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The melody at night, with you

音楽好きの世迷い言

Kristjan Randalu / Absence (Ben Monder, guitar)

やはりライヴにはかなわない、という盤を。


クリスチャン・ランダル / アブセンス

IMG_20190213_122622.jpg

Kristjan Randalu, piano
Ben Monder, guitar
Markku Ounaskari, drums

エストニア出身、1972年生まれのジャズ・ピアニストによるトリオ作品だ。2017年録音で発売は昨年、レーベルはECMである。


勿論私のお目当てはベン・モンダーで、youtubeで彼の演奏を探してはmp3に落とすという涙ぐましい作業中に発見したのがこのピアニストとの共演ライヴだ。その後、ECMからトリオが発売されると聴き、早速購入、しかし下に述べる事情で書くのをすっかり忘れてしまい、今に至っている。


さて、ともかく内容を手短に述べると、全曲で静謐な音響と北欧的な抒情性が渦巻くジャズ、という印象。ベースレスかつドラムの音像がやや遠めということもあり、どこかクラシック(or現代音楽)の室内楽的な雰囲気も漂う。きちんとした4ビートジャズはほぼ皆無と言ってよく、フリーフォームでひたすらピアノが甘美にギターと絡み合うのだが、そこに狂気や諧謔が一瞬顔を出すのが彼の作品の特徴と言えるだろう。時折ギクッとする転調を挟んだり、単調なアルペジオの繰り返しにも際どいフレーズを織り交ぜたりして、甘ったるくなりがちな作風を引き締めている(5曲目など不気味さだけの曲もある)のは、なんとなくショスタコを思わせる。


肝心のベン・モンダーだが、サイド参加としての役割に徹しており、ディレイを効かせまくりでフィードバック奏法をするなど音響的な色付けのプレイに留まっている感じ。どこをどう切っても、「ECM」の一言で感想が済んでしまうのはやはりマンフレート・アイヒャーがプロデュースのためか(W・ムースピールの近作もそうだったし・・・)。いつものバリバリにファズの効いたギターでアドリブを弾きまくる箇所は1つもなく、6曲目で先ほど書いたフィードバック奏法でのディストーションが聴けるくらいである。


というわけで、期待して買ったCDなのだが、聴いた後はポトフだと思って食べたのに食塩水だったかのような味気無さ。ブログに書く価値もないと思って放っておいたわけだ。ところが、話はここからである。


youtubeでのライヴが凄まじいのだ。


アルバム3曲目の「Sisu」が、まるで別物に仕上がっている。ギターのアルペジオとタッピングハーモニクスにピアノの内部奏法、ベースの悩まし気なボウイングで実験音楽的に始まる。いかにもこれから何かが起こりそうな緊張感の中でピアノが変拍子的な曲のリフを弾き始めると、一気にスピーディなジャズへ展開(CDではなんとここで終わり(!)であった)。ランダルのピアノは耽美的な美しさと翳りは残しつつも力強いタッチでアウト感満載のフレーズを弾きまくり、そしてそして、モンダーが超ド級に歪ませたファズトーンで切り込んでくる!「そんなに歪ませたら箱モノ使ってる意味ないじゃん」というこちらの心配はどこ吹く風、ベコベコに潰れまくった音でバリバリにスウィープを決めまくる。グルーヴ感や指の回りがアレなところもあるが、ブッ飛んだ音色の潔さとブチ切れて突き抜けてる感が素晴らしい。ピアノとギターが交互にソロを取り合い、最後には再び元の抒情性を取り戻し、曲は静かに終わる。静寂と嵐、美と狂気が色とりどりのステンドグラスのように曲を彩っている。ファズの効いたギターはその狂気を演出するに十二分に相応しいと言えよう。また、やはりベースの存在感は大きい。アルバムの方はドラム入りなのにベースレスなのはランダルの意向なのかもしれないが、上モノとして自在に飛び回るギターの存在を考えるとベースによる「音の引き締め」は不可欠だったろう。長くなったが、このライヴははっきり言ってあざといし、狙い過ぎでやりすぎだと思う。が、私はこういうのが大好きである。アルバムではファズでのソロをアイヒャーが許さなかったとみるのが自然で、これが良くも悪くもECMなんだろう(大好きなレーベルです、念のため)。




