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The melody at night, with you

音楽好きの世迷い言

ショパン・ピアノソナタ第2番聴き比べ~ 2019/12/9更新

ソナタ2番の更新箇所:
アヴデーエワ盤を追加(2019/12/9)
小林愛美盤を追加(6/24)
ポリーニ盤(LIVE CLASSICS 100番)を追加(2018/1/7)
ウーセ盤(LP)を追加(12/30)
カーロイ盤を追加(7/13)
ファヴル-カーン盤を追加(2017/1/31)
シモン盤を追加(11/20)
スカナヴィ盤を追加(8/20)
パパジャン盤を追加(8/17)
ティリング盤を追加(8/6)
デュシャーブル盤を追加(7/9)
チョ・ソンジン盤(CD)を追加(6/18)
エレーヌ・グリモー盤を追加(6/18)
ピエトロ・デ・マリア盤を追加(6/12)
内田光子盤(東芝EMILP)を追加(2016/6/7)
ケラー盤(LP)を追加(10/10)
シュミット=レオナルディ盤を追加(9/20)
バックハウス盤を追加(9/16)
ピサロ盤を追加(9/15)
ルディ盤を追加(9/14)
トルプチェスキ盤を追加(9/13)
アックス盤を追加(2/14)
シェリー盤を追加(1/18)
アシュケナージ盤(LONDON,1979年)を追加(1/11)
ヴァーシャーリ盤を追加(2015/1/4)
佐藤卓史盤を追加(12/4)
エル=バシャ盤を追加(5/12)
ホロヴィッツ盤(50年録音)を追加(2/24)
ケルン盤を追加(1/3)
フランソワ盤を追加(9/18)
スターン盤を追加(6/8)
ゲキチ盤、梯剛之盤を追加(3/26)
清水和音盤(RCA・LP)を追加(3/11)
ベルンハイム盤(LP)を追加(2/15)
ベルショ盤(LP)を追加(2/14)
内田光子盤(ショパンコンクールライヴLP)を追加(2/9)
エキエル盤を追加(1/24)
ラフマニノフ盤を追加(12/24)
ワイセンベルク盤(EMI)を追加(11/26)
ロドリゲス盤を追加(11/14)
ノヴァエス盤を追加(11/12)
広瀬悦子盤を追加(11/7)
ラフォレ盤(LD)を追加(11/4)
ポゴレリチ盤(FKM)を追加(10/31)
ホジャイノフ盤を追加(10/18)
読者の方からのご指摘で9/23に3番に追加したホジャイノフ盤はボジャノフ盤の誤りでした。名前が似ているため、混同して書いてしまいました。お詫びして訂正致します。近く、ホジャイノフによるソナタ2番を追加したいと思います(10/17)
ブニアティシヴィリ盤を追加(9/28)
ソコロフ盤、オレイニチャク盤を追加
ニコルスキー盤を追加(8/11)
クドリツカヤ盤を追加(8/9)
クライネフ盤(LP)を追加(7/30)
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先日、「ショパンのソナタのベストは?」などという無謀な記事を書いたので、思いきって所有しているショパンのソナタ2番・3番の音源をすべて比較してみました。2カ月くらいかけてほとんどの盤を聴き直したのですが(しばらくショパンはお腹いっぱい)、以前バルボーザの記事を書いた時には忘れていた好盤や、「そこまでよくなかったな」という盤も出てきました(ですので、バルボーザの記事の時より評価が下がってる盤もあります)。あくまで個人的な主観の感想ということで参考にして頂ければ幸いです。☆◎○△×の5段階で簡単なコメントを書きます。聞き直した盤などは随時更新していきたいと思います(2012/6/26初掲載)。


第2番(107種)

ポリーニ:○ 模範の極み。やや音ギレが悪く歌も硬いがそれほど気にならない
アルゲリッチ:△ 意外に普通。キレはあるが爆発という感じでない。世評は高すぎ
ガヴリーロフ(EMI):◎ ザクザクのキレキレ。テンポが遅い箇所もありロシア的
ガヴリーロフ(DG):◎ 若干大人になって格調高い。録音・演奏とも幾分大味
ガヴリーロフ(K&K):× ズタボロのメタメタ
ポゴレリチ(ショパコン):☆ 緊張感漲る。極めて音楽的で勢いに溢れるがミスが多
ポゴレリチ(DG):○ 少しこじんまりしちゃった
オールソン(ブゾコン):△ 録音がよくない上に手堅い。まだまだ発展途上な感じ
オールソン(Arabesque):◎ 録音が大味だがドッシリと技巧が安定。センス有り
ラツィック:☆ 激しく熱情的。出だしが激っ速。やや大げさ感も
アンスネス:◎ テクとセンスに溢れる。万人にオススメできる
キーシン:○ テクは史上最強だが歌がもたれ過ぎ。音色が綺麗なので惜しい
アムラン(Isba盤):○ 技のキレが期待以下で解釈にクセがあり歌心も微妙 
アムラン(Hyperion盤):△ 旧盤よりクセは減ったがやはりイマイチ
ホロヴィッツ:△ テンポが遅く技巧的に見劣る。どこかポツポツしてる
シフラ:△ らしくないフツーっぽさで粗さが目立ち面白くない
ミケランジェリ:× テンポ遅めでアゴーギクのクセが強すぎ個人的に合わない
クズミン:△ リズムにクセがあり軽めのタッチで迫力が期待したほどでない
トカレフ:△ 意外に手堅くいつものライヴの熱さはどこに?正直期待外れ
ティエンポ:○ キレは凄いが部分的にタメがあり個性的で好みが分かれる
ユジャ・ワン:○ 相当上手いが音が軽くて迫力に欠ける。歌い方もやや硬い
内田光子:◎ 表現に深みがあって素晴らしい。欲言うと全体的にタメが多い
ライト(シドニーコン):◎ 歌のセンスが素晴らしい。キレが加われば最高
ルデンコ(チャイコン):△ キレはあるがミスが多く気が散る
ラフォレ(ショパコン):☆ 歌とテクが揃ってる。完成度も高い
ラフォレ:☆ 正統派で巧い。詩情と言うよりは格調高い。隠れ名盤
ブーニン(ミラノライヴ):△ テンポがかなり遅いがそこまで歌に浸れもしない
アシュケナージ(ライヴ):◎ 熱さではベストを争う。これは聞き逃すのは惜しい
メジューエワ:○ テクは物足りないが音楽性豊か。この曲が苦手な人にオススメ
ルービンシュタイン:◎ 素晴らしい。キレは無いが切迫感や表現力にあふれる
T・レモー:× 演奏時間は最短の部類だがテクも歌も良いところが見つけられない
Lim Hyo-Sun(エリザベートコン):△ 以前記事で書いたが良くない 
コブリン:△ 以前書いたが、微温的でどこか踏み込みが足りずヌルい
ダン・タイ・ソン:△ 音は綺麗だが全体的にちょっと勿体付け過ぎ
トゥルーリ:△ 勢いと表現意欲に溢れるが技巧に不安を感じる。ややタメも多い
エデルマン:△ テンポが遅く技巧的にかなり見劣る。微妙に弾き損じのような箇所も
ベン・キム:× テンポが遅くテクにもキレが無くいいところを見つけられない
コルトー:△ 筋は非常に良いがミスが多過ぎ。心なしかピッチが低い。古いゆえ音悪
横山幸雄:○ 淡白な彼にしては歌も悪くない。テクに凄みがないのでやや期待外れ 
松本和将:○ 正直もっと歌えるはず。センスのある彼にしては少し物足りない
ヤブロンスキー:○ 歌も良く結構巧い。時折和音がパシャッと割れるのが気になる
ユンディ・リ:○ 指回りが秀逸で勢いもある。緩徐部分の歌が幼稚なのが興ざめ
プレトニョフ:△ 足取りが重く個性的。キレはあるが何を言いたいのかわからない
園田高弘:○ 模範の極みで面白みがない。キレも感じられないが教科書になる
ヴェデルニコフ:△ 緩徐部分に深みがあるが全体的に少し重い。キレもあまりない
ペライア:○ かなり巧いが音が硬くて色気が無い。音色のパレットも少ない感じ
カツァリス: ○ 久々に聴いてビックリの名演。予想外に正攻法で技のキレ良し
カペル:× テクと勢いがあって悪くない。録音が古いためとにかく音が酷くて残念
マガロフ:○ キレは無いが音楽的。近接録音で明晰かつ力強い。若い頃だったら…
ラプラント:◎ 跳躍で間が空くが全体的に巧い。ラフ3聴くと技巧派。歌も良し
ロルティ:◎ 非常に音楽的で音も美しいが残響多めが△。ややキレ不足で衰えた
ペルルミュテール:△ 録音イマイチでキレに乏しいが音楽的。特に行進曲は凄い
クドリツカヤ:△ 強弱の付け方が上手く音楽的には良いがタッチが軽めで曖昧模糊
ニコルスキー:◎ やや荒さもあるが勢いと歌のセンスに溢れる。テクもまずまず良い
ソコロフ:○ 起伏が激しくコダワリを感じる。もったいぶる場面が多くロシア的
オレイニチャク:△ ピッチが低い。時代楽器が鄙びた郷愁を誘う。やや粗い
ブニアティシヴィリ:○ 緩急の差が激しいが聴き所は満載。瞬間最大風速は最高峰
ホジャイノフ:○ 解釈にテクも至極真っ当。響きの繊細さが好印象だがその分静的
ポゴレリチ(FKM):◎ 緊張感減も重低音の追加に完成度up。Chopin的でない
広瀬悦子:△ 軽めのタッチで多彩な表現に溢れるがテンポも揺れて奔放過ぎる
ノヴァエス:○ 個人的に理想の解釈に近い。技巧も闊達。録音さえ良ければ
ロドリゲス:○ 小細工なしの真っ向勝負。テンポが速く歌も良い。録音がやや平板
ワイセンベルク(EMI):△ ガンガン鳴らしすぎ。葬送行進曲も遅すぎてあざとい感じ
ラフマニノフ:○ 強靭なテクでvirtuosity溢れる。一部粘りすぎなのとやはり録音が
エキエル:△ 素っ気ないがサクサク進むのは良い。検定教科書に載りそうな演奏
ゲキチ:△ ベストオブ個性派。キレもある。やり過ぎだが一聴の価値有り。ミス多
梯剛之:○ 熱っぽくテンポ揺らすがセンス有り。キレもまずまず。後は説得力
スターン:△ プレイエルを使用。柔らかな歌心は見せるものの曲と音色が合ってない
フワンソワ:○ テクが弱いが粘りすぎない歌心が抜群。終楽章のモタツキが惜しい
ケルン:△ 丁寧で歌も音色も悪くないが踏み込みが浅い。良くも悪くも女流的
ホロヴィッツ(50年):△ 62年盤より技が達者。しかしよりフツーで彼らしく無い
エル=バシャ:◎ クリスタルの音色で細部も精巧。絶対音楽的で非ショパン的
佐藤卓史(新):○ 清廉潔白、足し引きなしの教科書的ショパン。残響ジャブが×
ヴァーシャーリ:○ 歌もテクも録音も良いが優等生的で面白みに欠ける
アシュケナージ:◎ みんな、そんなにアシュケナージが嫌い?コレ良いよ
シェリー:◎ オーソドックスだが明晰過ぎる録音でゴージャスなのはリスト的
アックス:△ スケール大きく歌うが足取りが重い。何よりうなり声が気になる
トルプチェスキ:○ 輝かしくテクに清潔感も有り。全体的に歌がややあざといか
ルディ:△ 筋良く歌に品があるが盛り上がりでタメが入るなどスカっと行かず
ピサロ:○ テク十分で速めのテンポでも余裕。歌での相当なモタレが△
バックハウス:△ 66歳時の演奏にしては健闘してるがやはり音質が
シュミット=レオナルディ:○ オーソドックス。凄みや個性が欲しい
デ・マリア:◎ 歌のセンスに溢れる。若さよりは熟練の技が光る感じ
グリモー:○ 迫真的表現に心奪われる。トリルや和音など細部で惜しい
ソンジン:○ youtube時と印象は変わらず。メチャ上手いが6割5分運転
デュシャーブル:○ 歌い方が上手いが若干マイペース。録音のせいか音圧が薄め
ティリング:× ハンマーで叩いてるかのような無骨な演奏ここに極まる
スカナヴィ:☆ 緊張感と勢いに溢れ、緩急が激しく激情的で素晴らしい。名演
シモン:○ ポゴレリチを一回り小さくした感じ。起伏を付けるセンスがある
ファヴル-カーン:◎ 温かみのある演奏で3番向きだが力強く音楽性も豊か 
ポリーニ(LCB):△ スタジオ盤と一長一短。音の悪さの分だけ評価は下がる
小林:◎ 全体的にイマイチだが第3楽章で神が降臨。この楽章のベスト
アヴデーエワ:〇 技巧面でやや非力だが音楽性はなかなか良い

