音楽好きの世迷い言
The melody at night, with you
最近のレコードブーム〜RADIOHEAD 『OK COMPUTER』 20周年記念盤の発売によせて〜
2017-05-20-Sat  CATEGORY: コラム
以前にも書いたが、ここ2年ほどのレコードの値上がりは異常である。


特に、90年代以降のUKロックや比較的新しいインディ・オルタナティヴ物の価格上昇は著しい。具体例をほんの少し書いてみよう。

RIDE 『Nowhere』(1990) 5000円 → 10000円over
THE VERVE 『Urban Hymns』(1997) 5500円 → 9800円
RADIOHEAD 『OK Computer』(1997) 5500円 → 10000円
DOVES 『Lost Souls』(2000) 7000円 → 12000円

(ユニオンで掘りあさった全くの個人的な印象であることをお断りしておく。また、コンディションはユニオン表記でB表記EX以上のものと思って頂きたい(要は私が買ってもいいかなと思う状態)。勿論、すべてオリジナル盤の価格の変遷である。)

こんな具合で、私の好きな(そして多くの人が同様に好きそうな)アルバムが軒並み値上がりをしている。ここには挙げなかったが、ソニック・ユースやマニック・ストリート・プリーチャーズ、ミューズ、ベック、ヨ・ラ・テンゴ、PJハーヴェイ、スマパン(メロンコリーのミントが4万!)も凄まじい価格の上がりようだ。

思うに、90年代〜00年代にリアルタイムで音楽を聴いていた(私と同)世代がアラフォーとなり経済的な余裕が少しずつ出てきたことと、近年のレコードブームとが相まったのが主な要因ではないだろうか。



ところで、このようなブームに便乗して露骨に金儲けをする業者??が数多く現れたように思う。気のせいだといいのだが、どうやらそうでもなさそうだ。



例えば、車のCMで一気に火が付いたSuchmosの『THE BAY』の限定LPなどは、発売して2週間も経たないうちに入手できなくなった。それと同時に、アマゾンやヤフオクで2倍以上の値付けで売られる始末である。まあサチモスの場合はその音楽性とリスナーがアナログ寄りな人たちなために、極端な例なのかもしれないが(サチモスはデビュー初期からユニオンで騒がれており、私もCDは買っていたがまさかこんなにすぐ大物メジャーになってLPが買えなくなるとは・・・)。ともかく、小銭稼ぎでダフ屋のごとく話題盤を買い占められるのは本当のアナログファンにとっては痛いことだ。



ようやく本題。



レディオヘッドのOKコンピューターが20周年記念で再発売されることになった。ブートでしか聴けなかった幻の名曲『Lift』なども追加で収録されるというのだから、このアルバムを人生でNo.1の1枚に挙げる私にとって心穏やかではない事件である。


この大ニュースはGW中にリリースされたように記憶しているが、限定のブルー・ヴァイナル盤のみが、それから10日と経たないうちにあっという間にタワレコ、HMV、ユニオンで予約完売になった。私は出張に行ったりしてバタバタしており、「レディヘは大物だし、買えるだろう」と高をくくっていたところに予約すらできなくなり、顔面蒼白になった。焦って探すとAmazonのみまだ在庫があるようで、些か拍子抜けをした(しかしまだ買えるとは限らないが・・・)。もし購入を考えている方がいたら、早めにアマゾンで予約注文された方がよいと思う。ちなみに私は4種類のメディアすべてを注文してしまった。。。いずれ音源聴き比べに載せる予定だが、我ながらバカな所業だ。



さて、話のついでにRADIOHEADの『OK COMPUTER』のオリジナル盤レコードについて書きたい。

OK.jpg


厄介なことにこのアルバムはオリジナル盤が出た1997年にすでにリプレスされているので、オリジナル盤と再発盤を見分けるのが非常に難しい。この辺の事情はこちらのブログに詳しく書かれている。以前書いたように、Discogsの隆盛に伴ってどんどん情報が蓄積されていく様が、こちらにはリアルタイムで書かれていて本当に頭が下がる。


このレコードについて私の考えを書いておくと、『OK〜』のオリジナル盤は、Discogsにある通り、マトリックスが

Matrix / Runout (Run-out area A-side [hand-etched]): I Like You, You Are A Wonderful Person
Matrix / Runout (Run-out area A-side [hand-etched]): Vinyl Blair
Matrix / Runout (Run-out area A-side [machine-stamped]): D
Matrix / Runout (Run-out area A-side [machine-stamped]): NODATA 0X2A-1-1-

と表記されているものだと思う。幸いなことに、私の持っている盤がこれである。

1495274218289.jpg

1495275201973.jpg


というのも、ユニオンの買い取り冊子の目録で『OK』のところに「8552291表記無」という説明が近年追加されたのだ(それまではなかったはず・・・)。上記のブログによれば、この表記は「D」の文字の後に続くらしい(最新のDiscogsによるとNODATA 0X2A-1-1-のあとに続くようだが)。どちらにせよ、それはリプレス版になるようである。私のものはマト部分にこの表記が無いので、Discogsに従ってオリジナル盤と判断した(ちなみに重さを測ったところ丁度180gであった)。


1ヶ月先の『OK〜』20周年記念盤発売後には1997年当時のオリジナル盤が再び話題となり、価格が高騰することだろう。ユニオンで「UKオリジナル」と書いてあるものを買えば間違いないと思うが、ヤフオクその他で怪しい業者にリプレス版を掴まされる可能性がある。現に今「UK盤」とのみ書いて8000円を超える価格で出品されているレコードがある。値段だけ見るとオリジナル盤のように思えるが、上述したように1997年にプレスされたものはマトリックスを確認しないとオリジナルと判断できないので、このような商品には手を出さないほうがよいだろう。


騙される方が出ないことを願って、今回の記事を書いた次第である(勿論、私が全面的に間違っている可能性もあるので、詳しい方はご教示ください)。

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人類史上最強のライヴ〜MAGMA『LIVE』音源聴き比べ〜2017/5/20追記
2017-05-20-Sat  CATEGORY: 音源聴き比べ
2017/5/20 Victor 20bit K2 盤(Charlyライセンス)紙ジャケCDを追加



録音として聴ける人類史上最高のライヴは何か?




フルヴェンのバイロイト第9のSACD?それとも、音質ならレコードにこだわってFALP盤?いやいや、第9に限っても壮絶という点ではテンシュテットのBBCから出てる1985年ライヴの方が・・・




「最高」と銘打つと異論反論が多いに決まっていますし、私もどれか一つを選ぶことなどできません。しかしながら、「最強」のライヴ、ならば私は確実に「コレしかない・・・!」という1枚を選ぶことができます。




それが今回ご紹介する、フランスが誇るプログレッシヴ・ロック・バンド、MAGMAによる1975年の『LIVE』です。


DSC_6742.jpg



「最強」とは何を意味するのか?メンバーがケンカに強いのか?(笑)そして、クラシック音楽サイト(のはず)なのに何故プログレなんだ?と思われるかもしれません。順に書いていきたいと思います。




このアルバムは、音楽の持つ躍動感、エネルギー、そして演奏者のみならず、観客も含めたライヴ空間において生み出されるほとばしるような「生命力」が、私の聴いたどの録音作品よりも「強い」のです。実に力強く、まばゆいばかりに美しい。時に怪しく、狂気に満ちて、常軌を逸しているかのような壮絶なテンション。何より、「ライヴ」でなければ、生み出されることはなかったであろうという必然が、何よりもこの作品の価値を高めています。私が10年以上前に某SNS上に書いたレビューを紹介しましょう。



「コバイア星からやってきたフランス人、クリスチャン・ヴァンデ率いるプログレッシヴ・バンドの伝説的なライヴを収めた2枚組CD。僕が聴いてきた全てのアルバムの中で最強の作品である。最強の定義も意味もここでは述べないが、とにかく聴けば納得してもらえるはずだ。

 『マグマ』で検索してファンサイトを見てみて欲しい。どれほどの人がこの作品を畏怖し崇拝し讃えているか。「とても人間の所為ではない」「ライヴとは思えないがライヴでなければありえない演奏」「鼻血が出る」などの表現は決して大げさではなく、この「作品を聴いた人間は皆「事実だ」と答える。マグマのように演奏出来たバンドは現実に存在せず、かつて存在したこともなく、これからも存在しないだろう。
 
 7/8拍子のアルペジオをシーケンサーのように正確無比に弾き続けつつ曲の骨子を刻むキーボード、複雑で長大な構成の曲を絶妙のタイム感と多彩な装飾で駆け抜けるギター、インプロヴィゼーションでヴァンデと堂々と渡り合う当時17歳とは到底思えないロックウッドの叫ぶような狂気のヴァイオリン、マグマをマグマ足らしめる大きな存在となっている、コバイア語で歌われる不気味なヴォーカル&コーラスの迫力は既存のポップスに聴き慣れた人へ鉄槌を下すこと間違いなしであり、脱退したもう一人の異星人、ヤニク・トップの穴を見事に埋めたパガノッティが奏でる地獄の底を這うような音色のベースは、この楽器をどう弾けばそのような音が出せるのか僕には全く想像もつかない。そしてそれらの楽器全てをまとめ、鼓舞し、爆発させるヴァンデの燃えさかるようなドラム・・・。
 
 奇数拍子のリズムで執拗に繰り返されるフレーズに極度の恐怖感を覚え、徐々に加速しながら導火線にジリジリと火が着き、ついには爆発していくような緊張感と迫力に満ちたインタープレイの連続は聴く者の耳を捕らえて離さない。一体これはなんなんだ。大曲『コンタルコス』の驚異のブレイクでは耳を疑うこと間違いなく、『ハーイ』の高揚感・疾走感はどこまでも高く上り詰め、終曲『メカニック・ザイン』ではこの世の全てを超絶する驚愕の演奏のオンパレード。恥ずかしながら臆面もなく「奇跡」の演奏と言わせて頂こう。それはもはやプログレでもジャズ・ロックでもなく、マグマというジャンル以外の何ものでもなかった。」



・・・我ながら読み返すと恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまうのですが、これは私の所有するすべてのアルバムの中で、最も大切に思っている作品の1つなのです(他にはRADIOHEADの『OK computer』や、おなじみアントニオ・バルボーザのショパンピアノソナタ集、カート・ラダーマーのゴルトベルクなどがあります)。




さて、そんな大切な作品なので、出来るだけ良い音で聴きたい、というのは当然です。かと言って、メディア別にコンプリートするつもりもさらさらないのですが、ふと手持ちの3種類を聴き比べようと思い立ちました。なお、今回の聴き比べにおいて、2枚組すべてを聴き通したのは、体力の問題と家庭の事情により下記の②と③です。その上で、私の最も好きな「Mekanik Zain」を3種類交互に聴き比べました。予めご了承ください。






①輸入盤2枚組CD(SEVENTH Records)

②SHM-CD(SEVENTH Records)

③フランス・オリジナルUTOPIA盤CYL2-1245


 


学生の時にサークルの先輩に薦められて買って聴いたのが①の2枚組。私にとって初めてのマグマ体験であり、それまでの音楽観を変えてしまうようなとてつもない衝撃を受けた。それこそ何百回聴いたかわからない。私も楽器を演奏する人間の端くれとして、「プレイアビリティ」によって音楽の質が高まって行くようなジャンルが好きだ。クラシックはその究極だと思う。極限まで磨き抜かれたロルティやポリーニのショパンエチュードは我々の心を捉えて離さないし、ルービンシュタインのバッハ=ブゾーニのシャコンヌは枯淡の境地にあって、技術だけではない何かが魂に訴えかけてくる。


そしてジャンルは違えど、このマグマの『ライヴ』はプレイヤーの演奏能力が極限まで引き出され、ライヴならではの即興性と興奮が奇跡の演奏を創りだした。それは1日10時間のリハーサルに励むという、途方も無い努力と技術の結晶でもある(その上でさらに個人練をしていたのだろうか?恐ろしい)。


