音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
音楽の仕入れ方
2017-02-13-Mon  CATEGORY: コラム
今日は切り口を変えて、私の音楽の仕入れ方について。


庶民日本代表を自負するところの私のみならず、なるべくお金をかけずに様々色々良質大量な音楽を聴きたいのはみな同じだと思う。だから、ネット上の玉石混淆の情報を信じてチャレンジするわけだ。私は毎月給与明細とともに給料の全額を嫁に手渡している。支給される私の月の純小遣いは○万△千円である(悲劇的な数値なので自粛)。今日はそんな私の安くより良く大量に音楽を楽しむ方法を惜しげも無く(??)ご紹介したい(などと偉そうに書くが、きっとこのくらいのことはネットの海のどこかにすでに書かれているだろうけれど)。


①プロパーで買わずできるだけ中古で購入する

新品をタワレコ・HMVその他で買うと高い。メチャ高い。だから私の音盤購入の7割はディスクユニオンである。大体平均購入価格はクラシックが1000円〜1500円、レコードはモノにもよるが1200円程度、ロックのCDだと300円〜1500円位である(ジャズのレコードは音質や盤質にもコダワるせいか、やや高くなりがちかな・・・)。Amazonやヤフオク等では高値の廃盤でも、ユニオンなら3000円ほどの良心的(?)価格で買える(勿論逆もある)。ただし、ユニオンのない地方の方は難しい。欲しいもの、探している盤が分かっている場合は、以前書いたように在庫検索でメールを送れば通販してもらえる。この場合は送料分高くなってしまうが、一度に複数購入すればそれほどの割高感はない(都内でも自宅近くにないユニオンに行くには往復で交通費が結局400円くらいかかる)。ヤフオクなどで探している盤が出たときも、ユニオンで在庫検索をして問い合わせ、比較するようにしている(最近は問い合わせしやすくなった。店員さんは大変だろうと思う)。


ただし、ユニオンに最新の盤が安く落ちてくるまでは数年単位の時間がかかる。すぐに買わなくてもいいかなと思う盤はユニオン待ちすることにしているが、気になるアーティストの盤はやはり新品プロパーで購入する。タワレコよりもHMVの方がまとめ買い購入すると安いようだ。尤も、高い新品で買いたいと思う盤が複数同時に溜まることはあまりないのだが・・・。


②オークションとAmazon・海外通販は猜疑心を持ちつつ使う

私が主に利用するのはAmazon、ヤフオク、ebay、Discogs、CD&LPである。その他に稀に海外の老舗レコード通販も利用するが、主にはこの5つで、挙げた順によく利用する。Amazonは個人業者の売り上げの2割近くを手数料で持って行くので中古は意外に割高である。ただし、たまに1円とか数百円とか意味不明な価格で買える盤があるので、これを利用しない手は無い(おそらく固定料金の送料で利益を上げているのではないか)。海外Amazonはアメリカ、UK、ドイツ、フランスなどを利用。送料がやはり高いので、欲しいもの狙いの時に限る。はっきり言って、モノが$10以下くらいでないと送料込みで3000円を超えてしまうためなかなか手が出ない。よほどの欲しいものが、タイミング良く見付かった時にだけ利用している。


ヤフオクは価値を知らない業者がレコードを出品する時などに美味しく購入できる。先日の岡田盤などがそうである。ただし、ジャズやロックなど、リスナーが多く競争率の高いジャンルは値が高くなりがちなので利用しない方がよい。そう言う意味でクラシックのレコードは非常に狙い目である(有名な廃盤CDは概して高いのでユニオンで気長に探した方が良い)。また、ヤフオクはTポイントカードと紐付けが可能なので、(Amazonとは違い)ポイントで結構安く買えることもある。


ebayは長年の探しものに利用する。主にレコードが多い。以前書いたように海外のレコ屋の盤質は日本に比べて極めて甘く、EX程度では手を出さない方が無難。最低でもNMやM-程度から購入を検討した方がよいと思う。これもクラシック(Melodiya盤など)は恐ろしく安く出ることがある。未CD化の盤かどうか調べ、開拓者精神で買ってみるということを個人的な楽しみとして続けている。10年以上前はほとんどebayで買っていて、毎週毎週海外から届くレコードの入った四角く薄い段ボールに、郵便配達の方は怪訝な顔をされていた。