・・・この壮絶な演奏を見た後ではアルバムの味気無さは際立つ。金を返せと言いたいレベルである。なお、youtubeでは他に、アルバムに収録されている別曲の「Lumi」も劇的な変貌を遂げて演奏されており、こちらも一見の価値がある。お試し頂きたい。
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Vic Juris / Roadsong

最近レコードについて書いてない気がしたので、ジャズ絡みの盤を。

vic

ヴィック・ジュリス / ロードソング

1977年/MUSE/MR-5150
Vic Juris(g)
Barry Miles(key)
Terry Silverlight(ds)
Rick Laird(b)
Jon Budsrr(b) ※A3
Richie Cole(as) ※B1,B4

1953年生まれのジャズギタリスト、ヴィック・ジュリスのデビュー盤である。もうそろそろおじいちゃんな歳だが、近年もバリバリSteepleChaseから作品を出している(全然チェックしてないけど…)。

このレコードは私のバイブルであるTHE DIGによるディスクガイド、『JAZZ Guitar』で「未CD化のアナログ」ということで知った覚えがある。Discogsを見てみると、残念ながら今に至ってもCD化はされていないようだ(ジョン・ストーウェルのデビュー盤とかは確かCDになってるのに・・・)。最近、数年ぶりにジャズのセッションに出かけたこともあってギターづいていることもあり、久々に取り出して聴いてみた。

うーん何度聴いてもポップ。キャッチーなメロディのテーマとAOR風なカッティング、そしてギターはマルティーノライクな16分の直線的ラインとポキポキした音色で弾きまくる弾きまくる。当時24歳だが曲の分かりやすさとよく回る左手のテクニックが凄い。すでに完成されている感がある。

A1「Roadsong」は勿論ウェス。オクターヴを交えるギターのリズムの締まりが凄い。ドタバタしたドラムのコンプが効いたバスドラはジム・ホール『アランフェス~』のスティーヴ・ガッドみたいだ。ソロはどこまでもマルティーノ感満載で弾きまくり。A2、ジュリスのオリジナルですんごいポップ。野原で子どもが駆けてるような、昭和の終わり~平成初期のNHKの天気予報のバックで流れてそうな曲。A3、ジュリス作。さらにバラード的でギターのナチュラルハーモニクスとシンセが美しく絡み合う。テーマも実に分かりやすい。チョーキングも織り交ぜるが、そのタイム感・ピッチ感は只者ではない。ラリー・コリエルっぽさも漂う。A4はシルヴァーライトの曲で短いがジュリスの派手なソロが聴ける。

B面はすべてジュリスのオリジナル。スピードはマルティーノを超え、J・ウィルキンス的でさえある(なお、ライナーによると1曲だけ参加のジョン・バーはウィルキンスのアルバムへの参加経験があるらしい)。B1はキレのあるカッティングにアルト・マッドネスことリッチー・コールが混ざってきて、よりAOR的というかフュージョン的。ただし、私の苦手な「コーラスびんびんギター&細かすぎるキメ」はないのでとても聴きやすい。B2はこのアルバムの中でも最もキャッチーなテーマ。正直恥ずかしくなるくらい。ドラムのビートが心地良い。ギターの音のコモりがやや強いのが惜しい。ソロは教科書的で分かりやすいが、やっぱりところどころで一瞬マルティーノが顔を出す。トライアド+αな手グセのアルペジオを繰り返しつつ、フェイドアウトで終わる。B3はテンポが速く、さらに途中でチェンジする。テーマは直線的でスピーディ。バリー・マイルズが切り込んで来てシンセのソロが始まる辺りなんかは、ナショナル・ヘルスのデイヴ・スチュアートみたいだ。ラストのB4、リッチー・コールとのユニゾンでちょっとフュージョンにありがちなテーマを奏でる。まずジュリスがバリバリ弾きまくり、その後コールがテーマの崩し風な出だしから控え目で短めのメロディックなソロを取る。アウトロでもジュリスは弾きまくってアルバムは幕を閉じる。