LP
バルボーザ:☆ 勢いがありながらショパンらしい詩情や繊細さも表現。名演
ブルヴァ:× 終楽章は1:00だが全体的にボソボソしてて上手くない
ケルセンバウム:× 美人は得
クライネフ:◎ 極めて激しい。勢いとテクに溢れ力強さはロシア勢最強か
内田光子:◎ 若き日の入魂のショパコンライヴ。熱く激しいお嬢様はテクニシャン
ベルショ:○ 整っていて歌もテクもまずまず。理知的なところはいかにもフランス流CD化されている可能性あり
ベルンハイム:△ 勢いがあるがタッチが無骨で荒い。線が太めで歌はまずまず
清水和音:◎ 荒削りだがキレと勢いは十指に入る。自由気ままな語り口に難有りも悪くない
ケラー:◎ ダイナミズムに溢れ指回りも良い。やや洗練さに欠けるのと録音が△
内田光子(EMI):☆ ショパコンと同路線で完成度upなのでほとんど完璧
パパジャン:◎ ショパコンライヴ(3位)。テクと勢いに音楽性の3拍子が揃う
カーロイ:○ 全体的にやや雑。葬送行進曲がモタれ気味で3番ほど良い演奏でない
ウーセ:◎ EMI盤同様力強さと勢いがある。やや弾き損じがあるのが惜しい

LD
ラフォレ:◎ カメラ入りのせいか若干安全運転。音像も遠目で総合的に他2種には劣る


この中で特筆したいのは、ポゴレリチのショパンコンクールライヴ、ガヴリーロフEMI&DG盤、記事にも書いたバルボーザのLP、そしてマルク・ラフォレです。

ラフォレは実はかなりのテクニシャンでありながらそれを全面に出した感じではなく、やや優等生的(お坊っちゃん的?)ではありますが、格調高いというか、スマートで品のある歌心が素晴らしい(ショパン・コンクールでのスケルツォ2番での指回りや、コンチェルトの2番も素晴らしい)。コンクールではブーニンに敗れてしまい、あまり注目されていないようですが良いピアニストだと思います。ショパコン・ライヴもスタジオ盤もどちらも甲乙付け難く、強いて言えば音質や完成度を考えてスタジオ録音でしょうか。スケルツォの急速部分などではもっとスピードを出して畳みかけて欲しい箇所もありますが水準以上です。※追記:バルボーザの演奏にやや近いものを感じます。3番も録音してるのですが、入手困難のため(ヤフオクでは見かけますがちと高い)未聴です。


最後に蛇足を。2番も3番もやはりルービンシュタインは素晴らしいと思います。指の配分がよくないので和音も美しくなく、当然指も現代の技巧派と比べて回っていないのですが、それでも朴訥とした語り口が胸を打ちます。特に2番の葬送行進曲は手持ちの中でのベスト。「テクニックが衰えた大家の演奏なんて」という方も一聴をオススメします(バッハ=ブゾーニのシャコンヌも、virtuosityから最も遠い演奏だと思いますが、しみじみとした語り口が素晴らしい)。


※2012/7/16追記
今回、ひっさびさにシプリアン・カツァリスのソナタ集を聴き直してみました。あまりに久々すぎて音源の存在すら忘れていた上に、それほど興味のあるピアニストではないことから高を括っていたのですが、内容の素晴らしさにビックリしました。2番も3番も素晴らしい

よくよく聴き直してみるとそれほど良い演奏とは思えなくなってしまったので、評価を変更します。申し訳ありません!!

彼はややケレン味のあるピアニストというか、以前ラフマニノフの3番のところでも書きましたが、驚異的なテクニックを備えながらそれをサーカスの曲芸師的な聴かせ方をするところがあまり好きではありませんでした(他には例えばメフィスト・ワルツの1番など。古いLPでのリストのソナタ(最近CD化されたのを見かけた気が…)などは真っ当に正統的な感じで弾いていたのですが)。

しかし、このショパンでは(彼の演奏としては)比較的正攻法で弾いている印象です。どちらもスピード感に溢れ、テクニックのキレも凄まじい。タッチのコントロールの精密さというよりはアルゲリッチ的な閃きで音色やデュナーミクを操作してる感があり、要するにセンスだけで弾いてる感じなのですが、ショパンらしさを逸脱しておらず予想外に(失礼)感激しました。2番は☆印です。出だしからテンポが速めで、スケルツォの急速部分のキレはキーシンに次ぐものがあり、クロマチックでの上昇部分はやや軽めのタッチながら相当なスピード。オクターブ連打も快速。葬送行進曲は遅過ぎず好感を持ちましたが、音楽性というところでは他盤より秀でたところはそれほど無い印象。再現部では突如力強いフォルテを聴かせ、メリハリが聴いてます。フィナーレは独自の音を強調してて超個性的。キレも凄まじい。それに対すると3番は手持ちで上位に入る技のキレを見せつつも、2番より歌が多いだけに、音楽性でもうひとオシあれば、という感があります。肝心の終楽章ではややタメが多く、解釈なのかもしれませんが惜しいと思います。それでもスケルツォなどでお得意の内声えぐり出しを聴かせるなど、らしさ満開。ちなみに両曲ともリピートを行っています。録音状態が結構違っていて、3番の方が適度に残響があり、音の硬さときらびやかさがあって好みかも。


※2012/7/25追記
ロルティの2番を聴きました。ロルティは非常に大好きなピアニストで、彼のショパンエチュードは1・2を争うお気に入りですし、他にもベートーヴェンのソナタやリスト、ストラヴィンスキーなども良く聴いています。そんな期待大の中で聴いたのですが、やはり技巧の衰えは隠せず、思ったよりは健闘しているものの、音楽性が素晴らしく豊かなだけに本当に惜しいと思いました。あと、タッチが洗練され過ぎているというか、悪く言うと軽めで柔らかすぎるので、(3番ならよいのですが)この曲にはもう少し硬くてハリのある音を聴かせて欲しいところ。いかにもシャンドスらしい残響多めの録音のせいもあると思いますが。いずれにせよ悪かろうはずもなく、3番にも是非期待したいと思います。

※2012/7/29追記
ペルルミュテールのNimbus盤を聴きました。とりあえず2番。これはけっこうレアで、たまーにユニオンにやや高値で落ちてます。ルービンシュタイン系の演奏なので、このような演奏は2番では大変貴重だと思います。

※2012/7/30追記
クライネフのショパンのソナタ第2番のレコードを入手しました。恥ずかしながらこれは私も存在を知らなかった盤で(彼は実はラフマニノフのコンチェルト2番を出してたりと、意外に知られてないレコードがまだありそう。ちなみにこのラフ2、名演です)、喜び勇んで買いました。

krainev.jpg

これが激しい。手持ちの盤で1・2を争う激甚なタッチ、スピード、テクニック。スケルツォのオクターヴ連打からの和音で駆け上がっていく箇所の速さはキーシンやガヴリーロフ、オールソンを超えるもので、間違いなく最速。あまりに激しすぎてガヴリーロフが大人しく聴こえるほど。←これは言いすぎでした。隣りの鍵盤を引っ掛けたような箇所もありますがライヴ録音ではなさそう。入手したのはなんとフランス盤で、原盤はメロディアですがまたまた恥ずかしながらフランス盤メロディアのLPを聴くのは初めてです。これがバキバキに硬い音質で、ちょっと異常な程なのですが(今回なぜかレコード屋でフランス盤ばかりを3枚聴きました(コレクターが手放した?)が、どれもこんな音質。そういう特性なのでしょうか?)、これがまたクライネフの硬派な音色に合ってるんです。勿論、ショパンらしさは微塵も感じられず、そういう意味ではバルボーザを超えるものではありませんし、硬めな歌い方が苦手な方もいるかと思いますが、それでもこれは私的に評価は◎印です。ちなみに演奏時間は5:03/6:15/7:59/1:16で、終楽章の体感スピードとキレも手持ちで最速です。裏ジャケが当然フランス語で、浅学のため何を書いてあるのか全くわからないのですが、どうやら録音は71年以降の模様です。残念なことにクライネフは昨年亡くなっており(ちなみに奥さんはフィギュアの浅田真央の元コーチ)、このような録音が再び注目されてCD化されるのを祈ってます(このショパンやラフ2、ショスタコのコンチェルトは是非!)。



※2012/8/9追記
ナターシャ・クドリツカヤによる2009年ヴァン・クライバーン・コンクール(辻井君が優勝した年)予選でのソナタ2番を聴きました。録音のせいか細部がぼやけ気味で全体的に和音に力が入っていない安全運転な印象です。センスは悪くないと思うのですが。ちなみに彼女はセミファイナルにも進めなかったようです。


※2012/8/11追記
ようやく棚からアンドレイ・ニコルスキー盤を発掘しました。聴き直したところ大変満足できる演奏で、(これはラフ3でも感じたことですが)テクは取り立てて秀でたものはないものの、至極真っ当な解釈の下、全体的に速めのテンポで勢いに溢れ、音楽性にセンスを感じます。スケルツォも最初の跳躍で間が空くものの、半音階上昇や和音連打もかなりのスピードで、☆印にしようかと思ったのですが、緩徐部分でややテンポを落としすぎるきらいがあり、特に葬送行進曲がモタレ気味だったので自重しました。尚、ニコルスキーについてはこちらのブログが参考になると思います。


※2012/9/23追記
グリゴリー・ソコロフ、ヤヌシュ・オレイニチャクによる2番を追加しました。
ソコロフはどんな演奏か大体想像が付いたので手を出してなかったのですが(苦笑)聴いてみました。ライヴながら完成度が高いです。思ったほど粘りませんがそれでも止まりそうなルバートなど、「The ロシア的」と言いたくなる演奏。
オレイニチャクの2番は1848年製エラールを使っており、私にはピッチが低く感じられて違和感もあるものの、演奏自体は非常に音楽的で聴かせます。しかしながら、個人的に時代楽器によるショパンにはやっぱりまだまだ馴染めないという感じです(録音のせいか音色がモヤっとしてて細部がボヤケ気味)。

※2012/9/28追記
ブニアティシヴィリ盤を追加しました。先日のエントリーで詳しく書きましたが、第1印象よりはかなり楽しめる演奏に感じられました。聴き込みが浅いのに焦って書くと良くないですね。反省。


