎える。タイトルトラックの4曲目「神秘なる館」、前曲同様の構成だが、よりロック的なリフを軸に導火線にジリジリ火が付いていくが、やはり主役は抒情性に満ちた歌だ。5曲目「いとしのジョバンナ」、出だしはほっとするフォーキーなナンバー。途中からバンドでロックに展開するのが彼らの常とう手段とわかる。終わりの6曲目「少女のような君」、ポップなイタリア歌謡という雰囲気でプログレ感は薄め。6曲30分ほどなのが(この時代ではよくあるとは言え)唯一の不満。


ともかく音楽好きならば万人に推薦できる「分かりやすい」名盤だと思う。「劇的」「抒情」「イタリア歌謡(詳しくないので偏見かも)」という言葉がこれほど似合う作品も早々ないだろう。PFMやクエラ・ヴェッキア・ロカンダ、ニューートロルス、アルティ・エ・メスティエリ、ムゼオローゼンバッハ等ドラマチックを売りにするイタグレバンドの名作は多々あるが、最も王道(かつ、わずかにフォーキーな毛色)である1枚に挙げられる。ひょっとしたら、本格的なプログレっシャーの間では物足りない作品なのかもしれないが・・・。尚、彼らのこの他の3枚も実にバラエティに富んだ作品で、この4枚目の抒情を期待すると肩透かしを喰う(やっぱり彼らがプログレッシブロックバンドなのだと再確認させられる内容とだけ書いておこう)。この後、メンバーはスーパー・バンドと称されるイル・ヴォーロを結成、2枚のアルバムを残すが、この「神秘なる館」のような、突き抜けたまでのメロディアスな楽曲はそこにない(率直に言えば、プログレ的にやや取っつきづらくなる)。


さて、そんな愛聴盤はアナログレコードが欲しくなる。私は再発盤、紙ジャケを所有し(その2つの音質の違いは分からなかった苦笑)、いつかはイタリア・オリジナルをと夢見ていたが(再発盤はいしうら氏にプレゼントした)、このほど(というか1年ほど前だが)イタリア原盤を入手した。

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(白い部分が日焼けしやすいがこれは焼けなし)

想像通り音が滑らかで、CDの輪郭のシャキッとした音色も捨てがたいが、アナログのほうが頻出するアコギのきらびやかなキレ味を存分に楽しめる。シンセの高音もマイルドで耳に優しい。ちなみにアナログ盤の価格としては3作目「夢のまた夢」の方が2万overでダントツで高い(1・2作目はあまり見かけない)。

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(ジャケもヴィニルもコンディション良好のためかなりの価格に…DGアリなのがマニア心をくすぐる)


ところがその後、7インチのシングルEPをオークションで入手。


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収録曲は「ラディウスのラプソディ」と「少女のような君」の2曲で、物足りなさは否めないが音はLPを上回る素晴らしさ!LPの音の滑らかさに加えて、存在感というか生々しさというか、音の太さがさらに増す感じ(情報量が多い)。7インチの音質の優位性を改めて感じたのだった。
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SIR LORD BALTIMORE / Kingdome Come (USオリジナル)
2018-01-26-Fri  CATEGORY: アナログレコード
たまにはバキバキの70年代ハードロックが聴きたくなる。


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サー・ロード・バルティモアのファーストアルバム『キングダム・カム』である。1969年、NYで結成されたハードロックバンドで、鈍器を振りかざしたようなゴリゴリかつブリブリの重低音ベースに、ファズの効いたラウドなギター、そしてヴォーカルが叩いてるとは思えない手数多めのドラムのトリオだ。ヴォーカル兼ドラムのジョン・ガーナーはアル中の前科者ががなり声で叫んでるように歌い、ドタドタしたリズムとトリオ編成で少な目の音数をもろともせずに迫力と音圧で攻め切るさまが凄まじい。ツェッペリンやサバスの影響も感じさせつつ、どことなく地下室セッション的なアングラ感も漂う。幽霊船ジャケットからイメージするようなマイナー調の暗さは楽曲自体にはない。お気に入りはB4「Helium Head (I Got A Love)」。動画は貼らないが、youtubeの海にも落ちているので米国アングラ・ハードがお好きな方は是非探してみて頂きたい。


バンド名を冠したセカンドアルバムも素晴らしいが、混沌としたカオス渦巻く台風のような勢いはやはりファーストには敵わない。この2枚を2in1にしたCDが出ている。アマゾンでは不当に高いが、ユニオン等では1000円後半で出るので探す価値はある。あまりに好きで、USオリジナルのアナログも入手した。


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昨年初秋、友人の結婚式が横浜であったときに関内のユニオンで入手。3000円弱で買えてホクホクしながら帰宅した。音はCDのような音ヌケの良さには欠けるが、禍々しいまでの迫力はやはりアナログならではの素晴らしさ!