もう42年も前の作品だが、当時としても非常に分かりやすくて「バリバリのジャズギター作品」ぽさは薄いかも。プレイもメジャーペンタ率が思いのほか高いというか、急速フレーズもクロマチックを織り交ぜたシンプルなラインに聴こえる。ただし、キャッチーなテーマ連発ながらイージーリスニングな印象がないのはやはり高いテクニックによるものだろう。むしろこの演奏の「分かりやすさ」は、ジャズギター聴き始めのギター小僧にイチオシできる快作だと思う。

それにしても・・・ダグ・レイニー(1956)、メセニー、ディ・メオラ(1954)、リー・リトナー(1952)、ロベン・フォード、ジョンスコ(1951)という同年代の充実ぶりは凄い(ジュリスは渡辺香津美と同い年)。

「アナログレコード」カテゴリの記事であるから音質についても書いておこう。残念ながら、音質はそれほど良くなくて、オーディオ的な楽しみは少ない。録音エンジニアはかのR・ヴァン・ゲルダーだが、ジュリスの趣味でギターの音がコモリがちなのもあるし、前述したドラムのコンプ感に時代を感じるし、全く存在感のないベース、シンセの音量のバラつきなど、もう少しなんとかして欲しかったと思う。尤も、私の持ってるのは邦盤なので、USオリジナルはもっと良い音なのかもしれない。気長に探してみようと思う。
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ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番op.30聴き比べ~評価一覧編改訂版(2019/2/3)~

フレイレ盤、ヘイキョン盤を追加(2/3)
スドビン盤、ギルトブルク新盤を追加(1/28)
ラ・サール盤、ヴィニツカヤ盤を追加(1/26)
コルスティック盤、アイモンチェ盤を追加(2019/1/12)
アムラン盤を追加(3/22)
ブニアティシヴィリ盤を追加(3/20)
ソコロフ盤(DG)を追加(3/18)
エレシュコ盤(Ponkin,LP)を追加(2/6) 
ヴォンドラチェク盤を追加(1/22)
評価一覧が随分古くなったので改訂しました(2017/1/10)




私が持っている音源の数では最も多いラフマニノフのピアノ協奏曲第3番について、所有している録音を挙げて簡単にレビューしてみます。

とりあえず4つ星を最高として自分のお気に入りを書きましたが、ピアニストのランク付けや優劣では勿論ありません。テンポが速いか遅いかなどの客観的な感想部分を読んで、お好みの録音探しの参考にして頂ければ幸いです。評価・ピアニスト/指揮者/オケ(録音年・第一楽章のカデンツァの種類)の順です。メモが面倒臭くて書いてないものもあります。オケの名称表記は適当です。


時と場合によって評価を突然変えることがありますので予めご了承ください(聴き直す度に変えるかも)。また、評価が下に行くほど&レビューが短いほどあまり聴き込んでいない盤ですので、それほどあてにされませんようお願いします。

レビュー未記入盤:ラフマニノフ、アニエヴァス、コスタ、キム・ヒョスン、シグフリッドソン、ケルダー、ラシュコフスキー、舘野泉、ホロヴィッツ(&メータ)、クリダ、ジェッター、マッサ、オルティス


予め私の好みの演奏や聴く上でのポイントを書いておくと、

第1楽章:演奏時間が16分台前半以下(ossia)で速めのテンポであること
①展開部前の難所である両手交差部分のクリアさ
②展開部の和音連打のスピードと迫力
③カデンツァは断然ossiaが好みで後半の和音部分での劇的さ
④再現部前の抒情性(ここは意外にセンスが出る)