※2012/10/18追記
訂正したニコライ・ホジャイノフの2番を追加しました。確実かつ明晰なタッチで、やや生真面目な印象を受けます。デュナーミクの幅もそれほど大きくなく、勿論テクニックの破綻も過不足もなく、全体的にオーソドックス。スケルツォの第2主題や葬送行進曲のトリオでじっくり歌うところなどが個性と言えば個性かも。個人的にショパンの曲は、マクロでインテンポを保つような演奏は好みでなく、ミクロのフレーズごとにいかに自然なアゴーギクで歌うかがセンスの見せ所だと勝手に思ってますが、その観点では第2・3楽章の緩徐部分などでテンポをキープしている感があって、少し好みからは外れます(終楽章も同様で、最後までせき込むところが無く、やや静的な印象)。それでも和音の配分の美しさや前打音のずらし方が非常に上手く、響きを重視している?演奏に好感を持ちました。尚、併録のダンテソナタも同じような演奏で、ゆったりと歌う(17分台)姿勢に音楽性の豊かさを感じさせますが、こちらは曲的にもう一段のテクニックが欲しいところ(オクターヴ連打がやや重い)。


※2012/10/31追記
ポゴレリチの83年録音のFKM盤を追加しました。このような盤を紹介するのは気が引けたのですが、今年6月に再発されて入手しやすくなったこともあり、すでにラフ3でグレーゾーンなソコロフ盤を紹介していたので(苦笑)書いてみました。ややピアノの音像が遠目ですが、音質は明晰でポゴレリチの呼吸音なども拾っており、この種の録音としては驚異的に良いのではないかと思います。上でコメントした通り、2番はショパンコンクールと同じ解釈ながら完成度と細部のキレは増しており、その分手慣れた感もあって緊張感は薄まりましたが、これは十二分に☆印。ショパコンと甲乙付けがたい出来です。ただし、重低音のあからさまな強調がショパンらしくない感じは受けるので好みは分かれるかも。


※2012/11/4追記
ヤフオクで面白いものを見つけたので買ってみました。



マルク・ラフォレによる1988年の日本でのライヴ映像LDです(驚くべきことに未開封新品)。上で書いた通り、CDで手に入るソナタ2番の中ではラフォレのスタジオ録音盤が最もショパンらしい正統派の名演だと思っているので、かなり期待して聴きました。2日間のコンサートを編集してあるようです。ちなみに私はLDプレーヤーを持っていないのですが、職場にあったので休日出勤をしたときに(笑)視聴&(ICレコーダーに)録音してきました(勿論、それを見越して落札しました)。

ソナタ2番は他盤と比較すると十分に良い出来ですが、彼のショパコンやスタジオ盤と比較するとやや安全運転な印象。それでもミスは少なく、完成度・テクニックはスゴいです。映像作品の常か、音像が幾分遠目で、ピアノのコンディションも少し悪いのか、弱音のカスレが見られます。トータルでアルバム作品としての出来は素晴らしく、マズルカやバラード1・2番も好演です。どうでもいい話ですが、なぜシプリアン・カツァリスみたいな髪型にするのでしょう。。。このLDはDVD化されていないようなのですが、されていたら是非教えて下さい。


※2012/11/7追記
iTunesを整理していたら2番の広瀬悦子盤と3番のリパッティ盤を持ってることに気付いたので追加します(汗)。広瀬盤は個人的にアルゲリッチ系テクニシャンぶりを感じさせる勢いとなかなかのテクニックで表現意欲も十分ですが、その分テンポを大きく揺らすなどやり過ぎな感じ。それでも軽めのタッチで品のある歌を聴かせてます。

※2012/11/12追記
ノヴァエスのソナタ2番を聴きました。聴いてビックリ、自分がこう弾いて欲しいという箇所をほとんど理想通りに弾いてます(例えばスケルツォのオクターヴ連打でタメを入れないところとか)。勿論不満が無いわけでなく、出だしのブツブツしたタッチが気になったり、人によってはややストレート過ぎる解釈かもしれませんが個人的にはドツボです。50年代の録音で齢すでに還暦になろうかという時期の演奏ですが、素晴らしい(黄金時代のピアニストの演奏はあまり好まないのですが、これは気に入りました)。とにかく音質が悪いのが残念・・・。これはソナタ3番も聴いてみなくては。


※2012/11/14追記
サンチャゴ・ロドリゲスの1981年クライバーン・コンクールでのソナタ2番を追加します(吉祥寺のユニオンで捕獲)。ちなみにこのとき彼は銀メダルの模様。これは素晴らしい。ライヴながら非常にミスが少なく、彼らしいダイナミズムに溢れてます。解釈はストレートで技巧も闊達。スケルツォもタメが少なくスピード感抜群で爽快、葬送行進曲も粘りすぎないのがイイです。彼のラフ3ベスト5に入ろうかという名演なので期待してましたが、見事応えてくれました。録音のせいか、ややピアノの音色が平板なのが気になりますが、そのうち☆になるかも。余談ですが、爆演揃いのコンチェルトに比べて、彼のソロCDはイマイチなものもあり、ブラームスのパガニーニ変奏曲は彼にしては勢いだけが先走っており、荒くてあまり良くないかも(しかも併録のシャコンヌがブラームス編の左手ver.なのが残念)。


※2012/11/26追記
2・3番にワイセンベルク盤(EMI)を追加しました。彼のショパンで最もポピュラーな録音だと思いますが、世評がイマイチなので長いこと保留してました。今回、亡くなった後に出たリマスタリングした(?)と思われる録音を聴いてみました。2番はいかにも彼らしい機械的でザクザクしてるタッチでガンガン鳴らしており、それでいて緩徐部分は必要以上に粘るのでちょっと着いていけないです。


※2012/12/24追記
2番にセルゲイ・ラフマニノフ盤を追加。巨大なスケールで突進しつつ、ロマン的味付けの濃い演奏です。


※2013/1/25追記
エキエル盤を追加。楽譜の校訂者として有名ですが、楽譜の版の違いなのか、聴いていて引っかかるところが幾つかあります。例えば第2番の第1楽章前半の第2主題、右手オクターヴで旋律を奏でる箇所でB♭の部分をタイにせず弾き直しているのは、(流れ的に最高音で目立つということもあって)かなり違和感を覚えます。私が持っているのはパデレフスキ版で、エキエル版を持っていないため確認できないのですが・‥。単に慣れの問題だとは思うのですが、今後は徐々にこちらの版による演奏が増えていくのでしょう。


※2013/2/9追記
内田光子の1970年ショパンコンクールライヴのLPを追加。レコード屋で見つけて、こんな有名ピアニストのLPがCD化されてないはずがないと思って調べているうちに、あっという間に売れてしまったのでした。Laserlightから出ている一連のショパンコンクールCDでは優勝したオールソンのソナタの演奏などは出ているものの、彼女については結局わからずじまい。おそらくCD化されていないと思うのですが、情報をお持ちの方は是非教えてください。というわけでようやく再会を果たし、即入手。極めてデッドな近接録音といい、出だしのアルペジオの弾き方といい、後年のポゴレリチのショパコンライヴを思い起こさせる熱く激しい演奏(勿論あそこまでではありませんが)。やはり彼女はテクニシャンです。ちなみにこの時彼女は第2位で、第1位はG・オールソン、第3位がP・パレチニ。43年前にして未だ彼女が日本人過去最高位ですが、それだけのことはある熱演です。


※2013/2/14追記
エリック・ベルショ(Eric Berchot)のLPを追加。珍しいイタリア盤です。入手するまではてっきり1980年のショパンコンクールのライヴ演奏だと思っていたのですが、どうやらその後にご褒美として出されたスタジオ録音のようです。私のお気に入りのラフォレの演奏に近いものがありますが、テクと歌でそれぞれ1段劣る感じです。おそらくCD化されていないのではないでしょうか。ちなみにショパン・コンクールでは彼は第6位。その時の実況録音が海老彰子の演奏とのカップリングでレコードとして出ていますが、ソナタは収録されていません。こちらもCD化されていない模様です。
2014/12/4追記ユニオンでこのレコードのCDと思われる盤を発見。録音日が微妙だったので、日付を確認している間に買われてしまったのでした。レーベルはHMFだった気が。悪くない演奏だけに惜しいことしました。


※2013/2/15追記
Alain Bernheim(ベルンハイム、ベルナイムとも)盤のLPを追加。フランス盤ばかりを入手した時の1枚です。第1楽章やスケルツォでの和音連打、オクターヴはなかなかの突進が聴けますが、全体的に荒っぽいです。録音のせいか線が太く、どことなく3番でのフー・ツォンの演奏を思い起こします。例によってCD化されていないと思います。話は変わりますが、フランスのレコードはどれもこんなに音が硬いのでしょうか。バキバキしていてこの曲には合ってるかなとも思いますが、非常に特徴的だと感じました。ふと、フルトヴェングラーのバイロイト第9のレコードで最も音質が良いのはフランスプレス(FALP)だという話を思い出しました。MYTHOSとかDELTAなどの盤起こしを持っているのですが、1度オリジナルで聴いてみたいです(高すぎますが)。


※2013/3/11追記
清水和音のRCA盤LPを追加。いやはや、第1楽章の3度4度上昇や、スケルツォのオクターヴ連打、クロマチックでの上昇部分のキレ、終楽章のスピード感などは手持ちで十指に入ろうかという演奏です。ソナタの演奏に限っては、内田光子や横山幸雄のテクニックを上回るのではないでしょうか。荒削りながら突進という言葉が似合います(スケルツォの跳躍部分などでわずかに弾き損じなども聴かれます)。ただし、センスのまま弾いた感があり、細部まで推敲されておらず、突然の加速や減速に加え音楽性の点でかなり疑問符が付きます(例えば、冒頭のアルペジオの弾き方などはなんと言うかヘンで、手持ちの60数種の中で最もズッコケる部類でした)。また、音色の変化という点でも一本調子な印象(日本人で言うと及川、横山盤と同じ印象)。ところで、このレコードもCD化されているかどうか(リアルタイム世代ではない私には)分かっていません。デ・ワールのリストのLP同様「デジタル」と書かれているのでいかにもCDになってそうですが・‥。ちなみにCD化されているかどうかは、いつも私はまずグーグルで調べ、アマゾンで調べ、HMVで調べ、東京都の図書館のCD(非常に古い物のデータが残っている場合がある)を検索し、最後はCDジャーナルで検索をかけてますが、それでもこれは出てきませんでした。同じRCAから出ている幻想即興曲のレコードはCD化されているのですが、このソナタは不明です。彼は80年代の途中でRCAからソニーにレーベルを変えた?ようなので、それも関係しているのかもしれませんが。※2014/12/04追記久々に聴き直してみましたが、随分と印象が違います。まず、技のキレが凄い。スケルツォなどの難所でのインテンポ感がハンパないです。宇宙人キーシンは別格として、確信的なタッチはポゴレリチ、スルタノフ、ガヴリーロフ、ブニアティシヴィリ等々の強面陣にも負けていません。五指に入るかも、は言い過ぎかもしれませんが、上位入賞は間違いないです。そして、やや濃ゆい味付けですが歌い方もそれほど違和感なく聴けました。レコードのジャケを見ると、幻想即興曲のLPだけはCD化されている模様ですが、この盤はやはりCD化されていないようです。彼の再録音は未聴ですが、興味が出てきました。