さてこの名盤、まず聴き慣れたセヴンス盤CD①から聴いてみる。


良い。実に良い。何度聴いたかわからないが、聴くたびに同じ感動を味わえる。音はヴォリュームを少しずつあげても音がキンキンせず、実に自然。シンバルの音の細やかさや各楽器の定位と空気感もよくわかる。この歳になって冷静に聴いてみると、いかにもアナログ音源をCD化したのっぺり感というか金属的な音の佇まいがあるが、それほど気にならない。


次にSHM-CD②。あくまで個人的な印象であるが、クラシックファンの間ではSHM-CDの評判はよくないように思う。尊敬する加藤さんのページでも否定的な評価をされており、私自身も幾つかSHM-CDを聴いたが、特にピアノは不自然に音が強調されている感がある気がしてあまり好きではなかった。


ところが、スティーリー・ダンの『プレッツェル・ロジック』のSHM-CDをたまたま聴いたところ、そのクリアな音立ちにビックリしたのだ。特にヴォーカルの印象の変化が大きい。iPodに取り込んでみても違いは顕著だった。そんなわけで、「忠実な原音再生が求められるクラシック」ではSHM-CDは不利で、「多様な音が入り交じったロック」ではSHM-CDは有利なのかも、と推察したのだ。そんなとき、池袋のユニオンで紙ジャケの当盤を見つけ、多少のプレミア(中古なのにほぼ定価)が付いていたものの、音質向上してるかもと期待を持って買ったのだった。


さて、前置きが長くなったがSHM-CD②を聴いてみる。①と同じヴォリューム設定で聴くと、凄まじい爆音!(耳が死ぬかと思った)相当レベルを持ち上げて音圧を稼いでいるようである。これがクリア。めちゃくちゃクリア。それでいて、音の輪郭がはっきりとしており、ぼやけることがない。加えて各楽器の音の分離の良さや、耳馴染みの良さがハンパではない。音数の多い情報が整理・整頓されて耳に届けられるのは非常に心地が良い。特に、ヴォーカルのクリアさは特筆ものだ。臨場感がグッと増している。



素晴らしい。本当に素晴らしい音質だ。



買ってよかったと思った。ここで止めておけば幸せだったのかもしれない。ところが、アナログ好きとしてフレンチプレスのユートピア盤のオリジナル・レコードを聴かないわけにはいかなかった。何故なら、愛読させて頂いているgeppamenさんのブログで「セヴンス盤CDより遥かに音質が良い」と書かれていたからだ。これは避けて通るわけにはいかない。そこで、ebayやDiscogs、さらにはCD&LPでフランスオリジナルのレコードで探した。結構枚数が出ており、常時入手が可能な感じであったが、音質を聴き比べるのだからなるべく良いコンディションのものを選んで購入した。ジャケの状態はイマイチだったが、フランスから送料込みで4000円で入手できたので格安と言ってよいだろう(ちなみに入手時期はSHM-CDよりずっと前)。




というわけで、レコード③。



ムム、、、こ これはあまりよくない。



・・・おかしい。レコード単体で聴いたときは気にならなかったのだが、こうしてCD2種と聴き比べるとよくない。レンジが狭く、低音は出ているものの音ヌケが悪い。シンバルは飛散する音がザラついており、何よりヴォーカルが遠い。これは痛い。その場の空気感というか臨場感というものもアナログ特有の致し方ないノイズのせいか、どうも聴き取ることができない。これはレコード原理主義者としてガッカリだった。。SHM-CDの方が断然良いではないか。




ここで止めてもよかったのだが、家族が不在だったのでせっかくだからさらにヴォリュームを上げて「メカニック・ザイン」を3種類もう1周しようと思った。防音室ではないリビングなので近所からのクレームが不安だったが、聴いていて耳が痛くなるギリギリまで音量を上げて再び聴き始めた。




するとどうだろう、評価が一変したのだ!




これには驚いた。まず通常盤CD①。ヴォリュームを上げても音の輪郭が壊れず、自然に全ての帯域が持ち上がる。高音がキンついたり、低音が被り気味になったりすることがない。ただ、あるところで音が薄味になるというか、中域が物足りなくなるポイントがあった。それでも最初の評価が大きく揺らぐことはない。




ところがSHM-CD②、これが酷い有様だったのだ!まず、音の輪郭が崩れる。細かくイコライジングしてCD化を行ったのだろうが、楽器によって音の密度に差が現れた。特に顕著だったのはマグマの命とも言えるヴァンデのドラム。スネアの音色が潰れて「ボテッ」と聞こえてしまい、全然美しくない!そして何より、最初に聴いたような感激が確実に薄まってしまっている。なぜだろうと何度か繰り返し聴いてあることに気付いた。




ヴァイオリンの音色が美しくないのである。




この作品で最もテンション高く叫び続けているロックウッドの壮絶なヴァイオリンの音色が、完全に飛んでしまっている。何度聴いてもあまりの名演に耳を奪われ、音色の退化にまで恥ずかしながら気付くのに時間がかかってしまったのだ。まるでCD化に失敗したクラシックのCDを聴いているかのようだ。ペンチで潰して平らに伸ばしたかのような、そんな無機質で無表情な音になってしまっている。





そして、もしやと思って再度聴いたフランスオリジナル盤LP③。音量はすでに爆音に近い。


DSC_6739.jpg




凄まじい。これこそMAGMAの『LIVE』である・・・!




喉元に銃口を突きつけられているような、ヒリヒリとした緊張感の中を執拗に繰り返されるリフの上で、縦横無尽に弾きまくるロックウッドのヴァイオリン。その豊かに伸びた中域は音色に艶があって実に素晴らしい!パガノッティのベースはとんでもない音の太さで、これを聴いてしまうとSHM-CDは昭和製の掃除機の断末魔のようだ。先ほど気になったヴォーカルの定位の遠さは全く気にならない。ヴァンデのドラムも相変わらず煮えたぎっているまさにマグマのようで、スコンスコンと叩かれる高めのピッチのスネアの音色が実に爽快極まりない。やはりレコードは原音再生の忠実度という観点からすると大きくデフォルメしているのは間違いないが、その当時の時代・空気感・バンドメンバーや録音スタッフ、プロデューサーの感性がこの歴史的名作を生み出したのだ。後年のものがどれだけリマスタリングを施そうとも、超えられない「音」が、この黒いヴィニールには詰まっているのだ。心の底から感激した。




さらにヴォリュームを変えて聴いてみた結果を表にまとめてみると以下のようになる。



メディア音量小音量中音量大
セヴンス盤通常CD
セヴンス盤SHM-CD×
フランスオリジナルUTOPIA盤LP
ビクターK2(Charly)盤


普通に聴く音量ならSHM-CDは非常に優秀。私もiPodや車のHDDには①でなく②をリッピングして通勤中・運転中に聴いている。レコード③のナロウレンジな感は否めないのだが、レコードから飛び出してくる音のカタマリの圧倒的な迫力は何者をもなぎ倒すような凄まじいもので、すべてのマグマファンに是非とも聴いてもらいたい素晴らしいオーディオ体験である。結局のところ、geppamenさんが正しかったのだ。これにより、「弦楽器はレコードフォーマットが優位」という自説の補強が(まさかマグマの『ライヴ』によって!)再びなされた気がする。



・・・と思って、SHM-CD盤の解説ブックレット読んでみると、日本にマグマを普及させた貢献者の一人である元ディスクユニオン営業部長の竹川真氏が次のように書いていた。



「この「LIVE」実はCharly原盤のビクター盤も存在する。その音もSEVENTH盤に比べオリジナルミックスからのリマスターでもあるため、渾然一体のあの圧巻な音が見事に再現されている。一方SEVENTH盤は24チャンネルマルチトラックからのリミックス盤のためCharly原盤では捉えられない細かい音も収録され音の分離感はすこぶるいいが、ひとつの音の塊で一気に聞き手を喝破するような迫力は乏しい。よって今回のリマスターはその圧巻な音をきめ細かい分離感を残しながら再現することに重点を置く作業となった。ところが送られたマスターはCDとほぼ同内容の音質でベースのロウ感の足りないものだったため、再現するのに大変な日数を要してしまった。単純にロウをあげてもこもってしまうので、結局は聴覚で一番説得力あったある帯域のみを持ち上げてマスタリングをしたものである(後略)」



このように私がこのSHM-CDに抱いた印象とほぼ同じことが書いてあり、結局のところこのフォーマットはSHM-CD盤のメディアとしての優位性が問える商品ではないような気がしてきた。そして、アマゾンのレビューなどでは酷評されているCharly原盤も聴いてみなければ、という気になってきた。うーんまた出費のかさみそうな宿題を見つけてしまったな。。。



2017/5/20追加
Victor 20bit K2 盤(Charlyライセンス)紙ジャケCDを購入。ジャケ裏には2001 Charly Licensing ApSと書かれている。どうやら上記チャーリー盤をビクターがデジタル化したものらしい。さて、上で書かれているように、CDながらアナログのような音の塊りで襲いかかってくる迫力が比較的小さい音量でも出ている。ところが、ヴォリュームを上げるとなんというか粗が目立ち始める。スカスカとは言わないまでも、音の緻密さが薄れてくる感じ。時間帯の都合で大ヴォリュームには出来なかったのでそこは未評価だが、全体的にそれほど悪くはない(というか内容が素晴らし過ぎてどの盤でも感激してしまう)。

ところで、geppamenさんがCDとLPの音質の違いについて、波形を表示して明晰に論じられているので是非ご覧頂きたい。ちょうど、私がこのマグマのレコードでヴォリュームを上げた時の音質について書いた感想と奇しくも合致する内容が科学的に(?)書かれており、「我が意を得たり」という感じである。






・・・実はこの他に、おそらく80年代のテストプレスLP(2枚目のみ)を所有しているのだが、それはまたの機会に。


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音源聴き比べ一覧
2017-05-20-Sat  CATEGORY: 音源聴き比べ
音源メディア(フォーマット)の違いによる音質聴き比べです。


第1回 Steely Dan『Two Against Nature』 音源聴き比べ CD/DVD-Audio/LP

第2回 the Anthony Wilson trio 『our gang』 音源聴き比べ CD/LP/SACD

第3回 Pat Metheny Group 『Imaginary Day』 音源聴き比べ CD/DVD-Audio

第4回 MAGMA『LIVE』 音源聴き比べ CD/SHM-CD/LP(France Utopia Original)

第5回 番外編 Steely Dan 『Aja』 LP聴き比べ

第6回 DREAM THEATER 『METROPOLIS PT.2:SCENES FROM A MEMORY』音源聴き比べ CD/SHM-CD/LP(US Original)