第2楽章:音色が豊かで抒情的であること
⑤ピアノが入ってきてすぐの緩徐部分の歌い方
⑥中盤以降の細かい急速音型のクリアさ
⑦アタッカで最終楽章に突入するときのオケとの一体感と迫力

第3楽章:演奏時間が13分台前半以下で速めのテンポであること
⑧冒頭の同音連打のスピードと粒の揃い
⑨後半部分の急速部分のクリアさ(重音上がりのossiaでなくても可)
⑩エンディングの下降音型がノーマルな2拍3連であること

さらに全体を通しては、

⑪カットが無いこと
⑫多少のミスや会場ノイズがあってもライヴの熱気や観客の高揚感を重視

となります。特に重視しているのが②③⑤⑦⑧⑫です。

以下の評価では、4つ星の盤のみ気に入っている順に並べています(3つ星以下の評価は順不同です)。

現在155種(2019/2/3)

☆☆☆☆☆ヴォンドラチェク/Marin Alsop/National Orchestra of Belgium/2016年/ossia/Live
☆☆☆☆ サモシュコ/Soustrot/Orchestre National de Belgique/99年/ossia/Live
☆☆☆☆ ブロンフマン/ラトル/BPO/09年/Live/Blu-ray ※DVDは買ってはいけない
☆☆☆☆ ヴォロドス/レヴァイン/ベルリン・フィル/99年/ossia/Live/※ SACD
☆☆☆☆ ハフ/リットン/ダラス響/04年/original/Live
☆☆☆☆ 横山幸雄/小泉和裕/東京都交響楽団/12年/Live/Hybrid SACD
☆☆☆☆ ガヴリーロフ/ラザレフ/モスクワ・フィル/76年/ossia/LP
☆☆☆☆ ロドリゲス/P.A.MacRae/Lake Forest Symphony/94年/Live
☆☆☆☆ コルスティック/ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団/D. リス/2017年/ossia
☆☆☆☆ プラッツ/バティス/メキシコシティ・フィルハーモニック/89年/ossia
☆☆☆☆ カツァリス/ R.Defssez/Orchestre National de Belgiue /72年/ossia/Live/CD ※LPは☆☆☆
☆☆☆☆ アンスネス(旧)//オスロ・フィル/95年/ossia/Live
☆☆☆☆ アルゲリッチ/シャイー/コンセルトヘボウ/82年/Live
☆☆☆☆ ブニアティシヴィリ/P.ヤルヴィ/チェコ・フィル/16年/ossia
☆☆☆☆ アンスネス(再)/パッパーノ/BPO
☆☆☆  エレシュコ/ポンキン/レニングラードフィル/83年/ossia/LP ※ネット上にデジタル音源有の模様
☆☆☆  ドノホー/フェドセーエフ/Moscow Radio Symphony Orchestra/82年/ossia/Live/LP&CD
☆☆☆  ボレット/フィッシャー/ロンドンフィル/82年/original
☆☆☆  アムラン/ユロフスキ/ロンドンフィル/16年/original
☆☆☆  オールソン/
☆☆☆  ラシュコフスキー/2007年エリザベート王妃国際ピアノコンクールLive/ossia
☆☆☆  シェリー/original
☆☆☆  ペナリオ/サスキンド/フィルハーモニア管弦楽団/61年
☆☆☆  ワイルド/ホーレンシュタイン/original
☆☆☆  モーク/ミルトン/ラインラント=プファルツ州立フィル/original/11年
☆☆☆  アルフィディ/R.Defssez/Orchestre National de Belgiue/72年/ossia/Live/LP
☆☆☆  清水和音/アシュケナージ/2007年/ossia
☆☆☆  及川浩治/広上純一/新日本フィル/05年/ossia
☆☆☆  レーゼル/ザンデルリンク/78年/ossia
☆☆☆  カツァリス/Neumann//78年/ossia
☆☆☆  ジャニス/ドラティ/ロンドン・フィル/61年
☆☆☆  スコウマル/スワロフスキー/プラハ室内交響楽団/2002年/original
☆☆☆  ブロンフマン/サロネン/ossia
☆☆☆  グレムザー/ヴィット/ossia/
☆☆☆  ソコロフ/ossia/Live ※海賊盤的音質
☆☆☆  サモシュコ(再)/ossia/Live/DVD
☆☆☆  フレイレ/ジンマン/ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団/1979年/original /ライヴ