※2013/3/26追記
ゲキチ盤、梯剛之盤を追加。ゲキチ盤はかなりのレア?盤で、3番に続いて長いこと探してたのですが、ようやくget。しかも、1度に2つも見つけてこれが音盤道なのでしょう(笑)3番同様、部分的な技のキレが凄いですが、とにかく粘ったり止まったり急いたり内声出しまくり、クセがありまくりで苦手な人も多いでしょう。私はギリギリ有りかなという感じ。
梯盤は予想外にロマンティックな感じで正直ビックリ。2000年ショパコン時にNHKが放送したドキュメントでは薄味でサッパリな演奏だったような(とても曖昧な)記憶があったので驚きました。オクターヴ連打や3度4度の和音連打も結構巧い。跳躍部分で間が空くなど惜しい面も。なかなか歌のセンスがあって聴かせるのですが、曲を通して落ち着いて聴ける解釈という感じではないです。録音日時を見るとライヴではないようですが、一部弾き損じ気味だったり荒い箇所があったり(勢いがあるので個人的には好ましく感じましたが)、複数のコンサートからの編集盤なのかもしれません(第1→2楽章がやたらとアタッカだし)。


※2013/6/8追記
何かと気になるピアニスト、エドナ・スターン盤を追加。プレイエルによる演奏です。彼女はシャコンヌの盤で知ったのですが、その柔らかな音色と繊細なタッチ、語り口に魅了されたのでした(ブゾーニのシャコンヌのほうはまずまずでしたが、ルッツ編のブゾーニはちょっと安っぽい映画音楽的な音使いがあるものの、非常に面白く聴きました)。さて、このショパンの2番ですが、出だしからプレイエルの音色とやはりピッチが気になります。歌の上手さに感心するところもあるのですが、なかなかピリオド楽器の演奏には馴染めません・‥。


※2013/9/17追記
サンソン・フワンソワ盤を追加。あまり聴かない昔のピアニストなので聴かず嫌いをしてましたが、どうしてどうして大変良い演奏です。とにかく歌のセンスが良く、かと言ってこの曲に必要な力強さも欠けておらず、随所で効果的な低音の強調が聴けます。葬送行進曲も粘らずスッキリしているのは好みが分かれると思いますが、個人的には好ましい。テクの弱さも許容範囲内で、スケルツォの例の上昇部分が軽いタッチなのは頂けませんが、他はまずまず。◎にしようかなと思ったのですが、終楽章のモタツキ加減(技術的な問題でなく、解釈かも?)がかつてないほど気になったので、○です。とっても惜しい。

※2014/1/3追記
オルガ・ケルン盤を追加。もどかしく野暮ったくなるギリギリのところで丁寧かつ誠実な演奏。音色も綺麗。葬送行進曲は10分以上かかってて苦手なタイプの遅さですが、まずまず聴かせます。全体的に面白みにはかけるかもしれません。

※2014/2/24追記
ホロヴィッツの1950年スタジオ録音盤を追加。62年の演奏より技巧は闊達でスケルツォの例の部分もなかなか軽快ですが、所々重めでモッサリしてるところも有ります。歌もまずまずで録音は年代を考えると良いほう。しかし、彼としては意外なほどオーソドックスで真面目。スケルトン的な音色や重低音もそれほど見られず、面白味には欠けるかも。


※2014/5/12追記
エル=バシャ盤を追加。かなり昔、エルバシャのショパン全集が販売元の値付けミスでアマゾンに5ドル位?で売りに出て、ネットで話題になったことがありました。当時抜け目なく注文したのにキャンセルになってしまって以来、中古で見かけても悔しくてスルーしてたのですが(苦笑)、分売で300円で見つけたのでさすがに手を出しました。kyushimaさんのレビュー通り細部まで丁寧でインテンポ、名盤プロコの初期作品集で見せた冷静かつ緻密な演奏です。とにかく音色がべらぼうに綺麗!(Forlaneはいつも好録音)。冷静沈着かつどこまでも明晰なタッチで、はっきり言ってショパンらしくないですが、この曲が好きな方は聴き逃せないです。

※2014/12/4追記
2番は随分と間が空いてしまいました。佐藤卓史盤を追加。彼の2番を聴くのは初めてですが、予想通り昔のウイスキーのCMみたいなショパンです。技巧は標準的ですが、歌心がもうひとつ。何より、今時風呂場のような残響ジャブジャブの録音が頂けません。

※2015/1/4追記
タマーシュ・ヴァーシャーリ盤をサルベージ。1963年の録音とは思えないほど良く、さすがDG。第1楽章の展開部や第2楽章の例のオクターヴ連打でもあまりたたみかけることはせず、第3楽章でも、なんというかイケメンが無理して真剣に弾いてる感じがして、格調は高いのですが切迫感はあまり感じられません(実際にジャケ写真は俳優のような美男子)。路線としてはラフォレに似てる感じですが、あれよりもキレで劣る感じ。


※2015/1/11追記
ウラディーミル・アシュケナージ盤(英デッカLONDON,1979年録音)を追加。家人のCD。持ってるのに、両人とも忘れていたのところがアシュケナージの存在感ゆえか。どこの誰でも持ってて知ってる演奏だけど、おマニアの方できちんと彼を評価している(というか聴いている)人は少ないんではなかろうか。クラシック界のコンビニエンスなお方なわけだが、以前紹介したとおり、私は結構好感を持っている(ちなみに、廃盤〜シリーズでこの記事だけ未だに拍手がもらえていない。みんなそんなにアシュケナージが嫌い?)。・・・脱線したが、この演奏、まずテクが良い。アシュケナージだから当たり前なんだけど、なんだかんだやっぱり凄い。第1楽章のオクターヴで上がるヤツはちょっと間が空くもののスケルツォもかなり攻めてるし、歌だって悪くない。勿論デッカだから録音優秀、音色もいい。EMIは所属ピアニストに謝罪すべきだ。手が小さいと言われているせいか、和音がちょっとパシャりと美しくないのが気になるが(冒頭のアルペジオも変)、葬送行進曲も綺麗だし、解釈も正統的かつ自然で、突っ込みどころが無い。終楽章の精密さなんて相当上位だ。おそらく世間はこの「あまりにフツーなショパン」が面白くないんだろうけど、ライナーノーツで宇野コーホー先生が絶賛してるし、正規・非正規合わせて100種以上聴いてる私の愚耳でも、これはかなり良い演奏の方に入るだろう。以前紹介したライヴ盤が真っ赤に燃えてる炎ならば、これは青白いが実は超高温で燃えてる恒星の最後の輝きだ。ぜひみんな騙されたと思って1度きちっと聴き直してみて欲しい。・・・って、なんだかまたアシュケナージに熱くなっちゃったけど、今を去ること○年前、某音大ピアノ科の女性達と銀座で合コンした時、その場に居た女性全員がショパンのソナタのCDはアシュケナージしか持っていないと言っていたのをふと思い出した。彼女たちは正しかったのだと、当時「バルボーザってピアニストがすごいんだよ!」と力説した私に伝えたい。


※2015/1/18追記
ハワード・シェリー盤を追加。シャンドスに入れた3番はお気に入りになったので、2番も気になっていましたが見あたらなかったところ、なぜかビクターの廉価盤?のCDで捕獲。ブックレットその他には録音年も何もなし。どうやら色々なレーベルから形を変えて出ているようです。録音は91年以前(40歳頃?)の模様。これが稀に見る(聴く)好録音で、極めて明晰で芯の詰まったピアノの音を聴かせてます。似てるのはオフチニコフのリスト超絶とか、ベレゾフスキーのテルデックから出したロシア集とか、エルバシャの初期プロコ集みたいな、ピアノの音色が金属的に聞こえるか否かのギリギリの音質です。解釈は3番で感じた草食系の歌上手ということもなく、適度に力強い実に自然な印象。テクも特に不満を感じないレベルで、似てる路線としては2番でお気に入りのラフォレのスタジオ盤なのですが、あれには1歩弱及ばない感じ。とにかく録音がある意味スゴすぎて、ショパン的を通り越してゴージャスなリスト的になってしまっているという、珍しい演奏です。


※2015/2/14追記
エマニュエル・アックス盤を追加。出だしからこれ以上ないほど勿体ぶり、これでもかとテンコ盛りに歌う。濃いです。歌は下手ではない。むしろ上手い。しかし、音色の引き出しは少なめ。第1・2楽章のオクターヴ連打や急速部分はごまかしがなく丁寧ですが、無骨な感じ。何よりも、全編で現れる本人のうなり声「ダダダダダッッ」などがとても気になります。グールドには我慢できる私も、ちょっと我慢できないです。


※2015/9/13追記
シモン・トルプチェスキ盤を追加。「年内には2番も100種類に到達する」と宣言したのに、サボりまくりでまだ80数種。慌てて更新していかないと。で、例によって彼の演奏はラフマニノフの3番くらいしか知りませんが、予想通りテクも有って音も綺麗に鳴らしており、文句をあまり付けるところがありません。スケルツォ部分の半音階部分も中々の迫力。しかーし第1・2楽章で所々テンポが落とし気味になってる箇所が若干気になります。緩徐部分も、個人的な好みからすると第3楽章のトリオなどテンポを落とし過ぎ(10:17もかけてる)。


※2015/9/14追記
ミハイル・ルディ盤を追加。彼もラフ3での線が細く優等生ながらしっかりした技巧が印象に残っています。センスがあるというよりは筋が良く上品に歌いますが、第1楽章第1主題での盛り上がるここぞというところでタメを入れたり、ちょっと欲求不満が溜まります。和音が綺麗で葬送行進曲などは聴かせていますし、全体としてなかなか良い演奏ですが、出だしからの印象がよくないため△です。


※2015/9/15追記
頑張って3日連続更新中。アルトゥール・ピサロ盤を追加。ソナタ3番では持ち前のテクニックを出し惜しみして最後の最後で爆発させるという謙虚さでしたが、この2番は曲想ゆえか出だしから高度な技巧が全開で、タッチのキレ、スピード感ともに申し分ありません。スケルツォでも苦しさを感じさせず技巧の余裕を見せる演奏は久しぶり(跳躍でのタメが若干惜しいが・・・)。ラフ3でも感じましたが、緩徐部分でのモタレ気味な歌い方がイマイチ。第2楽章など急速部分との落差が大きく、そして案の定葬送行進曲は歌のセンスがあるわけでもないのに(失礼)テンポを落とし過ぎ。例によって何気なく聴いていた嫁も「遅すぎる!」・・・好みが一緒。というわけで、第2楽章途中までは◎ですが、それ以降は△で、トータル○です。路線とはしてはキーシンに似ているでしょうか。終楽章などかなりの技の冴えを見せており、こういう「キレだけが取り柄」な演奏を聴くと、ルービンシュタインの語り口がいかに凄いかよくわかります(口直しに聴きたくなる)。ストレートに弾いてくれればずっと良かったのですが。


※2015/9/16追記
ヴィルヘルム・バックハウス盤を追加。1950年の録音で、相当衰えてるかと思いきやそれほどでもありません。モタつく所は多々あるものの、意外に聴けます。解釈は素っ気なく、ピサロ盤に続けて聴くと変にこねくり回してない分、サッパリとした葬送行進曲など好感が持てます。スケルツォなどでも普通の演奏なら噛み締めるように勿体ぶる箇所で音質はやはり悪く、コモり気味です。4日連続更新はおそらく自己新記録。ようやく90種に到達しました。

※2015/9/20追記
ウォルフラム・シュミット=レオナルディ盤を追加。彼を取り上げるのはラフマニノフのピアノ協奏曲「5」 番以来かな。テクも歌もまずまずで、標準的な解釈。歌はそれほど巧みではない印象(葬送行進曲は9:25ほどで、個人的な好みではこれでもまだ少し遅い)。スピード感がないわけではありませんが、スケルツォなどの急速部分でもうヒトオシの技巧が欲しいところ。全体的にオーソドックスの代表元に選べそうです。