第7回 Kurt Rosenwinkel 『Caipi』 音源聴き比べ Hi-Res/LP

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ショパン・ピアノソナタ第3番聴き比べ~ 2017/5/19更新
2017-05-20-Sat  CATEGORY: ショパン・ピアノソナタ第3番聴き比べ
ソナタ3番の更新箇所:
ヴンダー盤(ショパコン)を追加(5/19)
スルタノフ盤を追加(1/17)
ギルハム盤を追加(2017/1/3)
ハフ盤を追加(12/30)
オボーリン盤を追加(11/20)
ペロッタ盤を追加(8/6)
デュシャーブル盤を追加(7/9)
ピエトロ・デ・マリア盤を追加(6/11)
内田光子盤(東芝EMILP)を追加(2016/6/7)
リシャール=アムラン盤を追加(12/23)
シェバノワ盤(LP)を追加(10/10)
田中修二盤(LP)を追加(9/7)
神谷郁代盤(LP)を追加(3/27)
仲道郁代盤を追加(2/4)
スレンチェンスカ盤、ランコヴァ盤、青柳盤、ケイティン盤、ルケシーニ盤、ソンバル盤を追加(1/26)
ビレット盤、ラヴァル盤、フォーク盤、ピサロ盤を追加(1/24)
ポミエ盤を追加(1/21)
アニエヴァス盤を追加(1/19)
アシュケナージ盤(LONDON、1992年、1976年)を追加(1/11)
ヴァーシャーリ盤(DG)を追加(2015/1/4)
ウーセ盤、バレンボイム盤を追加(12/14)
ヘーレンリーダー盤を追加(12/11)
コラール盤を追加(12/7)
フリッター盤を追加(12/4)
佐藤卓史盤(再録音)を追加(12/4)
ヤブウォンスキ新盤を追加(8/9)
ロルティ盤を追加(8/5)
辻井盤(ショパンコンクール)を追加(3/16)
カッチェン盤を追加(2/25)
スルタノフ盤、ユンディ・リ盤を追加(2014/1/2)
スワン盤を追加(11/20)
フランソワ盤、チェルカスキー盤を追加(9/23)
シェリー盤を追加(9/18)
ツィメルマン盤を追加(8/17)
ヴラダー盤を追加(6/8)
ネボルシン盤を追加(5/23)
清水和音盤(LP)を追加(3/12)
ノヴァエス盤を追加(1/26)
エキエル盤を追加(1/25)
ラフォレ盤を追加(2013/1/18)
ヴァーシャリ盤(Hungaroton)を追加(12/24)
ピリス盤を追加(11/30)
メジューエワ盤を追加(11/27)
ワイセンベルク盤(EMI)を追加(11/26)
及川浩治盤を追加(11/14)
リパッティ盤を追加(11/7)
ポゴレリチ盤(FKM)を追加(10/31)
ヴォロディン盤、ホジャイノフボジャノフ盤を追加(9/23)
デミジェンコ盤(Onyx盤)を追加(8/7)
ワイセンベルク盤(1972年シュヴェツィンゲン音楽祭)を追加(8/4)
ルガンスキー盤を追加(8/4)
ペルルミュテール盤を追加(8/1)
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先日、「ショパンのソナタのベストは?」などという無謀な記事を書いたので、思いきって所有しているショパンのソナタ2番・3番の音源をすべて比較してみました。2カ月くらいかけてほとんどの盤を聴き直したのですが(しばらくショパンはお腹いっぱい)、以前バルボーザの記事を書いた時には忘れていた好盤や、「そこまでよくなかったな」という盤も出てきました(ですので、バルボーザの記事の時より評価が下がってる盤もあります)。あくまで個人的な主観の感想ということで参考にして頂ければ幸いです。☆◎○△×の5段階で簡単なコメントを書きます。聞き直した盤などは随時更新していきたいと思います(2012/6/26初出)。


3番(114種)
ポリーニ:△ これまた教科書的。曲のせいか2番より歌のセンスの無さが際立つ
アルゲリッチ:△ キレがあるがヒステリックでテンポが激しく揺れ曲想とマッチせず
アムラン:○ 2番より彼向きで終楽章の粒の揃いなど素晴らしいがやはり歌がイマイチ
デミジェンコ(hyperion盤):○ 孤高の詩人だが少し考えすぎのポエムになってる
ドミトリエフ:◎ 極めて詩情溢れるがテクがイマイチ。音場が狭く息苦しい
ボジャノフ(2010年エリコン):△ 悪くない。ツボは押さえてるが光るものが欲しい
Alex・スロボヂャニク:△ アレクサンドルjr。終楽章をpで始めるなど内向的
オールソン(ショパコンライヴ):△ まずまず悪くないが音が悪い
オールソン(アラベスク盤):○ 録音が残響多めでよくないがテクはかなりいい
キーシン:○ テクが冴え力強く明晰だが歌が微妙
佐藤卓史(自主制作盤):○ 端正でサッパリ真面目。詩情があれば良いのだが
アンスネス:◎ 2番同様万人に薦められる。バランスの良い名演
ダン・タイソン(CD):△ 音色が素晴らしく綺麗だがタメが多く勿体付け過ぎ
エーデルマン(RCA盤):◎ 細部まで丁寧でしかも十二分にロマンチック
エーデルマン(Exton盤):△ 哀しいことに老いによる技巧の衰えは隠せない
内田光子:◎ 読みが深い。終楽章はスタッカート気味が好みでないがテク良し
メルレ:○ 某ネットshopのイチオシで抒情性があり悪くないが終楽章がキレ不足
グールド:◎ ある意味変態的な解釈で万人に推せないが面白い。終楽章が手に汗握る
ゲルナー:○ 中庸の極み。全科目平均点以上で強いて言えば力強さが欲しい
ヴンダー:△ かなりテンポが遅い。その分ロマンチックだが解釈・表現は普通
ブレハッチ(ショパコン):○ 美音かつセンスに溢れるが終楽章がタメすぎ
フリッター(ショパコン): 表現意欲があり手慣れた感じだが弾き飛ばすような粗さもで実に音楽的
ブーニン(ショパコン):△ タッチが非常に力強い反面やや一本調子。ややミスも
ブーニン:※ ショパン名曲100という6枚組CDに収録されてるのはティエンポの演奏
ティエンポ:△ 技のキレはあるがアゴーギクが相当に自由気ままでアルゲリッチ的
ルービンシュタイン:◎ 改めて聴いてもやはり素晴らしいとしか言いようがない
フレイレ:△ 細部まで丁寧だがフォルテが弱く演奏に覇気がない。録音もイマイチ
ラン・ラン:△ 意外に軽め。爆演を期待すると拍子抜けする。実演も同様だった
小山実稚恵:○ 技術的に整っていて力強く音も輝かしい。表現の深さをもう一押し
トゥルーリ:○ 2番より合っており歌い方もスッと入ってくる。テクではやや物足りず
シフラ:△ 歌心はまずまずだが終楽章がボロボロ。つなぎ目?を感じる箇所も
横山幸雄:○ 急速部分が流麗。歌もまずまず。いかにも技巧派の日本人的演奏
松本和将:○ 2番より彼向きだがやはりスタジオ録音で完成度を高めて欲しかった
トリフォノフ:○ テクに詩情や表現力もあるが説得力はいまひとつ。まだ青い
ヤブウォンスキ:◎ 技の精緻さでは1・2を争う。整い過ぎて歌が硬めだが好盤
ユンディ・リ:△ 2番同様テクは精密だが歌がダメ。終楽章冒頭はpで違和感
ゲキチ:○ テンポ遅めで抒情的。ナヨッとしてるが部分的に異常なキレ。不思議な演奏
ドンヒョク:○ 模範的解釈でテクもあるがまだ若い。実演の方が活き活きしてた
ペライア:○ 細部までカッチリ弾いてるがややテンポが遅くもう少し推進力が欲しい
プレトニョフ:○ 細部へのコダワリでは1・2を争う。しかし反面イマイチ流れが悪い
カツァリス:2番同様素晴らしい。抜群のキレで内声の強調の仕方に新たな発見が
アルゲリッチ(65年EMI):○ エンジニアが「後年のDGのよりも我々の方が良い」
カペル:△ 指回りが良く勢いがある。全体的に悪くないがヒステリック。録音も悪い
マガロフ:△ 2番と同様の印象だが細かい音型が多い分キレの無さが余計に目立つ
園田高弘:○ 2番より彼向きで折り目正しい。キレはあまり無いがFinaleは5分切り
ペルルミュテール:△ 2番よりはテクもまずまず。歌は変わらず良いがやはり惜しい
ルガンスキー:△ どこまでも冴えない。昔のキレはどこへ?タメ多くやはり歌もヘタ
ワイセンベルク('72):× キレは凄いが弾き飛ばしが多くはっきり言って無茶苦茶
デミジェンコ:△ 詩情に溺れすぎて幾らなんでも沈滞しすぎだが、叙情性は5指かも
ヴォロディン:△ スマートでテク歌もある。やや音ギレが悪い。終楽章のタメが×
ボジャノフ:△ テクはまずまず。特長がないがみずみずしいタッチは買える
ポゴレリチ(FKM):○ 終楽章は凄まじいキレだがあざとくタメ有。歌がモタレ気味
リパッティ:△ 上品で筋が良くテクも歌も良いが録音の悪さを覆せてはいない
及川浩治:○ 勢いがあり語り口が非常に好み。反面音色の変化が少なく表情に乏しい
ワイセンベルク(EMI):△ キレあるが遅すぎたり速すぎたり乱暴。編集の繋ぎ目も?
メジューエワ:△ 技術的に少し見劣りしタルく爽快感に欠ける。解釈も歌もやや平凡
ピリス:○ 第1楽章が特に素晴らしい。後半はキレ不足。綿でくるんだような録音が×
ヴァーシャリ(Hungaroton):○ テクに解釈未だ衰えず。終楽章も150km直球
ラフォレ:○ 自然な歌い方と安定した技巧で安心して聴けるが2番の名演ほどでない
エキエル:△ 情感はこもっているがキレに乏しい。全体的にインテンポなのは好感
ノヴァエス:△ LP盤起こし。手練手管で聴かせるが期待ほどでない。指回りはなかなか
ネボルシン:△ 速めのテンポで清潔感溢れる。終楽章はテンポが遅く爽快感×
ヴラダー:○ 流麗なテクで終楽章は4:43だが残響ジャブで歌が聴こえてこない
ツィメルマン('76):○ 後年の緊張感溢れる演奏の片鱗が伺えるがまだ若干青い
シェリー:◎ 模範の極み。自然な語り口で叙情性に浸れる草食系のショパン
フランソワ:△ 2番同様語り口は良いが噛み締めるようなテンポが遅すぎる
チェルカスキー:△ 歌が上手い。特に第1楽章が秀逸。やはりテクが苦しい
スルタノフ(チャイコン):○ 指回りは最強の部類。タメはあるが歌も悪くない
ユンディ・リ(ショパコン):○ DG盤より勢いと熱気があって断然良い
カッチェン:△ 語り口はまずまずだが弾き飛ばすようないい加減さが。
辻井:△ テクがあり特に右手がスゴい。表情を付けようとしてるがいまひとつ
ロルティ:○ 期待通りの磨き抜かれた美音で十分に歌うが技巧の衰えは心配以上
ヤブウォンスキ(新):◎ 旧盤から20年近く経つがキレは未だ十二分。甲乙付け難い
佐藤卓史:○ 自主制作盤より勢いが減った。2番同様ストレートかつ残響ジャブ過ぎ
フリッター:◎ 優美さと力強さを兼ね備え、テクも十分。ショパン的演奏と呼ぶに相応しいがテンポ遅すぎ
コラール:○ 硬音質で速めのテンポで古典派を聴いてるかのよう。情感もバッチリ
ヘーレンリーダー:△ 音がまるでレッスン室の隠し撮り。すべて台無し
バレンボイム:○ 3楽章など緩徐部分は出色の出来。硬めの音で単色系になのが惜しい
ウーセ:◎ 極めて力強くド直球で音色も輝かしい。後はショパンらしい陰影があれば
ヴァーシャーリ(DG):○ 2番より断然良い。優等生的だが曲にハマってる。キレが欲しい
アシュケナージ('76):◎ 解釈技巧録音どれをとってもベストオブ模範的
アシュケナージ('92):○ 演奏は上とほぼ同じだが残響多めで部分的にテンポが遅い
アニエヴァス:◎ バルボーザに激似。録音のせいか骨太過ぎてラフマニノフ的
ポミエ:○ 柔らかな語り口がショパン的。ミクロでは歌上手だがマクロで繋ぎが微妙
ピサロ:○ 能ある鷹はラストで爪を出す。所々でのタメが残念
バドゥラ=スコラ:△ 園田盤と同系統の教科書的演奏。さすがコンクール審査員
フォーク:△ 丁寧かつ緻密で整っている。終楽章で部分的に遅いのが技巧の限界か
ラヴァル:△ 力強く大いに歌う。終楽章のテクが弱いのが惜しい。ミニウーセ盤的
ビレット:△ 女版アシュケナージ。かなりテンポが変わる。最後は勿体付けすぎ
スレンチェンスカ:△ 女版ルービンシュタイン。ライヴゆえのミスが惜しい 
ランコヴァ:△ 大人しく微温的だが第3楽章で切々と歌い終楽章も中々盛り上げる
青柳:× 遅いところはより遅く、という解釈。奏者とシンクロ出来ず
ケイティン:△ 英国紳士の優雅すぎるショパン。さすがにキレ不足
ルケシーニ:○ 天才肌で自由奔放だが意外に聴ける。輝かしい音色が印象的
ソンバル:△ 録音のせいか音がモゴモゴ。技巧も物足りない。天は二物を与えず?
仲道郁代:○ 明晰なタッチと録音が◎。やや濃い目だが語り口が上手い
R-アムラン:◎ 能ある鷹は爪隠し過ぎの優等生。コンクールの方が断然良い
デ・マリア:◎ 非常に音楽的。特に音色の幅が尋常でない
デュシャーブル:○ 2番より彼向き。精緻で歌も上手い。薄めの音色が△
ペロッタ:○ 多彩で華やか。技の凄みは無いが明るくたっぷり歌って好印象
オボーリン:△ 演奏は素晴らしいが隣りの部屋から聞き耳立てて聴いたような音
ハフ:○ ショパンらしい表現に腐心。愉悦に傾き技巧に期待すると肩すかし
ギルハム:○ 内声の強調が独特で表現意欲に溢れるが音ギレの悪さが気になる
スルタノフ: ◎ チャイコンよりも緊張感は減だが程よく抑制されバランスが良い
ヴンダー(ショパンコン):○ 真っ当の極み。テクも歌も充実だが何かもう一つ