今、急速に勢力を伸ばしていると思われるのがDiscogsである。オークションの、落札までの入札の応酬による値段釣り上げがかったるい利用者が(ヤフオク利用者がメルカリに流れつつあるように)ebayなどから移ってきたのではないかと考えている(販売する方も早く在庫が捌けるというメリットがあるのだろう。ただし、メルカリで音盤などを買ってはいけない)。ロックリスナーにはすでに国際最大手(?)通販としての地位を確立しつつあるが、はっきり言って、クラシックはまだまだお話にならない(例えばBarbosaで検索してもらえればわかるがまだまだ情報が薄すぎる)。ロックなどリスナーの多いジャンルは非常に強いのだが・・・。しかし、これの良いところは、アーティスト情報の蓄積が単調増加であることだ(レア盤情報が登録されれば、その盤が売り出されるのをひたすら待てばいい)。世界中に広まりつつあるためどんどん出品されるのも強みだ。私は欲しいものをリストに登録しているので、ひっきりなしに出品を知らせるメールが来る。今後はDiscogsが主流となることだろう(しかし、ロックやジャズはすでに高値安定で、私からすれば面白みがない)。


CD&LPは立ち上げ時には伸びるかと思ったのだが、そうでもなかった。とにかく、サイトが重いし、検索も使いづらい。レコードの情報なども業者によってマチマチでその上、曖昧である。たまにebayやDiscogsでも見ないレア盤がドンと出品されていることがあるが、高い!お金持ち向けかもしれない。フランスやイタリアなどの、英米以外の国のレコードは意外に良いものが売りに出ている(MAGMAのオリジナル盤もここで買った)。


ともかく、海外通販系は価格を比較し、盤質等も疑いの目を持って利用することが(庶民には)大事だと思う。最後は「当たればラッキー」くらいの気持ちで利用するようにしている。


③NMLを利用する

先日、ナクソス・ミュージック・ライブラリについにMelodiyaが参加した。私はジュスマルダホスさんのつぶやきで知ったが、それこそ眠れないくらい興奮したものだ。月額1,850円(+税)で極めて大量のクラシックを聴けるのは素晴らしい。これからはこのようなストリーミングが主流になっていくのかもしれない。我が家はPTNAの指導者登録経由でNMLを利用しているので年額1500円で利用している(勿論、それ以上の額をPTNAに払っているわけだが・・・それでも幾分お得なのかな??)。


NMLは利用者の状況で音が途切れたりする場合がある(特に開始初期は酷かった覚えがある)。また、昔はNMLの音源を聴くプレーヤーでmp3化がそのままできたのだが、すぐに出来ないものに取って代わってしまった。そのため、音源を外で聴くにはいちいち外部媒体(PCやICレコーダー)で録音しなければならない。この手間は相当なもので、おまけに(デジタルでなければ)音質も劣化する。

また、PCでのストリーミング再生はスタジオK'sの山本さんなども書いていたような気がするが、再生に使用するソフトでも、さらに言えばWinかMacでも音が違う(私は一時期Macのデジタルパフォーマーを使って再生していたが、面倒過ぎて止めた)。良い音で再生するにはそれなりの投資が必要だと思うし、音楽ソフトを購入するだけで精一杯の私はオーディオ機器の拡充にまで手が回らない。PCでのリスニングについては次項でも考えたい。



④ハイレゾ音源を購入する

ハイレゾが本当に音が良いかは、平凡な耳の持ち主である私には自信がない。「音源聴き比べ」でも書いているが、「なんとなく」「先入観」が入っている気がしないでもない。ただし、フィジカルメディアであるところのクラシックSACDは廃盤になると非常に高価なため(ESOTERICなど)、ネットのハイレゾの方が安く買えるのは間違いない。スティーリーダンなども、SACDやDVDオーディオはユニオンで4000円近くになるがハイレゾだと定価なまま安く聴ける。ラトル&BPOのブラームスの交響曲全集は、SACDはユニオンでも滅多に出ず高いが、ネットでは常時買える。オーディオユニオン店員さんとも話したが、昔の音源のハイレゾ化は当たり外れが多すぎる。マスタリングエンジニアの腕に依るところが大きい。