※2015/10/10追記
Roland Keller盤(LP)を追加。全然知らないピアニストですが、1949年生まれシュトゥットガルト出身で、よく知らないコンクールでの優勝歴があるようです。このショパン集のレコードは1978年録音で、ソナタ2番の他には幻想ポロネーズ、即興曲等が収録されています。

keller.jpg

私の試聴をクリア(笑)した1枚で、第1楽章・2楽章の勢い溢れる演奏を聴いてこれはひょっとして、、、と買い求めたものです。出だしから気合い十分で、とにかく150km前後のストレートを投げ続けているという印象。実はタッチが荒っぽく、技巧はそれほど洗練されていないのですが、「ここを全速力で駆け抜けてくれないかなぁ」という箇所で突っ走ってくれている希有な演奏です。幻想ポロネーズや即興曲も「ここで走るか」という良い意味での意外性に溢れており、非常に面白い。これだからマイナーレコード漁りは止められません(有名な人なのかもしれませんが)。久々に☆を付けようかと思いましたが、ちょっと録音が安っぽいので涙を飲んで二重丸です。


※2016/6/7追記
内田光子盤(東芝EMILP)を追加。

※2016/6/12追記
ピエトロ・デ・マリア盤を追加。3番に続いてこちらも名演です。抜群のテクニックというわけではなく、タッチの巧みさは3番ほど目立たないものの、やはり歌のセンスが凄い。特に葬送行進曲は出色の出来で、この楽章に10分30秒以上もかけており、シリアスな表現の中にも滋味に富んだ味わいがあって、なんだかベテランピアニストの演奏のようです。もう更新が止まってしまって久しいですが、以前。kyushimaさんがデ・マリアについて書かれていたのを思い出しましたが、非常に歌心のあるピアニストのようです。ショパンのエチュードやバラードも少し試聴してみたのですが、どうやらかなり良さそうです(Op.10-1,10-4ではやはり繋ぎ目が見えますが)。


※2016/6/18追記
エレーヌ・グリモー盤を追加。今までなんとなくビジュアル路線なのかなぁと思っていて、さらにはオオカミと暮らしてるとか、評判から敬遠してたピアニストなのですが、ちゃんと聴くといやいやどうしてすごく良い演奏。表現はシリアスかつ切迫感あるタイプの演奏で、全体的に攻めのみの一本調子な感はあるものの惹き込まれます。葬送行進曲も前打音が時折子どもっぽかったりするのですが、マーチ部分の表現力がスゴい。デ・マリアの味わい深い路線とは違い、寂寥感の中を慟哭に打ち震えながら歩いて行く感じ。トリオ部分では音色がやはり単色なのが気になります。また、細部でトリルの入れ方が雑だったり、和音の響きがイマイチだったり(スケルツォのところ)、終楽章のスピード不足など、色々惜しいので○です。

チョ・ソンジン盤を追加。我ながらyoutubeで観た(聴いた)時と全く印象は同じ。コンクールでおそらく本当に満点だったのではないかと思わせる技巧・表現力の高さは間違いないのですが、私がコンクールで聴きたいのは20勝ピッチャーの打たせて取る完封劇なんぞではなく、ポゴレリチのように、ミスはあっても全身全霊で自己の内面をその場にいる全員にブチまけて自らの存在意義を問うような演奏なのです。でも、上手いよなァ・・・コレ。葬送行進曲とかひれ伏したくなる完成度。というわけで、○印は変わらないのですが、一抹の不安は、クラシックサイトNo.1を運営され陰ながら尊敬している加藤幸弘さんがCDとハイレゾを聴き比べてハイレゾ盤を大絶賛していることです。加藤さんも初めは私と同じ印象をお持ちだった様子なのですが、ハイレゾで評価が一変したとのこと。いつか聴いてみなければ。ハイレゾ環境にあるのですがしかし、ハイレゾでは他にも優先して入手したいものはあるわけで。。


※2016/7/9追記
フランソワ=ルネ・デュシャーブル盤を追加。テクニシャンゆえに第1楽章第1主題のスピードを期待していたのですが、なんともマイペース。理性的に歩みます。頻発する和音が多少汚いのが気になります(この楽章のみ)。第2楽章は持ち前のテクがいい感じです。歌もなかなか良い。葬送行進曲も聴かせますが、腰高な音色(録音)で損をしているかも。どことなくペラペラ感があります。トリオも音色が奇麗なもののややかったるい印象。マーチの再現部分では何故かスゴい迫力で戻ってきて、徐々に静謐になっていくのがちょっと違和感。終楽章は彼らしさ全開の流麗な演奏。とにかく出だしの第1楽章が惜しいのと、細部で自分の好みと合わない感じです。


※2016/8/6追記
リチャード・ティリング盤を追加。残響ほとんど無しの超デッドな録音に加え、「フォルテ以上しか出せないのか」と思うほどブッとくバキバキの演奏です。トンカチで鍵盤を叩いてるかのようで、ミスも多々あります。極太の黒マジックで年賀状の郵便番号を書いているような感じ。これが許せる人はかなり許容範囲の広い人でしょう。



※2016/8/17追記
アルチアン・パパジャン盤を追加。セルゲイ・ババヤンみたいな名前と風貌なのは知っていましたが、初めて聴くピアニスト。1980年ショパンコンクールライヴ。ポゴレリチが落選してダン・タイ・ソンが優勝したときの3位だけあって(?)、非常にテクニックのレベルが高いです(現在の技巧派と遜色無い感じ)。出だしでちょっとミスが相次いでいるので先行き不安になるのですが、その後はどうしてどうして持ち直すどころかスケルツォも結構なスピードで攻めているので、単に緊張していたのでしょう。葬送行進曲も聴かせます。B面の前奏曲や舟歌、マズルカなどもややミスはありますが気持ちのこもった良い演奏。バッハのパルティータ第6番とベートーヴェン後期ソナタのポーランド盤LPを見つけたので、聴いてみようかなと思います(ショパンソナタ第2番等のLPがebayに出ていますが、これもポーランド盤のようなので、ショパンコンライヴと同一音源の可能性があり、手を出せません)。ちなみに、wikiなどでは「Papazyan」と表記されていますが、LPでの表記はPapazjanで、ebayやAmazpnでもこちらの方で引っかかるようです。


※2016/8/20追記
カティア・スカナヴィ(Skanavi)盤を追加。読者の方にコメント欄で薦めて頂いたものをようやくget。youtubeですでに良さそうなのはわかっていましたが、期待を大きく上回る名演!まずテクが優秀。ユジャ・ワンやブニアティシヴィリほどではありませんが、技巧派と呼んでも差し支えないレベル。何より、第1楽章から相当なスピードでガンガン攻めまくる姿は女版ラツィックといった感すらあります。スケルツォも同様の勢いに溢れており、しかもテクも十分。和音連打や半音階での上昇部分など凄まじい迫力!みなぎる緊張感もスゴい。緩徐部分はテンポを落とし気味でややあざとく感じる方もいるかもしれないのですが、私的にギリギリ許容範囲。葬送行進曲も8:52で遅すぎない好みのテンポ!最終楽章はまさしくsotto voceなのですが、個人的にはもう少し表情を付けてもよかったかも。トータルではCD盤として久々の☆です。ちなみに、他の曲もテクを見せつつ女性らしく華やかでしなやかな演奏。アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズはファヴル=カーン盤が最高の名演だと思っていたのですが、それに次ぐ地位を占めそうです(テクでは彼女を上回っています)。録音も、Pro Pianoだけあって、残響多めながら明晰で音の密度が濃く、若干モノクロームですが凛としていて素晴らしい(ただし、ソナタ2番はデカい音が出る曲想のせいか反響音で音像が濁りがち)。というわけでこのCD、記念すべき第2番の100種目に相応しく、好演揃いで大変オススメです!



※2016/11/20追記
ヤン・シモン盤を追加。随分前にデータだけ取り込んだこの盤をライヴラリの中から再発見(文京区の図書館から借りたヤツかな?)。ポゴレリチのショパコンライヴを思い起こさせるような、キレと凄みが少しあります。録音が軽いのがちょっと惜しい。聴き込み次第で評価は上がりそうな盤です。


※2017/1/31追記
ロール・ファヴル-カーン盤を追加。

※2017/7/13追記
ユリアン・フォン・カーロイ盤を追加。

※2017/12/30追記
セシル・ウーセ盤(LP)を追加。

※2018/1/7追記
ポリーニ盤(LIVE CLASSICS 100番)を追加

※2018/6/24追記
小林愛美盤(ショパンコンクール2015ライヴ)を追加

※2019/12/9追記
アヴデーエワ盤(ショパンコンクール2010ライヴ)を追加。

長くなりましたが、随時更新していきたいと思います(時とともに評価を変えるかもしれません)。
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Yulianna Avdeevaの2010年ショパンコンクールライヴ

ものすごーーく今更なのだが、2010年のユリアンナ・アヴデーエワのショパコンライヴ。

勿論、当時演奏はyoutubeだったか何かで観て聴いたのだが、「なんだか酔っちゃいそうな演奏だな」と思ったのでずっと保留していた。さすがに10年近く経ってマズいかなと思い、聴いてみた(同回出場のトリフォノフのラフ3で思い出したのもある)。

第1楽章はなかなか良い。彼女のリストのダンテソナタでも感じたが、音楽性の面で聴かせるものがある。また和音の響きも女流ピアニストにしては(小林さんほどでないが)イイ感じ。第2楽章がよくない。指回りに不満がある上、ところどころでタメが入る。期待していた第3楽章だが、神が降りてきそうな雰囲気は最初は出てるものの、そのまま終わる。それでも最上級ではないにしろ良い部類の演奏。終楽章はなにかモチャッとしている。映像の印象ほど揺れ揺れではなかったけれど、全体としては〇かな。録音がボヤッとして明晰さに欠ける感じがあって、ちょっと残念。

派手なドレスが多い女性コンテスタントの中、当時彼女は黒のパンツスーツか何かで演奏し(美人なのに)、「シブいなぁ」と思った記憶がある。この時のショパコンはゲニューシャス、トリフォノフ、ボジャノフと、個人的には正直イマイチな入賞者たちだったので、このソナタ2番の演奏が優勝に相応しいかどうかは置いておいて(例によって他の曲はまだ聴いていない)、その後の幾つかのアルバムを聴く限り音楽性の面でその資格はあったのかなと思う。
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音楽の仕入れ方

2019/12/8 末尾に追記




今日は切り口を変えて、私の音楽の仕入れ方について。


庶民日本代表を自負するところの私のみならず、なるべくお金をかけずに様々色々良質大量な音楽を聴きたいのはみな同じだと思う。だから、ネット上の玉石混淆の情報を信じてチャレンジするわけだ。私は毎月給与明細とともに給料の全額を嫁に手渡している。支給される私の月の純小遣いは○万△千円である(悲劇的な数値なので自粛)。今日はそんな私の安くより良く大量に音楽を楽しむ方法を惜しげも無く(??)ご紹介したい(などと偉そうに書くが、きっとこのくらいのことはネットの海のどこかにすでに書かれているだろうけれど)。


①プロパーで買わずできるだけ中古で購入する

新品をタワレコ・HMVその他で買うと高い。メチャ高い。だから私の音盤購入の7割はディスクユニオンである。大体平均購入価格はクラシックが1000円〜1500円、レコードはモノにもよるが1200円程度、ロックのCDだと300円〜1500円位である(ジャズのレコードは音質や盤質にもコダワるせいか、やや高くなりがちかな・・・)。Amazonやヤフオク等では高値の廃盤でも、ユニオンなら3000円ほどの良心的(?)価格で買える(勿論逆もある)。ただし、ユニオンのない地方の方は難しい。欲しいもの、探している盤が分かっている場合は、以前書いたように在庫検索でメールを送れば通販してもらえる。この場合は送料分高くなってしまうが、一度に複数購入すればそれほどの割高感はない(都内でも自宅近くにないユニオンに行くには往復で交通費が結局400円くらいかかる)。ヤフオクなどで探している盤が出たときも、ユニオンで在庫検索をして問い合わせ、比較するようにしている(最近は検索のページからそのまま問い合わせできるようになった。気軽に問い合わせられて店員さんは大変だろうと思う)。