LP
ダン・タイ・ソン(ショパコン):◎ 知情がありライヴの熱さもある。ややミスが多い
フー・ツォン:○ 小ホールで聴くような音。力強く骨太の歌い上手だが線が太すぎる
バルボーザ:☆ 最高の名演
ケルセンバウム:× 美人は三文の徳
ワイセンベルク(RCA):◎ ファンタジーは無いがザクザクのキレキレで爽快感抜群
清水和音:◎ 2番同様かなりのキレでタッチは明晰。しかしやはり歌が微妙
スワン:△ 上手いが無骨、歌がモタレ気味。デッドな録音でショパンらしくない
神谷郁代:○ テクは整っていて安定感抜群だが解釈が能面的で面白みに欠ける
田中修二:○ 日本人には珍しくスケールがでかい。豪快だが個性が欲しいところか
シェバノワ:◎ ライヴの緊張感と品の良さが両立。精緻でミスも少ない
内田光子(EMI):◎ 若さとテクに溢れフレッシュな魅力十分で新盤を大きく上回る

3番は以前書いたようにあまり気に入っている演奏がありません。その中ではバルボーザが個人的に孤高の名演。

今回、聴き直してみてまず良かったのはセルゲイ・エーデルマン(エデルマン)の若き日の旧録音です。細部まで表情が付いていて、それでいて精緻さも感じさせる指回り。やや優等生的というかもう少し見せつける面があっても良いかなと思いますが、それでもこれは佳演と言ってよいでしょう。再発されて入手しやすくなったこともあり、オススメです。

もうひとつは、大変入手しにくいですがクシシュトフ・ヤブウォンスキの『ショパン・リサイタルⅡ』というアルバムの第3番。彼は相当なテクニシャンで、どちらかと言えばポリーニ系のザッハリヒな演奏なのですが、第3番は元々がベトつきやすいロマンティックな曲ということで、これぐらい整っていても個人的には好ましく感じます。終楽章など5分を大きく切る4分41秒!(ちなみに手持ちの盤の最短がアルゲリッチの4分22秒、次がバルボーザの4分32秒、カペル4分34秒、オールソン4分38秒)で、サクサク進むのが小気味良いです。彼は2008年に第3番を再録音していますが、未聴です。入手次第感想を書きたいと思います。

ちなみに『ショパン・リサイタルⅠ』の方では、24の前奏曲と練習曲Op.10のみを録音しており(のち1998年にエチュード全曲をBeArTonで再録音)、技巧的にはトップクラスのキレキレの清冽な演奏で、10-5などは再録音を上回る1分31秒(!)の速さで、これは手持ちの盤の中で最速の凄まじさです。このCDも同じく現在入手困難なのが残念。1985年のショパン・コンクールは第1位がブーニン、第2位マルク・ラフォレ、第3位がこのヤブウォンスキ、第4位小山実稚恵、第5位ジャン=マルク・ルイサダということで、当たり年?


また、ブーニンの項で書きましたが、ショパン名曲100という6枚組CDに収められている3番は、表記はブーニンとなっていますがティエンポが1990年に録音した演奏と同一です(演奏時間も同じ。ティエンポのショパンソナタ2番・3番と聴き比べるとわかる)。このCDは2番がティエンポ、3番がブーニンという不自然な採用なので不思議に思ってたのですが、何度聴いてもこれはティエンポの超個性的な演奏です(個人的にはアゴーギクが激しくテンポが揺れまくりで苦手)。レーベルは同じビクターで、ティエンポのアイドル性とブーニンの知名度を両取りしたのかと変に勘ぐってしまいます(ブーニンは1985年の来日時に福島での3番の演奏をやはりビクターで録音してますが、その演奏とも違う)。


※2012/7/22追記
園田高弘氏の3番を聴きました。何度か再発されてはいるのですが、元々がマイナーレーベルなのであまり見かけないCDでしたが運よくget。89年の録音ですでに60歳を超えているせいか技のキレは感じられませんが、彼らしく生真面目な演奏で好感を持ちました。終楽章も4:55でかなりインテンポ感があって好みです。ちなみに家人はスラーの取り方が細かすぎて(フレーズごとの呼吸が細かすぎるということ)もっと大きくうねるように弾いてるのが好みだと言ってましたが、私はそれほど気になりませんでした。


※2012/8/1追記
ペルルミュテールの3番を聴きました。音楽性のある演奏で2番よりは良い演奏だと思います。


※2012/8/4追記
ルガンスキー盤:期待の高さからすると相当にガッカリな演奏です。若き日のキレは何処へ、という感じで、音楽性を重視しているのかもしれませんが、全体的にタメが多く終楽章などではそこいらのピアニストのテクニックと大差ない印象です。演奏の淡白さはアムランと似ている感じですが、アムラン盤はまだ彼の良さ(時折見せる技巧の高さなど)が出ていたのに対し、ルガンスキー盤はただ足取りが重いだけの演奏になってしまっています。残念・・・。

ワイセンベルク盤:1972年シュヴェツィンゲン音楽祭。ライヴのようですが拍手や会場ノイズなどは入っておらず、録音も比較的悪くありません。しかし、演奏はよくない。例によって終楽章などではかなりの超絶技巧なのですが、67年盤(LP)のようにタッチやテンポがコントロールされておらず、フレーズ内でテンポがコロコロ変わる上にミスが多いです。そのミスも弾き損じならまだしも、弾き飛ばしていくようないい加減な感じの音抜けが目立ち、レコードで言うところの針飛びのように聴こえてしまいます。聴いていてこれはちょっと我慢ならない感じで残念。ちなみに終楽章のタイム、4:12となっていて最初は「マジかよ」と思ったのですが、これは間違いです。さらに裏ジャケには4:34とありますが、実際の演奏時間表示は4:43です(弾き終わりの時間は4:35くらいですが)。というわけで、ジャケも中身も印象がよくありません(苦笑)


※2012/8/7追記
デミジェンコの新しい録音を聴きました。彼は私の最も好きなピアニストの1人ですが、この演奏はちょっとモタレすぎにもほどがあって頂けないです。特に終楽章は頻繁にブレーキがかかること甚だしく、90年代前半にキレキレのテクニックを見せていた彼も衰えたのかと思わざるを得ません。ただし、叙情性というか語り口の説得力は素晴らしく、第3楽章は白眉と言えるでしょう(彼の旧録音もそうでしたが)。ある意味、別な曲として割り切って聴けばより楽しめるのではないかと思います。


※2012/9/23追記
アレクセイ・ヴォロディン、エフゲニー・ホジャイノフボジャノフによる3番を追加しました。
ヴォロディンはテクニックになかなかキレがあってスマート。もう一度聴いてみたいなと思わせる佳演と言えますが、例によって終楽章のタメが目立ち、これさえなければ結構推せるのに残念。彼のベートーヴェンの後期ソナタも聴いてみて、ロシア系にしたは珍しい?端整なタイプの演奏で好感を持ちました。
ホジャイノフボジャノフは期待の若手で話題になっていますが、あまり特長が感じられず、悪くはないものの数多の競合盤の中ではオシが弱いかなという印象です。←※2012/10/26追記こちらはボジャノフのエリザベート・コンクールでの3番に続く2回目の録音についての感想です。コメント欄にも書きましたが、ホジャイノフはまだ3番を録音していません。大変失礼致しました。ちなみに、ボジャノフは2008年リヒテル・コンクール優勝、2010年エリザベート王妃コンクール第2位、同年ショパン国際コンクール第4位という逸材で、私はエリザベートのライヴCDで彼を知りました。同CDには彼の弾くモーツァルトのピアノ協奏曲第17番が収録されており、これを聴く限り古典にも非常にセンスを感じる好演です(実際、子どもにもよく聴かせています(笑)尚、クライバーン国際コンクール予選のCDでもショパンのソナタ3番の演奏を聴けるようですが、私は未聴です(なんと、3種類目の録音!)。



※2012/10/31追記
ポゴレリチの83年録音のFKM盤を追加しました。このような盤を紹介するのは気が引けたのですが、今年6月に再発されて入手しやすくなったこともあり、すでにラフ3でグレーゾーンなソコロフ盤を紹介していたので(苦笑)書いてみました。ややピアノの音像が遠目ですが、音質は明晰でポゴレリチの呼吸音なども拾っており、この種の録音としては驚異的に良いのではないかと思います。彼はこの曲の正規録音を残していないわけですが、良いです。第3楽章などでの遅めの語り口が好みではないものの説得力はありますし、何より技のキレが凄まじい。終楽章の局所的なスピードは手持ちの中でもベストの1枚でしょう。しかしながら、要所要所でかなり大きくタメを入れるなど、やはりバルボーザにはかないません(3番で惜しい録音を聴くとよく耳直しにバルボーザ盤を聴きます)。



※2012/11/7追記
iTunesを整理していたら3番のリパッティ盤を持ってることに気付いたので追加します(汗)。気品のあるタッチでスマートな印象。特に終楽章は快速テンポ(4:52)で指回りも良く勢いに溢れており、私の好きなバルボーザ盤に似ているのですが、ややフレーズとフレーズの間が空くのが気になります。何より音質が悪く、手が伸びにくいです。LPで聴くとまた雰囲気が違うのかも。



※2012/11/14追記
及川浩治の3番。ラフ3のところでちょっと書きましたが、この人の演奏は基本的にダイナミックでメリハリを上手く付けてるのが結構好きで、このショパンの3番の演奏も自分と波長が合う感じ。とにかく勢いがあり、ノリの良さも抜群。ただし上にも書いたのですが、タッチの変化が少ないです。キツいことを言うと fmf しかないのかという感じ。それでもあまり不満に感じないので、私は単純な演奏が好きなのかも(笑)◎にしようかと思いましたが、終楽章でタメが目立つのもあり、○にしました。彼のソナタ2番も是非聴いてみたいのですが、オフィシャルHPによるとなぜか葬送行進曲しか録音していないようです(この楽章だけ好んで聴く人なんているのでしょうか?)。