☆☆☆  トルプチェスキ/
☆☆☆  ガヴリーロフ/ムーティ/フィラデルフィア・フィル・86年/ossia
☆☆☆  アシュケナージ/フィストゥラーリ//63年/
☆☆☆  ルガンスキー/オラモ/03年/orginal
☆☆☆  ギレリス/コンドラシン/USSR state orchestra/49年/Live
☆☆☆  スグロス/シモノフ/ベルリン・フィル/84年/ossia
☆☆☆  クライバーン/コンドラシン/モスクワ・フィル/58年/ossia/Live
☆☆☆  ベルマン/アバド/ロンドン・フィル・76年/ossia
☆☆☆  スルヤディ/Miguel Gomez Martinez/ロンドンフィル/
☆☆☆  フェルツマン/メータ/イスラエル・フィル/88年
☆☆☆  リシッツァ/
☆☆☆  Y.ワン/ドゥダメル/シモン・ボリバル響/original/
☆☆☆  小山美稚恵/フェドセーエフ/
☆☆☆  ヴィニツカヤ / アウトウォーター/ カラマズー交響楽団/original /2017年/Live
☆☆☆  及川浩治/広上淳一/新日本フィル/2008年/Live
☆☆☆  コミナティ/96年シドニー国際ピアノコンクール/Live
☆☆☆  L .ラン/テミルカーノフ/サンクトペテルブルグ・フィル/01年/ossia/Live
☆☆☆  ホロヴィッツ/ライナー/ /Live
☆☆☆  フェルツマン/プレトニョフ/ロシア・ナショナル管/original/92年
☆☆☆  マツーエフ/サッカーニ/ブダペストフィル/ossia/Live
☆☆☆  マツーエフ/ゲルギエフ/マリインスキー劇場管/ossia/09年
☆☆☆  ニコルスキー/ossia/Live
☆☆☆  ライヴリー/
☆☆☆  ラ・サール/ルイージ/フィルハーモニア・チューリッヒ/original
☆☆☆  J.ナカマツ/シーマン/ロチェスター・フィル/ 00年
☆☆☆  ピサロ/ossia
☆☆☆  クレショフ/ヤブロンスキ/The Russian State Orchestra/original/01年
☆☆☆  ルディ/ヤンソンス/サンクトペテルブルクフィル/original/92年
☆☆☆  アシュケナージ/プレヴィン/LSO・70&71年/ossia
☆☆☆  ベレゾフスキー(旧)/ossia
☆☆☆  若林顕//Orchestre National de Belgiue/Live
☆☆☆  クライバーン/コンドラシン/Symphony of the Air/58年/ossia/Live
☆☆☆  ボレット/Charele Webb/インディアナ州立大学オーケストラ/69年/Live
☆☆☆  グレムザー(旧)/Maksymiuk/92年/ossia
☆☆☆  ヴァーシャーリ/77年/ossia
☆☆☆  マッサ/ossia
☆☆☆  アイモンチェ/チネケ管弦楽団/R. コックス/2017年/original
☆☆☆  ラプラント/
☆☆☆  オルティス/mixed version cadenza
☆☆☆  グティエレス/マゼール/ピッツバーグ交響楽団/91年
☆☆☆  キーシン/小澤/ボストン交響楽団//ossia/Live
☆☆☆  K.パイク/
☆☆☆  クライバーン/コンドラシン/モスクワ・フィル/58年/ossia/LP&DVD
☆☆☆  モギレフスキー/コンドラシン/Symphony of the air・64年/ossia
☆☆☆  ホロヴィッツ/バルビローリ/ニューヨークフィル・41年//Live
☆☆☆  シチェルバコフ/SACD
☆☆☆  ワイセンベルク/プレートル/シカゴ交響楽団/68年
☆☆☆  ティボーデ/アシュケナージ/クリーヴランド・オーケストラ/94年/ossia
☆☆☆  ゲルナー/シナイスキ/BBCフィル/02年/Live
☆☆☆  ベレゾフスキー/リス/Orchestre Philharmonique de l’Oural/ossia
☆☆☆  モギレフスキー/Sternefeld/Symphony Orchestra of the RTB/64年/ossia/Live
☆☆☆  ラシュコフスキー/ヴァルガ/ベルギー国立管弦楽団/07年/ossia/Live
☆☆☆  エレスコ/プロヴァトフ/USSR響/84年/ossia