ただし、ユニオンに最新の盤が安く落ちてくるまでは数年単位の時間がかかる。すぐに買わなくてもいいかなと思う盤はユニオン待ちすることにしているが、気になるアーティストの盤はやはり新品プロパーで購入する。タワレコよりもHMVの方がまとめ買い購入すると安いようだ。尤も、高い新品で買いたいと思う盤が複数同時に溜まることはあまりないのだが・・・。


②オークションとAmazon・海外通販は猜疑心を持ちつつ使う

私が主に利用するのはAmazon、ヤフオク、ebay、Discogs、CD&LPである。その他に稀に海外の老舗レコード通販も利用するが、主にはこの5つで、挙げた順によく利用する。Amazonは個人業者の売り上げの2割近くを手数料で持って行くので中古は意外に割高である。ただし、たまに1円とか数百円とか意味不明な価格で買える盤があるので、これを利用しない手は無い(おそらく固定料金の送料で利益を上げているのではないか)。海外Amazonはアメリカ、UK、ドイツ、フランスなどを利用。送料がやはり高いので、欲しいもの狙いの時に限る。はっきり言って、モノが$10以下くらいでないと送料込みで3000円を超えてしまうためなかなか手が出ない。よほどの欲しいものが、タイミング良く見付かった時にだけ利用している。


ヤフオクは価値を知らない業者がレコードを出品する時などに美味しく購入できる。先日の岡田盤のレコードなどがそうである。ただし、ジャズやロックなど、リスナーが多く競争率の高いジャンルは値が高くなりがちなので利用しない方がよい。そう言う意味で若いレコードリスナーが少ないと思われるクラシックはジャンルとして非常に狙い目である(ただし、ヤフオクでは有名な廃盤CDは概して高いのでユニオンで気長に探した方が良い)。また、ヤフオクはTポイントカードと紐付けが可能なので、ポイントで結構安く買えることもある。


ebayは長年の探しものに利用する。主にレコードが多い。何度か書いてるように海外のレコ屋の盤質は日本に比べて極めて甘く、EX程度では手を出さない方が無難。最低でもNM、できればM-程度の盤質から購入を検討した方がよいと思う。これもクラシック(Melodiya盤など)は恐ろしく安く出ることがある。未CD化の盤かどうか調べ、開拓者精神で買ってみるということを個人的な楽しみとして続けている。10年以上前はほとんどebayで買っていて、毎週毎週海外から届くレコードの入った四角く薄い段ボールに、郵便配達の方は怪訝な顔をされていた。


今、急速に勢力を伸ばしていると思われるのがDiscogsである。オークションの、落札までの入札の応酬による値段釣り上げがかったるい利用者が(ヤフオク利用者がメルカリに流れつつあるように)ebayなどから移ってきたのではないかと考えている(販売する方も早く在庫が捌けるというメリットがあるのだろう。ただし、メルカリユーザーはレコードに詳しく無さそうな印象があるので、私はまだメルカリでLPを買ったことはない。ネット情報によると、メルカリではツェッペリンだったかフロイドだったかの帯付き邦盤美品が、価値を知らない出品者によって格安で売られていたこともあるそうだが・・・)。Discogsはロックリスナーにはすでに国際最大手(?)通販としての地位を確立しつつあるが、はっきり言ってクラシックはまだまだお話にならない(例えばBarbosaで検索してもらえればわかるがまだまだ情報が薄すぎる)。ロックなどリスナーの多いジャンルは非常に強いのだが・・・。しかし、これの良いところは、アーティスト情報の蓄積が単調増加であることだ(レア盤情報が登録されれば、その盤が売り出されるのをひたすら待てばいい)。世界中に広まりつつあるためどんどん出品されるのも強みだ。私は欲しいものをリストに登録しているので、ひっきりなしに出品を知らせるメールが来る。今後はDiscogsが主流となることだろう(しかし、ロックやジャズはすでに高値安定で、私からすれば面白みがない)。


CD&LPは立ち上げ時には伸びるかと思ったのだが、そうでもなかった。とにかく、サイトが重いし、検索も使いづらい。レコードの情報なども業者によってマチマチでその上、曖昧である。たまにebayやDiscogsでも見ないレア盤がドンと出品されていることがあるが、高い!お金持ち向けかもしれない。フランスやイタリアなどの、英米以外の国のレコードは意外に良いものが売りに出ている(MAGMAのオリジナル盤もここで買った)。


ともかく、海外通販系は価格を比較し、盤質等も疑いの目を持って利用することが(庶民には)大事だと思う。最後は「当たればラッキー」くらいの気持ちで利用するようにしている。


③NMLを利用する

先日、ナクソス・ミュージック・ライブラリについにMelodiyaが参加した。私はジュスマルダホスさんのつぶやきで知ったが、それこそ眠れないくらい興奮したものだ。月額1,850円(+税)で極めて大量のクラシックを聴けるのは素晴らしい。これからはこのようなストリーミングが主流になっていくのかもしれない。我が家はPTNAの指導者登録経由でNMLを利用しているので年額1500円で利用している(勿論、それ以上の額をPTNAに払っているわけだが・・・それでも幾分お得なのかな??)。


NMLはPCのせいかネットワークのせいか、音が途切れたりする場合がある(特に開始初期は繋がらなかったりして酷かった覚えがある。最近はそんなことは一切ないが、PCで他の作業をしながら聴いていると音が飛ぶことがある)。また、昔はNMLの音源を聴くプレーヤーでmp3化がそのままできたのだが、すぐに出来ないものに取って代わってしまった。そのため、音源を外で聴くにはいちいち外部媒体(PCやICレコーダー)で録音しなければならない。この手間は相当なもので、おまけに(デジタルでなければ)音質も劣化する。

PCでのストリーミング再生はスタジオK'sの山本さんなども書いていたような気がするが、再生に使用するソフトでも、さらに言えばWinかMacでも音が違う(私は一時期Macのデジタルパフォーマーを使って音源を再生していたが、面倒過ぎて止めた)。良い音で再生するにはそれなりの投資が必要だと思うし、音楽ソフトを購入するだけで精一杯の私はオーディオ機器の拡充にまで手が回らない。PCでのリスニングについては次項でも考えたい。



④ハイレゾ音源を購入する

ハイレゾが本当に音が良いかは、平凡な耳の持ち主である私には自信がない。「音源聴き比べ」でも書いているが、「なんとなく」「先入観」が入っている気がしないでもない。ただし、フィジカルメディアであるところのクラシックSACDは廃盤になると非常に高価なため(ESOTERICなど)、ネットのハイレゾの方が安く買えるのは間違いない。スティーリーダンなども、SACDやDVDオーディオはユニオンで4000円近くになるがハイレゾだと定価なまま安く聴ける。オーディオユニオン店員さんとも話したことがあるのだが、昔の音源のハイレゾ化は当たり外れが多すぎる。マスタリングエンジニアの腕に依るところが大きいとのことである。




しかし、ネット購入は味気ないな。。。



情けない告白だが、モノを所有したいという思いは音質の良し悪し以上に大きくなることがままある。その折り合いの付け方の、私なりの結論はこの頁の最後でご紹介する。



⑤図書館でCDを借りる

東京都在住の方限定のお話。とにかく文京区立図書館が最強である。オススメは、小石川・本駒込・目白台の3館。ジャズ好きなら、この3つを回れば一通り名盤は揃えることができる。学生の頃はバイクで図書館を幾つもハシゴし、文京区(ではないが)周辺に住んでいた頃はチャリンコで通って借りまくった。ノートPCを持って図書館に行き、1度に何枚も借りては近くのマックで取り込み、すぐ返却するという涙ぐましい貧乏人テクニークを一日中何度も繰り返した。最盛期は図書館だけでひと月に100枚以上のアルバムを借りて聴いていたと思う(金は無いが時間だけはあった)。私のジャズ仲間達はみな文京区立図書館でCDを借りてからセッションに集合していたことを思い出す。音源の共有も仲間内でしまくっていたのでジャズのスタンダードなCDはほとんどお金がかからず揃った。


クラシックも新譜が頻繁に購入されるので、(大変待たされることもあって近所に住んでいない最近は利用していないが)オススメである。以前書いたが、ツィマーマンのブラームスのピアノソナタはユニオンでも2万円overだが目白台図書館にはフツーにポンと置いてある。ペトロフの最難関、フリエールメモリアルのシチェドリン4番は文京(・中野・港)区立図書館で借りることができる(こんなこと書くとヤバいヤツと思われそうだなぁ……)。大事なことを書き忘れたが、文京区民でなくても借りることができる。ただし、この4月から文京区民優先制度が始まるので少しだけ不便になる。


PCに取り込む時は容量がかさむが出来るだけwav形式で行っていた。イヤホンその他で聴く時はそこまで気にならないが、CDに焼いたりPCからリビングのスピーカーで再生するときなどはさすがにmp3やAACでは音が悪い気がする(嫁も怒る)。最近は2テラのHDDも非常に格安になってきたので、幾つか買って大量の音源を保存している(私がたまに使う「ライブラリ」という言葉は、CD棚・レコード棚だけでなく、このようなHDD棚も指している笑)。


リスナーの数からして当然だが、ジャズやクラシックに比べてロックは競争率が高く、特に新作は図書館予約でかなり待たされる。数十人待ちで数ヶ月かかるのがフツーだ(だから待ちきれず買ってしまう)。それでもロックの基本的な名盤は文京区立図書館でほとんど手に入る。ロックとポップスの品揃え(??)は小石川図書館が素晴らしい(ジャズは目白台、クラシックは本駒込かな)。院生の頃、付き合っていた女性が御茶大の研究者だったため、会う前にバイクを茗荷谷周辺に停め、せっせと小石川図書館でCDを借りて聴いていたのを思い出す(なんて切ない思い出だ)。ちなみに小石川図書館ではレコードも借りることができる(さすがに借りたことないけど)。こんなこと書くと図書館のクラシックCDの競争率が高まってすでにご利用の方に怒られそうだが、所詮私程度のブログだからご容赦願いたい。

※追記※
図書館でCDを借りる際は東京の図書館横断検索カーリルローカルを利用されるとよい。


ただし、図書館で借りると手元にメディアとして残らないのでやはり所有欲が満たされることはない。私にとって図書館でCDを借りるのは、あくまで「一通り聴くための勉強」「(言葉が悪いが)試聴・味見用」として利用しているようなところがある。例えばyoutubeはそのような利用の仕方ができるだろうが、なにか自分で汗をかいていない気がして(ジャズプレーヤーの演奏を勉強する以外)私はそれほど見ない(ハマると一晩見続けてしまうし)。




では、所有欲・音質・予算の三拍子が揃った音楽の仕入れ方は何か?