※2012/11/26追記
ワイセンベルク盤(EMI)を追加しました。彼のショパンで最もポピュラーな録音だと思いますが、世評がイマイチなので長いこと保留してました。今回、亡くなった後に出たリマスタリングした(?)と思われる録音を聴いてみました。3番、67年盤のLPのように技巧が(良い意味で)直線的にコントロールされておらず、私の苦手のタイプな演奏。第1楽章は出だしから激っ速で、楽章が進むにつれて遅くなる感じ。気のせいか随所で編集の繋ぎ目があるような・・・。終楽章もキレはスゴいですが、72年のライヴ盤同様音抜けというか弾き飛ばしてる印象も受けます。


※2012/11/27追記
3番にメジューエワ盤を追加。2番は同曲では貴重な歌いまくり系の演奏だったので期待したのですが、こちらはちょっと平凡な出来。ミクロで細かくアゴーギクをつけて歌ってますが、そのせいで全体としてはギクシャクしてます(楽想がコロコロと変わるこの曲の罠?にハマってる感じ)。また、技術的な問題なのかここぞというところでのたたみ掛けや急速部分でのスピードが物足りず、ナヨナヨしてます。良く言えば上品というか気が優しいというか。余談ですが、知人がメジューエワさんのリサイタルで譜めくりを担当するなど親交があるそうなのですが、「CDのジャケットで見られるままの気さくで素敵な方」だと言ってました。


※2012/11/30追記
3番にマリア・ジョアン・ピレシュ(ピリス)盤を追加。第1楽章が素晴らしく歌ってます。リピートしててもダレる感じが一切なく、聴き惚れます。後半になるにつれて技のキレが欲しくなる感じ。終楽章もタメが多め。何より音抜けが悪くモヤッとした録音が不満。NHK教育「スーパーピアノレッスン」では生徒を厳しく叱る怖い人というイメージがありましたが、演奏は非常に親和性があって、ショパンらしい印象です。

※2012/12/24追記
3番にタマーシュ・ヴァーシャーリ盤(Hungaroton)を追加。これは素晴らしい。音に輝きがあり、テクもまだまだイケてます(ややメカ的に苦しい箇所があるものの)終楽章は5分を切る4:45でしかもかなりのインテンポ!良い御歳のはずなのにあっぱれです。HMVでこの盤を絶賛レビューされている方に心から賛同します(ちなみにDG盤は数年前にうっかりデータを取り込まずに手放してしまい、よく覚えてません・‥。そのうち再サルベージしたいと思います)。

※2013/1/18追記
ラフォレの3番の中古盤を海外アマゾンで安く見つけたのでget。商品は3.6ユーロで送料14ユーロ(苦笑)2番を聴くと期待せずにはいられなかったのですが、その高い期待には応えられていない出来です。テクもそれほど刮目するほどでなく、表現も自然でスッと聴けますが2番ほどでなく、音ギレの悪いところがあったり、ダイナミクスも小さめだったり、ひょっとしたら曲があまり手の内に入っていないのかなと思います。録音のせいなのか、多彩なタッチが聴けず無色透明な印象です。終楽章もタメはそれほど気になりませんがテンポが全体的に遅め(弾き終わりのタイムは5:12)。ちなみに併録の前奏曲はそう言った欠点があまり気にならず(1曲1曲が短いせい?)、ひょっとしたら手持ちで上位に入るかも。※追記と思って聴き直したら、やっぱり前奏曲もイマイチでした。

※2013/1/26追記
ギュオマール・ノヴァエスによる3番を追加しました。2番での非常に好みな演奏を聴いて(冷静に聴き直すと力強さに欠けるところとかもある)大変期待したので、すぐに注文。ところが、日本Amazonでは頼んだのに1週間後に在庫無しでキャンセル扱いになり、仕方なくマーケットプレイスで新品を頼んだところ、海外の業者だったので届くまでに2週間かかり、しかも開けてビックリ、2枚組のCDなのですがまさかのDisc2が2枚(!)入ってました。
novaes
すぐに文句のメールを出したところ、「英語で書いてくれてありがとう。すぐに正しいものを発送します」という旨の返事があり、ようやくソナタが収録されているDisc1(のみ)をget。実に入手まで1ヶ月以上を要しました(まあ注文したのは新品なのでこの業者には罪はないのですが。誠実に対応してもらえてラッキーでした)。そんなわけで、苦労した分期待も大きかったのですが、結果としては少し残念なものでした。まず音が悪い。URANIAと書かれていたので盤起こしかもとは思っていたのですが案の定で、どうやら再生に使ったLPのコンディションは悪くなさそうなものの、変な残響が乗っている上にコモり気味でヌケの悪い音。肝心の演奏も、悪くはないのですが一発取りに近いのかミスタッチ気味だったり思い切りに欠けるところが散見されます。どちらかと言えば第1楽章から色々工夫を凝らした「聴かせる」タイプの演奏で、そうすると見通しが悪くなる危険があるわけなんですが、そこは上手く聴かせてます。3楽章とトラックが結合されている終楽章も5分前後で、技のキレや凄みはありませんが、指回りはなかなか。かなりインテンポなのは好みなのですが、ちょっとテンポが中庸かな。というわけで、無理にCDで買いましたが、LPを探してみようと思います。※追記本当の本当に情けないことですが、ソナタ2・3番のLPを所有してました(恥)ボロボロのジャケでレコードのコンディションも悪く、きっとセールか何かで他のLPと抱き合わせで買ったと思うのですが、1度も聴いておらず、棚で眠ってました。反省・‥。洗浄して聴いてみましたが、音ヌケはCDより若干良くなった気がするものの、盤質が悪く、残念。



※2013/3/12追記
清水和音盤(RCA・LP)を追加。昨日、2番のところでも書きましたが、こちらもかなりのテクニックです。スケルツォは極めて明晰なタッチで、終楽章の演奏タイムは4分50秒ほど。デ・ワールのリスト集と同様録音も大変良いです。やっぱり音楽性が疑問なところも同様。彼の演奏はどうしてもセンスだけで弾いてる感じを受けるというか、アドリブ的なアゴーギクになってるというか、技のキレが凄いだけに残念です。別な曲で例えると、以前紹介したアルゲリッチのショパコン1番の演奏のように、感情の赴くままにタッチをコントロールすることで音色の変化をもっと表出できれば、彼の演奏は本当に凄いものになると思います(アルゲリッチは、そのアドリブ的と言ってもよいほどのフレーズ内での微妙なタッチの変化が魅力となっていました)。
※2014/12/4追記久々に聴き直して驚嘆。この技巧のキレは凄いです。上で書いたときは違和感を覚えましたが、実は歌もそれほど悪くありませんでした。終楽章はところどころでほんの少しタメが入り、重厚なタッチと相まって若干足取りが重く感じますが、それでもインテンポで突き進む様が圧巻。これはCD化して欲しいです。


※2013/5/23追記
エルダー・ネボルシン盤を追加。Deccaというメジャーレーベルながら廃盤で、なかなか見かけませんでしたがなぜか300円で入手。筋は悪くないのですが、残響多めの録音で音が軽いのが惜しいです。テクもいまひとつ。

※2013/6/8追記
シュテファン・ヴラダー盤を追加。1989年録音。一聴して風呂場のような残響が萎えます(ウィーン・ムジークフェライン・ライヴ)。例えとしては悪いですが、ちょっとした海賊盤のような音。テクニックはしっかりしていて、月光ソナタの終楽章もインテンポで突き進んだりソナタ3番終楽章もかなりの出来なのですが、とにかくジャブジャブした残響で、細かなタッチのニュアンスが聴こえてこず、心に響いてきません(実際に歌えないピアニストなのかもしれませんが)。CD初期の盤のせいか?ほとんど見かけず廃盤の模様です。

※2013/8/17追記
クリスティアン・ツィマーマン(ツィメルマン)盤を追加(1976年ライヴ。CD-R)。※2013/9/18追記ショパン・コンクール制覇の翌年のライヴ録音。比較的近年出された音源のようです。野暮ったく太めで音の奥行きが狭いですが、比較的明晰にピアノの音色を捉えていてこの時期の海賊盤としてはまずまず。若いだけあって、指回りは水準以上なもののミスが若干気になります。後年の演奏のように、聴く者に緊張感を強いるような崇高さというか格調の高さが若いながらもすでに垣間見られるのは、やはり只者ではなかったというところでしょうか。しかし、盤の性格としても内容としても、コレクターズアイテムという評価にしておいたほうが良さそうです。


※2013/9/18追記
ハワード・シェリー盤を追加。彼によるラフマニノフ3番のレビューのところでも書いた通り、この曲の演奏も極めて自然な歌い方で模範的。無個性だという向きもあろうかと思いますが、個人的には好ましく思いました。シャンドスの残響多めの録音によく合うまろやかな音色です。シェリーは多産なピアニストなので雑な演奏をしそうなイメージがあったのですが、丁寧で心のこもった演奏に感じました。ラフ3に続いて、大変好印象です(ちょっと評価が甘い?)。


※2013/9/23追記
サンソン・フランソワ盤、シューラ・チェルカスキー盤を追加。


※2013/11/20追記
ジェフリー・スワン盤(LP)を追加。

swann

1970年ショパン・コンクールライヴで、ジャケ写真が同じで赤字と黄色字の2種類があり、赤字の本盤にソナタ3番が含まれています。ネットの情報によると、事前の予想では(優勝した)オールソンとスワンの一騎打ちと見られながら、スワンが3次予選で敗退という結果になり、抗議のビラがまかれたとのことです。さて、レコードの録音状態は大変デッドで明晰、グールドのゴルトベルク81年盤を聴いている感じで、バキバキ弾き進めますが腰が重く、流麗というにはほど遠い印象。第1楽章は苦手なモタレるタイプ。第2楽章もキレがあるというほどでなく、第3楽章の歌も微妙。期待した終楽章は4:40の高速テンポでガッチリ弾いてて爽快感は薄め。全体的にタッチが無骨なのが気になる演奏で、メカニカルには上手いですが巧くはない、といった演奏です。


※2014/1/2追記
アレクセイ・スルタノフ盤を追加。1998年チャイコフスキー・コンクールライヴ。彼やマツーエフのような爆演系テクニシャンは(レオニード・クズミンを除いて)好みではないので避けてきたのですが、格安だったので入手。聴いてみた感想はというと、予想外に良い!とにかく技巧面でのメカニックが凄い。ヤブウォンスキやポリーニのカッチリ系とは正反対で、アルゲリッチやポゴレリチなどの流麗ヒステリック(?)系で、指回りの鮮やかさは間違いなくポゴレリチのFKM盤と1、2を争います。切迫感に溢れたままどこまでも疾走していく様が凄い(拍手抜きで4:32くらい)。演奏タイムはスルタノフのほうが若干長いですが、タメはむしろポゴレリチのほうが多いかも。この壮絶な指回りを聴くと他盤が物足りなくなる危険に溢れています。気になる解釈のほうも、止まりそうなルバートもあるにはありますが、ショパンコンクールで落とされて学んだのか十分に許容範囲内。期待していなかっただけに、これは嬉しい誤算です。惜しい人を亡くしました。

ユンディ・リ盤を追加。2000年ショパンコンクールライヴで、なぜか日本のマクセルレーベルから出ており、かなり入手が難しくなっていましたが運良く入手。2001年のDG盤のほうはテクニックの片鱗は見せたものの歌心に欠けていたのが残念ですが、こちらはコンクールライヴということもあって、自然な勢いと熱気が演奏に漂い、そこまで悪い印象はありません。個人的に注目していたのは終楽章で、演奏時間が5:07ということは、拍手入りだろうから実際には4分台半ばの高速テンポでバキバキ弾いてくれてるのではないかという予想していたのですが、7割方アタリでした。予想よりは遅めでしたが、インテンポを保つカッチリとしたヤブウォンスキ系で、弾き終わりは4:42ほど。DG盤は5分を超えていたので、これは大きな違いです。彼のピアノが好きな人は入手する価値があるでしょう。 