☆☆☆  ベルマン/バーンスタイン/NY・フィル/ossia/Live
☆☆☆  シェパード/プリチャード/ロンドン・フィル/76年/ossia/LP
☆☆☆  スドビン/S.オラモ/BBC交響楽団/ossia/2017年
☆☆☆  ジャルドン/
☆☆☆  マルシェフ/
☆☆☆  ジョン・チェン/
☆☆☆  小川典子/
☆☆   ソコロフ/Yan Pascal Tortelier/BBCフィル/95年/ossia/Live ※音がおかしい
☆☆   ギルトブルグ/C.M. プリエト/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/ossia/2016年
☆☆   ギルトブルク/M.Alsop/National Orchestra of Belgium/ossia/2012年/Live
☆☆   イェゴン/
☆☆   ビレット/
☆☆   クリダ/78年/original
☆☆   ロドリゲス/
☆☆   オールソン/Caracciolo/RAI di Milano/64年/original/Live
☆☆   シグフリッドソン/
☆☆   ギレリス/アーノンクール/Live
☆☆   コスタ/
☆☆   舘野泉/
☆☆   ヘイキョン/ドミトリーエフ/サンクトペテルブルク交響楽団 /2017年/original
☆☆   Ukhanov/チヴジェリ/シドニー交響楽団/original/Live
☆☆   シェン/ヴァルガ/Orchestre National de Belgiue/03年/ossia/Live
☆☆   アシュケナージ(4)/ハイティンク/ossia
☆☆   ピサレフ/フリードマン/98年
☆☆   ワイセンベルク/バーンスタイン/79年/
☆☆   園田高弘/original/67年
☆☆   グティエレス/ロジェストヴェンスキ/Moscow Radio Symphony Orchestra/70年/Live/LP
☆☆   ジャニス/ミュンシュ/ボストン交響楽団/57年
☆☆   ヴィノグレード/パーマー/98年/original/Live
☆☆   コラール/プラッソン/77年/
☆☆   バルト/エッシェンバッハ/ロンドン・フィル/ossia
☆☆   ラローチャ/プレヴィン/ロンドン交響楽団/
☆☆   リル/尾高忠明/ ossia
☆☆   アニエヴァス/
☆☆   ケルダー/
☆☆   キム・ヒョスン/
☆☆   サイモン/
☆☆   ジェッター/ossia
☆☆   ワッツ/小澤/ニューヨーク・フィル/69年/mixed version cadenza
☆☆   ラフマニノフ/
☆☆   ルガンスキー(旧)//95年/
☆☆   ジルベルシュテイン/アバド/
☆☆   アシュケナージ/オーマンディ/75年
☆☆   中村紘子/スヴェトラーノフ/
☆☆   コチシュ/デ・ワールト/
☆☆   プレトニョフ/ロストロポーヴィチ/ossia
☆☆   Ts’vereli/Kakhidze/Tbilisi Symphony Orchestra//ossia
☆☆   ポコルナ/ピンカス/ブルノ国立フィル/76年/ LP ※CD化された
☆☆   チェルカスキー(新)/テミルカーノフ/94年/
☆☆   ペトゥコフ/シモノフ/モスクワ・フィル/ossia
☆☆   カペル/マクミラン/トロント・シンフォニー48年/
☆☆   バッカウアー/不明/original/LP ※CD化された模様?
☆     メルジャーノフ/
☆     ホロヴィッツ/メータ/DVD
☆     ホロヴィッツ/オーマンディ/Live
☆     Orlovetsky/Titov/
☆     マルクジンスキ/クレツキ/フィルハーモニア49年/
☆     チェルカスキー(旧)/
☆     K.Leimer/Zsolt Deaky/Nurnberger Symphoniker/?/LP
☆     リンパニー/コリンズ/ニュー・シンフォニー/52年/
☆     ホロヴィッツ/コウセヴィツキー/41年/Live
☆     ポストニコワ/ロジェストベンスキ/91年/ossia/Live
☆     ホロヴィッツ/コーツ/30年/ Live
☆     ヘルフゴッド/Horvat/コペンハーゲン・フィル/95年/ossia/Live
☆     ギーゼキング/メンゲルベルク/コンセルトヘボウ/40年/ossia/Live



ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ | コメント:2 | トラックバック:0 |

フレイレとヘイキョンのラフ3

オドロキの録音が出ていた。

N. フレイレ /D. ジンマン/ ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 / original / 1979年
フレイレの若い頃の録音が出て来るとは思わなかった。私の知る限り、1980年代後半にこの曲を演奏しているという情報はあったが、まさかもっと古く、技巧的に脂ののった時期の録音が正規発売されるとは予想外に嬉しい出来事である。ともかく聴いてみた。録音は時代相応に古い。出だしのテーマが終わった途端に思い切り快速で飛ばし始めるのは、いかにもこの時代の解釈という感じがする。ライヴ録音だがミスも少なく、ややタッチは荒いが彼のテクニックの高さがうかがえる。展開部もかなりの迫力。カデンツァはオリジナルなのが残念だが、元気の良さは彼の盟友アルゲリッチの演奏を思い起こさせる。第2楽章も熱量を保った佳演。ただし、この楽章に限らずオーディエンスノイズは目立つのが残念。第3楽章にアタッカで行くところの最後の上昇音型は派手にミスっている。冒頭の同音連打は粗っぽいがかなりの速さで、ほぼそのまま駆け抜けていく(グルーヴ感というか男気を感じる)。演奏時間は15:34、10:36、13:50で、終わりの拍手を除くと終楽章は13:20、全体で40分を切る速さ。ライヴゆえ全体的に雑な感じなのは致し方ないが、熱っぽさや迫力は十分。ただし、アルゲリッチ盤ほどではない。☆3つ。

スー・ヘイキョン/ A. ドミトリーエフ / サンクトペテルブルク交響楽団 /original /2017年
知らないピアニストの、スタジオ録音である。ジャケットと演奏時間からはあまり期待できなかったが、聴いてみると案の定だった。とにかく遅い。記録的ではないが、技巧的な事情によるテンポの遅さは私の許容範囲を超えている上に、不安定かつ力強さに欠けるタッチ、和音での音の濁り、迫力不足はいかんともしがたい。しかしなんと驚くべきことにカデンツァはossiaである。どこをとっても安全運転で、和音部分もなんとも頼りない感じだ。第2楽章など遅い語り口がなんというかショパンを思わせ、終楽章のキレの無さも別な曲のごとき印象さえ受ける。戦後・冷戦時代ならともかく、技巧派による名演数多の現代にあって、なぜこのような録音が新規で発売されたのか理解に苦しむ。。演奏時間は17:59、10:42、15:03で、時間だけを見てみれば第1楽章はそこまで遅くはなかったが、終楽章はやはりチェルカスキー、ボレット、ワイセンベルク(&バーンスタイン)、K.W.パイク盤らに次ぐ、手持ちでワースト10に入りそうな遅さである。ベテランの韓国人女流ピアニストのようだが、言葉は悪いが記念受験ならぬ「記念録音」という感じ。というわけで、☆2つ。

ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ | コメント:0 | トラックバック:0 |

スドビンとギルトブルクのラフ3

あまり良い演奏を期待できない2人だったので、さっと聴いてささっと書いてしまう。

Y. スドビン/S.オラモ/BBC交響楽団/ossia/2017年
スドビンは可もなく不可もない、という印象のピアニストだが、ともかくこの曲を録音してるので聴かねばならない。出だしからオケの元気が良いのが耳につく。というか、録音マイクがオケに近いということにすぐ気付く。ピアノが遠く、いわゆる「コンサートホール風」を狙った録音であり、ピアノが遠めなのだ。よって、低音の響きがイマイチでシャバシャバした和音になってしまっている(この辺りでもう興味が薄れてしまう・・・)。スドビンのテクは中庸、テンポもほどほど、展開部の和音連打もまずまず、そんな言葉ばかり並ぶ感じ。ossiaのカデンツァも悪くはないが・・・第2楽章はオケの音が近いだけに、雰囲気と印象は悪くない。残響が多めなのでピアノも歌っているように感じる。第3楽章、出だしの同音連打も「そこそこ」。オケが吠えるところの多い楽章だけに、ピアノが埋もれがちなのが残念。というわけで、全体的に悪くはないが、中庸の域を出ず、なんとか☆3つ。演奏時間は16:45、10:49、14:24で、思ったりより第1楽章が速かった。

B. ギルトブルグ/C.M. プリエト/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/ossia/2016年
優勝したエリザベートコンクール以来、2度目の録音。とにかく出だしからバカが付く丁寧さ。エリザベートの時ほど遅くはないが(むしろあれは記録的というか、私としては許せるレベルにない遅さ)、やっぱりノロい。丁寧なので細かい音型が分かるというありがち感がないのは、ペダル過剰なのか録音のせいか。和音連打のスピードは意外にまずまず標準、しかしタッチが変。一瞬噛みしめたようなところもある。カデンツァもノロい。そして音ギレが悪い。狙っているのか、己のテクと相談した彼の解釈なのか。ジリジリすることこの上ない。和音部分も、止まりそうなアゴーギクに違和感というか、小気味良いグルーヴ感と、(ガヴリーロフのような)劇的感の、どちらにも欠ける感じ。思わずエリザベートの演奏を思い起こした。しかし、終わりのとこの左手はなかなかの迫力だし、管楽器のソロのバックで弾かれる連続アルペジオは味わいがあるタッチで、よく分からないピアニストである。第2楽章は遅いテンポでの歌いまくりを期待させるが、例の感傷的なピアノソロは遅いだけでそれほどでもなかった。彼はデュナーミクの幅が小さいというか、音色の選択肢も少ない気がする。それでいて音の響かせ方には気を遣っていそうなのが、なんともややこしい。。後半はオケが頑張って良い音色を聴かせている。アタッカの前のピアノは勿体ぶりが凄い。終楽章、冒頭の同音連打はやはり遅いが、妙な音の際立て方が面白い。第1楽章でもあったが、和音で跳躍する箇所はほぼ全箇所微妙にルバートをかけているのがイライラする。右手左手共にすべての音が同じ音量で等しい粒の揃いで弾かれているかのようなところもあるのは、逆にスゴいのかスゴくないのか。

演奏時間は17:39、11:09、14:46で、第1楽章はカデンツァがossiaであることを考えれば数字上はそれほど遅い演奏ではないのだが「全楽章、ほぼ一様に遅い」のが私をイラつかせる要因なのだと思う。上手く喩えられないが、テンポを統一したグールド的とでも言うか、アンチクライマックスと言うか・・・。例の「重音上がり」は勿論やっていないが、その箇所で「ああこの人、音を揃えることに腐心してるのね」と半ば確信、私の好みとの方向性の違いを痛感。ともかく、完成度や表現が悪いわけではなく、この演奏を評価する人もいるかとは思うが、ごめんなさい私としては☆2つ。

ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ | コメント:0 | トラックバック:0 |
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