勿論、結論は出ていない(結局は出来るだけ金を稼ぐしかない??)し、誰もが納得する方法などあり得ない。が、私なりに導いた一つの音楽購入の在り方がある。




それはレコードで聴くということである。




金の無い学生の頃、先輩が「CDが高くて買えないならレコードで聴くと良いよ」とアドバイスしてくれた。20年近く前のまだCD全盛の勢いが残っていた頃、ロックやプログレ、フォーク、ファンクの定番は100〜300円というゴミのような値段でユニオンに売られていた(ジャズはやや高かった気がする)。その価格は(レコードブームのせいでオリジナル盤は凄まじく高騰してしまったが)今でもほぼ変わらず、安く買うことができる。近年のレコードブームにあやかってか、最近の新譜LPはご丁寧にダウンロードコード付きで売られてたりもする(売る方も考えている)。


最近のアナログブームはアナログ原理主義な私からすればごく当然のことと思ってしまうが、そんな若輩者の私をアナログ全盛の大先輩方は鼻で笑われることだろう。


やはりアナログは雰囲気が違う。現代の技術の粋を極めてリマスタリングしても、そこに当時のミュージシャン・プロデューサー達が当時の空気感の中で吹き込んだ音質は詰まっていない。特にジャズはレコードで聴いて初めてその良さが分かった。プログレも「CD化の際のリマスタリングが失敗」と話題になることの多いジャンルだ(プログレのガイド本などで私の好きなライター/ディレクターの深民淳氏が「現行CDはゴミ」などとザッパリ切り捨てているのが面白い)。今ハマりつつあるのはHR/HMのアナログだ。加齢と共にメタルが耳にキツくなってきたが、レコードだと実に耳に柔らかくなじむ。ゲイリー・ムーアのアナログなどは、あのギターの歪んだ音色がレコードにピッタリなのである(『Still got the blues』などはUKオリ盤がメチャ高いが買ってしまった)。


オリジナル盤を購入することは私にとって物欲の究極の消化(昇華??)の方法であるが、再発レコードなら安くリーズナブルに、アナログの音を十分に楽しめる。クラシックで言えば、弦モノはCDでは味わえない重厚で鈍く光るような太い音色が味わえる(内周に近付くにつれて歪みが出るのが残念だが・・・)。さらにジャケも大きく、デザインを楽しめる(私は「花より団子」だけど)。同じアルバムでもレコードによって盤質(キズや歪み、ノイズ)が全然違うから1枚1枚に愛着がある。つまり、極めて大げさに言えば、中古で購入したレコードはその時点で世界に1点モノなのだ。モノを所有する喜びも満たされる。


ジャズに関して個人的なことを言えば、2000〜3000円でハイレゾを買うより、数百円で国内盤LPを買ったほうが断然良いと思う。レコードをかけ替えるのが手間という人には向いていないけれども、音の雰囲気というか力強さが全然違う。以前ロリンズのサキコロのところで書いたように、レコードの音はデフォルメされているのにリアルなハイレゾを上回るのだ。人間の耳なんていい加減なんだろうと思う。



そんなレコードの欠点は、持ち歩けない&場所を取る、ということである。録音してデジタル化するのは手間だし、それならCDを・・・と思って結局二重買いしてしまい、さらなる散在に陥ってしまう。よく嫁に言われることだが、本当に頭が悪すぎる。おまけに狭い我が家ではレコードの置き場がもうない。売ろうにもユニオンで捨てるような値段しか付かない。ヤフオクでは売るのは手間だし盤質にクレームが来ると厄介だ。必然的に数少ないレコード仲間にプレゼントすることになる。ちなみに、尊敬するいしうら氏のお宅は私の比ではなく、膨大な書物とも相まってレコ部屋に居るとき地震が起きたら命を落とすのではないかと恐怖するレベルだ。音盤道はかくも厳しい。。



さて、この年末年始にユニオンで買ったクラシック以外の中古盤CD(ロック・POPS・ジャズ等)の一部が下である。


rockcd


ほとんどが500円前後、中には5枚で680円などというものもある。実に格安でロック・ポップスの近年の定番を購入できた(文京区立図書館で借りてこの音源を揃えるには5年はかかるだろう笑)。この冬はインディーロックを主に聴いた。これにレコード、図書館、NMLが加わる。一体、自分でもどこに向かっているのかと思う量だ。。




※2019/12/8追記※

上の記事を書いて2年経つが、ライフスタイル(というか家庭内環境)の変化によって随分と音楽との向き合い方が変化した。端的にまとめると、

A:サブスクリプションの全面的な利用
B:リビングのスピーカーではなくヘッドホンorイヤホンで鑑賞
C:メインのリスニング環境はクルマでの通勤中
D:レコードを聴く機会が激減

A:NMLとSpotifyを利用するようになってから、ディスクユニオンなどへ出かけて中古CD・LPを買う機会が大幅に減った。これにより、音楽のリスニングにかける費用が劇的に削減された(苦笑)サブスクは大量の音楽を手軽に安く「仕入れる」のによい。特に、加齢のせいか自分からは手を出しにくい若い人の流行りのロックやPOPSを仕入れるのには最高である。それにしてもサブスクは生活を変えた。DAZNでサッカーを観て、楽天マガジンで雑誌を読むようになった。本屋が潰れるのは心から申し訳ないが、凄い時代になったものだ。

B:これは子どもが小学校に入ってゲームをTVでするようになり、リビングの主導権を明け渡したことによる。
C:転職してクルマ通勤可な職場になったため、今はここがメインの音楽鑑賞時間である(BOSEのスピーカーが付いている中古車を買っておいてよかった)。
D:残念ながら、最近はターンテーブルの出番も減った。ユニオンに行っても心がときめくことが少なくなった。いしうらさんに刺激をもらう事が必要かもしれない(台風の日、仕事をサボって楽器屋に行ったら偶然お会いして爆笑してしまったが)。

サブスクの台頭によって、音楽という文化はさらに裾野が広がり、手軽に聴けるようになった。アーティストは「一攫千金」みたいな夢を見られなくなったかもしれないが、よりクリエイティブな音楽活動をフツーの人々がSNS等を通して手軽に周知できるようになったのは喜ばしいと考える。「音楽」という文化が途絶えることはないだろう。しかし、それが真の芸術かどうかはまた別の話である。

特にクラシックピアノが、時代の進化を考えると一番茨の道を歩むことになるかもしれない。何度か書いているが、AIの進歩がピアニストたちを脅かしている。ナナサコフの登場から早20年、AIによる美空ひばりの「新曲」が発表される現代においては、彼らが一番コンピューターに取って代わられる存在かもしれない。ジャズのように「ライヴ」に活路を見い出し、より聴衆にとってクラシックのコンサートが身近な存在になって欲しいと思う。クラシックという文化が廃れぬよう、私もこのブログを通じて応援していきたい。
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ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番op.30聴き比べ~評価一覧編改訂版(2019/12/8)~

トリフォノフ盤を追加(12/8)
フレイレ盤、ヘイキョン盤を追加(2/3)
スドビン盤、ギルトブルク新盤を追加(1/28)
ラ・サール盤、ヴィニツカヤ盤を追加(1/26)
コルスティック盤、アイモンチェ盤を追加(2019/1/12)
アムラン盤を追加(3/22)
ブニアティシヴィリ盤を追加(3/20)
ソコロフ盤(DG)を追加(3/18)
エレシュコ盤(Ponkin,LP)を追加(2/6) 
ヴォンドラチェク盤を追加(1/22)
評価一覧が随分古くなったので改訂しました(2017/1/10)




私が持っている音源の数では最も多いラフマニノフのピアノ協奏曲第3番について、所有している録音を挙げて簡単にレビューしてみます。

とりあえず4つ星を最高として自分のお気に入りを書きましたが、ピアニストのランク付けや優劣では勿論ありません。テンポが速いか遅いかなどの客観的な感想部分を読んで、お好みの録音探しの参考にして頂ければ幸いです。評価・ピアニスト/指揮者/オケ(録音年・第一楽章のカデンツァの種類)の順です。メモが面倒臭くて書いてないものもあります。オケの名称表記は適当です。


時と場合によって評価を突然変えることがありますので予めご了承ください(聴き直す度に変えるかも)。また、評価が下に行くほど&レビューが短いほどあまり聴き込んでいない盤ですので、それほどあてにされませんようお願いします。

レビュー未記入盤:ラフマニノフ、アニエヴァス、コスタ、キム・ヒョスン、シグフリッドソン、ケルダー、ラシュコフスキー、舘野泉、ホロヴィッツ(&メータ)、クリダ、ジェッター、マッサ、オルティス


予め私の好みの演奏や聴く上でのポイントを書いておくと、

第1楽章:演奏時間が16分台前半以下(ossia)で速めのテンポであること
①展開部前の難所である両手交差部分のクリアさ
②展開部の和音連打のスピードと迫力
③カデンツァは断然ossiaが好みで後半の和音部分での劇的さ
④再現部前の抒情性(ここは意外にセンスが出る)

第2楽章:音色が豊かで抒情的であること
⑤ピアノが入ってきてすぐの緩徐部分の歌い方
⑥中盤以降の細かい急速音型のクリアさ
⑦アタッカで最終楽章に突入するときのオケとの一体感と迫力

第3楽章:演奏時間が13分台前半以下で速めのテンポであること
⑧冒頭の同音連打のスピードと粒の揃い
⑨後半部分の急速部分のクリアさ(重音上がりのossiaでなくても可)
⑩エンディングの下降音型がノーマルな2拍3連であること

さらに全体を通しては、

⑪カットが無いこと
⑫多少のミスや会場ノイズがあってもライヴの熱気や観客の高揚感を重視

となります。特に重視しているのが②③⑤⑦⑧⑫です。

以下の評価では、4つ星の盤のみ気に入っている順に並べています(3つ星以下の評価は順不同です)。

現在156種(2019/12/8)