※2014/2/25追記
ジュリアス・カッチェン盤を追加。


※2014/3/16追記
辻井伸行盤(ショパンコンクールライヴ)を追加。iTunesを見ると8年ほど前に聴いていたものの忘れていました(汗)出だしでちょっとミスがある他はほぼ万全。実演でソナタ3番を2度ほど聴いたことがありますが、急速音型などはメチャウマ。特に右手は疲れを知らないサイボーグ並みでした。ここでもそんな感じがあります。終楽章は整ってますが弾き終わりが5分ほどでもう少しテンポupが欲しかったかも。ちなみに、聴きに行ったコンサートでは彼の自作曲やオリジナルカデンツァのハン狂2番を聴きましたが、、、昔の作曲家の作品は歳月という最も強力なフィルタを通っただけあって、やはりスゴイと思ったのを覚えています。

※2014/8/4追記
我が5指に入るお気に入りピアニストのルイ・ロルティが、2番に続いてついにマイフェイヴァリットである3番を録音。あまりに予想通りの出来映えだったので思わず苦笑。出だしのアルペジオからして元気が無い。和音を美しく響かせようと腐心していることは伝わってくるものの、人によっては覇気が感じられないと言うかも。路線はショパンの旋律を前面に押し出して優美に歌う演奏ですから、これで悪いわけはないのですが、正直なところ全盛時のロルティの技巧を知る者にとっては寂しいです。。。終楽章が5分半ばでタメも多く、スピード感に欠けます・・・。しかしながら、この語り口の美しさは比類が無く、同路線で思いつくままに挙げると、ピリス、シェリー、マガロフ、デミジェンコ(新盤)ら以上の感銘を与えてくれます。特に第3楽章はベストの1枚と言えるでしょう。ロルティもすでに55歳。30年、いや、せめて15年早く録音しておいてくれたらと思わずにはいられません(その頃のライヴ動画がyoutubeに出てこないかな)。若い頃から卓越した技巧だけでなく音楽性とのバランスを兼ね備えていた彼なら、バルボーザを上回る名演を残してくれたはずと夢想しつつ・・・。
※2014/12/11追記久々に聴き直しましたが、シャンドスの残響多めの録音がいやに鼻についたのと、歌に力強さがないこと、終楽章のテンポの揺れが我慢できなくなってしまっていたので、評価を○に変更しました。


※2014/8/9追記
クシシュトフ・ヤブウォンスキの新録音を追加。旧盤は私の大のお気に入り盤ですが、それに劣らぬ素晴らしい演奏です。以前同様ショパンらしい繊細さや流麗さ、しみじみとした歌は感じられませんし(苦笑)、急速部分でごくわずかにタメやタッチの不安定さを感じる場面もあるものの、終楽章などでのグイグイと推進力溢れるピアノの切迫感や表現力は、非常にデッドな近接録音と相まって逆にスゴ味を増しています(弾き終わりのタイムは5秒ほど遅くなってる程度)。ショパンらしさはありませんが、ベートーヴェンなどのリズムの力強さが好きな方には絶好の盤だと思います。新旧聴き比べまくっても本当に甲乙付けがたいので、旧盤が入手困難ですから、この新盤は大変オススメです。


※2014/12/4追記
佐藤卓史盤を追加。2005年のショパンコンクール参加前にCD−Rで出された自主制作盤よりも完成度は高いですが、覇気というか勢いが薄めになってしまい、残響過多の録音とも相まってそれほど印象はよろしくありません。折り目正しくストレートな演奏を好む方にはよいかもしれません。

イングリット・フリッター盤を追加。久々の大ヒット。ショパコンのライヴでは表現力はあるものの弾き飛ばす粗さがあったのでそれほど期待していなかったのですが、これは凄いです。第1楽章はピリス盤のように柔らかな語り口が巧みで、第2楽章も力強く指回りもなかなか優秀、第3楽章はややテンポ遅めなのが好みではありませんが、「ショパン的」な気品と優美さに満ちています。何よりピアノの音色が非常に美しい(ピリス盤と違って録音が良い)。ついにバルボーザに匹敵する演奏が現れたかと思わず身を乗り出して聴いてしまいました。さすがに終楽章は随所でタメ(というか解釈?のようなテンポの揺れ)があるのが惜しいですが、それでもテクニックは水準以上。ここ数年で聴いた中ではシェリー、ロルティ盤が個人的最上位に食い込んでいますが、今のところはそれを上回るかも。久々に感動しました。ちょっと甘いですが、2つ目の☆です!
※2014/12/6追記・・・と思ったのですが、5回ほど聴き直すとやはり第3楽章でのテンポの遅さが気になり、☆はあげられないかなと。それでも終楽章の盛り上げ方や切迫感は非常に上手いです。


※2014/12/7追記
ジャン・フィリップ・コラール盤を追加。一体どうしたことか、これも☆を付けたくなりました。ラフ3の演奏を聴いていて結構な技巧派だと知っていたので実は期待してましたが、それ以上の出来。フランス流らしく、硬めでやや金属的な響きの音色に乗せて速めのテンポで第1・2楽章は少し素っ気ないかなと思うくらいにサクサク進むのですが、第3楽章はじっくりと情感をこめて歌うなどメリハリも付いています。期待の終楽章は4:51ほどですが、テンポのキープ感が素晴らしく、それ以上に速く感じます。ラフ3同様右手の高音部が左手に負けてる気もするので、やはり左利き?一番近い演奏はヤブウォンスキ新旧ですが、彼以上に歌が巧く、カッチリというよりは流麗な感じ。それにしても、2枚続けて大当たりとは、、ちょっと自分の耳が不安になってきました。何を聴いても良く感じてしまっているのか、それともただの偶然か。ちょいと時間をかけて自分のリファレンス盤の各種方面を聴き直して比較してみます(歌のドミトリエフ、ライト、デミジェンコ、ルービンシュタイン、ピリス(行方不明)、テクのポゴレリチ、スルタノフ、ヤブウォンスキ、総合力のシェリー、ロルティ、内田、エーデルマン、アンスネス、バルボーザ)。大幅な評価変更があるかも。

※2014/12/11追記
マルガリータ・ヘーレンリーダー盤を追加。私のフェイヴァリット指揮者であるルイジと一緒にモーツァルトを出しているピアニストなので、聴いてみました。終楽章の演奏時間は5分切りで全体的にテクも筋もまずまず。ところが、現代の録音とは思えないほど音質が悪く、まるで我が家の防音室でカセットデッキで録音したかのような音場の狭さ、息苦しさ。個人宅でのプライヴェートな演奏を蔵出ししたと言われても信じてしまいそうです。

他にはとりあえずドミトリエフ、シェリー、ロルティ、ヤブウォンスキ(旧)、フリッター、コラールを聴き直しました。kyushimaさんが書かれているようにドミトリエフの第1楽章の素晴らしさに改めて開眼。録音が上下に狭く感じるのが本当に惜しい。ロルティには少しガッカリ。ヨレすぎ。シェリーとヤブウォンスキの印象はそれほど変わらず。特にシェリーは、男性ピアニストの中での語り口の上手さは3指に入るのではないかと思うほど。フリッターはやはりいい線行ってるもののもうヒトオシ欲しい。コラールは終楽章がタメ頻発で、最初の印象はどこへやら。ヤブウォンスキのほうが断然安定感があります(情感は勝ってますが)。


※2014/12/14追記
ダニエル・バレンボイム盤を追加。大御所ながら正直まともに聴いたことのなかったのですが、これは良い(最近こんなのばっかり・・・笑)。タッチが野太いというか、ピアノの音がいかにもEMIという潤いがなくのっぺりと硬めの金属板を叩いているような感じでかなり損をしていますが、第3楽章などは非常に良い出来でベストを争うのではないかというほど。テンポが遅めですが、音楽センスがあって飽きさせません(ルービンシュタイン系と言えます。再現部で弾き損じではないものの若干の音抜け?のような違和感もありますが)。終楽章も盛り上げ方が上手い。ただ、テクにキレがあるという感じではなく急速部分では流麗さがなくフレーズに繋ぎ目を感じる上、録音のせいでフォルテが耳にキツいのが残念。一応○にしておきますが、これは聴き込み次第で◎になりそう。

セシル・ウーセ盤を追加。うーんこれもスゴくいい。どうなっているんだ私の耳は。ドストレートでキャッチャーミットのド真ん中に嬉々として投げ込んできてます。おそらく得意曲なんでしょう、曲が完全に手の内に入っている感じで、第1楽章は前のめりにグイグイと聴き手を引っ張っていく推進力がスゴい(最近聴き直したドミトリエフ盤に似てます)。それでいて内声を強調する余裕もあります。スケルツォも確信の音運びで安定感バツグン。第3楽章も良いのですが、直前で一気に横綱に躍り出たバレンボイムの前では関脇かなという感じ(それでもスゴいけど)。フィナーレは健康的でゴマカシのない指回り。気持ちが前面に出すぎて両手が鳴りっぱなしなので、もう少し精妙な動きを聴かせて欲しいというか、響きを整理して欲しいところ(ちなみにタイムは5分切り)。あと足りない物は、潤いのある録音(これもEMI)とショパンらしい陰影、でしょうか。それでも掛け値無しに完成度の高い演奏です。

※2015/1/4追記
新年最初の更新はタマーシュ・ヴァーシャーリのDG盤。持ってたのに手放したと思って再度購入したのですが、全然記憶にないので、あれはラフマニノフのピアノ協奏曲全集だったのかも。2番のところでも書きましたが、1963年の録音ながら音に凛とした張りと艶と適度な残響があって素晴らしい音質です。Hungarotonから出した再録音もストレートに投げきった男臭い演奏でしたが、その40年近く前のこちらは2番同様貴公子感漂う美しい演奏です。第3楽章はちょっとモタレ過ぎだし、終楽章は再録音に見られる気迫など微塵も感じられないのが残念ですが、気品はあります。録音の良さに少しおまけして○。※2015/1/10追記聴き直すと、やっぱり優等生過ぎです。

※2015/1/11追記
ウラディミール・アシュケナージ盤(英デッカ、1976年録音)を追加。与太話は2番の項をご参照ください。で、この3番。やっぱりスゴくいいと思うんです。まずタッチが精妙。スケルツォの音の粒の揃いや、終楽章の流麗でゴマカシのない急速部分は聴いていて気持ちが良い。それでいて録音が素晴らしい。ややピアノが遠目で音の線が細くなる向きはありますが、音色が美しい。第3楽章も正統的かつ格調高く歌っており、その意味でシェリー盤よりもリファレンスと呼ぶにふさわしい。無色透明無味無臭と言う人がいるかもしれませんが、それでこれだけ聴かせるアシュケナージは、やはりスゴい。2番・3番両方弾いてるピアニストの中では群を抜いた完成度です。全然関係ないのですが、知り合いの先生にアシュケナージそっくりの方がいるんです。(まだ生きてるけど)生まれ変わりと思うほど。ネットに写真を見つけたので、今度ご本人の許可が得られたら(勿論名前は伏せますが)期間限定で皆さんの審判を仰ぎたいと思います。ちなみにコントラバスです。アシュケナージのソナタは他にも出ているようなので、ちょっと集めたくなってきました。

続けてアシュケナージのLONDON再録音盤を追加。1992年、54歳の時の演奏ですが、上の76年盤と比べてもそれほど技巧の衰えは感じさせません。部分的にテンポが遅めというか、多少ユルくなっているところがあるのと、残響が多すぎるので評価は下がります。ただし、ピアノの音色自体は美しく録られているのは流石という感じです。