しかし、ネット購入は味気ないな。。。




情けない告白だが、モノを所有したいという思いは音質の良し悪し以上に大きくなることがままある。その折り合いの付け方の、私なりの結論はこの項の最後でご紹介する。



⑤図書館でCDを借りる

東京都在住の方限定のお話。とにかく文京区立図書館が最強である。オススメは、小石川・本駒込・目白台の3館。ジャズ好きなら、この3つを回れば一通り名盤は揃えることができる。学生の頃はバイクで図書館を幾つもハシゴし、文京区(ではないが)周辺に住んでいた頃はチャリンコで通って借りまくった。ノートPCを持って図書館に行き、1度に何枚も借りては近くのマックで取り込み、すぐ返却するという涙ぐましい貧乏人テクニークを一日中何度も繰り返した。最盛期は図書館だけでひと月に100枚以上のアルバムを借りて聴いていたと思う(金は無いが時間だけはあった)。私のジャズ仲間達はみな文京区立図書館でCDを借りてからセッションに集合していたことを思い出す。音源の共有も仲間内でしまくっていたのでジャズのスタンダードなCDはほとんどお金がかからず揃った。


クラシックも新譜が頻繁に購入されるので、(大変待たされることもあって近所に住んでいない最近は利用していないが)オススメである。以前書いたが、ツィマーマンのブラームスのピアノソナタはユニオンでも2万円overだが目白台図書館にはフツーにポンと置いてある。ペトロフの最難関、フリエールメモリアルのシチェドリン4番は文京(・中野・港)区立図書館で借りることができる(こんなこと書くとヤバいヤツと思われそうだなぁ……)。大事なことを書き忘れたが、文京区民でなくても借りることができる。ただし、この4月から文京区民優先制度が始まるので少しだけ不便になる。


PCに取り込む時は容量がかさむが出来るだけwav形式で行っていた。イヤホンその他で聴く時はそこまで気にならないが、CDに焼いたりPCからリビングのスピーカーで再生するときなどはさすがにmp3やAACでは音が悪い気がする(嫁も怒る)。最近は2テラのHDDも非常に格安になってきたので、幾つか買って大量の音源を保存している(私がたまに使う「ライブラリ」という言葉は、CD棚・レコード棚だけでなく、このようなHDD棚も指している笑)。


リスナーの数からして当然だが、ジャズやクラシックに比べてロックは競争率が高く、特に新作は図書館予約でかなり待たされる。数十人待ちで数ヶ月かかるのがフツーだ(だから待ちきれず買ってしまう)。それでもロックの基本的な名盤は文京区立図書館でほとんど手に入る。ロックとポップスの品揃え(??)は小石川図書館が素晴らしい(ジャズは目白台、クラシックは本駒込かな)。院生の頃、付き合っていた女性が御茶大の研究者だったため、私はバイクを茗荷谷周辺に停め、せっせと小石川図書館でCDを借りて聴いていたのを思い出す(なんて切ない青春だ)。ちなみに小石川図書館ではレコードも借りることができる(さすがに借りたことないけど)。こんなこと書くと図書館のクラシックCDの競争率が高まってすでにご利用の方に怒られそうだが、所詮私程度のブログだからご容赦願いたい。

※追記※
図書館でCDを借りる際は東京の図書館横断検索カーリルローカルを利用されるとよい。


ただし、図書館で借りると手元にメディアとして残らないのでやはり所有欲が満たされることはない。私にとって図書館でCDを借りるのは、あくまで「一通り聴くための勉強」「(言葉が悪いが)試聴・味見用」として利用しているようなところがある。例えばyoutubeはそのような利用の仕方ができるだろうが、なにか自分で汗をかいていない気がして(ジャズプレーヤーの演奏を勉強する以外)私はそれほど見ない(ハマると一晩見続けてしまうし)。




では、所有欲・音質・予算の三拍子が揃った音楽の仕入れ方は何か?