☆☆☆☆☆ヴォンドラチェク/Marin Alsop/National Orchestra of Belgium/2016年/ossia/Live
☆☆☆☆ サモシュコ/Soustrot/Orchestre National de Belgique/99年/ossia/Live
☆☆☆☆ ブロンフマン/ラトル/BPO/09年/Live/Blu-ray ※DVDは買ってはいけない
☆☆☆☆ ヴォロドス/レヴァイン/ベルリン・フィル/99年/ossia/Live/※ SACD
☆☆☆☆ ハフ/リットン/ダラス響/04年/original/Live
☆☆☆☆ 横山幸雄/小泉和裕/東京都交響楽団/12年/Live/Hybrid SACD
☆☆☆☆ ガヴリーロフ/ラザレフ/モスクワ・フィル/76年/ossia/LP
☆☆☆☆ ロドリゲス/P.A.MacRae/Lake Forest Symphony/94年/Live
☆☆☆☆ コルスティック/ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団/D. リス/2017年/ossia
☆☆☆☆ プラッツ/バティス/メキシコシティ・フィルハーモニック/89年/ossia
☆☆☆☆ カツァリス/ R.Defssez/Orchestre National de Belgiue /72年/ossia/Live/CD ※LPは☆☆☆
☆☆☆☆ アンスネス(旧)//オスロ・フィル/95年/ossia/Live
☆☆☆☆ アルゲリッチ/シャイー/コンセルトヘボウ/82年/Live
☆☆☆☆ ブニアティシヴィリ/P.ヤルヴィ/チェコ・フィル/16年/ossia
☆☆☆☆ アンスネス(再)/パッパーノ/BPO
☆☆☆  トリフォノフ/ネゼ=セガン/フィラデルフィア管弦楽団/2018年/Live/ossia
☆☆☆  エレシュコ/ポンキン/レニングラードフィル/83年/ossia/LP ※ネット上にデジタル音源有の模様
☆☆☆  ドノホー/フェドセーエフ/Moscow Radio Symphony Orchestra/82年/ossia/Live/LP&CD
☆☆☆  ボレット/フィッシャー/ロンドンフィル/82年/original
☆☆☆  アムラン/ユロフスキ/ロンドンフィル/16年/original
☆☆☆  オールソン/
☆☆☆  ラシュコフスキー/2007年エリザベート王妃国際ピアノコンクールLive/ossia
☆☆☆  シェリー/original
☆☆☆  ペナリオ/サスキンド/フィルハーモニア管弦楽団/61年
☆☆☆  ワイルド/ホーレンシュタイン/original
☆☆☆  モーク/ミルトン/ラインラント=プファルツ州立フィル/original/11年
☆☆☆  アルフィディ/R.Defssez/Orchestre National de Belgiue/72年/ossia/Live/LP
☆☆☆  清水和音/アシュケナージ/2007年/ossia
☆☆☆  及川浩治/広上純一/新日本フィル/05年/ossia
☆☆☆  レーゼル/ザンデルリンク/78年/ossia
☆☆☆  カツァリス/Neumann//78年/ossia
☆☆☆  ジャニス/ドラティ/ロンドン・フィル/61年
☆☆☆  スコウマル/スワロフスキー/プラハ室内交響楽団/2002年/original
☆☆☆  ブロンフマン/サロネン/ossia
☆☆☆  グレムザー/ヴィット/ossia/
☆☆☆  ソコロフ/ossia/Live ※海賊盤的音質
☆☆☆  サモシュコ(再)/ossia/Live/DVD
☆☆☆  フレイレ/ジンマン/ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団/1979年/original /ライヴ
☆☆☆  トルプチェスキ/
☆☆☆  ガヴリーロフ/ムーティ/フィラデルフィア・フィル・86年/ossia
☆☆☆  アシュケナージ/フィストゥラーリ//63年/
☆☆☆  ルガンスキー/オラモ/03年/orginal
☆☆☆  ギレリス/コンドラシン/USSR state orchestra/49年/Live
☆☆☆  スグロス/シモノフ/ベルリン・フィル/84年/ossia
☆☆☆  クライバーン/コンドラシン/モスクワ・フィル/58年/ossia/Live
☆☆☆  ベルマン/アバド/ロンドン・フィル・76年/ossia
☆☆☆  スルヤディ/Miguel Gomez Martinez/ロンドンフィル/
☆☆☆  フェルツマン/メータ/イスラエル・フィル/88年
☆☆☆  リシッツァ/
☆☆☆  Y.ワン/ドゥダメル/シモン・ボリバル響/original/
☆☆☆  小山美稚恵/フェドセーエフ/
☆☆☆  ヴィニツカヤ / アウトウォーター/ カラマズー交響楽団/original /2017年/Live
☆☆☆  及川浩治/広上淳一/新日本フィル/2008年/Live
☆☆☆  コミナティ/96年シドニー国際ピアノコンクール/Live
☆☆☆  L .ラン/テミルカーノフ/サンクトペテルブルグ・フィル/01年/ossia/Live
☆☆☆  ホロヴィッツ/ライナー/ /Live
☆☆☆  フェルツマン/プレトニョフ/ロシア・ナショナル管/original/92年
☆☆☆  マツーエフ/サッカーニ/ブダペストフィル/ossia/Live
☆☆☆  マツーエフ/ゲルギエフ/マリインスキー劇場管/ossia/09年
☆☆☆  ニコルスキー/ossia/Live
☆☆☆  ライヴリー/
☆☆☆  ラ・サール/ルイージ/フィルハーモニア・チューリッヒ/original
☆☆☆  J.ナカマツ/シーマン/ロチェスター・フィル/ 00年
☆☆☆  ピサロ/ossia
☆☆☆  クレショフ/ヤブロンスキ/The Russian State Orchestra/original/01年
☆☆☆  ルディ/ヤンソンス/サンクトペテルブルクフィル/original/92年
☆☆☆  アシュケナージ/プレヴィン/LSO・70&71年/ossia
☆☆☆  ベレゾフスキー(旧)/ossia
☆☆☆  若林顕//Orchestre National de Belgiue/Live
☆☆☆  クライバーン/コンドラシン/Symphony of the Air/58年/ossia/Live
☆☆☆  ボレット/Charele Webb/インディアナ州立大学オーケストラ/69年/Live
☆☆☆  グレムザー(旧)/Maksymiuk/92年/ossia
☆☆☆  ヴァーシャーリ/77年/ossia
☆☆☆  マッサ/ossia
☆☆☆  アイモンチェ/チネケ管弦楽団/R. コックス/2017年/original
☆☆☆  ラプラント/
☆☆☆  オルティス/mixed version cadenza
☆☆☆  グティエレス/マゼール/ピッツバーグ交響楽団/91年
☆☆☆  キーシン/小澤/ボストン交響楽団//ossia/Live
☆☆☆  K.パイク/
☆☆☆  クライバーン/コンドラシン/モスクワ・フィル/58年/ossia/LP&DVD
☆☆☆  モギレフスキー/コンドラシン/Symphony of the air・64年/ossia
☆☆☆  ホロヴィッツ/バルビローリ/ニューヨークフィル・41年//Live
☆☆☆  シチェルバコフ/SACD
☆☆☆  ワイセンベルク/プレートル/シカゴ交響楽団/68年
☆☆☆  ティボーデ/アシュケナージ/クリーヴランド・オーケストラ/94年/ossia
☆☆☆  ゲルナー/シナイスキ/BBCフィル/02年/Live
☆☆☆  ベレゾフスキー/リス/Orchestre Philharmonique de l’Oural/ossia
☆☆☆  モギレフスキー/Sternefeld/Symphony Orchestra of the RTB/64年/ossia/Live
☆☆☆  ラシュコフスキー/ヴァルガ/ベルギー国立管弦楽団/07年/ossia/Live
☆☆☆  エレスコ/プロヴァトフ/USSR響/84年/ossia
☆☆☆  ベルマン/バーンスタイン/NY・フィル/ossia/Live
☆☆☆  シェパード/プリチャード/ロンドン・フィル/76年/ossia/LP
☆☆☆  スドビン/S.オラモ/BBC交響楽団/ossia/2017年
☆☆☆  ジャルドン/
☆☆☆  マルシェフ/
☆☆☆  ジョン・チェン/
☆☆☆  小川典子/
☆☆   ソコロフ/Yan Pascal Tortelier/BBCフィル/95年/ossia/Live ※音がおかしい
☆☆   ギルトブルグ/C.M. プリエト/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/ossia/2016年
☆☆   ギルトブルク/M.Alsop/National Orchestra of Belgium/ossia/2012年/Live
☆☆   イェゴン/
☆☆   ビレット/
☆☆   クリダ/78年/original
☆☆   ロドリゲス/
☆☆   オールソン/Caracciolo/RAI di Milano/64年/original/Live
☆☆   シグフリッドソン/
☆☆   ギレリス/アーノンクール/Live
☆☆   コスタ/
☆☆   舘野泉/
☆☆   ヘイキョン/ドミトリーエフ/サンクトペテルブルク交響楽団 /2017年/original
☆☆   Ukhanov/チヴジェリ/シドニー交響楽団/original/Live
☆☆   シェン/ヴァルガ/Orchestre National de Belgiue/03年/ossia/Live
☆☆   アシュケナージ(4)/ハイティンク/ossia
☆☆   ピサレフ/フリードマン/98年
☆☆   ワイセンベルク/バーンスタイン/79年/
☆☆   園田高弘/original/67年
☆☆   グティエレス/ロジェストヴェンスキ/Moscow Radio Symphony Orchestra/70年/Live/LP
☆☆   ジャニス/ミュンシュ/ボストン交響楽団/57年
☆☆   ヴィノグレード/パーマー/98年/original/Live
☆☆   コラール/プラッソン/77年/
☆☆   バルト/エッシェンバッハ/ロンドン・フィル/ossia
☆☆   ラローチャ/プレヴィン/ロンドン交響楽団/
☆☆   リル/尾高忠明/ ossia
☆☆   アニエヴァス/
☆☆   ケルダー/
☆☆   キム・ヒョスン/
☆☆   サイモン/
☆☆   ジェッター/ossia
☆☆   ワッツ/小澤/ニューヨーク・フィル/69年/mixed version cadenza
☆☆   ラフマニノフ/
☆☆   ルガンスキー(旧)//95年/
☆☆   ジルベルシュテイン/アバド/
☆☆   アシュケナージ/オーマンディ/75年
☆☆   中村紘子/スヴェトラーノフ/
☆☆   コチシュ/デ・ワールト/
☆☆   プレトニョフ/ロストロポーヴィチ/ossia
☆☆   Ts’vereli/Kakhidze/Tbilisi Symphony Orchestra//ossia
☆☆   ポコルナ/ピンカス/ブルノ国立フィル/76年/ LP ※CD化された
☆☆   チェルカスキー(新)/テミルカーノフ/94年/
☆☆   ペトゥコフ/シモノフ/モスクワ・フィル/ossia
☆☆   カペル/マクミラン/トロント・シンフォニー48年/
☆☆   バッカウアー/不明/original/LP ※CD化された模様?
☆     メルジャーノフ/
☆     ホロヴィッツ/メータ/DVD
☆     ホロヴィッツ/オーマンディ/Live
☆     Orlovetsky/Titov/
☆     マルクジンスキ/クレツキ/フィルハーモニア49年/
☆     チェルカスキー(旧)/
☆     K.Leimer/Zsolt Deaky/Nurnberger Symphoniker/?/LP
☆     リンパニー/コリンズ/ニュー・シンフォニー/52年/
☆     ホロヴィッツ/コウセヴィツキー/41年/Live
☆     ポストニコワ/ロジェストベンスキ/91年/ossia/Live
☆     ホロヴィッツ/コーツ/30年/ Live
☆     ヘルフゴッド/Horvat/コペンハーゲン・フィル/95年/ossia/Live
☆     ギーゼキング/メンゲルベルク/コンセルトヘボウ/40年/ossia/Live



ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ | コメント:2 | トラックバック:0 |

Daniil Trifonov のラフマニノフ3番

Daniil Trifonov(ダニール・トリフォノフ)のラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番が発売されたので、ハイレゾで聴いてみた。



第1楽章出だしはやや遅め。急速部分はまずまずの速さで全体的にしっとり歌う感じだが、例えば展開部の直前など随所でタメが入るのが痛い。また、(リストの超絶でも感じたが)彼の演奏は少し和音が軽めである。さらにカデンツァはどう考えても勿体ぶりすぎで、特に後半の和音部分はノロ過ぎる。第2楽章は良い。彼の歌の良さが発揮されており、指回りにも不満はない。ただ、オーソドックスな語り口ではなく、濃ゆい味付けなので好みは分かれそう。第3楽章はかなりいい。出だしの細かい同音連打もクリアでスピードも標準以上。かなりの高揚感を覚えつつ演奏は終わるが、拍手なし(ライヴとの記載があり、第1楽章冒頭で咳払いも聞こえる)。演奏時間は17:25/11:18/14:24で、個人的な好みからするとやや遅い。

評価としては星4つには届かず、☆☆☆というところか。フィラデルフィアのオケの弦が素晴らしく、メチャクチャ目立っているのが印象的。音質に関しては、ハイレゾではありがちだが少し空気感を含みすぎてピアノの音像がややボケ気味、ただこれはヘッドホンで聴いたせいかもしれない(スピーカーではまだ聴いていない。なお機材はMacbook Air → Babyface Pro → Sony MDR-M1ST)。

別件だが、ガブリリュク&RCOのラフ3をRCOのHPで聴いた。映像付きということもあるがこちらの方が素晴らしかった。比べてみると、やはりガヴリリュクは70年代前半生まれ世代の「超絶技巧黄金期世代」のヴォロドス・キーシン・ルガンスキーらにほぼ遜色はない気がする(指回りでは流石に彼らに負けるが音楽性では上)。残念ながら、さらに若いトリフォノフはガヴリリュクより1段落ちる感じがする。ガヴリリュクにはぜひとも技巧が衰える前に気合いの入ったラフ3を録音して欲しいところ。
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