※2015/1/19追記
アウグスティン・アニエヴァス盤を追加。聴いてビックリ、バルボーザ盤にかなりソックリ。出だしのアルペジオで音価を長く取ったり、速めのインテンポで押し通したり、終楽章であまり聴かない内声を強調させたりと個性的な表現が見られますが(そしてそれは残念ながら私の趣味ではないのですが)、手持ちの中でもバルボーザの名演にかなり近いと言えます。近すぎるがゆえに細部の違いが明らかとなって◎印ですが、十分に良い演奏で、特に終楽章はスピード感に溢れ、ビロード的なタッチも見せるバルボーザとは違ってバキバキとした硬めのタッチはむしろ先日のセシル・ウーセ盤のようで、勢いとノリはバツグン。演奏時間は4:35!という凄まじさ。やや鍵盤を雑に叩いて騒々しい印象もありますが、少し骨太で低音が膨らみがちなガッチリとした音色はリスト的ではなく、どこかラフマニノフ的なのがこのショパンのソナタ3番では珍しくて面白い。そこでついでにウーセ盤も何度か聴き直したところ、これもやっぱりスゴいと再確認。両盤とも軽やかさに欠けてショパン的でないという一面はあるものの、力強さと身を乗り出して聴いてしまう推進力は随一です。オススメ。


※2015/1/21追記
ジャン=ベルナール・ポミエ盤を追加。録音が非常に良く、ピアノの音像が近めで大理石のようにクリアーな音色を捉えています。このところ体育会系?の力でグイグイ押すタイプの盤が続いたせいか、自然で柔らかな歌い方にホッとできる感じ。ポミエというと真面目で堅いベートーヴェン弾きというイメージが強かったのですが、これぞショパン的と呼べる見事な語り口です。ところが繰り返し聴くと、曲全体を通したときにいまひとつテンポの一貫性がないために、演奏している方は自分に酔いしれてますが聴いている方も思わず酔ってしまいそうなうつろいやすさを感じてしまいます。モチーフの多いこの曲の罠にハマっている感じです。特に終楽章はテンポの揺れが多く、残念。


※2015/1/24追記
アルトゥール・ピサロ盤を追加。ラフ3を録音しているのでテクに期待してましたが、前半は目立つ特徴もなく、解釈もテクも良い具合な感じ。テンポが遅めな上にリピートを行っていて全体で30分超えなのがちょっと疲れる印象でしょうか。ところが、終楽章になると人が変わったように強靱なテクを見せ、凄まじいスピードで急速部分を駆け抜けていきます。手持ちの中でもベストテンに入る指回りでしょう。しかーし、ところどころで「なぜ?」と思うくらいのタメを入れているのが玉にキズ。これがなければかなりの演奏なのですが、惜しい。。

パウル・バドゥラ=スコラ盤を追加。ウィーン三羽ガラスの重鎮で、エリザベート国際などの審査委員を務めただけあって、ごく自然な解釈です。テクも普通ですがテンポが遅め。録音が若干モヤッとしており、正直物足りない感じです。

フィリップ・フォーク盤を追加。整っていて真面目、和音の響きにも神経を使ってる丁寧で緻密な演奏です。演奏としてはそれほど悪くありませんが、分かりやすい個性には欠けるかも。終楽章では、インテンポを保とうとしているのですが、ところどころでテンポが落ちるのが残念。おそらく技巧的な問題だと思います。己を知っていて無理をしないのには好感が持てます。

イディル・ビレット盤を追加。多録音女王だけに、雑かと思いきやそんなことはなく、アシュケナージを思い起こさせるテク歌揃った王道の演奏です。ポミエ盤のように部分部分でテンポが揺れるのが気になりますが、録音が意外に(失礼)良い!終楽章も勢いがあるものの、最後の最後でかつてないほど勿体付けてタメを入れるので、聴いていた家人が「何コレ?!」と憤っておりました。残念。

※2015/1/26追記
100種目前なことに気がついたので、一気に大台に載せてしまおうと毎日必死に聴いてます。というわけで、ちょっとこのところソナタ3番は食傷気味。評価が辛めになってしまってるかも?

ルース・スレンチェンスカ盤を追加。大ベテランピアニストの59歳の時のライヴです。ピアノの音が近めで録られており、好みの音質。咳払いなどのオーディエンスノイズはやや多め。演奏はどちらかと言うとストレートな解釈で、比較的速めのテンポでサクサク進みますが、素っ気ないようでいて味わい深く、ルービンシュタイン盤に通じるものがあります。あちらの盤と違うのは、ライヴならではの躍動感があることでしょうか。ただ、ライヴということもあり、ところどころでミスがあります。特に終楽章は年齢の割には頑張って持ちこたえているのですが、他盤と比較するとさすがに不利。繰り返し聴くにはアピールが弱い感じです。

イリーナ・ランコヴァ盤を追加。第1楽章はおそるおそる弾いているような、大人しい印象です。第2楽章はフォルテを気持ち良く鳴らして欲しいところ。これはどうなのかなと思ってた所、第3楽章がそのままの路線ながら非常に美しく奏でられており、驚きました。この盤のいちばんの聴き所でしょう。終楽章は(ピサロ盤ほどではありませんが)、それまでとは違いかなり力強く盛り上げます。ただ、やはり部分部分で大きくテンポを揺らすのが惜しい。ジャケットは相当な美人の横顔で一末の不安を覚えたのですが、演奏を聴くとビジュアルで売り出されたわけではないようです。他の盤としてはスクリャービンやシューベルトなどを出しているようで、なんとなく彼女のキャラクターに合っているかも。

青柳晋盤を追加。ライヴ録音。出だしは明晰かつ力強く始まり、和音が深々と響きます。反面、緩徐部分はこれでもかとゆったり歌い、第1楽章は14分以上もかかってます。グールドほどとは言いませんが、テンポの統一感があったほうが好きです。タッチももう少し柔らかいものを織り交ぜて欲しい感じ。第3楽章も私の好みと比較するととにかく遅すぎ。終楽章はゴマカシがなく明晰な打鍵を活かしてストレートに盛り上げて完成度も高いのですが、音色の変化が少なく一本調子なのが残念。ライヴ会場で聴いてるなら全然印象は違うと思うのですが、冷静に自宅で聴くとなると・・・残念ながら奏者の演奏に共鳴することができませんでした。

ピーター・ケイティン盤を追加。極めて優雅かつまろやかなタッチで弾かれており、無造作に出した音は1つも無い感じです。美しく音を鳴らすことにかけては相当腐心しているのが伝わってきます。第3楽章は11分もかかってますが飽きさせません。57歳の時の演奏ということで、さすがに終楽章はキレが欲しいところですが、センスの良いネクタイを喉もとまでキチッと締めた姿が見えてくるような折り目正しい演奏。

アンドレア・ルケシーニ盤を追加。1984年、19歳の時の演奏ですが、音色は輝かしく、歌い方もスッと入ってきてすでに完成されているピアニストだと感じます。こちらの記事を読むといかにも天才肌のピアニストという感じですが(というかプロのピアニストはほとんどが天才だと私は思いますが)、演奏もそんな感じ。練り上げられた解釈というよりは、自発的で伸び伸びとした印象。第1楽章は、イタリア系らしく大いに歌います(ミケランジェリ、ポリーニの後継者などと言われてますが、タイプが全然違います)。後半になるにつれて、少しアツくなってくるのかテンポが遅くなるのが残念。第2楽章も急速部分が終わると途端にテンポを落としますが、つなぎ目が自然で、演奏の「呼吸」が巧み。第3楽章はケイティン盤よりもさらに遅く、11分半かけててデミジェンコらを上回る最も遅い演奏ではないでしょうか。これほど遅いのは勿論好みではないのですが、静かに水面で揺られてる小舟のごとき心地良さが漂います。19歳でこんな演奏ができるとは、恐るべきセンス。終楽章は劇的に始まり、やはりどこもかしこもテンポは揺らしまくりな感じですが、時折左手の重低音を効かせるのがビートを刻んでる効果を上手く演出してます。しかし、全体的にやはり奔放に過ぎるかなぁという印象です。

エリザベス・ソンバル(Sombart、1958-)盤を追加。記念すべき100種目は女優並み?の美人ピアニストによる演奏です(日本初発売時は話題になったらしい)。録音のせいなのか、音が団子状というか分離がよくありません。よぉーく聴くと所々でごくわずかに録音会場での雑音が入ってます。あと、気のせいかもしれませんが第1楽章終わり近くの9:39辺りで編集があるような気がします。第2楽章は明らかにたどたどしい。音が出きってないのがホコリっぽい感じ。第3楽章は優しく静かに歌う感じで悪くありません。優美な女優というよりは、親しみのある保育士さん、という感じ(何だそれ)。終楽章は1:30辺りの右手が動き回るところで左手で内声を強調していますが、そこだけ音圧が薄くなりちょっとヘン。全体的に技巧が物足りない感じ。


☆100種到達の御礼☆
おかげ様で、ソナタ3番は録音数が100種類を超えました。自分のための備忘録的に始めた聴き比べで、正直ここまで続けられるとは思いもしませんでしたが、拙い内容にも関わらずコメントや感想をお寄せ下さった読者の皆様のおかげでなんとか続けることができました。改めて感謝申し挙げます。メモ程度の文字数で感想を記すのは逆に頭を使ったかもしれません。2番の方もこのまま順調に行けば年内には100種を超えられると思いますので(私は3番のほうが好きなのですが、今は流石に飽きてきて2番に飢えています)、それでは今後ともよろしくお願いします。


※2015/2/4追記
仲道郁代盤を追加。つい先日、NHKのクラシック番組でショパンの練習曲を2曲(10-3,10-12)を弾いていました。想像していたより相当小柄な方でしたが、この演奏はかなり良いです。出だしのアルペジオからウム?と引っかかる箇所はあるものの、第1楽章は全体的に非常に充実した語り口を聴かせてます。日本人では珍しいかも。第2楽章も抜群の録音に乗せて爽快。第3楽章、オーソドックスながらスッと胸に届く自然な歌いっぷり。第4楽章はさすがにテンポが遅めで(5:41)、再現部などはモタレすぎなのが残念なものの、クリスタルのような音色で格調高い仕上がりになってます。エリザベート国際第5位はダテではありませんでした。余談ですが、オフィシャルHPを見ると大変にマメな方で頻繁にブログを更新されているようです。


※2015/3/27追記
神谷郁代盤(LP)を追加。

DSC_0022-1.jpg

名前が同じなので仲道郁代さんとあまり区別ができてませんでしたが、こちらの方が17歳くらい上の大ベテラン。来年70歳だそうです。そんなわけで、初めて聴いたのですが、さすが日本人初のエリザベート国際入賞(第6位)だけのことはある、技術がしっかりしていて、力強くて、それでいてちょっと薄味で、笑ってるのそれとも泣いてるの?と若干わかりにくい能面なところも感じられる演奏です。終楽章は4:55となかなかのテンポですが、フレーズとフレーズの間を少し取るのが惜しい。このレコードはギターの山下盤などと同じくCD化されていない時期のRCAの録音のようで、今回初めて店頭で見つけました。けっこうレアなのかもしれません。録音は1973年、エリザベート入賞翌年のレコーディングで、これが2枚目のアルバムのようです。全然関係ないのですが、帯の煽り文句が「異常な才能」って・・・もっと他に言い方なかったのでしょうか。

DSC_0026-1.jpg

他の2曲、モーツァルトのロンドイ短調、スクリャービンのピアノソナタ第5番も、このショパン同様に技は達者ですが工夫とか独自の解釈とかが見られず、面白みに欠ける感じです。


※2015/9/7追記
田中修二盤を追加。第3回日本国際コンクール第3次予選のライヴ録音LP(おそらく未CD化)。このときは日本人最高位となる第3位。現在、神戸女学院大学教授(学科長)とのことです。ご本人のウェブサイトもありますが、なかなかの出来です。演奏は故園田高弘氏に師事しただけあって、同様路線のカッチリと生真面目な印象。若干の弾きこぼしもあるものの、日本人には珍しい深々とした和音と確信に満ちたタッチのあいまった豪快さがあり、技巧にも余裕を感じます。終楽章は4:52くらいで師匠よりわずかに速いでしょうか。B面のリストのソナタは同じ傾向の演奏で、最近レコードで聴いた小川さんのよりもより無色透明でオーソドックス。面白みには欠けるかも。ラフマニノフが向いてそうと思ったら、どうやら録音があるようです。