勿論、結論は出ていない(結局は出来るだけ金を稼ぐしかない??)し、誰もが納得する方法などあり得ない。が、私なりに導いた一つの音楽購入の在り方がある。




それはレコードで聴くということである。




金の無い学生の頃、先輩が「CDが高くて買えないならレコードで聴くと良いよ」とアドバイスしてくれた。20年近く前のまだCD全盛の勢いが残っていた頃、ロックやプログレ、フォーク、ファンクの定番は100〜300円でゴミのようにユニオンに売られていた(ジャズはやや高かった気がする)。その価格は(若干高くなったが)今でもほとんど変わらず、安く買うことができる。しかも最近はご丁寧にダウンロードコード付きのレコードなんかも新譜で売られている(売る方も考えている)。


最近のアナログブームは私からすれば当然のことと思ってしまうが、そんな若輩者の私をアナログ全盛の大先輩方は鼻で笑われることだろう。


やはりアナログは雰囲気が違う。現代の技術の粋を極めてリマスタリングしても、そこに当時のミュージシャン・プロデューサー達が当時の空気感の中で吹き込んだ音質は詰まっていない。特にジャズはレコードで聴いて初めてその良さが分かった。プログレも「CD化の際のリマスタリングが失敗」と話題になることの多いジャンルだ(プログレのガイド本などで私の好きなライター/ディレクターの深民淳氏が「現行CDはゴミ」などとザッパリ切り捨てているのが面白い)。今ハマりつつあるのはHR/HMのアナログだ。加齢と共にメタルが耳にキツくなってきたが、レコードだと実に耳に柔らかくなじむ(年始にスリップノットの持ってなかったのを買ったりしたがまだ聴けてない笑)。


オリジナル盤を購入することは私にとって物欲の究極の消化(昇華??)の方法であるが、再発レコードなら安くリーズナブルに、アナログの音を十分に楽しめる。クラシックで言えば、弦モノはCDでは味わえない重厚で鈍く光るような太い音色が味わえる(内周に近付くにつれて歪みが出るのが残念だが・・・)。さらにジャケも大きく、デザインを楽しめる(私は「花より団子」だけど)。同じアルバムでもレコードによって盤質(キズや歪み、ノイズ)が全然違うから1枚1枚に愛着がある。つまり、極めて大げさに言えば、中古で購入したレコードはその時点で世界に1点モノなのだ。モノを所有する喜びも満たされる。


ジャズに関して個人的なことを言えば、2000〜3000円でハイレゾを買うより、数百円で国内盤LPを買ったほうが断然良い。レコードをかけ替えるのが手間という人には向いていないけれども、音の雰囲気というか力強さが全然違う。以前ロリンズのサキコロのところで書いたように、レコードの音はデフォルメされているのにリアルなハイレゾを上回るのだ。人間の耳なんていい加減なんだろうと思う。



そんなレコードの欠点は、持ち歩けない&場所を取る、ということである。録音してデジタル化するのは手間(と言いつつ頑張ってお年玉化しとるわけです)だし、それならCDを・・・と思って結局二重買いしてしまい、さらなる散在に陥ってしまう。狭い我が家ではレコードの置き場がもうない。売ろうにもユニオンでも捨てるような値段しか付かない。必然的にレコード仲間にプレゼントすることになる。ちなみに、尊敬するいしうら氏のお宅は私の比ではなく、膨大な書物とも相まってレコ部屋に居るとき地震が起きたら命を落とすのではないかと恐怖するレベルだ。音盤道はかくも厳しい。。



さて、この年末年始にユニオンで買ったクラシック以外の中古盤CD(ロック・POPS・ジャズ等)の一部が下である。


rockcd


ほとんどが500円前後、中には5枚で680円などというものもある。実に格安でロック・ポップスの近年の定番を購入できた(文京区立図書館で借りてこの音源を揃えるには5年はかかるだろう笑)。この冬はインディーロックを主に聴いた。これにレコード、図書館、NMLが加わる。一体、自分でもどこに向かっているのかと思う量だ。。



長々と駄文を書いた。まだ感想を書けていない盤があるので、次回から通常運行に戻る予定である。

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