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(見開きのジャケも邪悪さに溢れる)


…東京で大雪が降ったつい先日、早朝業務があったのでまさかの車出勤をしてしまい(なんてバカ)、1時間かけて雪に埋もれたコインパーキングでタイヤにチェーンを付け、いつもの倍の1時間半もかかってなんとか無事に帰宅した。


ばるちもあ


その車中、このアルバムを大音量で聴きながら雪道で何度もスリップを繰り返し、まさに大海原でさ迷う幽霊船のような蛇行運転を繰り返し、一面真っ白の異世界での冒険のようでとても楽しかったので記事を書いた次第。いくつになってもおバカで向こう見ずなロック気質は直らない。
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Poralis / 光と影 アナログEP
2018-01-24-Wed  CATEGORY: アナログレコード
以前書いたが、私はポラリスが大好きだ。


メンバーは元フィッシュマンズの柏原譲(b)、元Lab LIFeのオオヤユウスケ(Vo.G)、そしてドラムはサックス奏者坂田明の息子、坂田学。2001年、ギターロック隆盛の日本の音楽シーンにあって、ハートビートなBPMでダブポップの柔らかな風を送りこんだ。そのデビューミニアルバムがウサギのジャケの『Polaris』である。

個人的な話題を語らせて頂く。2001年の12月、私は大塚にあるスタジオペンタでバンドのリハーサルをしていた。その時、待合室で流れていたのが前月に発売になったこのアルバムだった。そのフィッシュマンズライクなたゆたうビートと優しい歌声の素晴らしさに驚いた私は、すぐさまスタッフにアーティスト名を尋ねたのだった。収録曲はわずか4曲、しかもうち1曲目はSE的な打ち込み風インストだ。しかしながら、何かが始まりそうな予感が漂うSEを終え、始まる2曲目の「光と影」こそが、私の最も好きなポラリスの曲なのだ。前曲に引き続き、SE的な音響要素も備えつつピアニカの切ない調べに導かれ、DM7とAM7のアルペジオとストロークが繰り返されるシンプルな楽曲だが、フィッシュマンズそのもののベースと、心地良さ極まる確かな技術を感じさせるドラムに、心に淡く灯を点すようなヴォーカル。それこそ何百回聴いたか分からない。3曲目の「Slow Motion」はやはりギターのアルペジオのリフレインで始まるが、手数を増したドラムはねちっこいロールも織り交ぜ、より疾走感のあるキリリと引き締まった楽曲に仕上がっている。ラストの4曲目はなんとキンクリ「I Talk to The Wind(風に吹かれて)」のカバー。驚きの選曲だが、音の隙間とリズムの妙を楽しむアレンジになっており、見事なポラリス色に描いている。

そんな私の心のベストソングTop50に入るであろう「光と影」が、先月末に16年越しのアナログ化を果たし、12インチとして発売された。その時の私の嬉しい驚きをご理解頂けるだろうか。そしてまた、この曲がポラリスファンに愛されているとわかり、尚嬉しい。

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(実際はほぼ真っ白な味気ないジャケの小さいステッカー部分を写している)


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(ラベルも殺風景な白で、なんだか
手抜きプロモ盤みたいだ)



以前紹介した「深呼吸」アナログ7インチは非常に音が悪かったので、こちらは大丈夫かと不安だったのだが、こちらが期待した通りの音質になっており、安心した。彼らの楽曲はほんとうにアナログ向けである。


カップリングはフィッシュマンズ「SEASONS」のカバーでこちらも嬉しい。問題は2曲で2100円という価格だろうか。ともかく、ポラリス好きのアナログファンには是非ともオススメしたい。
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