田中


※最近はユニオンでめぼしいCDも見つからなく、専ら未CD化と思われるレコードを中心にあさっているのですが、試聴するとどれもイマイチで、コレクターでない私は金欠もあって二の足を踏んでおり、おそらく10枚くらいはスルーしています。ブログの更新ネタがなくてスミマセン。


※2015/10/10追記
タチアナ・シェバノワ盤を追加。1980年ショパンコンクールライヴLP。ダン・タイ・ソンが優勝し、イーヴォ・ポゴレリチがファイナルに進めずアルゲリッチが怒って審査員を辞めて物議をかもした回の準優勝者です。

shebanova.jpg

彼女の演奏はメロディア時代からレコードが幾つか残されていますが、相当な美貌の割には日本であまり評判になっていないピアニストだと思います。このMUZA盤も、準優勝者でありながらCD化されていないのではないでしょうか(ダン・タイ・ソンの同コンクール演奏もCDになっていませんが)。ヤロスワフ・ジェヴィエツキと結婚して、生まれた息子もピアニストだそうです(ジェヴィエツキはキャニオンから出てるショパン・エチュードを持ってた気が)。

このレコードはユニオン新宿のクラシック館に半年以上?売れずに残っていて、ヘッドホンで試聴したところいまいちピンとこなかったのでずっと保留していたのですが、カツァリスの件でステレオで聴くと全然違うかも、と思い直して買ったものです。さて、演奏ですが、優勝者・準優勝者の演奏を差し置いてCD化されているポゴレリチ盤で聴かれるようなデッドな録音に乗せて、ストレートな解釈のもと冷静かつ精緻で緊張感のある引き締まった演奏です(ポゴレリチほど息苦しくないので、あれはやはりCD化の仕方の問題なのかも。むしろ、これは個人的に好録音です)。所々ややタッチにひ弱さを感じるところがなきにしもあらずですが、指回りは想像以上に健闘していて、かつライヴながらミスも少ない。全体的に叙情性は薄めなものの、品の良さと格調の高さを備えており、さすがは2位といった感じ。終楽章はジャスト5分で、切迫感や完成度が素晴らしい。ちなみに、私より厳しい嫁によると「75点」。彼女の演奏を聴いたのは恥ずかしながら初めてなのですが、2008年にレコーディングされた10枚組のショパン独奏曲集も興味が出てきました(指回りが少し心配なのと、全集は価格がちょっとアレですが・・・)。彼女は2011年に58歳の若さで亡くなっています。惜しい人を亡くしました。

※2015/12/23追記
シャルル・リシャール=アムラン(Chales Richard-Hamelin)盤を追加。いつものように中古で落ちてくるまで待てず、収録曲も少なめだし、いいやと思いiTunesでソナタ3番だけ600円で購入。残念ながら、危惧していた通りコンクールと比べて優等生的演奏になってしまっています。コンクールの時の、元気ハツラツ健康的な打鍵では勿論なく、第1楽章は慈しむような柔らかな歌心が見られ、ショパン度はup。第2楽章は精密なタッチを存分に披露しながらも、生真面目さを外さない演奏。第3楽章も10分近くかけて非常に丁寧。いや丁寧すぎるかな。バルボーザのようにせき込んだり、じらしたり、くすぐるようなアゴーギクがあれば飽きさせないのですが、ここに歌心の限界が見えているかも。全体的に拍をきっちりと守る傾向があります。期待の最終楽章はダウンロードして取り込んだ時点で5分超えで、やっぱりか〜とガッカリ。実際には4:57で、精緻かつビートをきちんと刻み(タメがありインテンポというわけでない)、コンクール同様に劇的な盛り上げが見事なために演奏タイムはそれほど遅く感じませんが。そんなわけでちょっと辛口になりましたが、レベルの高い演奏には違いなく、コンクールが☆に近い◎だとしたら、これは○に近い◎でしょうか。コンクールライヴのCDがyoutubeよりも録音が良いことを期待したいと思います(チョ・ソンジンはすでにDGから出ているようですが・・・)。

※2016/6/7追記
内田光子盤(東芝EMILP)を追加。

※2016/6/11追記
ピエトロ・デ・マリア盤を追加。音の強弱や音色の種類など、あらゆる音が緻密にコントロールされており、ピアノを操る能力では手持ちでNo.1かも。それでいて細部への凝りすぎがやりすぎにならず、豊かな音楽性も持ち合わせています。優美になりすぎる一歩手前でキリッと引き締めるシリアスな面も見せ、約12分もかけてる第3楽章も飽きません。同路線のドミトリエフ盤よりテクニックも録音も上。終楽章は5分半で、頻出する急速下降音型もなんとなくフレーズの切れ目がわかる感じなのですが、「あえて」やってる感があり、それがまたなぜだか不思議と良い(速弾きの中で表情を付けているように錯覚?して聴こえてるのかも)。そんなわけで、フリッター(スタジオ)盤以来に☆を付けようかと迷う盤でした。聴き込むと評価が変わるかもしれませんが。


※2016/7/09追記
フランソワ=ルネ・デュシャーブル盤を追加。2番に比べて整っている曲想の3番は彼向きで、語り口にもしみじみとした良さが感じられます。第1楽章の出だしで音ギレの悪い感じがあるのが惜しい。そこ以外は歌も上手く、流麗かつ精緻な演奏でかなり良い!整っていてショパンらしさが薄いのがもったいない。スケルツォなどもヤブウォンスキ系の、組み立ててるプラモデルのパーツ一つ一つが見えてくるような整地された演奏。終楽章も4:52ですが、時折間が空くためかタイム以上に速く感じます。ベストワンにはならないですが、佳演です。この盤は意外に中古でユニオンに落ちてこず、かなり探してました。話は変わりますが、ショパンのコンチェルトを500種類以上聴いているというスゴい方がいて、その方によると協奏曲第1番のベストがデュシャーブルということなのです。私も聴きましたが、このソナタの印象と同じく、佳演の域を出ないかなという感想で、毎度ながら人の印象というのは千差万別だなと改めて感じた次第です。


※2016/8/6追記
マリア・ペロッタ盤を追加。何度かご紹介している加藤さんのホームページでペロッタのゴルトベルクが賞賛されており、気になっていたピアニストでした。さて聴いてみると、遅めのテンポながらセンス良くピアノが奏でられており、流石ロマンティスト率の高いイタリア人ピアニストという感じがします。贅沢言うと、もう少し技のスゴみが欲しいところ。


※2016/11/20追記
レフ・オボーリン盤を追加。1950年代初めの演奏で、録音が滅茶苦茶モヤモヤボヤボヤしています。まるで隣りの部屋から聴いてるかのようです。しかし演奏は素晴らしく、自然な呼吸のアゴーギクの第1楽章、サクサクと小気味良いテンポのスケルツォ、ベタベタしすぎない第3楽章、そして4分台前半の終楽章など、確かなテクニックとセンスを感じさせます。流石はショパンコンクール第1位です。


※2016/12/30追記
スティーヴン・ハフ盤を追加。ハフの芸風から言って、個人的に「70点」くらいの演奏だろうなと思い手を出してませんでしたが、後期ショパン集ということで併録に幻ポロが入っているし、こんな大物なのに未だ聴いてないのはどうかと思い、買ってみました。予想通りなかなか良い演奏でしたが、ショパンらしさの表現に傾いた演奏で、彼らしい技巧のキレを期待すると少々ガッカリするかも。終楽章も5:11と、まさにPresto non tantoで、最後の難所も「ホントはもっと速く弾けるんだけど、non tantoだからね」という余裕を感じさせるのは流石。アムランと似ていますが、彼よりも正統的な感じです。ちなみに、幻想ポロネーズは悪くはないものの、ややモタれ気味の歌い方が私にはそれほど合いませんでした。


※2017/1/3追記
あけましておめでとうございます。ジェイソン・ギルハム盤を追加。上品で優等生的ですが随所で音楽センスを感じるというか、歌重視の演奏。テクもさほど悪くありません(終楽章は5分ジャスト位)。不思議な内声を強調したり面白いのですが、それに関しては個人的にあまり成功してるとは言い難いかも。芸風が似てるかなと思った(私の好きな)シェリー盤と続けて聴き比べましたが、それよりは力強く、これから評価を上げそうな演奏です。


※2017/1/17追記
アレクセイ・スルタノフ盤(1996年日本ライヴ)を追加※ さすがに長くなって見づらくなってきましたので、今回から別ページにリンクを飛ばすようにしました。


※2017/5/19追記
インゴルフ・ヴンダー盤(2010年ショパンコンクール)を追加。


※評価は時とともに変わる可能性があります。
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最近聴いている音楽 vol.55〜ショパン・コンクールのI・ヴンダー〜
2017-05-19-Fri  CATEGORY: 雑多な話題
今頃か、と思われるに違いない、2010年ショパン・コンクール・ライヴの実況録音CDを中古で捕獲。


アヴデーエワがアルゲリッチ以来の女性優勝を飾ったあのコンクールから早7年、ようやく当時のライヴ録音がユニオンで1000円を切る価格になってきたので有り難く購入した。ちなみにどこかで書いた気がするが、アヴデーエワの録音も勿論当時聴いて、その酔ってしまいそうなアゴーギクがイマイチだったので今に至るまで保留している。そろそろ安くなってきたので、確認のために買ってみてもいいかもしれない(決して私はコンプリートなどを目指すコレクターではないし、聴き比べの種類を誰かと競争しているわけでもないのです)。

さて、このヴンダー。コンクールの翌年に出したDGデビュー盤はすでにソナタ第3番で評価を付けているが、いかにも「若手が慎重になりすぎた」演奏で、好みではなかった(かなりネットリ神経質に歌っていた気がする)。ただ、まぁ第2位だし評判は良かったそうなので、今回コンクールライヴを入手してみた。2枚組でバラード4番、エチュード2曲、ノクターン、即興曲、スケルツォ、ワルツが各1曲ずつ、マズルカが4曲、アンスピ、マズルカ風ロンド、ピアノソナタ第3番、幻ポロ、それにピアコン第1番とてんこ盛り。


1枚目はかなりいい。どの曲も正統的に歌っており、デビュー盤の納豆を引くような演奏とは違ってほどよくストレートである。また、(飛び抜けているわけではないが)技巧的な確実さもある。過去の優勝者ではブレハッチを思い出すが、彼ほどは音が綺麗ではないかな。アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズは結構聴かせる。


肝心の第3番。第1楽章は、ミスというほどではないが、音を引っ掛けて幾分濁る感じ。第2楽章も同様。音色の変化が少ないのが惜しい。第3楽章は8分半ばで好みのテンポ。弱音もそれほど神経質でない。終楽章は拍手無しで4:49ほどで、タイムほどの勢いは何故か感じないが、個人的に速めの演奏は嬉しい。この楽章に関しては指回りが精緻かつ確実なところはブレハッチ以上か(終わりの最難所で少しミス)。コンクール向けに解釈が「ひよった」感もあって真っ当すぎる演奏な気もするが、とりあえず○を付けたい。聴き込み次第で◎に格上げするかも。


ところで、幻想ポロネーズ賞を取っただけあって、演奏のハイライトの一つがこの曲だろう。演奏時間は12:42で、私の好みからするとjほんの少し速く、オールソン旧盤やロルティ盤にはかなわないが、それでもかなり良い演奏。


例によってショパコン1番はまだ聴いていないが、値段を考えると後のDGデビュー盤よりはずっと好ましかったように思う。
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